有価証券報告書-第120期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による外国からの入国制限や二度にわたる緊急事態宣言発出を背景に、経済活動は急速に停滞し、企業収益の大幅な減少や雇用情勢の悪化など極めて厳しい状況で推移しました。
このような状況のなか、当社グループにおきましては、期前半は、運輸、不動産、レジャー・サービス、その他の各事業において臨時休業や営業縮小を余儀なくされ、厳しい結果となりました。夏期以降は、経済活動の再開にあわせ、各事業で感染対策を徹底し、施設営業の再開や公共交通の段階的な復便、政府の観光復興支援策「GoToキャンペーン」の効果に加え、事業環境の変化に柔軟に対応した営業施策の展開と徹底したコストコントロールに取り組んでまいりました。しかしながら、2021年1月の二度目の緊急事態宣言発出により、僅かながらも回復傾向にあった観光客の利用が再び減少し、厳しい状況となりました。
以上の結果、当連結会計年度における営業収益は30,451,499千円(対前期41.8%減)、営業損失は3,098,141千円(前期は営業利益4,492,962千円)、経常損失は3,415,355千円(前期は経常利益4,192,593千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,786,229千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1,581,818千円)となりました。
また、当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金の増加、建物及び構築物の減少などにより、前連結会計年度末に比べて1,390,984千円増加し、101,601,653千円となりました。
負債は、借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べて4,373,229千円増加し、76,919,470千円となりました。
純資産合計は、利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末に比べて2,982,245千円減少し、24,682,183千円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a 運輸業
鉄道事業につきましては、観光客の減少に合わせ、ダイヤの見直しや職員のマルチ運用を行う一方、河口湖線(富士山駅~河口湖駅)の開業70周年を記念したイベントの実施や鉄道ファン必見の乗物グッズを揃えたオンラインショップ「富士急のりもの百貨店」をオープンするなど話題と需要の喚起に努めました。また、地元の要望に応え、12月に河口湖駅に副駅名「富士河口湖温泉郷」を設定するとともに、2021年3月には地元高校との協同企画として、上大月<都留高校前>駅の駅舎リニューアルを行うなど地域と一体となった事業展開を図りました。
バス事業につきましては、乗合バス営業において、不採算路線の見直しを行うとともに、国や地元自治体の運行補助金等を活用し、地域住民の足として運行の維持に努めるなど事業の継続に努めました。また、11月には「富士急ハイランド」の顔認証システムを活用し、観光施設と周遊バスがスムーズに利用できる「顔認証周遊パス」の実証実験を行い、将来的な利便性の向上と話題の創出を図りました。
高速バス営業につきましては、運休や減便によるコスト削減を図る一方で、首都圏と富士山エリアを結ぶ路線の運行を継続し、当社グループ施設への輸送力維持に努めるとともに、11月に「新宿~富士五湖線」において、2階建てバス車両を2両導入し、輸送の効率化を図りました。
船舶事業につきましては、12月に戦国時代の甲斐武田水軍の軍船をモチーフにした河口湖遊覧船「天晴(あっぱれ)」の運航を開始し、話題の創出と集客に努めました。
安全対策につきましては、運輸安全マネジメントに基づき、各事業で安全目標、重点施策を設定するとともに、鉄道事業では、人工知能(AI)技術を活用した踏切安全性実証実験などに取り組み、安全性向上に努めました。バス事業では、国土交通省が定める指導監督指針に基づいた安全運転教育システムや通信教育(eラーニング)を活用し、乗務員教育の強化を図りました。
しかしながら、鉄道・バス・索道・タクシー・船舶全ての事業において、新型コロナウイルス感染症拡大による外国からの入国制限や外出自粛要請のほか、団体旅行に対する懸念等により、国内外の観光客の利用が大幅に減少した結果、運輸業の営業収益は8,340,715千円(対前期57.6%減)、営業損失は2,981,301千円(前期は営業利益1,993,090千円)となりました。
鉄道営業成績表(提出会社)
(注) 乗車効率算出方法
延人粁=駅間通過人員×駅間粁程
乗車効率=延人粁÷(客車走行粁×客車平均人員)×100
バス営業成績表(提出会社)
※当社御殿場営業所のバス事業を2020年10月1日付けで当社の子会社である富士急モビリティ株式会社に事業譲渡
したため、当連結会計年度の営業成績は、運輸雑収を除き2020年9月30日までのものとなります。
業種別営業成績
b 不動産業
不動産販売事業につきましては、山中湖畔別荘地で大人の趣味やこだわりに特化した「コンセプト・ヴィラ」の継続販売に加え、エリア価値向上を目的とした街区造成を行い、高価格帯の物件として新築建売別荘「フェアウェイフロント山中湖」や「ScanDホーム山中湖中区Ⅵ」の販売を開始しました。また、新しい生活様式やリモートワークを意識した“自然の中でのワークライフ”を提案し、新しい別荘ライフの販売促進に努めた結果、不動産業の営業収益は3,066,099千円(対前期3.3%増)、営業利益は790,887千円(対前期14.1%増)となりました。
業種別営業成績
c レジャー・サービス業
遊園地事業につきましては、富士急ハイランドにおいて、7月にフライトシミュレーションライド「富士飛行社」と人気アニメ「エヴァンゲリオン」とのコラボアトラクションの営業を開始したほか、8月にはトーマスランドに新アトラクション「しゅっぱつ!ハロルドのスカイパトロール」の営業を開始し、集客に努めるとともに、感染対策の徹底による安心・安全の提供と、富士山エリアの爽快な環境を積極的に発信することにより修学旅行団体の獲得を図りました。また、「新しい絶叫スタイル」の配信などSNSを活用した情報発信やオリジナルグッズを多数揃えた公式オンラインショップをオープンしたほか、2021年2月には、事前顔認証機能やデジタルマップ機能を搭載した「富士急ハイランド公式アプリ」の運用を開始するなど、デジタル技術を積極的に活用し、利便性の向上と集客に努めました。
「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」では、4月に爽快感溢れる空中散歩が楽しめる絶叫吊り橋アトラクション「風天」をオープンし、隣接する「マッスルモンスター」とともに、野外アスレチック施設として話題の創出と集客に努めました。また、「さがみ湖イルミリオン」では、人気ゲーム「ポケットモンスター」とタイアップした「ポケモンイルミネーション」を開催し、好評を博しました。
ホテル事業につきましては、「ホテルマウント富士」において、2020年2月にサウナルームをリニューアルした「満天星の湯」にサウナイベントを誘致するなど新しい客層の取り込みを図りました。
アウトドア事業につきましては、「PICA初島」において、7月に最高級グレードのバリ風コテージ「アイランドヴィラプレミア」をオープンするとともに、10月にシーフードバーベキューやアジアンフードが楽しめるテラスレストラン「ENAK(エナ)」をオープンし、コロナ禍におけるキャンプ需要の高まりを追い風に、SNS等を活用した積極的な情報発信を行うなど話題喚起と集客に努めました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、レジャー・サービス業の営業収益は16,048,446千円(対前期36.7%減)、営業損失は649,987千円(前期は営業利益1,678,069千円)となりました。
業種別営業成績
d その他の事業
富士ミネラルウォーター株式会社では、「サウナ後の“ととのい”ウォーター」をコンセプトとした新商品「サ水(さみず)」や環境負荷低減の「ラベルレスボトル」を販売するなど新たな需要の創出に努めましたが、飲食店等へのペットボトル販売が減少し、また、富士急建設株式会社の大型工事の受注や株式会社レゾナント・システムズの交通機器の販売が大幅に減少したことにより、その他の事業の営業収益は5,185,524千円(対前期34.2%減)、営業損失は230,765千円(前期は営業利益160,237千円)となりました。
業種別営業成績
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,336,957千円増加し、17,729,690千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失に対し、減価償却費などを加減した結果、2,888,989千円の資金収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得などにより、4,004,874千円の資金支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う収益環境の悪化を受け、十分な手元流動性を確保するために取引金融機関からの資金調達を実施したことなどにより4,452,842千円の資金収入となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、運輸業、不動産業、レジャー・サービス業等、広範囲かつ多種多様な事業を営んでおり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べて1,390,984千円増加し、101,601,653千円となりました。
負債は、借入金の増加などにより、前連結会計年度に比べて4,373,229千円増加し、76,919,470千円となりました。
純資産合計は、利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度に比べて2,982,245千円減少し、24,682,183千円となりました。
b 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度における営業収益は30,451,499千円(対前期41.8%減)、営業損失は3,098,141千円(前期は営業利益4,492,962千円)、経常損失は3,415,355千円(前期は経常利益4,192,593千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,786,229千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1,581,818千円)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(ⅰ)運輸業
鉄道事業・索道事業・船舶運送事業については、好調であった外国人利用客が大幅に減少したこと等により、減収となりました。
バス事業も、需要減に伴う高速バスの運休・減便の実施や、貸切バスの稼働の減少等により減収となりました。
経費面につきましては、バス車両の減車や運転士の採用抑制などにより、人件費や修繕費、減価償却費などの経費削減に努めましたが、大幅な減収により減益となりました。
(ⅱ)不動産業
賃貸事業は、旧富士急百貨店沼津ビルの閉店に伴うテナント退店等により減収となりましたが、売買・仲介斡旋事業において別荘販売が増加し、また別荘地管理事業においてメンテナンス工事受注増などにより、不動産業全体では増収となったことから、営業損益も増益となりました。
(ⅲ)レジャー・サービス業
遊園地事業について、第3四半期に富士急ハイランド及びさがみ湖プレジャ-フォレストで、GoToキャンペーンをフックとした商品の販売拡充や修学旅行等学校団体の取込みがあり増収となったものの、通期では減収となりました。
ホテル事業は、宿泊客が大きく減少したほか、飲食収入も婚礼を含む外来宴会等の減少により減収となりました。
ゴルフ及びアウトドア事業については、コロナ禍においても、一定需要を取り込みました。特にアウトドアのうちPICA FUJIYAMA、PICAさがみ湖、PICA秩父及びPICA山中湖では、通期で増収となりました。
なお、営業損益は、上期は1,308,749千円の営業赤字となり、前期比3,891,565千円の減少となりましたが、下期は658,761千円の営業黒字となり、前期比1,563,509千円の改善となっております。
(ⅳ)その他の事業
物品販売業は、富士五湖周辺への観光客の減少や、上期から休業・時短営業が続いたことに加え、10月には東名高速道路 海老名サービスエリア売店の退店もあり、減収となりました。
建設業は、主に大型工事の減少により減収となりました。
製造販売業、情報処理サービス業では、㈱レゾナント・システムズで交通機器販売が、バス事業者の買い控えにより減収となったほか、富士ミネラルウォーター㈱では飲食店の営業自粛や時短営業等の影響を受け減収となり、全体でも減収となりました。
その他、人材派遣業ではホテル清掃業務等の請負業務が減少となりました。
以上の結果、営業損益は減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは以下を財務戦略の基本方針とし、財務基盤の健全性・安定性の向上、及び資産効率の向上による連結ROA(総資産経常利益率)の向上に努めております。
・円滑な事業活動の推進及び経営環境の変化などの事業リスクへの備えとして、長期・安定資金の調達を図り、十分な水準の手元流動性を確保する。
・営業活動によるキャッシュ・フローの水準を勘案のうえ、減価償却費の範囲内を目途とし、企業価値の向上に資する設備投資を厳選して行う。
・継続的かつ安定的な剰余金の配当を行う。
a 資金調達、及び手元流動性について
資金調達については、取引金融機関から長期借入金を中心に所要資金の借入を行うほか、社債の発行、リースの活用など市場環境や調達手段のバランスを考慮したうえで、最適な方法を選択して調達を行っております。なお、当社は取引金融機関との間に総額4,000,000千円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の流動性についても確保しております。また、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)の活用による資金の一元管理により資金効率の向上を図っております。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大による収益環境の悪化を受け、取引金融機関より11,120,000千円の長期資金の借入を行ったほか、短期資金の借入を行うなど十分な手元流動性の確保に努めました。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高(連結)は金融機関借入・社債・リース債務等の合計で65,545,446千円となり、前連結会計年度末に比べ5,107,781千円増加いたしました。また現金及び現金同等物は、17,729,690千円となり、3,336,957千円増加いたしました。
b 設備投資について
設備投資については、企業価値の向上に資する安全・成長投資を行っております。
当連結会計年度の設備投資額(資金支出ベース)は、営業活動によるキャッシュ・フロー2,888,989千円の資金収入に対し、4,520,237千円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ1,339,013千円の支出の減少となりました。
c 剰余金の配当について
2021年3月期の配当金につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
以上により、当連結会計年度末の総資産は101,601,653千円となり、前連結会計年度末に比べ1,390,984千円増加いたしました。また、新型コロナウイルス感染症の影響等により経常損失を計上したことにより、連結ROA(総資産経常利益率)は前期より7.5ポイント減少し△3.4%となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものについて、新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定を含め、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による外国からの入国制限や二度にわたる緊急事態宣言発出を背景に、経済活動は急速に停滞し、企業収益の大幅な減少や雇用情勢の悪化など極めて厳しい状況で推移しました。
このような状況のなか、当社グループにおきましては、期前半は、運輸、不動産、レジャー・サービス、その他の各事業において臨時休業や営業縮小を余儀なくされ、厳しい結果となりました。夏期以降は、経済活動の再開にあわせ、各事業で感染対策を徹底し、施設営業の再開や公共交通の段階的な復便、政府の観光復興支援策「GoToキャンペーン」の効果に加え、事業環境の変化に柔軟に対応した営業施策の展開と徹底したコストコントロールに取り組んでまいりました。しかしながら、2021年1月の二度目の緊急事態宣言発出により、僅かながらも回復傾向にあった観光客の利用が再び減少し、厳しい状況となりました。
以上の結果、当連結会計年度における営業収益は30,451,499千円(対前期41.8%減)、営業損失は3,098,141千円(前期は営業利益4,492,962千円)、経常損失は3,415,355千円(前期は経常利益4,192,593千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,786,229千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1,581,818千円)となりました。
また、当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金の増加、建物及び構築物の減少などにより、前連結会計年度末に比べて1,390,984千円増加し、101,601,653千円となりました。
負債は、借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べて4,373,229千円増加し、76,919,470千円となりました。
純資産合計は、利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末に比べて2,982,245千円減少し、24,682,183千円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a 運輸業
鉄道事業につきましては、観光客の減少に合わせ、ダイヤの見直しや職員のマルチ運用を行う一方、河口湖線(富士山駅~河口湖駅)の開業70周年を記念したイベントの実施や鉄道ファン必見の乗物グッズを揃えたオンラインショップ「富士急のりもの百貨店」をオープンするなど話題と需要の喚起に努めました。また、地元の要望に応え、12月に河口湖駅に副駅名「富士河口湖温泉郷」を設定するとともに、2021年3月には地元高校との協同企画として、上大月<都留高校前>駅の駅舎リニューアルを行うなど地域と一体となった事業展開を図りました。
バス事業につきましては、乗合バス営業において、不採算路線の見直しを行うとともに、国や地元自治体の運行補助金等を活用し、地域住民の足として運行の維持に努めるなど事業の継続に努めました。また、11月には「富士急ハイランド」の顔認証システムを活用し、観光施設と周遊バスがスムーズに利用できる「顔認証周遊パス」の実証実験を行い、将来的な利便性の向上と話題の創出を図りました。
高速バス営業につきましては、運休や減便によるコスト削減を図る一方で、首都圏と富士山エリアを結ぶ路線の運行を継続し、当社グループ施設への輸送力維持に努めるとともに、11月に「新宿~富士五湖線」において、2階建てバス車両を2両導入し、輸送の効率化を図りました。
船舶事業につきましては、12月に戦国時代の甲斐武田水軍の軍船をモチーフにした河口湖遊覧船「天晴(あっぱれ)」の運航を開始し、話題の創出と集客に努めました。
安全対策につきましては、運輸安全マネジメントに基づき、各事業で安全目標、重点施策を設定するとともに、鉄道事業では、人工知能(AI)技術を活用した踏切安全性実証実験などに取り組み、安全性向上に努めました。バス事業では、国土交通省が定める指導監督指針に基づいた安全運転教育システムや通信教育(eラーニング)を活用し、乗務員教育の強化を図りました。
しかしながら、鉄道・バス・索道・タクシー・船舶全ての事業において、新型コロナウイルス感染症拡大による外国からの入国制限や外出自粛要請のほか、団体旅行に対する懸念等により、国内外の観光客の利用が大幅に減少した結果、運輸業の営業収益は8,340,715千円(対前期57.6%減)、営業損失は2,981,301千円(前期は営業利益1,993,090千円)となりました。
鉄道営業成績表(提出会社)
| 種別 | 単位 | 当連結会計年度 (2020年4月1日~2021年3月31日) | ||
| 対前期増減率(%) | ||||
| 営業日数 | 日 | 365 | - | |
| 営業粁 | 粁 | 26.6 | - | |
| 客車走行粁 | 千粁 | 1,603 | △23.3 | |
| 輸送人員 | 定期外 | 千人 | 740 | △67.8 |
| 定期 | 〃 | 962 | △26.7 | |
| 計 | 〃 | 1,703 | △52.9 | |
| 旅客運輸収入 | 定期外 | 千円 | 421,560 | △73.1 |
| 定期 | 〃 | 169,391 | △26.9 | |
| 計 | 〃 | 590,952 | △67.2 | |
| 運輸雑収 | 〃 | 113,262 | △49.6 | |
| 運輸収入合計 | 〃 | 704,215 | △65.2 | |
| 乗車効率 | % | 8.9 | △48.6 | |
(注) 乗車効率算出方法
延人粁=駅間通過人員×駅間粁程
乗車効率=延人粁÷(客車走行粁×客車平均人員)×100
バス営業成績表(提出会社)
| 種別 | 単位 | 当連結会計年度 (2020年4月1日~2021年3月31日) | |
| 対前期増減率(%) | |||
| 営業日数 | 日 | 183 | △49.9 |
| 営業粁 | 粁 | 488 | △2.6 |
| 走行粁 | 千粁 | 686 | △68.3 |
| 輸送人員 | 千人 | 270 | △82.7 |
| 旅客運輸収入 | 千円 | 229,303 | △70.8 |
| 運輸雑収 | 〃 | 1,083,868 | △25.4 |
| 運輸収入合計 | 〃 | 1,313,172 | △41.3 |
※当社御殿場営業所のバス事業を2020年10月1日付けで当社の子会社である富士急モビリティ株式会社に事業譲渡
したため、当連結会計年度の営業成績は、運輸雑収を除き2020年9月30日までのものとなります。
業種別営業成績
| 種別 | 当連結会計年度 (2020年4月1日~2021年3月31日) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 鉄道事業 | 829,166 | △62.1 |
| バス事業 | 6,081,859 | △56.7 |
| 索道事業 | 177,604 | △77.0 |
| ハイヤー・タクシー事業 | 903,506 | △50.2 |
| 船舶運送事業 | 348,578 | △58.5 |
| 営業収益計 | 8,340,715 | △57.6 |
b 不動産業
不動産販売事業につきましては、山中湖畔別荘地で大人の趣味やこだわりに特化した「コンセプト・ヴィラ」の継続販売に加え、エリア価値向上を目的とした街区造成を行い、高価格帯の物件として新築建売別荘「フェアウェイフロント山中湖」や「ScanDホーム山中湖中区Ⅵ」の販売を開始しました。また、新しい生活様式やリモートワークを意識した“自然の中でのワークライフ”を提案し、新しい別荘ライフの販売促進に努めた結果、不動産業の営業収益は3,066,099千円(対前期3.3%増)、営業利益は790,887千円(対前期14.1%増)となりました。
業種別営業成績
| 種別 | 当連結会計年度 (2020年4月1日~2021年3月31日) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 売買・仲介斡旋事業 | 505,111 | 41.8 |
| 賃貸事業 | 1,967,237 | △1.6 |
| 別荘地管理事業 | 593,750 | △3.1 |
| 営業収益計 | 3,066,099 | 3.3 |
c レジャー・サービス業
遊園地事業につきましては、富士急ハイランドにおいて、7月にフライトシミュレーションライド「富士飛行社」と人気アニメ「エヴァンゲリオン」とのコラボアトラクションの営業を開始したほか、8月にはトーマスランドに新アトラクション「しゅっぱつ!ハロルドのスカイパトロール」の営業を開始し、集客に努めるとともに、感染対策の徹底による安心・安全の提供と、富士山エリアの爽快な環境を積極的に発信することにより修学旅行団体の獲得を図りました。また、「新しい絶叫スタイル」の配信などSNSを活用した情報発信やオリジナルグッズを多数揃えた公式オンラインショップをオープンしたほか、2021年2月には、事前顔認証機能やデジタルマップ機能を搭載した「富士急ハイランド公式アプリ」の運用を開始するなど、デジタル技術を積極的に活用し、利便性の向上と集客に努めました。
「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」では、4月に爽快感溢れる空中散歩が楽しめる絶叫吊り橋アトラクション「風天」をオープンし、隣接する「マッスルモンスター」とともに、野外アスレチック施設として話題の創出と集客に努めました。また、「さがみ湖イルミリオン」では、人気ゲーム「ポケットモンスター」とタイアップした「ポケモンイルミネーション」を開催し、好評を博しました。
ホテル事業につきましては、「ホテルマウント富士」において、2020年2月にサウナルームをリニューアルした「満天星の湯」にサウナイベントを誘致するなど新しい客層の取り込みを図りました。
アウトドア事業につきましては、「PICA初島」において、7月に最高級グレードのバリ風コテージ「アイランドヴィラプレミア」をオープンするとともに、10月にシーフードバーベキューやアジアンフードが楽しめるテラスレストラン「ENAK(エナ)」をオープンし、コロナ禍におけるキャンプ需要の高まりを追い風に、SNS等を活用した積極的な情報発信を行うなど話題喚起と集客に努めました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、レジャー・サービス業の営業収益は16,048,446千円(対前期36.7%減)、営業損失は649,987千円(前期は営業利益1,678,069千円)となりました。
業種別営業成績
| 種別 | 当連結会計年度 (2020年4月1日~2021年3月31日) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 遊園地事業 | 8,997,857 | △34.5 |
| ホテル事業 | 2,800,435 | △44.0 |
| ゴルフ・スキー事業 | 1,238,370 | △22.1 |
| アウトドア事業 | 1,856,398 | △2.6 |
| その他レジャー・サービス業 | 1,155,384 | △63.0 |
| 営業収益計 | 16,048,446 | △36.7 |
d その他の事業
富士ミネラルウォーター株式会社では、「サウナ後の“ととのい”ウォーター」をコンセプトとした新商品「サ水(さみず)」や環境負荷低減の「ラベルレスボトル」を販売するなど新たな需要の創出に努めましたが、飲食店等へのペットボトル販売が減少し、また、富士急建設株式会社の大型工事の受注や株式会社レゾナント・システムズの交通機器の販売が大幅に減少したことにより、その他の事業の営業収益は5,185,524千円(対前期34.2%減)、営業損失は230,765千円(前期は営業利益160,237千円)となりました。
業種別営業成績
| 種別 | 当連結会計年度 (2020年4月1日~2021年3月31日) | |
| 営業収益(千円) | 対前期増減率(%) | |
| 物品販売業 | 935,871 | △50.9 |
| 建設業 | 1,367,253 | △20.4 |
| 製造販売業 | 1,657,235 | △32.6 |
| 情報処理サービス業 | 540,482 | △23.3 |
| その他 | 684,681 | △37.2 |
| 営業収益計 | 5,185,524 | △34.2 |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,336,957千円増加し、17,729,690千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失に対し、減価償却費などを加減した結果、2,888,989千円の資金収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得などにより、4,004,874千円の資金支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う収益環境の悪化を受け、十分な手元流動性を確保するために取引金融機関からの資金調達を実施したことなどにより4,452,842千円の資金収入となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、運輸業、不動産業、レジャー・サービス業等、広範囲かつ多種多様な事業を営んでおり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べて1,390,984千円増加し、101,601,653千円となりました。
負債は、借入金の増加などにより、前連結会計年度に比べて4,373,229千円増加し、76,919,470千円となりました。
純資産合計は、利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度に比べて2,982,245千円減少し、24,682,183千円となりました。
b 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度における営業収益は30,451,499千円(対前期41.8%減)、営業損失は3,098,141千円(前期は営業利益4,492,962千円)、経常損失は3,415,355千円(前期は経常利益4,192,593千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,786,229千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1,581,818千円)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(ⅰ)運輸業
鉄道事業・索道事業・船舶運送事業については、好調であった外国人利用客が大幅に減少したこと等により、減収となりました。
バス事業も、需要減に伴う高速バスの運休・減便の実施や、貸切バスの稼働の減少等により減収となりました。
経費面につきましては、バス車両の減車や運転士の採用抑制などにより、人件費や修繕費、減価償却費などの経費削減に努めましたが、大幅な減収により減益となりました。
(ⅱ)不動産業
賃貸事業は、旧富士急百貨店沼津ビルの閉店に伴うテナント退店等により減収となりましたが、売買・仲介斡旋事業において別荘販売が増加し、また別荘地管理事業においてメンテナンス工事受注増などにより、不動産業全体では増収となったことから、営業損益も増益となりました。
(ⅲ)レジャー・サービス業
遊園地事業について、第3四半期に富士急ハイランド及びさがみ湖プレジャ-フォレストで、GoToキャンペーンをフックとした商品の販売拡充や修学旅行等学校団体の取込みがあり増収となったものの、通期では減収となりました。
ホテル事業は、宿泊客が大きく減少したほか、飲食収入も婚礼を含む外来宴会等の減少により減収となりました。
ゴルフ及びアウトドア事業については、コロナ禍においても、一定需要を取り込みました。特にアウトドアのうちPICA FUJIYAMA、PICAさがみ湖、PICA秩父及びPICA山中湖では、通期で増収となりました。
なお、営業損益は、上期は1,308,749千円の営業赤字となり、前期比3,891,565千円の減少となりましたが、下期は658,761千円の営業黒字となり、前期比1,563,509千円の改善となっております。
(ⅳ)その他の事業
物品販売業は、富士五湖周辺への観光客の減少や、上期から休業・時短営業が続いたことに加え、10月には東名高速道路 海老名サービスエリア売店の退店もあり、減収となりました。
建設業は、主に大型工事の減少により減収となりました。
製造販売業、情報処理サービス業では、㈱レゾナント・システムズで交通機器販売が、バス事業者の買い控えにより減収となったほか、富士ミネラルウォーター㈱では飲食店の営業自粛や時短営業等の影響を受け減収となり、全体でも減収となりました。
その他、人材派遣業ではホテル清掃業務等の請負業務が減少となりました。
以上の結果、営業損益は減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは以下を財務戦略の基本方針とし、財務基盤の健全性・安定性の向上、及び資産効率の向上による連結ROA(総資産経常利益率)の向上に努めております。
・円滑な事業活動の推進及び経営環境の変化などの事業リスクへの備えとして、長期・安定資金の調達を図り、十分な水準の手元流動性を確保する。
・営業活動によるキャッシュ・フローの水準を勘案のうえ、減価償却費の範囲内を目途とし、企業価値の向上に資する設備投資を厳選して行う。
・継続的かつ安定的な剰余金の配当を行う。
a 資金調達、及び手元流動性について
資金調達については、取引金融機関から長期借入金を中心に所要資金の借入を行うほか、社債の発行、リースの活用など市場環境や調達手段のバランスを考慮したうえで、最適な方法を選択して調達を行っております。なお、当社は取引金融機関との間に総額4,000,000千円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の流動性についても確保しております。また、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)の活用による資金の一元管理により資金効率の向上を図っております。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大による収益環境の悪化を受け、取引金融機関より11,120,000千円の長期資金の借入を行ったほか、短期資金の借入を行うなど十分な手元流動性の確保に努めました。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高(連結)は金融機関借入・社債・リース債務等の合計で65,545,446千円となり、前連結会計年度末に比べ5,107,781千円増加いたしました。また現金及び現金同等物は、17,729,690千円となり、3,336,957千円増加いたしました。
b 設備投資について
設備投資については、企業価値の向上に資する安全・成長投資を行っております。
当連結会計年度の設備投資額(資金支出ベース)は、営業活動によるキャッシュ・フロー2,888,989千円の資金収入に対し、4,520,237千円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ1,339,013千円の支出の減少となりました。
c 剰余金の配当について
2021年3月期の配当金につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
以上により、当連結会計年度末の総資産は101,601,653千円となり、前連結会計年度末に比べ1,390,984千円増加いたしました。また、新型コロナウイルス感染症の影響等により経常損失を計上したことにより、連結ROA(総資産経常利益率)は前期より7.5ポイント減少し△3.4%となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものについて、新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定を含め、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。