有価証券報告書-第29期(2025/07/01-2026/06/30)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高393億94百万円(前連結会計年度比16.1%増)、営業利益41億47百万円(同19.1%増)、経常利益31億35百万円(同12.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益21億29百万円(同15.1%増)となり、いずれの数値も期初の業績予想を上回ることができました。
これは、当社グループが主に不動産事業において、「ものづくり」にこだわり、東京23区、駅徒歩10分圏内での都市型賃貸マンション開発・1棟販売というビジネスを推進し販売先から高い評価を得たことに加え、建築コストの継続的な上昇の中においても、将来不安を抱えた若年層の不動産投資意欲、及び相続税対策を目的とした富裕層による需要並びにファンド・リートを含めた国内外投資家による賃貸用不動産への需要に応えることができたことによるものであります。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
(不動産事業)
不動産事業につきましては、売上高は391億57百万円(前連結会計年度比16.2%増)、セグメント利益は59億9百万円(同17.7%増)となりました。
このうち、不動産開発販売につきましては、都市型賃貸マンション等12棟541戸及び戸建・タウンハウス分譲等52戸並びに用地13件の売却等により、売上高は380億25百万円(同18.3%増)となりました。都市型賃貸マンション開発については、棟数・戸数ともに概ね期初予定通りの売上を計上することができました。また、戸建・タウンハウス分譲等につきましては、株式会社ケーナインが主に東京23区南西部等において販売したものであります。不動産仕入販売につきましては、中古賃貸マンション1棟、及び中古分譲マンション2戸の買取再販により、売上高は5億37百万円(同26.2%減)となり、その他不動産事業につきましては、不動産仲介及び不動産賃貸業等により、売上高は5億95百万円(同26.7%減)となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業につきましては、ホテルアジール東京蒲田の宿泊料等により、売上高は2億37百万円(前連結会計年度比0.4%減)、セグメント利益は39百万円(同14.5%減)となりました。これは、国内旅行需要及びインバウンドの増加等を背景に、客室単価及び客室稼働率が概ね前連結会計年度と同程度で好調に推移した一方で、前連結会計年度に比べて国内向けの販売活動に係る手数料が増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における財政状態については、総資産が前連結会計年度末に比べ167億28百万円増加した790億50百万円、負債が前連結会計年度末に比べ145億80百万円増加した595億54百万円、純資産が前連結会計年度末に比べ21億48百万円増加した194億96百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ148億86百万円増加し、686億34百万円となりました。これは主として、都内好立地のマンション用地仕入を継続するとともに、社宅需要や都心のホテル開発需要に対応した用地購入を進めたこと、及び株式会社ケーナインが積極的に戸建・タウンハウス・アパート用地等の購入を進めたことにより、棚卸資産が147億42百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ18億41百万円増加し、104億16百万円となりました。これは主として、収益物件等の購入により有形固定資産が15億81百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ15億8百万円減少し、131億61百万円となりました。これは主として、買掛金が15億76百万円増加する一方で、1年内返済予定の長期借入金が32億72百万円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ160億88百万円増加し、463億93百万円となりました。これは主として、プロジェクト用地購入に伴う借入金の増加が、物件の販売に伴う返済を上回ったことにより、長期借入金が157億47百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ21億48百万円増加し、194億96百万円となりました。これは主として、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金の合計が8億96百万円増加し、利益剰余金についても、配当金支払による8億40百万円の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益21億29百万円の計上により12億89百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び投資活動において資金が減少した一方、財務活動において資金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1億89百万円増加の115億87百万円となりました。
これは主に、積極的なプロジェクト用地及び賃貸用不動産の購入により、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなった一方で、用地購入に伴う長期借入等による収入が物件の販売に伴う長期借入金の返済による支出を上回った結果、財務活動によるキャッシュ・フローがプラスとなったことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の減少は、96億90百万円(前連結会計年度は72億79百万円の減少)となりました。これは主に、棚卸資産の増加が、税金等調整前当期純利益の計上等を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、32億32百万円(前連結会計年度は26億1百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出、及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の増加は、131億12百万円(前連結会計年度は127億70百万円の増加)となりました。これは主に、用地購入に伴う長期借入等による収入、及び新株予約権の行使による株式の発行による収入が、物件の販売に伴う長期借入金の返済及び配当金の支払等による支出を上回ったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは不動産事業及びホテル事業を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度における売上高は、期初の業績予想を上回る393億94百万円(前連結会計年度比16.1%増)となりました。
これは主に、当社が都市型賃貸マンション開発事業において高品質な「ものづくり」に強くこだわり続けたことにより、ワンルームマンション業界及び、大手不動産業者等からの高い評価を得ていることに加え、施工業者との長期的な信頼関係を背景に、当連結会計年度に予定していたすべてのプロジェクトを完工できたことによります。また、物件ごとの販売戦略を明確化し、利益の極大化に努めた結果、期初に予定していなかった数件の用地売却等について、当連結会計年度の売上計上となったこと、さらに、株式会社ケーナインにつきましても、都心のタウンハウス需要を着実に取り込むとともに、スピード感のある販売戦略により、期初の予想を超える売上計上となったことも、当連結会計年度の売上高が伸張した大きな要因であります。
b.営業利益
当連結会計年度における営業利益は、41億47百万円(前連結会計年度比19.1%増)となり、期初の業績予想を上回りました。
これは、主に、当社グループが、都心の都市型賃貸マンション開発を中核事業として、少人数体制で、「ものづくり」に拘り差別化に取り組んできた結果、大手不動産業者とパイプライン契約を締結する等、国内外の販売先・投資家から商品性について高く評価されたことによります。加えて、当連結会計年度に都心好立地で利益率の高い都市型賃貸マンションプロジェクトの引渡しが複数あったこと、及び工事原価上昇の抑制に努めたこと、さらに株式会社ケーナインの業績が好調であったことによります。なお、当社グループが重要指標とする売上総利益率は、19.9%(同0.9ポイント増)となりました。
しかしながら、開発用地の高騰と建設資材及び人件費の値上がりによる建築コストの上昇が続いており、今後も、売上総利益率を維持すべく、一層の営業努力が必要であると認識しております。
なお、販売費及び一般管理費は、グループ全体で、人員増加や給与水準アップ等の人的資本への投資、及び支払手数料並びに株主優待制度への取り組みに係る費用等の増加により、前連結会計年度比7億18百万円増加しております。
c.経常利益
当連結会計年度における経常利益は、31億35百万円(前連結会計年度比12.5%増)となりました。
当社グループは、開発プロジェクトにおける開発用地資金を金融機関からの間接金融によって賄っているため、開発プロジェクトの増加及び大型化と、建築工期を中心とした開発期間の長期化等により、営業外費用である支払利息や融資手数料が増加する傾向にあります。当連結会計年度については借入金の増加及び金利の上昇により金融関連費用は増加しておりますが、融資に関する金利等の条件は市場金利の上昇分を除けば、前連結会計年度と概ね変化なく、取引金融機関とは引き続き良好な関係を維持しており、資金調達に問題はございません。
引き続き、金融政策の動向、物価の上昇、人手不足に起因する賃金上昇等、今後の経済状況や金融機関の動きについては、十分留意してまいります。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、21億29百万円(前連結会計年度比15.1%増)となりました。これは、経常利益に特別損益項目を加減し、法人税等合計を差し引いたものであります。
前連結会計年度は、特別利益、特別損失はありませんでした。当連結会計年度は、特別利益は固定資産売却益による19百万円、特別損失は固定資産除却損及び減損損失による25百万円を計上しております。
法人税等合計については、前連結会計年度は9億37百万円、当連結会計年度は10億円でした。また、法人税等調整額は、前連結会計年度は△3億48百万円となり、利益を増加させておりましたが、当連結会計年度は21百万円となり、利益を減少させております。なお、当社では基本的な配当方針として、親会社株主に帰属する当期純利益から法人税等調整額の影響を排除した数値の40%を配当することとしております。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、主に都市型賃貸マンション開発事業又は戸建・タウンハウス分譲の開発販売事業を行うための事業計画に照らして、必要な資金を主に銀行からの長期借入により調達しております。長期借入金の返済期間は、事業計画における竣工・販売時期に対応して概ね1年~3年半であります。一時的な余資は主として安全性の高い金融資産(銀行預金)にて運用しております。
b.経営資源の配分に関する考え方
資金の流動性における最大の項目である現金及び預金については、当社は過去のリーマンショックの経験から、東京23区、駅徒歩10分圏内という当社開発用地における土地価格の下落率を最大35%と想定し、毎月の用地購入から売買契約締結前の棚卸不動産総額の35%を確保するとともに、2年分の固定経費を保持することを目安としております。
c.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要の主なものは、不動産開発販売事業における開発用地の取得及び建築工事代金等のプロジェクト資金であります。資金調達につきましては、各プロジェクトや物件ごとに取引金融機関より調達しており、調達コストの低減に留意しつつ、借入金、現金及び預金の残高を検討材料としております。
d.資金調達
当社グループは、事業活動の維持及び将来の成長のために必要な資金について、安定的かつ機動的に確保することに努めております。
当社グループは、資金調達に際して、特定の金融機関に依存することなく、多数の金融機関と良好な関係を構築する一方で、新たな金融機関との取引開始による間接金融の拡大、エクイティ等の直接金融での資金調達を実施し、資金調達の円滑化と多様化に努めております。また、主要な取引金融機関とは良好な取引関係を長期にわたり維持しており、必要な運転資金、用地購入資金等の調達に関しては問題ないと認識しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況
当社グループは大規模な経済変動に耐え得る企業であるために、キャッシュポジションの重要性を常に認識し、財務体質を強化するとともに、持続的成長と企業価値の向上を最重要項目として掲げてまいりました。
これまでの当社のビジネスモデルは、少人数かつアウトソーシングの活用を前提に、東京23区、駅徒歩10分圏内に都市型賃貸マンションの開発・1棟販売するというものでありましたが、昨今の都心土地価格高騰とプロジェクト用地の取得競争激化、さらには工事原価の上昇等の厳しい経営環境において「持続的成長」を展望するためには、事業領域の拡大が必要との考えに至りました。
この方針のもと、当社グループは2024年2月29日に株式会社ケーナインをM&Aでグループに取り込むことで、東京23区等におけるタウンハウスや戸建分譲、アパート開発事業等、事業領域の拡大が可能となりました。また、持続的成長への基盤構築に向けて、人的資本への投資を推進することで、グループ社員一人一人が活力に満ちた仕事ができるよう努めてまいりました。
こうした状況を踏まえ、当社グループは中期経営計画を策定し、2025年5月13日に「アーバネットグループ中期経営計画策定に関するお知らせ」を公表いたしました。当社グループは、この計画達成に向けて、都心好立地での都市型賃貸マンション開発を継続する一方、都心でのアパートメントホテルの開発や東京近郊での300戸を超える大型プロジェクトに取り組む等、物件を選別しつつも新しい領域に挑戦しております。また、好調が続く東京23区内のタウンハウス開発事業、国内外の富裕層の集まる地域での宿泊施設開発に着手する等、持続的成長を見据えた投資を進めております。
なお、当社の経営方針・経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標は売上総利益率であります。当連結会計年度の売上総利益率は、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.営業利益」に記載のとおり、前連結会計年度を0.9ポイント上回る19.9%となりました。これからも、引き続き売上総利益率の維持向上に努めてまいります。
当連結会計年度の実績値につきましては、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益のいずれについても、期初の業績予想を上回ることができました。
当連結会計年度における期初の予想数値に対する実績の状況を示すと、次のとおりであります。
2026年6月期につきましては、都市型賃貸マンション・戸建等販売についての販売計画は591戸でしたが、実績は593戸と概ね予定どおりとなりました。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高393億94百万円(前連結会計年度比16.1%増)、営業利益41億47百万円(同19.1%増)、経常利益31億35百万円(同12.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益21億29百万円(同15.1%増)となり、いずれの数値も期初の業績予想を上回ることができました。
これは、当社グループが主に不動産事業において、「ものづくり」にこだわり、東京23区、駅徒歩10分圏内での都市型賃貸マンション開発・1棟販売というビジネスを推進し販売先から高い評価を得たことに加え、建築コストの継続的な上昇の中においても、将来不安を抱えた若年層の不動産投資意欲、及び相続税対策を目的とした富裕層による需要並びにファンド・リートを含めた国内外投資家による賃貸用不動産への需要に応えることができたことによるものであります。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
(不動産事業)
不動産事業につきましては、売上高は391億57百万円(前連結会計年度比16.2%増)、セグメント利益は59億9百万円(同17.7%増)となりました。
このうち、不動産開発販売につきましては、都市型賃貸マンション等12棟541戸及び戸建・タウンハウス分譲等52戸並びに用地13件の売却等により、売上高は380億25百万円(同18.3%増)となりました。都市型賃貸マンション開発については、棟数・戸数ともに概ね期初予定通りの売上を計上することができました。また、戸建・タウンハウス分譲等につきましては、株式会社ケーナインが主に東京23区南西部等において販売したものであります。不動産仕入販売につきましては、中古賃貸マンション1棟、及び中古分譲マンション2戸の買取再販により、売上高は5億37百万円(同26.2%減)となり、その他不動産事業につきましては、不動産仲介及び不動産賃貸業等により、売上高は5億95百万円(同26.7%減)となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業につきましては、ホテルアジール東京蒲田の宿泊料等により、売上高は2億37百万円(前連結会計年度比0.4%減)、セグメント利益は39百万円(同14.5%減)となりました。これは、国内旅行需要及びインバウンドの増加等を背景に、客室単価及び客室稼働率が概ね前連結会計年度と同程度で好調に推移した一方で、前連結会計年度に比べて国内向けの販売活動に係る手数料が増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における財政状態については、総資産が前連結会計年度末に比べ167億28百万円増加した790億50百万円、負債が前連結会計年度末に比べ145億80百万円増加した595億54百万円、純資産が前連結会計年度末に比べ21億48百万円増加した194億96百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ148億86百万円増加し、686億34百万円となりました。これは主として、都内好立地のマンション用地仕入を継続するとともに、社宅需要や都心のホテル開発需要に対応した用地購入を進めたこと、及び株式会社ケーナインが積極的に戸建・タウンハウス・アパート用地等の購入を進めたことにより、棚卸資産が147億42百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ18億41百万円増加し、104億16百万円となりました。これは主として、収益物件等の購入により有形固定資産が15億81百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ15億8百万円減少し、131億61百万円となりました。これは主として、買掛金が15億76百万円増加する一方で、1年内返済予定の長期借入金が32億72百万円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ160億88百万円増加し、463億93百万円となりました。これは主として、プロジェクト用地購入に伴う借入金の増加が、物件の販売に伴う返済を上回ったことにより、長期借入金が157億47百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ21億48百万円増加し、194億96百万円となりました。これは主として、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金の合計が8億96百万円増加し、利益剰余金についても、配当金支払による8億40百万円の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益21億29百万円の計上により12億89百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び投資活動において資金が減少した一方、財務活動において資金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1億89百万円増加の115億87百万円となりました。
これは主に、積極的なプロジェクト用地及び賃貸用不動産の購入により、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなった一方で、用地購入に伴う長期借入等による収入が物件の販売に伴う長期借入金の返済による支出を上回った結果、財務活動によるキャッシュ・フローがプラスとなったことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の減少は、96億90百万円(前連結会計年度は72億79百万円の減少)となりました。これは主に、棚卸資産の増加が、税金等調整前当期純利益の計上等を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、32億32百万円(前連結会計年度は26億1百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出、及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の増加は、131億12百万円(前連結会計年度は127億70百万円の増加)となりました。これは主に、用地購入に伴う長期借入等による収入、及び新株予約権の行使による株式の発行による収入が、物件の販売に伴う長期借入金の返済及び配当金の支払等による支出を上回ったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは不動産事業及びホテル事業を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
| セグメント名称 | 当連結会計年度 (自 2025年7月1日 至 2026年6月30日) | |||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 前年同期比(%) | ||
| 不動産事業 | 不動産開発販売 | 38,025,189 | 96.5 | 18.3 |
| 不動産仕入販売 | 537,134 | 1.4 | △26.2 | |
| その他 | 595,122 | 1.5 | △26.7 | |
| 計 | 39,157,447 | 99.4 | 16.2 | |
| ホテル事業 | 237,361 | 0.6 | △0.4 | |
| 合計 | 39,394,808 | 100.0 | 16.1 | |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2025年7月1日 至 2026年6月30日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 三井不動産投資顧問株式会社 | 8,100,000 | 23.9 | 14,960,000 | 38.0 |
| 東急不動産株式会社 | 6,636,574 | 19.6 | 3,013,785 | 7.7 |
| ケネディクス株式会社 | 7,095,070 | 20.9 | - | - |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度における売上高は、期初の業績予想を上回る393億94百万円(前連結会計年度比16.1%増)となりました。
これは主に、当社が都市型賃貸マンション開発事業において高品質な「ものづくり」に強くこだわり続けたことにより、ワンルームマンション業界及び、大手不動産業者等からの高い評価を得ていることに加え、施工業者との長期的な信頼関係を背景に、当連結会計年度に予定していたすべてのプロジェクトを完工できたことによります。また、物件ごとの販売戦略を明確化し、利益の極大化に努めた結果、期初に予定していなかった数件の用地売却等について、当連結会計年度の売上計上となったこと、さらに、株式会社ケーナインにつきましても、都心のタウンハウス需要を着実に取り込むとともに、スピード感のある販売戦略により、期初の予想を超える売上計上となったことも、当連結会計年度の売上高が伸張した大きな要因であります。
b.営業利益
当連結会計年度における営業利益は、41億47百万円(前連結会計年度比19.1%増)となり、期初の業績予想を上回りました。
これは、主に、当社グループが、都心の都市型賃貸マンション開発を中核事業として、少人数体制で、「ものづくり」に拘り差別化に取り組んできた結果、大手不動産業者とパイプライン契約を締結する等、国内外の販売先・投資家から商品性について高く評価されたことによります。加えて、当連結会計年度に都心好立地で利益率の高い都市型賃貸マンションプロジェクトの引渡しが複数あったこと、及び工事原価上昇の抑制に努めたこと、さらに株式会社ケーナインの業績が好調であったことによります。なお、当社グループが重要指標とする売上総利益率は、19.9%(同0.9ポイント増)となりました。
しかしながら、開発用地の高騰と建設資材及び人件費の値上がりによる建築コストの上昇が続いており、今後も、売上総利益率を維持すべく、一層の営業努力が必要であると認識しております。
なお、販売費及び一般管理費は、グループ全体で、人員増加や給与水準アップ等の人的資本への投資、及び支払手数料並びに株主優待制度への取り組みに係る費用等の増加により、前連結会計年度比7億18百万円増加しております。
c.経常利益
当連結会計年度における経常利益は、31億35百万円(前連結会計年度比12.5%増)となりました。
当社グループは、開発プロジェクトにおける開発用地資金を金融機関からの間接金融によって賄っているため、開発プロジェクトの増加及び大型化と、建築工期を中心とした開発期間の長期化等により、営業外費用である支払利息や融資手数料が増加する傾向にあります。当連結会計年度については借入金の増加及び金利の上昇により金融関連費用は増加しておりますが、融資に関する金利等の条件は市場金利の上昇分を除けば、前連結会計年度と概ね変化なく、取引金融機関とは引き続き良好な関係を維持しており、資金調達に問題はございません。
引き続き、金融政策の動向、物価の上昇、人手不足に起因する賃金上昇等、今後の経済状況や金融機関の動きについては、十分留意してまいります。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、21億29百万円(前連結会計年度比15.1%増)となりました。これは、経常利益に特別損益項目を加減し、法人税等合計を差し引いたものであります。
前連結会計年度は、特別利益、特別損失はありませんでした。当連結会計年度は、特別利益は固定資産売却益による19百万円、特別損失は固定資産除却損及び減損損失による25百万円を計上しております。
法人税等合計については、前連結会計年度は9億37百万円、当連結会計年度は10億円でした。また、法人税等調整額は、前連結会計年度は△3億48百万円となり、利益を増加させておりましたが、当連結会計年度は21百万円となり、利益を減少させております。なお、当社では基本的な配当方針として、親会社株主に帰属する当期純利益から法人税等調整額の影響を排除した数値の40%を配当することとしております。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、主に都市型賃貸マンション開発事業又は戸建・タウンハウス分譲の開発販売事業を行うための事業計画に照らして、必要な資金を主に銀行からの長期借入により調達しております。長期借入金の返済期間は、事業計画における竣工・販売時期に対応して概ね1年~3年半であります。一時的な余資は主として安全性の高い金融資産(銀行預金)にて運用しております。
b.経営資源の配分に関する考え方
資金の流動性における最大の項目である現金及び預金については、当社は過去のリーマンショックの経験から、東京23区、駅徒歩10分圏内という当社開発用地における土地価格の下落率を最大35%と想定し、毎月の用地購入から売買契約締結前の棚卸不動産総額の35%を確保するとともに、2年分の固定経費を保持することを目安としております。
c.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要の主なものは、不動産開発販売事業における開発用地の取得及び建築工事代金等のプロジェクト資金であります。資金調達につきましては、各プロジェクトや物件ごとに取引金融機関より調達しており、調達コストの低減に留意しつつ、借入金、現金及び預金の残高を検討材料としております。
d.資金調達
当社グループは、事業活動の維持及び将来の成長のために必要な資金について、安定的かつ機動的に確保することに努めております。
当社グループは、資金調達に際して、特定の金融機関に依存することなく、多数の金融機関と良好な関係を構築する一方で、新たな金融機関との取引開始による間接金融の拡大、エクイティ等の直接金融での資金調達を実施し、資金調達の円滑化と多様化に努めております。また、主要な取引金融機関とは良好な取引関係を長期にわたり維持しており、必要な運転資金、用地購入資金等の調達に関しては問題ないと認識しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況
当社グループは大規模な経済変動に耐え得る企業であるために、キャッシュポジションの重要性を常に認識し、財務体質を強化するとともに、持続的成長と企業価値の向上を最重要項目として掲げてまいりました。
これまでの当社のビジネスモデルは、少人数かつアウトソーシングの活用を前提に、東京23区、駅徒歩10分圏内に都市型賃貸マンションの開発・1棟販売するというものでありましたが、昨今の都心土地価格高騰とプロジェクト用地の取得競争激化、さらには工事原価の上昇等の厳しい経営環境において「持続的成長」を展望するためには、事業領域の拡大が必要との考えに至りました。
この方針のもと、当社グループは2024年2月29日に株式会社ケーナインをM&Aでグループに取り込むことで、東京23区等におけるタウンハウスや戸建分譲、アパート開発事業等、事業領域の拡大が可能となりました。また、持続的成長への基盤構築に向けて、人的資本への投資を推進することで、グループ社員一人一人が活力に満ちた仕事ができるよう努めてまいりました。
こうした状況を踏まえ、当社グループは中期経営計画を策定し、2025年5月13日に「アーバネットグループ中期経営計画策定に関するお知らせ」を公表いたしました。当社グループは、この計画達成に向けて、都心好立地での都市型賃貸マンション開発を継続する一方、都心でのアパートメントホテルの開発や東京近郊での300戸を超える大型プロジェクトに取り組む等、物件を選別しつつも新しい領域に挑戦しております。また、好調が続く東京23区内のタウンハウス開発事業、国内外の富裕層の集まる地域での宿泊施設開発に着手する等、持続的成長を見据えた投資を進めております。
なお、当社の経営方針・経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標は売上総利益率であります。当連結会計年度の売上総利益率は、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.営業利益」に記載のとおり、前連結会計年度を0.9ポイント上回る19.9%となりました。これからも、引き続き売上総利益率の維持向上に努めてまいります。
当連結会計年度の実績値につきましては、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益のいずれについても、期初の業績予想を上回ることができました。
当連結会計年度における期初の予想数値に対する実績の状況を示すと、次のとおりであります。
| 項目 | 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 親会社株主に 帰属する 当期純利益 (百万円) | 1株当たり 当期純利益 (円) |
| 予想数値 (A) | 37,044 | 3,623 | 2,850 | 1,900 | 54.31 |
| 実績値 (B) | 39,394 | 4,147 | 3,135 | 2,129 | 58.15 |
| 差額 (B)-(A) | 2,350 | 524 | 285 | 229 | 3.84 |
| 予想比 (%) (B)/(A) | 106.3 | 114.5 | 110.0 | 112.1 | 107.1 |
2026年6月期につきましては、都市型賃貸マンション・戸建等販売についての販売計画は591戸でしたが、実績は593戸と概ね予定どおりとなりました。