有価証券報告書-第99期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態
当連結会計年度末の総資産は6,572億43百万円と前連結会計年度末に比べ7億40百万円の減少となりました。負債については2,273億28百万円と前連結会計年度末に比べ44億47百万円の減少となりました。また、純資産については、4,299億14百万円と前連結会計年度末に比べ37億7百万円の増加となりました。
② 経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用や所得環境の改善により、緩やかな回復基調で推移したものの、相次ぐ台風などの自然災害や消費増税、米中貿易摩擦等の影響が懸念されているところに、新型コロナウイルスの感染拡大が加わり、一段の景気後退感が強まる状況で推移いたしました。
当社グループの主要な事業にあたる輸送業界では、適正運賃収受に向けた取り組みは継続しているものの国内貨物輸送量は減少傾向が続き、一方で労働需給の逼迫による外注費の上昇や採用難などの経営課題を抱えた経営環境が継続いたしました。
このような状況のもと、当社グループは、最終年度となる中期経営計画「バリューアップ チャレンジ2020 ~成長へのテイクオフ~」の諸施策を着実に実行し、お客様へ時間価値の提供拡大などを通じて、企業価値向上に向け一丸となって邁進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は6,271億26百万円(前連結会計年度比1.4%増)となりましたが、主力の輸送事業で適正運賃収受の効果は継続したものの、特に下期の取扱貨物量減少が影響し営業利益は294億39百万円(前連結会計年度比5.7%減)、経常利益は312億47百万円(前連結会計年度比7.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は不動産譲渡に伴う固定資産売却益を特別利益として計上したこともあり、256億77百万円(前連結会計年度比21.0%増)となりました。
セグメント業績は次のとおりであります。
(輸送事業)
当事業におきましては、中期経営計画のもと、「お客様へ価値の提供」を戦略ビジョンに掲げ、お客様の課題解決に向けて、Webサービスによる時間価値や出荷業務支援の提供、ロジスティクス機能による全体最適化の提案をしてまいりました。
輸送事業の中核会社にあたる西濃運輸株式会社では、「継続的な」「価値提供」のために適正運賃収受を行うとともに、路線便のダイヤグラム化による安定した輸送ネットワークの提供や、受発注から請求支払までの取引業務をデジタル化する電子データ交換の提案によりお客様の業務効率化や利便性向上に繋げることで、新規荷主の獲得とその継続性をはじめとする取扱貨物の確保に注力してまいりました。
一方、長距離路線便の一部を鉄道やフェリーによる輸送に切り替えるモーダルシフトの拡大や、ダブル連結トラック、AI搭載の大型ハイブリッドトラックの導入など車両の大型化・省力化に取り組み、運び方改革を推進することで労働力不足に対応するとともに、環境負荷軽減にも繋げESGにも取り組んでまいりました。
さらに、労働人口減少下における人材確保のため、免許取得補助制度や従業員に対する株式給付信託(J-ESOP)の導入など福利厚生の充実を図るとともに、ゴールデンウィークやお盆、年末年始における年次有給休暇を組み込んだ長期休暇を導入するなど、働き方改革による労働時間の短縮や業務負担の軽減を行ってまいりました。
拠点展開では、西濃運輸株式会社において成田支店(千葉県成田市)の新設、大阪西支店(大阪市港区)の増築、STC行徳(社員寮61戸:千葉県市川市)の新設、セイノースーパーエクスプレス株式会社において社貨物センター(兵庫県加東市)の拡張移転を行っております。
この結果、売上高は4,664億73百万円(前連結会計年度比0.9%増)となり、営業利益は233億39百万円(前連結会計年度比4.6%減)となりました。
(自動車販売事業)
当事業中、乗用車販売におきましては、地域ナンバー“ワン”に向けた店舗のリニューアルやサービス体制の充実により一層のCS向上を目指してまいりました。また、サポートカーを中心としたキャンペーン等の展開や、残価型割賦販売の活用による早期代替提案、新型車の投入効果を活かした営業展開により、新車販売台数は前年同期実績を上回る結果となりました。一方、中古車販売においては、下取り車の減少の影響もあり、販売台数は前年同期実績を下回りました。サービス部門は車検や整備入庫に加え、メンテナンスパックやボディーコート等の繰返し入庫につながる商品の販売促進を図ることで、収益の確保に努めてまいりました。
トラック販売におきましては、増客活動と保有台数の増加を図るために拡販に努めましたが、小型トラックの需要が一巡したこともあって、国内の新車販売台数は前年同期実績を下回りました。
拠点展開では、ネッツトヨタ岐阜株式会社において真正店(岐阜県本巣市)の全面改修、岐阜日野自動車株式会社において安八営業所整備工場(岐阜県安八町)および大垣支店(岐阜県大垣市)の全面改修を行っております。
この結果、売上高は1,046億64百万円(前連結会計年度比2.4%増)となり、営業利益は43億53百万円(前連結会計年度比10.3%減)となりました。
(物品販売事業)
当事業におきましては、燃料や紙・紙製品に代表される物品の販売を行っております。燃料販売における販売単価の下落の影響もあり、売上高は328億67百万円(前連結会計年度比1.9%減)となり、営業利益は8億70百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
当事業におきましては、主に都市開発の影響や狭隘化などの理由で代替化措置を図ったトラックターミナル跡地や店舗跡地などを賃貸マンション等として運用をしております。
その結果、売上高は17億32百万円(前連結会計年度比4.9%増)、営業利益は13億82百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。
(その他)
当事業におきましては、情報関連事業、住宅販売業、建築工事請負業、タクシー業および労働者派遣業などを行っております。売上高は213億89百万円(前連結会計年度比15.2%増)となり、営業利益は6億88百万円(前連結会計年度比23.7%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ49億80百万円減少し、934億81百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ130億44百万円減少し、349億63百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額が増加し、仕入債務の増減額が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ44億77百万円減少し、180億52百万円となりました。これは主に、譲渡性預金の払戻による収入が減少したものの、旧東京支店の土地売却に伴い、有形及び無形固定資産の売却による収入が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ147億28百万円増加し、219億21百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が増加したこと等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの扱う輸送商品及び販売品目は広範囲かつ多種多様であり、セグメントごとに画一的に表示することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の実績については、「② 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は6,572億43百万円と前連結会計年度末に比べ7億40百万円(0.1%)の減少となりました。流動資産の残高は2,498億31百万円と前連結会計年度末に比べ18億51百万円(0.7%)減少しました。固定資産売却益の増加により現金及び預金が増加したものの、譲渡性預金の払戻により有価証券が減少したことなどが主な要因であります。固定資産の残高は4,074億12百万円と前連結会計年度末に比べ11億11百万円(0.3%)の増加となりました。時価の下落等により投資有価証券が減少したものの、西濃運輸株式会社において成田支店(千葉県成田市)の新設や大阪西支店(大阪市港区)の増築などの設備投資により有形固定資産が増加したことなどが主な要因であります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は2,273億28百万円と前連結会計年度末に比べ44億47百万円(1.9%)の減少となりました。流動負債の残高は1,174億57百万円と前連結会計年度末に比べ129億円(9.9%)の減少となりました。前連結会計年度末が銀行休日であった影響により営業未払金及び買掛金が減少したことや、未払法人税等が減少したことなどが主な要因であります。固定負債の残高は1,098億71百万円と前連結会計年度末に比べ84億52百万円(8.3%)の増加となりました。「株式給付信託(J-ESOP)」の導入により株式給付引当金が増加したことや、退職給付に係る負債が増加したことなどが主な要因であります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産の残高は4,299億14百万円と前連結会計年度末に比べ37億7百万円(0.9%)の増加となりました。自己株式の取得により自己株式が増加したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどが主な要因であります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は6,271億26百万円と前連結会計年度に比べ86億89百万円(1.4%)の増加となりました。輸送事業においては、適正運賃収受に向けた取り組みの効果により運賃単価が上昇したことなどから、売上高は4,664億73百万円(前連結会計年度比0.9%増)となりました。自動車販売事業ではトラック販売においては小型トラックの需要が一巡したこともあり国内新車販売台数が減少したものの、乗用車販売においては残価型割賦販売の活用による早期代替提案や新型車の投入効果などにより新車販売台数が増加したことなどから、売上高は1,046億64百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。物品販売事業においては、燃料販売において販売単価が下落したことなどから、売上高は328億67百万円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。また、不動産賃貸事業では、売上高は17億32百万円(前連結会計年度比4.9%増)、その他の売上高は213億89百万円(前連結会計年度比15.2%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は294億39百万円と前連結会計年度に比べ17億69百万円(5.7%)減少しました。特に、輸送事業においては、外注費や人件費の増加により、営業利益は233億39百万円(前連結会計年度比4.6%減)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の経常利益は312億47百万円と前連結会計年度に比べ23億81百万円(7.1%)減少しました。営業利益が減少したことや、持分法投資損失が増加したことなどが主な要因であります。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は256億77百万円と前連結会計年度に比べ44億60百万円(21.0%)増加しました。経常利益が減少したことや、特別損失において「株式給付信託(J-ESOP)」の導入により株式給付引当金繰入額が増加したことに加え、法人税等調整額が増加したものの、特別利益において固定資産売却益が増加したことなどが主な要因であります。
なお、新型コロナウイルス感染症への当社グループ業績に対する影響は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれにおいても、また、全てのセグメントにおいても軽微であったと判断しております。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な視点から持続的に事業の成長、収益力及び資本効率の向上を図る方針で経営を進めております。こうした観点から、売上高、営業利益及びROEを重要な経営指標と位置付け、これらの持続的向上を中長期的な経営目標として、株主価値の持続的な向上に努めてまいります。
中期経営計画「バリューアップ チャレンジ 2020 ~成長へのテイクオフ~」の2019年度の目標である売上高6,090億円、営業利益300億円、ROE 5.0%に対して、当連結会計年度の売上高は6,271億26百万円、営業利益294億39百万円、ROE 6.1%となっており、売上高及びROEにおいては目標を達成しましたが、営業利益においては未達成となっております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
資金の財源に関しましては、自己資金を充当することを原則としておりますが、当面の資金需要と設備投資計画に照らして、必要な資金を金融機関からの借入金及び社債等により調達しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、934億81百万円となっており、有利子負債残高は221億29百万円となっております。
当社グループは、グループ全体の資金を有効活用するため、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、連結子会社の支払代行業務を行っている他、各連結子会社の報告に基づき、グループにおける重要な資金繰りの予定について当社で把握しております。また、一時的な資金の不足については、取引銀行より当座借越枠を含め、十分な借入金の与信枠の設定を受けており、支払期日に支払を実行できなくなるリスクを回避し、必要資金を適時に確保するための管理体制を整えております。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の不安定な状況を考え、財務安全性確保の目的で複数の金融機関との間に総額500億円のコミットメントラインを設定したほか、普通社債600億円の発行登録を行い、影響が長引いた場合に機動的に資金調達を行える環境を整えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。特に、以下の項目については、重要な会計上の見積りが必要と判断しております。
輸送事業における関東運輸株式会社では、当連結会計年度末において多額ののれん(113億67百万円)を計上しております。のれんの減損の判定にあたっては、株式取得時の経緯等に鑑み、関東運輸株式会社及びその子会社(以下、関東運輸グループ)で資産のグルーピングを行うことが適切と判断しております。関東運輸グループにおいては、継続して営業損失を計上しており、減損の兆候が発生しております。減損の認識の判定にあたり、関東運輸グループの資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と資産グループの帳簿価額を比較し、割引前将来キャッシュ・フローの総額が資産グループの帳簿価額を上回っていることから減損損失は認識しておりません。この割引前将来キャッシュ・フローの算定にあたっては、過去の実績、会計上の見積り時点において入手可能な外部機関の客観的データ及び新型コロナウイルスの収束の時期等を考慮し、将来の合理的で説明可能な仮定及び予測に基づく最善の見積りと判断により決定しております。これらの見積りには高い不確実性を伴い、市場環境の変化等により影響を受ける可能性があり、仮定や見積りの変更が必要となった場合、認識される減損損失の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。