有価証券報告書-第32期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/24 12:08
【資料】
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【項目】
92項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2022年3月31日)現在において当社が判断したものです。
(1)経営成績等の概要
①財政状態及び経営成績の状況
新型コロナウイルスの感染拡大は、当事業年度においても収束せず、それ以前の当社の事業環境を一変させました。感染拡大防止のための移動自粛という直接の影響のみならず、リモートワークの増加など働き方や生活スタイルの変化が促進され、当社線の輸送実績は大きく落ち込んだまま容易に回復しない状況が続きました。こうした状況下においても、当社は鉄道事業者の根幹である安全・安定・安心輸送の維持・継続を果たしてまいりました。
この厳しい事業環境を乗り越え、将来にわたり鉄道サービスを提供するため、当社は「コロナ禍における安全輸送の徹底と輸送動向の変化への対応~ポストコロナ社会に向けた基礎づくり~」をテーマとする「中期経営計画(2021~2023年度)」を策定し、「新型コロナウイルス感染症への対応」・「安全で安心な鉄道輸送の確立」・「充実したサービスの提供」・「経営基盤の強化」を基本方針とする「2021年度事業計画」に基づいて、様々な取り組みを進めてまいりました。
これらの推進等により、当期の輸送人員は110,610千人[前期比10.1%増、内訳は、定期73,525千人(前期比3.7%増)、定期外37,085千人(前期比25.6%増)]となりました。一日当たりの輸送人員で見ると約306千人(前期比約28千人増)と一定程度の回復が見られ、当期の鉄道事業営業収益は34,818百万円(前期比11.2%増)となりました。内訳は、定期運賃17,528百万円(前期比0.5%減)、定期外運賃15,602百万円(前期比28.7%増)、運輸雑収1,687百万円(前期比7.2%増)となりました。
しかしながら、当期も緊急事態宣言等が断続的に発出されたことにより、新型コロナウイルス感染症の影響が軽微であった2019年度決算と比較しますと輸送人員は22.7%減、鉄道事業営業収益は25.6%減の水準に留まりました。
一方、営業費は燃料調整費の上昇による動力費・水道光熱費の増加が178百万円ありましたが減価償却費の減少が658百万円あったことにより、36,998百万円(前期比0.5%減)となりました。
この結果、営業損益は、2,179百万円の損失(前期は5,851百万円の損失)となりました。また、営業外収益は95百万円(前期比21.8%増)、営業外費用は2,238百万円(前期比5.2%増)、経常損益は4,323百万円の損失(前期は7,901百万円の損失)となりました。
以上により、法人税、住民税及び事業税18百万円、法人税等調整額△10百万円を差し引くと4,331百万円の当期純損失(前期は7,964百万円の損失)となりました。
財政状態については、資産合計765,517百万円(前事業年度末比51,206百万円減)、負債合計581,099百万円(前事業年度末比46,099百万円減)、純資産合計184,417百万円(前事業年度末比5,107百万円減)となりました。
資産の減少は、主として、鉄道・運輸機構からの返済により無利子貸付金が減少したこと及び鉄道施設等の減価償却によるものであり、負債の減少は、主として、関係自治体への返済により無利子借入金が減少したこと及び鉄道・運輸機構から譲渡を受けた鉄道施設の未払金が返済により減少したことによるものです。
純資産の減少は、会計基準の変更(「収益認識に関する会計基準」)による期首残高減額修正が776百万円あったことや、当事業年度の純損失の計上によるものです。なお、固定負債の大半を占める長期未払金474,464百万円は、主として、長期割賦により譲り受けた鉄道・運輸機構への長期未払金ですが、その返済条件は、元利均等半年賦支払の方法による期間5年据置、35年償還であり、当面の財政状態は特に問題はないと考えています。
単位前事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比(%)
営業日数365365100.0
営業キロ58.358.3100.0
客車走行キロ千㎞47,00246,92799.8
輸送人員定期千人70,91673,525103.7
定期外千人29,53237,085125.6
合計千人100,448110,610110.1
旅客運輸収入定期百万円17,62117,52899.5
定期外百万円12,12015,602128.7
合計百万円29,74233,131111.4
運輸雑収百万円1,5741,687107.2
運輸収入合計百万円31,31634,818111.2
乗車効率%28.531.3109.8

(注) 乗車効率の算出方法
乗車効率=輸送人員×平均乗車キロ×100
客車走行キロ×平均定員

②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は7,862百万円となり、前事業年度に比べて1,773百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは15,113百万円となり、前事業年度に比べて6,958百万円増加しました。
これは主として、税引前当期純損益が△4,323百万円と前事業年度に比べて3,578百万円増加したこと、未払金の増減額が62百万円と前事業年度に比べて1,227百万円増加したこと、法人税等の支払額が△7百万円と前事業年度に比べて1,223百万円減少したこと、法人税等の還付額が606百万円増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは30,059百万円となり、前事業年度に比べて1,799百万円減少しました。
これは主として、収入面では、鉄道・運輸機構との間に締結した「事業費の貸付等に関する協定」に基づく鉄道・運輸機構からの貸付金回収による収入が26,669百万円と前事業年度に比べて1,754百万円減少したこと、投資有価証券の償還による収入が8,000百万円と前事業年度に比べて5,400百万円減少した一方で、支出面では、有形固定資産の取得による支出が4,464百万円と前事業年度に比べて4,742百万円減少したこと、無形固定資産の取得による支出が144百万円と前事業年度に比べて611百万円減少したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは△46,946百万円となり、前事業年度に比べて1,766百万円支出が減少しました。
これは、関係自治体が定めた「常磐新線建設資金貸付要綱」に基づく長期借入金返済による支出が26,684百万円と前事業年度に比べて1,754百万円減少したこと、また、鉄道・運輸機構との間に締結した「常磐新線の建設及び譲渡・引渡し基本協定書」に基づく長期未払金の返済による支出が20,262百万円と前事業年度に比べて12百万円減少したことによるものです。
③生産、受注及び販売の状況
当社の事業内容は、役務の提供を主たる事業としており、生産、受注及び販売の状況について、金額あるいは数量で示すことはしていません。そのため、「生産、受注及び販売の状況」は「(1)経営成績等の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の項において記載しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2022年3月31日)現在において判断したものです。
①重要な会計方針および見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、財務諸表の作成に当たっては、決算日における資産・負債および会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っています。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたっての重要な方針・見積りは、「重要な会計方針」に記載のとおりですが、そのうち見積りの重要度が高いものは以下の通りであります。
a 有形固定資産
当社では有形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しています。当社の事業セグメントは、鉄道事業のみの単一セグメントであるため、当社の経営者によって承認された事業計画を基礎として全社の営業損益を見積もり、減損の兆候の有無を判定しております。当該事業計画においては、旅客運輸収入等、経営者による重要な判断を伴う主要な仮定が含まれています。当該仮定の予測には高い不確実性を伴い、見積りと実際の営業損益に乖離が生じた場合、翌事業年度以降の計算書類において、固定資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
b 退職給付引当金
従業員の退職給付債務および費用は、割引率、昇給率、退職率、死亡率等の数理計算上の前提条件を用いて見積りを行っております。数理計算上の前提条件と実績が異なる場合または前提条件の変更があった場合には、翌事業年度以降の退職給付債務および費用に影響を与える可能性があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状
況 2 財務諸表等 注記事項 追加情報」に記載しております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の経営成績等は、「 (1)経営成績等の概要①財政状態及び経営成績の状況」の項に記載のとおりですが、当事業年度の輸送人員は、前事業年度に比べて一定程度の回復が見られ、営業収益は34,818百万円(前期比11.2%増)となりましたが、営業損益は2,179百万円の損失となり、当期純損益は4,331百万円の損失(前事業年度は7,964百万円の損失)となりました。
資本の財源及び資金の流動性については、当社は運送費、一般管理費等の営業費用の支払いや設備投資を実施しながら、主に鉄道・運輸機構への長期未払金の返済に資金を費やしています。
なお、重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりです。

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