有価証券報告書-第27期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/28 11:11
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有報資料

当社は、平成29年度は以下の三本柱を重点施策として経営を進めて参ります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(平成29年3月31日)現在において当社が判断したものです。
3-1 「安全・安定・安心輸送」の徹底
当社では、輸送の安全最優先の定着と取組の推進を図るため、安全方針や安全管理規程を定めるとともに、安全統括管理者の選任や鉄道安全委員会の設置など安全管理体制を確立し、全社一丸となって安全に対する取組を推進しております。今後とも、お客様からの信頼を一層高めるために、安全性の追求には終わりがないとの認識の下、引き続き安全・安定・安心輸送の確保こそがお客様に対する最大のサービスであり、会社経営の根本であることを社内に徹底するとともに、関連する施策に積極的に取り組んで参ります。
(1) 入出庫線複線化工事の推進
守谷駅と車両基地を結ぶ入出庫線は単線であるため、車両故障等のトラブルが発生した場合、車両基地からの入出庫ができなくなり、本線の輸送障害につながるおそれがあります。このようなリスクを低減し、安定輸送を確保するため、平成25年度に入出庫線複線化工事に着手し、工事を進めて参りました。平成29年3月時点では、軌道工事や信号・通信関係の既存設備の移設等工事が完了し、入出庫線を複線として使用開始したところです。平成29年度は、既設分岐器撤去工事や電気・通信設備の残工事を進め、年度内の完成まで安全に工事を推進して参ります。今後は、列車の入出庫に係る運行ダイヤが柔軟になり安定的な運行が可能になるので、よりお客様に安心してご利用いただける環境を提供して参ります。
(2) 車体更新場新設工事の推進
安全・安定・安心輸送には、車両の適切なメンテナンスが不可欠であり、このため、当社でも車両工場において、走行装置、ブレーキ装置等の定期検査や機器類の更新を行っております。これらに加え、経年使用により車体についても本格的な修繕等が必要な状況になっているほか、車両を長期間安定的に使用するための予防措置も必要となっております。こうした観点から、平成27年度から車両工場の隣接地において車体更新場の新設工事を進め、平成28年度までに更新場建屋工事のほか、一部の車体更新に必要な設備の設置が完了しました。平成29年度は、トラバーサー等の主要な機械設備の設置工事等を進め、年度半ばの完成に向けて工事を推進して参ります。
(3) 車体の修繕・更新
開業当初から使用している30編成の車両は、運用開始から12年が経過し、車体の劣化が進行しています。これらの車両を長期にわたり、安全かつ安定的に継続して使用していくために、平成29年度に完成する車体更新場で直ちに屋根の絶縁塗装や窓シール等の修繕を順次実施して参ります。
(4) 経年使用に伴う設備・機器の修繕・更新
将来にわたって継続して安全・安定輸送を確保していくためには、経年使用している設備・機器類の機能維持を図るための修繕・更新が必要となります。このため、(3)で記述した車体以外にも、ホームドアの制御基盤オーバーホール、車両に搭載している機器類(制御系機器電気品、車内外表示器等)、信号・通信設備(運行管理システム、発車標等)、設備集中監視システム等の修繕・更新に計画的に取り組んで参ります。このほか、券売機や改札機等からの収入や利用人員に係る情報管理システム類(駅務サーバ等)の更新にも取り組んで参ります。
(5) ドア挟み防止に向けた取組
お客様が列車に乗車される際に、お手荷物等の一部が車両ドアに挟まれたまま出発する事象が少なからず生じております。この事態を深刻に捉え、平成28年度から、駅係員によるホームドア内側の目視確認等の対策を直ちに実施したほか、車両ドアのドア挟み検知センサーの検知精度の検証やホームドアの3次元支障物センサーの実証実験などの取組を開始しました。平成29年度は、これらについての検証等を含め、引き続き、ドア挟み防止対策に努めて参ります。
(6) 防災対策等の強化
安全輸送を確保するため、また安定輸送を今後も継続してお客様へ提供するために、これまでに早期地震警報システムや防雷システム、風速計の増設・二重化等の対策を順次強化して参りました。平成29年度は、平成28年度に引き続き、列車への電気を供給するための重要設備である変電所への監視カメラの設置など変電所火災対策を進めて参ります。
このほか、東日本大震災の対応を教訓とした帰宅困難者対策として平成28年度に全駅への飲料水等の備蓄品配備を完了しました。今後も、広域避難場所、トイレ等の帰宅に必要な情報を掲載したウォーキングマップを各駅で配布するなど、関係自治体や他の鉄道会社との連携も図りつつ、災害時に備えた取組を継続して参ります。
また、鉄道テロ対策として、2019年ラグビーワールドカップや2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催による海外からの利用者が増加すること等を考慮し、警備体制を強化するなど、より一層の危機管理の向上を図って参ります。
(7) 社員の安全教育・訓練の充実
輸送の安全確保に当たっては、設備等の充実に加え、社員の安全意識の高揚や技術の維持は大きな課題です。このため、世代交代が急速に進展するなか、着実な技能の維持・向上が図られるよう計画的に教育を実施するとともに、本社各部・現業における基礎教育及び専門教育・訓練等も継続して行って参ります。
また、事故発生時における連絡通報体制、救護・避難誘導、復旧要領等を確認するとともに、各部署及び関係機関との連携の習熟を図るため、関係機関と合同で毎年実施している「異常時総合訓練」のほか、「合同消防訓練」、「防火・防災訓練」、「列車併結訓練」等についても、より実践的な訓練となるよう見直し検討を行い、社員教育の充実を図って参ります。
これらに加え、異常時における対応能力の向上を図るため、平成29年度は守谷講習室に運転シミュレーターの導入を進めて参ります。このほか、八潮駅の高架下にある事務所スペース内に訓練用の転てつ器を新たに設置し、常に取扱訓練ができるようにし、教育・訓練の充実を図って参ります。
なお、平成28年度には、同事務所スペースに訓練用の券売機や改札機等の駅務機器を配備するとともに実際のICカード等の取扱業務が行える模擬訓練環境を整備しました。これらの設備を活用しながら、今後も、業務スキルの向上を図って参ります。
3-2 良質なサービスの提供を目指して
当社は開業以来、高速性、定時性、快適性に優れた、高質な輸送サービスを提供して参りました。今後もこうした当社ならではの輸送サービスの維持・向上を図るとともに、お客様にとって利用しやすい良質なサービスの提供に努めて参ります。
(1) 輸送力増強及び安定輸送対策
これまで、輸送人員の増加に伴うラッシュ時間帯の混雑緩和対策を数次にわたり実施して参りました。一方、沿線開発の堅調な進展等により、お客様のご利用の増加が継続しています。こうした状況の下、今後も適切な輸送サービスを提供していくため以下の対策を講じて参ります。
① ボックスシートのロングシート化
つくば駅まで運行可能な交直両用車両(全23編成)では3、4号車にボックスシートを採用しています。この内の16編成について、ボックスシートをロングシートに改造し、車両定員の増加を図るとともに、お客様が混雑時にスムーズに乗降いただけるようにします。これらは、平成29年度夏までには、改造が完了した車両から順次、営業線で使用開始して参ります。
② 車両の5編成増備
交直両用車両を平成31年度中に5編成増備し、在籍車両編成数を全37編成から42編成にいたします。これにより、朝ラッシュ時間帯1時間の最混雑区間の運行本数を22本から25本に増加させ、朝ラッシュ時間帯の輸送力の増強を図ります。また、日常的な予備車両の不足が解消し、車両故障等を起因とする運休リスクを低減させることにより、一層の輸送の安定化を図ります。
平成29年度は、車両の製作とともに、車両増備に対応するために必要となる総合基地内の車両留置線の増設や変電所改良の設計などを進めます。
(2) 守谷駅追越設備新設工事の推進
守谷駅で快速列車と普通列車との乗り換えができるなど利便を向上させるため、平成25年度から新たな分岐器などを設置する追越設備の工事に着手しており、平成28年度には分岐器の敷設や電架柱設置など軌道・電気工事が完了しました。平成29年度は、電気・通信設備工事や既設分岐器撤去工事を進めるとともに、最終的な試験を進め、年度内に供用を開始します。
(3) 利便性の高い運行ダイヤへの改正
平成28年10月には、増発や区間延長、最終・始発時刻の繰り下げ・繰り上げ等のダイヤ改正を実施したところです。平成29年度は、(2)の記述のとおり、守谷駅追越設備新設工事が完了するため、これらの設備を活用した守谷駅での快速系列車と普通列車の乗継接続や乗換を含めた所要時間の短縮等、お客様にとってより利便性の高い運行ダイヤに改正します。
(4) 自動券売機の更新に伴うサービス向上
平成28年度には、開業以来初めて全駅の自動券売機を全面更新し、画面を見やすくするなどきっぷ等を購入する際の操作性を向上させるとともに、全ての自動券売機で定期券を購入できるようにするなど機能を充実しました。更に、平成29年度からは、この新型自動券売機での企画乗車券の発売を開始し、お客様へのサービスの向上を図ります。
(5) 駅施設の利便性向上
周辺の開発、まちづくりの状況も踏まえ、沿線自治体等と協調しながら、新たな商業施設やコンビニ等を展開し、駅を利用されるお客様に満足していただけるよう、ご利用しやすいサービスの実現を図って参ります。
このほか駅構内に設置している「駅構内案内板」及び出口誘導標識のリニューアルを順次進めて参ります。また、ホーム上のベンチ等の増設や旅客トイレ(温水洗浄便座の設置等)の改良を行って参ります。
更に、ご利用のお客様の意見も踏まえつつ、ソフト対策も含めたバリアフリーの充実に取り組んで参ります。
(6) 営業推進体制の強化に伴う取組
今後のライフスタイルの多様化や2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催等により、お客様のニーズの多様化などの変化が想定されます。こうした変化に対応するため、営業推進体制を強化し、以下の取組を進めて参ります。
① 利用促進に向けた取組
これまで、「筑波山きっぷ」、「TX東京メトロパス」など、お客様のご利用目的に応じた企画乗車券を発売して参りました。平成28年度も「山の日」の制定にあわせ、歩いて筑波山山頂を目指す登山愛好者や筑波山麓の散策を楽しむハイカー向けの「筑波山あるキップ」を新たに企画乗車券として発売しました。
このほか、自治体、地元観光協会、他の鉄道事業者等との連携の下、沿線の様々な観光資源についてスタンプラリーやキャンペーン列車の運行等、多様な取組を積極的に実施しております。
今後も、お客様の利用実態やニーズに即した利便性の高い企画乗車券の検討をしていくとともに、これら商品の利用促進に向けたPR活動を積極的に実施して参ります。
また、自治体、地元観光協会等との連携の下、筑波山を中心とした地域のほか、秋葉原や浅草等の沿線観光資源について、TXプラザ秋葉原やSNSの活用等、沿線内外、目的別・世代別にターゲットを絞ったPR活動を展開し、一層の利用促進を図って参ります。
② 訪日外国人旅客向けサービスの向上
訪日外国人が増加する中、当社では外国人観光客に人気のある秋葉原や浅草のほか、多数の外国人研究者・留学生を擁する研究施設・大学キャンパスが所在するつくばや柏の葉キャンパス等を有していることから、今後当社を利用される外国人の更なる増加が見込まれます。
平成28年度には、全駅の自動券売機等を6ヶ国語に対応した機器に更新し、サービス向上を図って参りました。
今後も、秋葉原駅や浅草駅等の一部の駅に導入している対話型通訳サービスや「TX Free Wi-Fi」などのサービスの拡充を図り、外国人旅客へのサービス向上に努めて参ります。
3-3 社会や地域と共存共栄を図って着実な前進を
当社は、「沿線地域との共存共栄」の理念に基づき、将来にわたって選ばれる沿線、選ばれる鉄道の実現をめざし、更なる沿線価値の向上を図るため、沿線自治体や街づくり団体等と協働した活動に積極的に取り組んで参ります。また、環境問題への取組は企業活動に必須の要件であると認識し、環境に配慮した事業運営を図って参ります。
(1) 沿線価値の向上に向けた取組
少子・高齢化や人口減少時代を迎え、沿線の観光資源の掘り起こしや健康・環境・文化をキーワードとした沿線イメージの醸成・発信など、当社及び当社沿線の強みや魅力を最大限に活かした取組が重要です。今後も、沿線自治体のほか様々なパートナーとの連携を一層深めて、地域の振興に寄与して参ります。
このほか、平成28年度には、子育て支援に力を入れている八潮市との連携の下、八潮駅の高架下に「やしお子育てほっとステーション」が開設されました。今後も、街づくりの進捗に合わせ、子育て、教育しやすい環境の創出等をはじめとした自治体等との連携による高架下等の有効活用についても積極的に進めて参ります。
(2) 環境対策・省エネルギー化の推進
低炭素社会の実現に貢献するため、車両走行時の「惰行制御」や「回生電力」を走行中の他の列車や駅の照明等の動力・電源として有効活用するだけでなく、余剰となる電力を電力会社に供給するなど、環境対策に積極的に取り組んで参りました。
平成25年度から取り組んでいる照明のLED化については、平成29年度に青井駅、六町駅、南流山駅、みらい平駅、つくば駅の5駅のホーム照明をLED化し、全20駅を完了させます。このほか、トンネル内照明のLED化を推進するとともに、総合基地の留置線上にある水銀灯のLED化に着手し、より一層の省エネ化に努めて参ります。
また、流山おおたかの森駅に設置の「エコPRコーナー」において当社や地域の環境活動を広くPRするとともに、当社の環境への取組を中心に沿線地域皆様により深く理解していただけるような機会を設けるなど、環境コミュニケーション活動に取り組んでおります。今後もこれらの活動を継続し、環境負荷低減に向けた取組を広くPRして参ります。
3-4 さらなる信頼の確保に向けて
平成29年度は、上記の三本柱を重点施策として各柱ごとに掲げた各種施策等に取り組んでいくこととしますが、社会・経済情勢をはじめとする当社を取り巻く環境の変化に応じ、これらの施策に限定することなく柔軟に事業を推進して参ります。
また、今後、さらなる安全の確保とお客様サービスの向上を図るとともに、コンプライアンス教育を充実し、社会人及び鉄道人としての意識の醸成を図るなど、原点に立ち返って基本動作・基本作業の再確認をします。
このように、日々の研鑽に努め、「安全・安定・安心輸送のTX」として皆様方のさらなる信頼をいただけるよう、全社一丸となって事業に邁進して参る所存ですので、株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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