有価証券報告書-第34期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/24 16:39
【資料】
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【項目】
69項目

対処すべき課題

(1) 会社の経営の基本方針および中長期的な経営戦略
当社グループは、「誠実に、革新的に」のコーポレートスローガンのもと、お客さまに価値ある不動産サービスを提供することにより、ステークホルダーの満足度を高め、企業価値の向上をめざします。
また当社は、NTT-USグループが取り組む、①NTTグループの事業活動と連携した、街づくりにおける自治体・行政・企業等とのコラボレーションの推進、②NTTグループの持つ不動産・ICT・エンジニアリング等のリソースの活用、③各都市・地域の歴史や文化等の個性を活かした街づくりの実現を踏まえ、NTT-USグループにおける投資・開発推進・運営の実行主体として、NTTグループがめざす街づくりを牽引してまいります。
① オフィス事業における収益基盤の強化
オフィス事業においては、東京都心オフィスの大量供給に伴う需給悪化に対処するため、ご入居いただいているお客さまとの関係強化に取り組み、お客さま満足度を高めるなど、収益の確保に努めてまいります。また、グループCRE等の再開発事業への取組みを推進し、さらなる利益拡大に向けて取り組んでまいります。
また、戦略投資により、革新的で快適なワークプレイス(次世代オフィス)の具現化に取り組み、セキュリティ・生産性向上等のテナントニーズに応えるICTソリューションを導入することによって、オフィスビルの新たな価値の創出に取り組んでまいります。
② 商業・ホテル事業のさらなる拡大
商業事業においては、訪日外国人数の増加や消費動向の変化を捉えた取組みを具現化させております。市場の拡大が見込まれるホテル事業については、新たに回転型事業に取り組むとともに、ホテルマネジメント体制を強化し、賃貸型やMC(運営委託)型等の多様な事業モデルを展開してまいります。商業施設の運営については、モノからコトへの消費動向の変化を踏まえたテナント誘致を行い、お客さまにご満足いただける魅力的な施設づくりに努めてまいります。
また、通信局舎の活用等によってLIFORK事業(シェアオフィス事業)の展開を図り、お客さまへ新しい働き方を提案するとともに、展開先のエリアの活性化に貢献するなど、オペレーショナルアセットへの取組みを推進してまいります。
③ 住宅事業における事業領域の最適化
住宅事業においては、ライフスタイルの変化や人口動態を踏まえ、既存の事業モデルを見直し、事業領域の多様化に取り組んでまいります。分譲マンション事業においては、用地取得に向けた機能強化、コスト管理の徹底等により事業運営体制を整えるとともに、事業エリアの拡大を図り、地方都市におけるコンパクトシティ等の再開発事業への参画に向けて取組みを推進してまいります。また、回転型賃貸マンションや学生マンションに業容を拡大するほか、「つなぐTOWNプロジェクト」に代表されるサービス付き高齢者向け住宅や中古住宅リノベーション等にも引き続き取り組んでまいります。
④ グローバル事業の推進
グローバル事業においては、継続的な経済成長が見込め、市場の透明度が高い欧米等を中心に、プロジェクトに応じた最適なパートナーとのコラボレーションを通じた取組みを行い、収益基盤の拡大を図ってまいりました。今後も、同様の取組みを継続し、事業展開しているエリアにおけるプレゼンスの向上および事業の多様化に努めるとともに、保有型事業と回転型事業を組み合わせた事業推進を通じて、中長期的な利益成長に取り組んでまいります。
⑤ NTTグループ等との連携強化
NTTグループが保有する通信局舎等資産の利活用、街づくりに取り組む中で、街の課題をNTTグループのICTソリューションを活用し解決していくための下支えを行ってまいります。さらに、株式会社NTTファシリティーズとの連携等により、都市インフラの品質向上、建物の価値向上に向けたマネジメント強化に取り組み、魅力的な街づくり、街の持続的な成長に貢献してまいります。
また、地域行政との関係を深めるほか、アライアンスの強化等を通じて専門性の高い外部リソースを積極的に活用し、地域の特徴を活かした個性ある開発を推進してまいります。
⑥ 事業基盤の確立
街づくり事業の推進にあたっては、当社が関与するリート・ファンドを活用した回転型事業の拡大を通じて、キャッシュマネジメントを実施し、投資の効率化および財務バランスのコントロール等に努めてまいります。また、デジタルトランスフォーメーションの推進による業務効率化や開発力強化、安全・品質管理機能の強化に向けた組織整備等を通じて、成長基盤を支える事業運営体制の構築に取り組んでまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(2) 目標とする経営指標
当社は、中長期的な企業価値向上に向けて、複数の経営指標により多面的に経営をコントロールすることとしております。具体的には、ROIC(投下資本利益率)に着目し、資産の効率性の改善に努めるとともに、ネット有利子負債/EBITDA倍率、ネットD/Eレシオに着目し、信用力や健全な財務体質の確保を図ってまいります。