有価証券報告書-第29期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 10:52
【資料】
PDFをみる
【項目】
98項目

有報資料

当社は、2019年度は以下の三本柱を重点施策として経営を進めて参ります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2019年3月31日)現在において当社が判断したものです。
1-1 安全で安心な鉄道輸送の確立
安全で安心な鉄道輸送の確保こそが、お客様に対する最大のサービスであるとともに、鉄道事業を主軸とする当社の経営の根幹であることは言うまでもありません。
当社の安全方針である「安全の確保はすべてに優先する」を常に意識し、お客様がより安心してご利用いただけるよう、安全性の一層の向上に向け、ハード・ソフトの両面において、引き続き取り組んでいきます。
(1) ホームの安全性の向上
当社は、全20駅のホームにホームドアを設置するなど、ホームは高い安全性を有していますが、一層の安全性の向上を図るため、以下の対策を講じていきます。
① ホームドア支障物センサーの3D化の推進
車両ドアに荷物を挟んだまま列車が出発するいわゆる「ドア挟み」に対応するため、2016年度から、駅係員によるホームドア内側の目視確認、車両ドアのドア挟み検知センサーの検知精度の検証、ホームドア支障物センサーの3D化の実証試験などに取り組んできました。これらの取組の結果を踏まえ、2018年度には、南千住駅、八潮駅、流山おおたかの森駅の3駅3ホームについて、ホームドア支障物センサーの3D化を行いました。2019年度は新御徒町駅、南流山駅の2駅3ホームでホームドア支障物センサーの3D化を実施していきます。
② ホームの延伸
お客様の増加に伴い、ホーム上が混雑して狭くなっている駅があります。
過去に混雑緩和対策として、南流山駅でホーム延伸を実施した実績を踏まえ、ホーム上の安全性を向上させるため、秋葉原駅、新御徒町駅のホーム延伸工事に着手します。また、他の混雑している駅などにおいても実施の検討を進めます。
(2) 鉄道設備等の保安度・信頼性の向上
将来にわたる安全で安心な鉄道輸送の維持には、経年使用している設備・機器類の適切な修繕・更新が欠かせません。2019年度は、以下のとおり取り組んでいきます。
① 車体・車両機器の更新
開業当初に導入した車両(30編成)は、車体の劣化が進行しています。これらの車両を安全かつ長期間安定して使用できるように、車体更新場において、屋根の絶縁塗装や窓シールの修繕など全般的な更新工事をこれまでに9編成実施しました。2019年度も引き続き実施していく予定です。このほか、車内表示器等の機器類の更新も進めていきます。
② 各種機器の修繕・更新
運行管理システム、列車無線設備等の信号・通信設備や窓口処理機等の駅務機器類の修繕・更新について継続して行います。
(3) 安全管理体制の継続的改善
2019年2月末、総合基地内で列車機能試験中の車両が所定停止位置に停止することができず、車止めに衝突し脱線する事故が発生しました。早急に原因を究明し、再発防止を図っていきます。事故・トラブル発生時の初動体制や対処方法等について、不断の検討を行い、充実・強化に努めるとともに、安全意識の高揚に取り組んでいきます。
また、鉄道安全委員会や安全統括管理者ヒアリング、安全内部監査等により、定期的な安全管理体制の見直しを行っていきます。
さらに、運輸安全マネジメント制度の勉強会や安全講話会等を継続し、安全管理体制の向上・改善に資する教育を進めていきます。
そのほか、水害対策として、荒川、綾瀬川、江戸川等の氾濫を想定したタイムライン(防災行動計画)について関係機関と連携・情報共有し、検討を深めていきます。
(4) 防災・事故対策の強化
近年、豪雨、猛暑・低温、大型台風の頻発等の異常気象に伴う自然災害が多発しています。また、首都直下地震等の発生の切迫性も高まってきています。このような中、自然災害対策に取り組んできたほか、鉄道テロ対策等にも従来から取り組んできましたが、2019年度も、以下のように、対策の強化に努めていきます。
① 新たな保守用車両の進入路の検討
当社線は、秋葉原駅からつくば駅間の全線において踏切が一つも無く、ほとんどの区間が高架及びトンネル構造であるため、安全面では非常に優れています。一方、保守作業や事故・災害発生時の復旧作業の際に、軌道内への進入箇所が限定され、作業に大きな制約を受ける状況にあります。
そこで、安全面を確保しつつ、こうした課題への対応を図るためには、保守用車両(軌陸車)の進入路の新設が有効です。現在は八潮駅付近に進入路を設置しておりますが、同様の設備を他の箇所にも設置することに向けた検討を進めます。
② 変電所火災対策
2018年度までに全ての変電所へ設置した監視カメラの的確な運用を通じ、万全の火災対策を講じていきます。
③ 帰宅困難者対策
東日本大震災の対応を教訓とした帰宅困難者対策として、広域避難場所、トイレ等の帰宅に必要な情報を掲載したウォーキングマップを各駅で配布しています。今後も、関係自治体や他の鉄道会社との連携も図りながら、災害時に備えたこれらの取組を継続していきます。
④ 多言語メガホンの配備
大規模災害発生に備え、言葉のバリアフリーによる避難誘導を図るため、多言語メガホンをこれまでに5駅で導入しました。引き続き配備を進めていきます。
⑤ 鉄道テロ対策
ラグビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピック及びG20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合※の開催を控え、「目に見える警備」を継続するとともに、警備体制の再確認を行うなど、危機管理の徹底を図ります。
※G20大阪サミットに併せて2019年6月に茨城県つくば市で開催される関係閣僚会合
(4) バリアフリー対策の推進
開業当初から全駅にエレベーター、エスカレーター等を設置し、バリアフリーに配慮した施設整備を行ってきましたが、最近の社会環境の変化を踏まえつつ、今後もお客様のご意見等を参考に、ソフト対策も含めたバリアフリーのさらなる充実に取り組んでいきます。
2019年度は、駅構内のエレベーター等の故障時や駅間に列車が停車し運転不能となった際にお体の不自由なお客様等を短時間で安全に搬送する手段として、各駅に搬送トロや可搬型電動階段昇降機の配備を進めていきます。
1-2 充実したサービスの提供
地域とともに発展し、愛される鉄道であるため、「つくばエクスプレス」の魅力を一層高めていきます。このため、輸送力の増強をはじめとした鉄道輸送サービスの利便性の一層の向上や、沿線自治体やまちづくり団体等と協働した活動などに積極的に取り組んでいきます。
(1) 輸送力の増強等
開業から14年目を迎えた現在においてもお客様が増え続け、混雑率が高まっています。こうした状況を踏まえ、以下の取組を進め、朝ラッシュ時間帯等のさらなる輸送力の増強を図ります。
① 「25本化事業」の推進
混雑緩和を図るため、朝ラッシュ時間帯1時間の最混雑区間の運行本数を、2019年度末に22本から25本に増やします。また、適切な予備車両の確保により、車両故障等による運休リスクを低減させ、一層の輸送の安定化を図ります。
2019年度は、これまで実施してきた総合基地の車両留置線の増設工事等を秋に完了いたします。また、新型車両TX-3000系5編成を年度末までに順次搬入し走行試験等を実施して、ダイヤ改正に向けた準備を進めていきます。
② ボックスシート車両のロングシート化の拡大
お客様が混雑時にスムーズに乗降いただけるよう、ボックスシートのある車両についてロングシート化を進めており、2019年度中に全て完了する予定です。
③ 「混雑の見える化」等の推進
働き方改革の一環として東京都が推進する、快適な通勤の実現を目指してテレワークや時差出勤などを呼びかける運動(時差Biz)に引き続き参加します。また、朝ラッシュ時間帯に運行している列車の車両ごとの混雑状況をお客様に提供するなどの「混雑の見える化」を推進していきます。これらにより、オフピーク通勤・通学や分散乗車を選択できる環境を整え、お客様の利便性、快適性を向上するための取組を実施していきます。
④ 一層の混雑緩和対策の検討
今後の沿線の人口動態を踏まえると、当社線の利用者の増加が見込まれます。朝ラッシュ時間帯の混雑対策として、さらなる混雑の平準化や輸送力増強などについて引き続き検討を行っていく必要があります。こうした状況を踏まえ、一層の混雑緩和に向け、8両編成化事業など多面的な検討を精力的に行い、必要な対策を進めていきます。
(2) 東京2020オリンピック・パラリンピック等を契機とした利便性の向上
東京2020オリンピック・パラリンピック等の開催を控え、ますます訪日外国人観光者が増加し、当社線の利用者も増加することが見込まれます。このため、外国の方にも快適な利用環境の整備に努めていきます。
① 多言語対応の推進
駅における行先・時刻案内表示器を、外国人のお客様にも分かりやすい設備に更新します。また、駅窓口においては、携帯通訳機を全20駅に配備します。
② 旅客トイレの高機能化
お客様に、より一層快適に駅をご利用していただくため、「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン※」も踏まえ、これまでに11駅のトイレの便座を温水洗浄便座に改修しました。2019年度中に残り9駅についても実施し、これにより全ての駅の改修を完了します。
※東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が2017年に策定した東京2020オリンピック・パラリンピックにおけるバリアフリー等に関する指針
③ ホームの待合室
お客様がホーム上で列車をお待ちいただく際に静かで快適にお過ごしいただけるよう、待ち時間の長い一部の地上駅のホーム上に、冷暖房を備えた待合室を新設します。
2018年度には研究学園駅に新設しました。2019年度についても順次実施していきます。
(3) 交流人口の拡大に向けた取組の推進
「つくばエクスプレス」がお客様に愛される鉄道であるため、また、沿線のさらなる発展のため、観光客の誘致などの交流人口の拡大に取り組んでいきます。
① 魅力ある乗車券の発売やイベントの実施
これまで、「筑波山きっぷ」、「TX東京メトロパス」、「筑波山あるキップ」などのお客様のご利用目的に応じた企画乗車券を発売してきました。また、自治体、地元観光協会、他の鉄道事業者等と連携して、スタンプラリーの開催、キャンペーン列車の運行等、沿線の魅力発信を目的とした取組を進めてきました。
2019年度も引き続き沿線の魅力発信に積極的に取り組みます。2018年度から実施している「YAMASTAスタンプラリー」を、地元観光協会や他の鉄道事業者等との連携を強化して実施するほか、「ながれやまオープンガーデン」の実施時期に合わせた東武鉄道㈱との合同ウォーキングイベント、「こども美術館列車」、「TXまつり」等の取組も継続します。また、「TX-3000系」デビューイベントやグッズ作成を行います。さらにはラグビーワールドカップ2019の事前キャンプで柏市を訪れるニュージーランド代表「オールブラックス」を地元や他事業者と連携して応援していきます。
② 多様な媒体を活用したPR活動
主要な観光地である筑波山、秋葉原、浅草をはじめとする沿線の情報については、多様な媒体を活用した発信を継続して行っています。
2019年度は、観光案内機能を備えたTXプラザ秋葉原においても沿線の魅力のPR動画を発信します。また、訪日外国人向けにSNS向けの動画やフリーペーパーなどを活用した情報発信も強化し、国内の方々だけでなく訪日外国人の方々の当社線の一層の利用促進を図ります。
(4) 沿線地域との連携の強化
自治体や関係団体などが行うまちづくりや地域振興の取組に積極的に協力していきます。
① 地域貢献活動の推進
開業13年を経て、地域に根ざした企業として、地域の様々な主体と連携した地域貢献活動を強化していきます。
2019年度は、「守谷野鳥のみち」の自然環境保全活動を通じた守谷市との連携を引き続き強化するほか、小学生を対象とする職業体験学習を実施します。また、G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合など国際的なイベントへの協力や、「健康」や「地域振興」をキーワードに沿線自治体や大学などと協力した取組を進めていきます。
このほかにも、様々なパートナーと連携した活動を模索していきます。
② 社有地の活用
2019年4月に開園の保育園(流山市)をはじめ、高架下等の社有地を活用した子育て支援施設の整備など、今後も沿線における子育てや教育しやすい環境の創出に積極的に協力していきます。
(5) 環境対策・省エネルギー化の推進
これまで、車両走行時の「惰行制御※1」や、「回生電力※2」の駅の照明用電力等への活用、余剰電力の電力会社への供給など、環境に配慮した取組を進めてきました。2019年度も、引き続き、以下の取組を進めていきます。
※1下り勾配や直線区間の一部で、電力を消費せずに慣性力で走行すること
※2列車の走行中にブレーキをかけたときなどに発生する電力
① 照明のLED化の推進
車両内及びホーム上の照明のLED化に引き続き、駅構内コンコースの照明も順次LED化を進めており、これまでに5駅で実施しました。2019年度は、秋葉原駅、浅草駅、八潮駅、流山セントラルパーク駅、みらい平駅、みどりの駅の6駅を予定しています。このほか、トンネル内照明や総合基地の留置線上の照明のLED化も推進し、消費電力の削減に取り組んでいきます。
② 環境コミュニケーション活動の推進
流山おおたかの森駅に設置している「エコPRコーナー」において、当社や地域の環境活動を広くPRするとともに、地域と連携した環境に係る「学ぼう!TX講座」を実施するなど、引き続き、環境コミュニケーション活動に取り組んでいきます。
1-3 経営基盤の強化
社会インフラ企業として、地域とともに末永く継続発展していくため、関連事業の強化や事業運営体制の充実など、経営基盤を強化していきます。
(1) 関連事業の強化
お客様の利便性やまちの魅力の向上を図るとともに、経営基盤を強化するため、引き続き、関連事業を積極的に推進していきます。
① 駅ナカ・高架下における商業施設の開発
2018年7月に、柏の葉キャンパス駅の北側高架下に、屋台風小型飲食店舗のほか、ランニングステーションも兼ね備えた商業施設「かけだし横丁」を開業しました。また、同年11月には流山おおたかの森駅に、当社の高架下商業施設の中では最大規模となる「こかげテラス」を開業するとともにIC専用改札口「こかげテラス口」を新設しました。
2019年度は駅周辺の利便性向上のため、コンビニエンスストアの新設など、新たな商業施設等の展開を検討します。
② その他関連事業の推進
駅構内への自動販売機、ATM、オープン型宅配便ロッカー等の増設や旧本社ビルの賃貸など、社有資産の有効活用を図ります。
(2) 「八潮総合事務所」の新設
保守業務の増加や新規の設備投資に対応するため、当社線全体にわたり現場業務が増加しており、現場組織体制の強化を行う必要があります。このため、八潮駅近隣の保守施設を集約し、総合基地の機能の一部を付加した「八潮総合事務所」の設置を進めていきます。これにより、保守業務等の拠点を現在の総合基地(守谷市・つくばみらい市)だけでなく二拠点化することで、保守作業の効率化やトラブル対応の迅速化等を図ります。2019年度末までに工事を完了する予定です。
(3) 次代を支える人材の確保
社員一人ひとりの成長を促す人的投資を実施するとともに、会社を支える次代の人材確保に積極的に取り組んでいきます。
① 社員の教育・訓練の充実
安全で安心な輸送サービスの継続的な提供には、設備等の充実のみならず、社員の安全意識を高めることや技術を維持することが重要です。当社では、開業当初から支えてきたベテラン世代からの世代交代が進んでいます。このため、技術・技能が着実に伝承・向上されるよう、基礎教育及び専門教育・訓練等の取組の強化を図ります。
また、通常時の基本動作のみならず、事故発生時の対応にも万全を期すため、関係機関と連携した「異常時総合訓練」、「合同消防訓練」、「テロ対策訓練」等を継続して実施します。さらに、2018年に導入した「運転シミュレータ」により着実に技術・技能を習得できるよう乗務員の訓練を継続して実施するなど、社員教育を充実していきます。
② 多様な人材の積極的採用
新卒採用においては、意欲を持った社員を確保するため、インターンシップの実施や各学校訪問、学内説明会の充実・強化と広範囲な地域を対象とした広報活動などを進めていきます。
また、高度な技能が求められる業務に関しては、必要に応じて経験や能力、技術を有する人材の確保に努めていきます。
(4) 社員がいきいきと働ける環境づくりの推進
社員の働き方に対する社会環境や意識の変化に柔軟な対応を図り、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる働きがいのある就労環境づくりをさらに推進していきます。
2019年度は、社員の福利厚生の充実や資格取得支援制度の拡充を図るとともに、「女性が活躍できる雇用環境の整備等に関する行動計画」に基づき、引き続き女性社員向け諸設備の充実と出産や子育てしやすい環境を整え、女性が働きやすい職場づくりを推進していきます。
また、活力のある職場づくりや知見の共有を図るため、社員と経営幹部が意見交換を行う「チームTXミーティング」を継続するとともに、労使間の連絡会を定期的に開催するなど、社内のコミュニケーションを充実させていきます。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。