有価証券報告書-第100期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度より会計方針の変更を行っており、遡及適用後の数値で比較分析を行っております。なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態
当連結会計年度末の総資産は6,722億47百万円と前連結会計年度末に比べ177億14百万円の増加となりました。負債については2,496億13百万円と前連結会計年度末に比べ278億93百万円の増加となりました。また、純資産については、4,226億34百万円と前連結会計年度末に比べ101億78百万円の減少となりました。
② 経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国内においても2度の緊急事態宣言が発令されるなど経済活動が抑制され、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社グループの主要な事業にあたる輸送業界では、コロナ禍での働き方や消費スタイルの変化によるEC市場の拡大に伴い宅配貨物の増加がみられたものの、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞により国内貨物輸送量は減少傾向が続き、厳しい経営環境となりました。
このような状況のもと、当社グループは、今年度を初年度とする3ヵ年中期経営方針「『Connecting our values』~すべてはお客様の繁栄のために~」のもと、お客様の課題解決に向けた価値提供やロジスティクスなどの成長分野への集中投資を通じて、企業価値向上に向け一丸となって邁進してまいりました。
また、2020年8月31日付で、ニューノーマル時代のto Cネットワークの変化に伴う「置き配サービス」に対応するため、株式会社リビングプロシードを子会社化しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は5,920億46百万円(前連結会計年度比5.4%減)、営業利益は245億60百万円(前連結会計年度比17.3%減)、経常利益は277億51百万円(前連結会計年度比11.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は166億60百万円(前連結会計年度比35.5%減)となりました。
セグメント業績は次のとおりであります。
(輸送事業)
当事業におきましては、中期経営方針のもと、お客様の輸送における困りごとを解決するため、Webから入力するだけで、パレットサイズから1車貸し切り単位まで貨物量に見合った最適なサービスをワンストップで提供する「セイノー輸送なびPro」を開始し、着実に実績を上げてまいりました。
輸送事業の中核会社である西濃運輸株式会社では、コロナ禍での経済活動の停滞により取扱貨物量が大幅に減少する中、蓄積した業種別の実績データ分析による好調業種への積極的な渉外や、渉外履歴を含む顧客情報を一元管理する「顧客カルテシステム」を活用し、取扱貨物量の確保に取り組んでまいりました。
一方で、取扱貨物量に相関するよう費用の最適化を行い、中でも積載量が落ち込んでいる運行コースの減便を実施するなど、路線便の見直しを継続してまいりました。
また、労働環境改善のための拠点リニューアルも継続するなど、社員のES向上に努めてまいりました。
拠点展開では、西濃運輸株式会社において深川支店(東京都江東区)、セイノースーパーエクスプレス株式会社において山形営業所(山形県山形市)の新設を行っております。
この結果、売上高は4,410億90百万円(前連結会計年度比5.4%減)、営業利益は183億75百万円(前連結会計年度比21.3%減)となりました。
(自動車販売事業)
当事業中、乗用車販売におきましては、コロナ禍において乗用車販売市場が縮小する中、サポートカーを中心としたキャンペーンなどの展開や、残価型割賦販売の活用による早期代替提案、新型車の投入効果を活かした営業を展開してまいりました。また、トヨタ車の全車種併売化をチャンスと捉えた新たな客層への積極的な渉外活動により、通期での新車販売台数は前年同期実績を下回ったものの、下半期においては前年実績を上回る結果となりました。中古車販売においても、下半期において小売販売台数が前年同期実績を上回るまで回復しました。サービス部門は車検や整備入庫に加え、メンテナンスパックやボディーコートなどの繰返し入庫につながる商品の販売促進を図ることで、収益の確保に努めてまいりました。
トラック販売におきましては、増客活動と保有台数の増加を図るために拡販に努めましたが、国内の新車販売台数はコロナ禍のキャンセルや前年の環境規制対応の特需などの影響もあり前年同期実績を下回りました。
一方で、鈑金塗装工場の活用と岐阜日野自動車株式会社安八営業所整備工場に車検レーンを増設したことにより外注業務の内製化を進め、整備利益の確保に繋げてまいりました。
拠点展開では、地域ナンバー“ワン”に向けトヨタカローラ岐阜株式会社において、下呂店(岐阜県下呂市)サービス工場の改築とネッツトヨタ岐阜株式会社下呂店との統合、大垣北店(岐阜県大垣市)サービス工場の改築、滋賀日野自動車株式会社において新車センター(滋賀県栗東市)の新設を行っております。
この結果、売上高は983億33百万円(前連結会計年度比4.7%減)となり、営業利益は47億80百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。
(物品販売事業)
当事業におきましては、燃料や紙・紙製品に代表される物品の販売を行っております。燃料販売における販売単価の下落の影響もあり、売上高は310億34百万円(前連結会計年度比5.6%減)、営業利益は7億32百万円(前連結会計年度比15.9%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
当事業におきましては、主に都市開発の影響や狭隘化などの理由で代替化措置を図ったトラックターミナル跡地や店舗跡地などを賃貸マンションなどとして運用をしております。
その結果、売上高は18億64百万円(前連結会計年度比7.7%増)、営業利益は14億94百万円(前連結会計年度比8.1%増)となりました。
(その他)
当事業におきましては、情報関連事業、住宅販売業、建築工事請負業、タクシー業および労働者派遣業などを行っております。売上高は197億22百万円(前連結会計年度比7.8%減)、営業利益は4億85百万円(前連結会計年度比29.4%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ2億1百万円増加し、936億83百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は,前連結会計年度に比べ37億21百万円増加し、386億85百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ99億13百万円増加し、279億66百万円となりました。これは主に、有価証券の償還による収入が増加したものの、有形及び無形固定資産の売却による収入が減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ114億30百万円減少し、104億90百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が増加したものの、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入が増加したこと等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの扱う輸送商品及び販売品目は広範囲かつ多種多様であり、セグメントごとに画一的に表示することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の実績については、「② 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は6,722億47百万円と前連結会計年度末に比べ177億14百万円(2.7%)の増加となりました。流動資産の残高は2,427億11百万円と前連結会計年度末に比べ56億20百万円(2.3%)減少しました。自己株式や有形固定資産の取得により現金及び預金が減少したことなどが主な要因であります。固定資産の残高は4,295億36百万円と前連結会計年度末に比べ233億35百万円(5.7%)の増加となりました。西濃運輸株式会社において千葉県市川市の土地の購入や深川支店の新築などの設備投資により有形固定資産が増加したこと、時価の上昇等により投資有価証券が増加したことなどが主な要因であります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は2,496億13百万円と前連結会計年度末に比べ278億93百万円(12.6%)の増加となりました。流動負債の残高は1,109億93百万円と前連結会計年度末に比べ5億89百万円(0.5%)の減少となりました。短期借入金が増加したものの、未払法人税等が減少したことなどが主な要因であります。固定負債の残高は1,386億20百万円と前連結会計年度末に比べ284億82百万円(25.9%)の増加となりました。転換社債型新株予約権付社債を発行したことや、退職給付に係る負債が増加したことなどが主な要因であります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産の残高は4,226億34百万円と前連結会計年度末に比べ101億78百万円(2.4%)の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことや、時価の上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したものの、自己株式の取得により自己株式が増加したことなどが主な要因であります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は5,920億46百万円と前連結会計年度に比べ335億80百万円(5.4%)の減少となりました。輸送事業においては、適正運賃収受に向けた取り組みの効果により運賃単価が上昇したものの、コロナ禍での経済活動の停滞により取扱貨物量が減少したことなどから、売上高は4,410億90百万円(前連結会計年度比5.4%減)となりました。自動車販売事業では乗用車販売において新車販売台数が上半期に前年実績を下回ったこと、トラック販売においてコロナ禍のキャンセルや前年の環境規制対応の特需などの影響もあり国内の新車販売台数が前年同期実績を下回ったことなどから、売上高は983億33百万円(前連結会計年度比4.7%減)となりました。物品販売事業においては、燃料販売において販売単価が下落したことなどから、売上高は310億34百万円(前連結会計年度比5.6%減)となりました。また、不動産賃貸事業では、売上高は18億64百万円(前連結会計年度比7.7%増)、その他の売上高は197億22百万円(前連結会計年度比7.8%減)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は245億60百万円と前連結会計年度に比べ51億36百万円(17.3%)の減少となりました。特に輸送事業においては、運行便の減便や近距離帯において自社車両の回転を上げることなどにより外注費が減少したものの、売上高が減少したことなどにより営業利益は183億75百万円(前連結会計年度比21.3%減)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の経常利益は277億51百万円と前連結会計年度に比べ37億53百万円(11.9%)の減少となりました。雇用調整助成金や受取配当金が増加したものの、営業利益が減少したことなどが主な要因であります。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は166億60百万円と前連結会計年度に比べ91億87百万円(35.5%)の減少となりました。特別損失において株式給付引当金繰入額が減少したことに加え、法人税、住民税及び事業税が減少したものの、経常利益が減少したこと、特別利益において固定資産売却益が減少したことなどが主な要因であります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な視点から持続的に事業の成長、収益力及び資本効率の向上を図る方針で経営を進めております。こうした観点から、売上高、営業利益及びROEを重要な経営指標と位置付け、これらの持続的向上を中長期的な経営目標として、株主価値の持続的な向上に努めてまいります。
2020年度を初年度とする中期経営方針「『Connecting our values』~すべてはお客様の繁栄のために~」においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により先行きの不透明さが顕著であり、2020年度の目標は業績予想の数字としております。2020年度の業績予想である売上高5,620億円、営業利益133億円に対して、当連結会計年度の売上高は5,920億46百万円、営業利益245億60百万円となっており、売上高、営業利益ともに業績予想を上回りました。また、ROEは3.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
資金の財源に関しましては、自己資金を充当することを原則としておりますが、当面の資金需要と設備投資計画に照らして、必要な資金を金融機関からの借入金及び社債等により調達しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、936億83百万円となっており、有利子負債残高は236億99百万円、無利息の転換社債型新株予約権付社債残高は252億50百万円となっております。
当社は、額面総額250億円の2026年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を2021年3月に発行しました。調達資金の使途については、2023年末までにロジ・トランス施設(トラックターミナルとロジスティクス施設を一体化させた施設)の建設及び建設用地取得等の、輸送事業における国内の設備投資資金に充当する予定であります。
当社グループは、グループ全体の資金を有効活用するため、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、連結子会社の支払代行業務を行っている他、各連結子会社の報告に基づき、グループにおける重要な資金繰りの予定について当社で把握しております。また、一時的な資金の不足については、取引銀行より当座借越枠を含め、十分な借入金の与信枠の設定を受けており、支払期日に支払を実行できなくなるリスクを回避し、必要資金を適時に確保するための管理体制を整えております。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の不安定な状況を考え、財務安全性確保の目的で普通社債600億円の発行登録を行い、影響が長引いた場合に機動的に資金調達を行える環境を整えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としており、重要なものは以下の通りとなります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う影響につきましては、翌連結会計年度以降、当社グループの経営環境に及ぼす影響は限定的であり、会計上の見積りへの重要な影響はないものと判断しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討してまいりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(退職給付債務及び退職給付費用)
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定しております。割引率やその他の見積りの変更は、将来の退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいて課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態
当連結会計年度末の総資産は6,722億47百万円と前連結会計年度末に比べ177億14百万円の増加となりました。負債については2,496億13百万円と前連結会計年度末に比べ278億93百万円の増加となりました。また、純資産については、4,226億34百万円と前連結会計年度末に比べ101億78百万円の減少となりました。
② 経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国内においても2度の緊急事態宣言が発令されるなど経済活動が抑制され、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社グループの主要な事業にあたる輸送業界では、コロナ禍での働き方や消費スタイルの変化によるEC市場の拡大に伴い宅配貨物の増加がみられたものの、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞により国内貨物輸送量は減少傾向が続き、厳しい経営環境となりました。
このような状況のもと、当社グループは、今年度を初年度とする3ヵ年中期経営方針「『Connecting our values』~すべてはお客様の繁栄のために~」のもと、お客様の課題解決に向けた価値提供やロジスティクスなどの成長分野への集中投資を通じて、企業価値向上に向け一丸となって邁進してまいりました。
また、2020年8月31日付で、ニューノーマル時代のto Cネットワークの変化に伴う「置き配サービス」に対応するため、株式会社リビングプロシードを子会社化しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は5,920億46百万円(前連結会計年度比5.4%減)、営業利益は245億60百万円(前連結会計年度比17.3%減)、経常利益は277億51百万円(前連結会計年度比11.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は166億60百万円(前連結会計年度比35.5%減)となりました。
セグメント業績は次のとおりであります。
(輸送事業)
当事業におきましては、中期経営方針のもと、お客様の輸送における困りごとを解決するため、Webから入力するだけで、パレットサイズから1車貸し切り単位まで貨物量に見合った最適なサービスをワンストップで提供する「セイノー輸送なびPro」を開始し、着実に実績を上げてまいりました。
輸送事業の中核会社である西濃運輸株式会社では、コロナ禍での経済活動の停滞により取扱貨物量が大幅に減少する中、蓄積した業種別の実績データ分析による好調業種への積極的な渉外や、渉外履歴を含む顧客情報を一元管理する「顧客カルテシステム」を活用し、取扱貨物量の確保に取り組んでまいりました。
一方で、取扱貨物量に相関するよう費用の最適化を行い、中でも積載量が落ち込んでいる運行コースの減便を実施するなど、路線便の見直しを継続してまいりました。
また、労働環境改善のための拠点リニューアルも継続するなど、社員のES向上に努めてまいりました。
拠点展開では、西濃運輸株式会社において深川支店(東京都江東区)、セイノースーパーエクスプレス株式会社において山形営業所(山形県山形市)の新設を行っております。
この結果、売上高は4,410億90百万円(前連結会計年度比5.4%減)、営業利益は183億75百万円(前連結会計年度比21.3%減)となりました。
(自動車販売事業)
当事業中、乗用車販売におきましては、コロナ禍において乗用車販売市場が縮小する中、サポートカーを中心としたキャンペーンなどの展開や、残価型割賦販売の活用による早期代替提案、新型車の投入効果を活かした営業を展開してまいりました。また、トヨタ車の全車種併売化をチャンスと捉えた新たな客層への積極的な渉外活動により、通期での新車販売台数は前年同期実績を下回ったものの、下半期においては前年実績を上回る結果となりました。中古車販売においても、下半期において小売販売台数が前年同期実績を上回るまで回復しました。サービス部門は車検や整備入庫に加え、メンテナンスパックやボディーコートなどの繰返し入庫につながる商品の販売促進を図ることで、収益の確保に努めてまいりました。
トラック販売におきましては、増客活動と保有台数の増加を図るために拡販に努めましたが、国内の新車販売台数はコロナ禍のキャンセルや前年の環境規制対応の特需などの影響もあり前年同期実績を下回りました。
一方で、鈑金塗装工場の活用と岐阜日野自動車株式会社安八営業所整備工場に車検レーンを増設したことにより外注業務の内製化を進め、整備利益の確保に繋げてまいりました。
拠点展開では、地域ナンバー“ワン”に向けトヨタカローラ岐阜株式会社において、下呂店(岐阜県下呂市)サービス工場の改築とネッツトヨタ岐阜株式会社下呂店との統合、大垣北店(岐阜県大垣市)サービス工場の改築、滋賀日野自動車株式会社において新車センター(滋賀県栗東市)の新設を行っております。
この結果、売上高は983億33百万円(前連結会計年度比4.7%減)となり、営業利益は47億80百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。
(物品販売事業)
当事業におきましては、燃料や紙・紙製品に代表される物品の販売を行っております。燃料販売における販売単価の下落の影響もあり、売上高は310億34百万円(前連結会計年度比5.6%減)、営業利益は7億32百万円(前連結会計年度比15.9%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
当事業におきましては、主に都市開発の影響や狭隘化などの理由で代替化措置を図ったトラックターミナル跡地や店舗跡地などを賃貸マンションなどとして運用をしております。
その結果、売上高は18億64百万円(前連結会計年度比7.7%増)、営業利益は14億94百万円(前連結会計年度比8.1%増)となりました。
(その他)
当事業におきましては、情報関連事業、住宅販売業、建築工事請負業、タクシー業および労働者派遣業などを行っております。売上高は197億22百万円(前連結会計年度比7.8%減)、営業利益は4億85百万円(前連結会計年度比29.4%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ2億1百万円増加し、936億83百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は,前連結会計年度に比べ37億21百万円増加し、386億85百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ99億13百万円増加し、279億66百万円となりました。これは主に、有価証券の償還による収入が増加したものの、有形及び無形固定資産の売却による収入が減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ114億30百万円減少し、104億90百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が増加したものの、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入が増加したこと等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの扱う輸送商品及び販売品目は広範囲かつ多種多様であり、セグメントごとに画一的に表示することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の実績については、「② 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は6,722億47百万円と前連結会計年度末に比べ177億14百万円(2.7%)の増加となりました。流動資産の残高は2,427億11百万円と前連結会計年度末に比べ56億20百万円(2.3%)減少しました。自己株式や有形固定資産の取得により現金及び預金が減少したことなどが主な要因であります。固定資産の残高は4,295億36百万円と前連結会計年度末に比べ233億35百万円(5.7%)の増加となりました。西濃運輸株式会社において千葉県市川市の土地の購入や深川支店の新築などの設備投資により有形固定資産が増加したこと、時価の上昇等により投資有価証券が増加したことなどが主な要因であります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は2,496億13百万円と前連結会計年度末に比べ278億93百万円(12.6%)の増加となりました。流動負債の残高は1,109億93百万円と前連結会計年度末に比べ5億89百万円(0.5%)の減少となりました。短期借入金が増加したものの、未払法人税等が減少したことなどが主な要因であります。固定負債の残高は1,386億20百万円と前連結会計年度末に比べ284億82百万円(25.9%)の増加となりました。転換社債型新株予約権付社債を発行したことや、退職給付に係る負債が増加したことなどが主な要因であります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産の残高は4,226億34百万円と前連結会計年度末に比べ101億78百万円(2.4%)の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことや、時価の上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したものの、自己株式の取得により自己株式が増加したことなどが主な要因であります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は5,920億46百万円と前連結会計年度に比べ335億80百万円(5.4%)の減少となりました。輸送事業においては、適正運賃収受に向けた取り組みの効果により運賃単価が上昇したものの、コロナ禍での経済活動の停滞により取扱貨物量が減少したことなどから、売上高は4,410億90百万円(前連結会計年度比5.4%減)となりました。自動車販売事業では乗用車販売において新車販売台数が上半期に前年実績を下回ったこと、トラック販売においてコロナ禍のキャンセルや前年の環境規制対応の特需などの影響もあり国内の新車販売台数が前年同期実績を下回ったことなどから、売上高は983億33百万円(前連結会計年度比4.7%減)となりました。物品販売事業においては、燃料販売において販売単価が下落したことなどから、売上高は310億34百万円(前連結会計年度比5.6%減)となりました。また、不動産賃貸事業では、売上高は18億64百万円(前連結会計年度比7.7%増)、その他の売上高は197億22百万円(前連結会計年度比7.8%減)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は245億60百万円と前連結会計年度に比べ51億36百万円(17.3%)の減少となりました。特に輸送事業においては、運行便の減便や近距離帯において自社車両の回転を上げることなどにより外注費が減少したものの、売上高が減少したことなどにより営業利益は183億75百万円(前連結会計年度比21.3%減)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の経常利益は277億51百万円と前連結会計年度に比べ37億53百万円(11.9%)の減少となりました。雇用調整助成金や受取配当金が増加したものの、営業利益が減少したことなどが主な要因であります。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は166億60百万円と前連結会計年度に比べ91億87百万円(35.5%)の減少となりました。特別損失において株式給付引当金繰入額が減少したことに加え、法人税、住民税及び事業税が減少したものの、経常利益が減少したこと、特別利益において固定資産売却益が減少したことなどが主な要因であります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な視点から持続的に事業の成長、収益力及び資本効率の向上を図る方針で経営を進めております。こうした観点から、売上高、営業利益及びROEを重要な経営指標と位置付け、これらの持続的向上を中長期的な経営目標として、株主価値の持続的な向上に努めてまいります。
2020年度を初年度とする中期経営方針「『Connecting our values』~すべてはお客様の繁栄のために~」においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により先行きの不透明さが顕著であり、2020年度の目標は業績予想の数字としております。2020年度の業績予想である売上高5,620億円、営業利益133億円に対して、当連結会計年度の売上高は5,920億46百万円、営業利益245億60百万円となっており、売上高、営業利益ともに業績予想を上回りました。また、ROEは3.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
資金の財源に関しましては、自己資金を充当することを原則としておりますが、当面の資金需要と設備投資計画に照らして、必要な資金を金融機関からの借入金及び社債等により調達しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、936億83百万円となっており、有利子負債残高は236億99百万円、無利息の転換社債型新株予約権付社債残高は252億50百万円となっております。
当社は、額面総額250億円の2026年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を2021年3月に発行しました。調達資金の使途については、2023年末までにロジ・トランス施設(トラックターミナルとロジスティクス施設を一体化させた施設)の建設及び建設用地取得等の、輸送事業における国内の設備投資資金に充当する予定であります。
当社グループは、グループ全体の資金を有効活用するため、キャッシュ・マネジメント・システムを採用しており、連結子会社の支払代行業務を行っている他、各連結子会社の報告に基づき、グループにおける重要な資金繰りの予定について当社で把握しております。また、一時的な資金の不足については、取引銀行より当座借越枠を含め、十分な借入金の与信枠の設定を受けており、支払期日に支払を実行できなくなるリスクを回避し、必要資金を適時に確保するための管理体制を整えております。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の不安定な状況を考え、財務安全性確保の目的で普通社債600億円の発行登録を行い、影響が長引いた場合に機動的に資金調達を行える環境を整えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としており、重要なものは以下の通りとなります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う影響につきましては、翌連結会計年度以降、当社グループの経営環境に及ぼす影響は限定的であり、会計上の見積りへの重要な影響はないものと判断しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討してまいりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(退職給付債務及び退職給付費用)
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定しております。割引率やその他の見積りの変更は、将来の退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいて課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。