四半期報告書-第129期第2四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2015/11/11 16:19
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32項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間(平成27年4月1日から平成27年9月30日までの6ヶ月間)の業績は、連結売上高1兆1,982億円(前年同四半期1兆1,790億円)、営業利益386億円(同278億円)、経常利益427億円(同367億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益547億円(同200億円)となりました。
(概況)
当第2四半期連結累計期間においては、米国では住宅投資や家計消費等の各種経済指標が底堅く推移し、欧州においても個人消費や輸出がプラスに寄与するなど、緩やかな景気回復の兆しが見られました。一方、中国では景気の減速が顕在化したため、金融緩和や景気刺激策が実行されましたが、急速に先行きに対する不透明感が生まれています。日本においては、前期からの円安により景気拡大の基調が見られるものの、下振れの懸念も生じました。
海運を取り巻く状況は、コンテナ船部門では大型船の相次ぐ竣工による供給過剰の状態が継続し、ドライバルク部門でも中国の景気減速等のあおりを受け市場心理が冷え込み市況が低迷するなど、総じて厳しい環境となりましたが、一層の配船合理化、燃料消費量節減等のコスト削減に努め、収支改善の努力を継続しました。また、リキッド部門では前年同四半期を上回る好調な市況が継続しました。非海運事業では航空運送事業及び物流事業は堅調に推移し、当社グループ全体の業績は燃料油安及び円安も追い風となり、前年同四半期を上回りました。
当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同四半期比191億円増(1.6%増)、営業利益は前年同四半期比107億円増(38.5%増)となり、経常利益も前年同四半期比59億円増(16.3%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、北米のクリスタル・クルーズ社の譲渡に伴い計上した特別利益などもあり、前年同四半期比347億円増(173.8%増)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の為替レートと消費燃料油価格の変動は以下のとおりです。
前第2四半期
(6ヶ月)
当第2四半期
(6ヶ月)
差額
平均為替レート102.52円/US$121.76円/US$19.24円 円安
平均消費燃料油価格US$613.50/MTUS$353.70/MTUS$259.80 安

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(注) 為替レート・消費燃料油価格とも、当社社内値です。
(セグメント別概況)
当第2四半期連結累計期間のセグメント別概況は以下のとおりです。
(単位:億円)
売上高経常利益
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額増減率前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額







定期船事業3,4403,7823429.9%497829
航空運送事業463489265.7%△33943
物流事業2,2652,49522910.1%426017
不定期専用船事業4,9794,831△147△3.0%274272△2




不動産業4848△0△0.0%1817△0
その他の事業1,153765△388△33.7%240△23

(注)第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第2四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいています。報告セグメントの変更に関する情報は、「第一部 企業情報 第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
<定期船事業>コンテナ船部門では、北米航路においては、トレード全体の供給キャパシティ増加による運賃の下落傾向が見られたものの、アジア出しの好調な荷動きに支えられ、比較的堅調に推移しました。しかし、欧州航路では相次ぐ新造大型船の竣工・投入に加えて、ユーロ安や域内経済の低迷等を背景とした欧州向け貨物需要の落ち込みにより、スポット運賃が下落するなど、厳しい事業環境となりました。
サービス面では中南米航路で効率化と競争力の強化を目的とした航路改編を行い、運航面では各航路、各船の最適経済運航及び配船に努め、運航費や船費の削減努力を続けました。営業面では、各国別に目標を定めて積高の向上を目指す管理手法を一層強化することで積高の底上げを図り、全体的にマーケットが低迷する中、採算性の向上に寄与しました。ターミナル関連部門の国内外ターミナルは順調に推移し、定期船事業全体では、前年同四半期比増収増益となりました。
<航空運送事業>航空運送事業は、引き続き貨物専用機固有の貨物の集荷やチャータービジネスの強化に取り組みました。期初には北米西岸の港湾混雑による航空輸出需要が続いたほか、日本発の荷動きが鈍化した後はアジア発貨物を積極的に取り込み、また、燃料油安も追い風となり、前年同四半期比増収となり、黒字に転換しました。
<物流事業>航空貨物輸送は海外発の取扱いが堅調に推移し、海上貨物輸送は競争力が向上し、取扱量が前年同四半期を上回りました。ロジスティクス事業は、業務改革の効果に加えサービスの拡充を図ったことにより販売が拡大しました。内航輸送事業では、主力航路で新造船が就航しました。
これらの結果、物流事業全体では、前年同四半期比増収増益となりました。
<不定期専用船事業>自動車輸送部門では、完成車販売が好調な北米地域及び三国間を含む輸送需要の旺盛な地域に対して配船を着実に行った結果、当社グループ全体の完成車海上輸送台数は前年同四半期比で微増となりました。また、前期より順次就航している大型の新造船が高い燃費効率での運航を継続しており、業績の向上に寄与しました。自動車物流では、8月にインド・ピパバブ港より完成車の出荷を開始し、9月にはサウジアラビアとコロンビアで現地企業と共同で会社を設立するなど、成長市場での更なる事業拡大に努めました。
ドライバルク部門では、鉄鉱石の中国向け荷動きは前年並みでしたが、石炭の荷動きは減少しました。バルカーの解撤は大幅に増加したものの新造船の竣工も続き、船腹過剰の解消には至らず全船型・全水域で市況は低迷しました。このような状況下、当社グループは短期的な市況の変動に左右されにくい契約を増加させる取組み、不採算船や老齢船の返船や売船、減速航海の徹底等のコスト削減に取り組みました。また、貨物の組み合わせや配船の工夫によりバラスト航海を減らすなど、収支の向上にも努めました。
リキッド部門では、荷動きの多様化による輸送距離の伸長により、総じて市況は前年同四半期を上回りました。VLCC市況は、原油安による中国の備蓄需要の増加等により急速に改善しました。石油製品タンカー市況はアジアの石油化学原料高に伴うナフサの東西価格差による裁定取引の増加や、中東・アジアの新規製油所稼働によるスエズ以西向け輸出の増加により高水準で推移しました。LPG船市況も米国出し東アジア向け需要の増加により高水準で推移しました。LNG船は安定収益を生む長期契約に支えられ順調に推移しました。海洋事業ではFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)及びドリルシップが順調に稼動しました。
これらの結果、不定期専用船事業全体の業績は前年同四半期比減収減益となりました。
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<不動産業、その他の事業>不動産業は、所有物件の若返りを図る目的から建替え、売却及び新規購入等を進め、前年同四半期並みの収入を確保したものの、物件取得に伴う費用が発生したため前年同四半期比減益となりました。
その他の事業は、原油価格の下落に伴い、商事業の主力である船舶用燃料油の販売価格が落ち込んだことや、台風の影響により飛鳥クルーズの一部クルーズがキャンセルとなったこと等を受け、前年同四半期比減収減益となりました。
なお、第1四半期連結会計期間にクリスタル・クルーズ社を譲渡したことに伴い、「客船事業」を「その他の事業」に含めて表示する方法に変更しています。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の四半期末残高は、期首残高比19億円増加の3,292億円となりました。
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益784億円、現金支出を伴わない減価償却費518億円、利息の支払額△85億円等により708億円(前年同四半期464億円)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、船舶を中心とする固定資産の取得及び売却等により△239億円(前年同四半期△344億円)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出等により△415億円(前年同四半期△726億円)となりました。
(3) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は303百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりです。
前連結会計年度末における当連結会計年度の航空機の新設計画は169,000百万円でしたが、第2四半期連結会計期間末において、57,000百万円に変更しています。