有価証券報告書-第78期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 13:29
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129項目
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、回復基調を維持する個人消費ならびに企業生産活動の持ち直しを背景にした堅調な設備投資を受け、総じて緩やかに回復しました。また、世界経済の成長により、輸出量も拡大しました。
物流業界におきましては、経済の緩やかな回復を背景に、生産量増加に伴い輸送量は総じて堅調に推移したものの、人手不足の深刻化に伴う人件費の上昇や燃料価格の上昇等のコスト増加圧力は依然として高く、厳しい状況が続きました。
このような経営環境のもと、当社グループでは、複合ソリューション事業や国際物流事業においては事業成長を図りつつ、国内物流事業では収益性の改善に努めるなど、各事業の状況に応じた取り組みをすすめました。事業機会拡大の手段として、M&Aも含めた検討を行っており、平成29年5月には、成長事業である空港関連分野の強化を目的に、株式会社NKSホールディング他4社の全株式を取得し、成田空港における事業基盤の強化を図りました。
さらに、人手不足のさらなる深刻化をはじめとする今後の事業環境の変化に対応すべく、経営の仕組みやコーポレート・ガバナンスのあり方の見直し等に着手いたしました。
当連結会計年度の業績といたしましては、鉄鋼関連分野の持ち直しや、食品関連分野の手堅い推移に加え、空港関連分野や海外関連分野等における連結子会社の増加等により、売上高は2,767億61百万円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。利益面につきましても、営業利益は110億67百万円(同8.2%増)、経常利益は115億36百万円(同7.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、70億42百万円(同3.7%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より各セグメントの業績をより適切に評価するため、全社共通費の配賦方法を変更しています。また、各報告セグメントを構成する事業本部に所属する営業所の一部について、主要顧客ならびに事業内容の変化に対応するため、所属する事業本部を変更いたしました。そのため、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を当該変更後の数値で比較しております。
①複合ソリューション事業
複合ソリューション事業におきましては、鉄鋼関連分野について、生産工程付帯業務の増加や新規連結会社の寄与等がありました。食品関連分野におきましては、一部飲料倉庫における契約内容の変更や、食品製造請負業務の減少はありましたが、その他の飲料等の配送センター業務の手堅い推移により、全体で増加しました。また、空港関連分野における新規連結会社や、メディカル関連分野における病院事業の増加が寄与し、売上高は1,920億65百万円(前連結会計年度比7.7%増)、セグメント利益は140億14百万円(同4.3%増)となりました。
②国内物流事業
国内物流事業におきましては、冷凍食品や食品原料の保管、配送取扱業務が減少した一方で、顧客センター内でのオフィス用品配送取扱業務が伸長した他、取扱ブランドの増加に伴い生活用品取扱業務等が増加し、売上高は490億28百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。セグメント利益は、一部拠点における食品取扱業務終了に伴う減益要因はありましたが、前期に発生したオフィス用品配送センター業務の立ち上げコスト解消が寄与し、17億23百万円(同8.3%増)となりました。
③国際物流事業
国際物流事業におきましては、鋼材の輸出取扱量が減少したものの、アメリカ向け製造設備部品の輸出業務獲得や、アジア向け精密機器製造設備の輸出の増加等により、売上高は356億67百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。セグメント利益は、前期に発生した海外市場の一時的な調査費用の解消等により、9億70百万円(同63.0%増)となりました。
④その他
当該事業については、当社グループ内の資産運用業務等が中心であり、金額的重要性も低いため報告セグメントとはしておりません。そのため記載を省略しております。
(2)キャッシュ・フロー
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは143億51百万円の収入(前連結会計年度比21億57百万円の収入減)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が113億33百万円あったこと、減価償却費が74億20百万円あったこと、法人税等の支払額が37億52百万円あったこと等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは99億89百万円の支出(前連結会計年度比37億7百万円の支出増)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が57億27百万円あったこと、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が32億97百万円あったこと等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは64億83百万円の支出(前連結会計年度比79億4百万円の支出増)となりました。これは、主に社債の償還による支出が30億円あったこと、長期借入金の返済による支出が34億30百万円あったこと、配当金の支払による支出が20億20百万円あったこと等によるものであります。
これらの結果に為替変動による減少額16百万円を考慮し、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より22億84百万円減少し、291億14百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績及び受注実績
当社グループの事業内容は複合ソリューション事業、国内物流事業、国際物流事業、その他と多岐にわたっているため、生産実績を画一的に算定表示することは困難であり、また受注生産形態を採らない事業も多いため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
複合ソリューション事業192,065107.7
国内物流事業49,028101.9
国際物流事業35,667111.7
報告セグメント計276,761107.1
その他0-
合計276,761107.1

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
新日鐵住金㈱31,13112.132,86111.9

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループは連結財務諸表を作成するにあたり、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど、合理的な見積り、判断を行った上で、その結果を反映させておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績
当連結会計年度における売上高は2,767億61百万円であり、前連結会計年度比で184億28百万円(7.1%増)の増収となりました。売上高が増加した主な要因は、鉄鋼関連分野の持ち直しや食品関連分野の好調、インバウンド増勢持続による空港関連分野の伸長等によるものであります。
売上原価は2,521億18百万円と、前連結会計年度比で170億56百万円増(7.3%増)となり、売上総利益は246億42百万円と、前連結会計年度比で13億72百万円(5.9%増)の増益となりました。売上原価増加の主な要因は、労務費の増加等によるものであります。
販売費及び一般管理費は135億75百万円と、前連結会計年度比で5億38百万円増(4.1%増)となりました。主な要因は、新規連結に伴うのれん償却費の増加等によるものであります。
以上の結果、営業利益は110億67百万円と、前連結会計年度比で8億34百万円(8.2%増)の増益、経常利益は115億36百万円と、前連結会計年度比で8億14百万円(7.6%増)の増益となりました。
特別損益は、減損損失4億74百万円を特別損失として計上いたしました。特別利益は固定資産売却益4億13百万円を計上しております。
その結果、税金等調整前当期純利益は113億33百万円となり、法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は70億42百万円となり、前連結会計年度比で2億68百万円の減益となりました。
なお、事業別の売上高及び営業利益の概況については、「業績等の概要」に記載しております。
(3) 財政状態
(総資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は2,118億8百万円であり、前連結会計年度末に比べ71億52百万円増加しました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は879億15百万円であり、前連結会計年度末に比べ26億94百万円増加しました。主な要因は、受取手形及び売掛金が44億15百万円増加したこと、その他流動資産が2億92百万円増加したこと、現金及び預金が24億27百万円減少したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,238億93百万円であり、前連結会計年度末に比べ44億58百万円増加しました。主な要因は、のれんが23億18百万円増加したこと、投資有価証券が17億42百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計の残高は1,106億45百万円であり、前連結会計年度末に比べ13億38百万円増加しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は534億67百万円であり、前連結会計年度末に比べ34億84百万円増加しました。主な要因は、支払手形及び買掛金が10億52百万円増加したこと、その他流動負債が10億52百万円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が12億64百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は571億77百万円であり、前連結会計年度末に比べ21億46百万円減少しました。主な要因は、社債が30億円減少したこと、退職給付に係る負債が16億20百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,011億62百万円であり、前連結会計年度末に比べ58億14百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が50億33百万円増加したこと、その他有価証券評価差額金が10億30百万円増加したこと、為替換算調整勘定が3億円減少したこと等によるものです。
(4) キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、「業績等の概要」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因としては、ⅰ)顧客企業・顧客業界の動向、ⅱ)コスト動向、ⅲ)事故・災害、ⅳ)人材の育成・確保、ⅴ)法的規制の動向等が挙げられます。
ⅰ) 顧客企業・顧客業界の動向
当社グループは、顧客企業のニーズに応じて様々な請負サービス及び物流サービスを提供しております。当社グループの売上高は、請負業務の取扱量や物流業務の輸送量に連動する傾向があり、そしてこれらの取扱量や輸送量は、顧客企業の生産量・販売量に連動する傾向があります。したがって、顧客企業の生産・販売動向、ひいては顧客業界における市場動向が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特に、当社グループの売上高のうち、49.2%が鉄鋼関連分野と食品・飲料関連分野の売上高であり、両分野の影響を強く受けます。また、近年ではメディカル関連分野や空港関連分野の事業規模が拡大傾向であり、これらの業界の動向も経営成績に影響を与える可能性があります。
さらに、顧客企業の外注化に関する方針に変更がある場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅱ) コスト動向
当社グループの主要なコストは、人件費(労務費)、外注費、燃料費等であり、これらのコスト動向が経営成績に影響を与える可能性があります。
例えば、昨今では、少子高齢化に伴う構造的な人手不足の顕在化や社会的な企業への賃上げ要請の高まりなどによって、人件費単価は上昇傾向にあり、当社グループにおいても人件費や外注費が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて使用する輸送用車輌等の燃料費は、軽油価格等の変動の影響を受けております。
当社グループは、これらのコスト増加が生じた場合には、生産性向上等のコスト改善努力を行うとともに、顧客企業との協議により適正な業務単価の維持を図っていく方針ではありますが、コスト改善効果が十分ではなく、また、価格転嫁も困難となる場合には、減益要因となる可能性があります。
一方、人件費等のコスト上昇に伴い、顧客企業等において業務効率改善やコスト削減等を目的としたアウトソーシングを推進する動きが強まれば、当社グループの業務拡大の機会が増加し、当社グループの経営成績にプラスの影響を与える可能性があります。
ⅲ) 事故・災害
当社グループは、請負サービスや物流サービスの提供を通じて、顧客企業の生産工程やサプライチェーンに深く関与しております。したがって、当社グループの経営上最も重視すべき点は、安全衛生の向上ならびにサービスの品質管理を徹底し、事故・災害を未然に防止すること、そして、さらにはこのような安全衛生・品質管理への徹底した姿勢を強みにまで昇華させることであると認識しております。安全衛生・品質管理への徹底した取り組みは、業務の生産性を維持・向上させ、顧客企業との信頼関係強化につながり、経営成績にプラスの影響を与える要因となります。しかしながら、当社グループの安全・品質の不備に起因する重大事故や災害が発生した場合には、当社グループのみならず顧客企業の社会的な信用の失墜に繋がり、当社グループの経営成績に大幅なマイナス影響を与える可能性があります。
ⅳ) 人材の育成・確保
当社グループでは、顧客企業のニーズに応じて多種多様な業務作業の請負を行っており、各業務作業に関して専門的な知識を有する人材を育成し、確保する必要があります。また、顧客企業の季節需要を含む業務の繁閑に対して、外注企業の活用を含めた柔軟な人員配置をコントロールする必要があります。したがって、必要な人材の確保・育成及び適正配置を行うことが、当社グループの健全な成長の前提条件であり、これが達成できない場合には、経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
ⅴ) 法的規制の動向等
当社グループは、多種多様な許認可等を得て事業運営を行っております。これらの許認可等が一種の参入障壁となり、事業の安定に寄与している側面があります。当社グループはこれら関連法令等の遵守に努めており、本書提出日現在において事業運営上の支障をきたす状況は生じておりません。しかしながら、違反その他事由により必要な許認可等が停止又は取消となった場合には、当社グループの経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
また、当社グループの事業の性質上、a)請負・派遣の区分等の適正化に係る規制、b)外注企業の活用における下請代金支払遅延等防止法(下請法)に係る規制、c)従業員の労務管理にかかる労働関連法令に係る規制、さらにはd)自動車NOx・PM法をはじめとする環境関連の法令・条例等について、留意する必要があります。当社グループの事業に関連する法的規制の強化等により、それに対応するためのコスト増や設備投資等が必要となる場合には、経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの主な資金需要は、運転資金、設備資金、投融資資金があります。
運転資金については、請負業務、貨物輸送、倉庫業務といった営業活動に必要な資金(外注・材料費及び人件費等)や、一般管理費、販売費があります。
設備資金については、主に拠点拡大、整備等による倉庫建設や、車両運搬具及び機械装置といった固定資産購入によるものであります。投融資資金については、業容拡大のためのM&Aや事業提携による出資金があります。
財務政策
当社グループの資金調達に関しては、内部資金を充当し、不足分については有利子負債で調達しております。具体的な調達手段といたしましては、運転資金については短期借入金やコマーシャル・ペーパー発行により調達し、設備資金、投融資資金については長期借入金や社債発行による調達を実施しております。
尚、資金調達の実施にあたっては、キャッシュ・フローの状況、投資案件の進捗、金利動向を考慮し、調達時期、調達規模、調達手段を適宜判断し実施しております。
一方、グループ内の余剰資金を活用し、資金を必要とする当社グループ会社に融資する事で、資金の流動性を確保し、併せて有利子負債の圧縮に努めております。
(7) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、限られた経営資源を生産的に活用することで高い付加価値を生み出しつつ、中長期的な成長を達成することを目指しております。したがって、売上高や営業利益といった事業規模や成長性を示す指標と、売上高営業利益率や自己資本当期純利益率(ROE)といった収益性、資本効率性を示す指標が、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断する上での基本的な指標であると考えております。
平成30年3月期の売上高は2,767億61百万円(前連結会計年度比7.1%増)、営業利益は110億67百万円(前連結会計年度比8.2%増)であり、営業利益率は4.0%(前連結会計年度と同水準)、ROEは7.4%(前連結会計年度比0.8ポイント減)でした。今後は、2030年に向けた基盤作りを行うべく、当面の間、人材の採用・育成コスト、システム関連コストなどの負担が増加することが見込まれます。しかし、これらのコストは、生産年齢人口の減少に伴う構造的な人手不足など長期的な経営環境の変化に対応するために、経営戦略上必要なコストであると考えております。
今後も経営環境の変化を機会と捉え、資本生産性を高めながら中長期的な成長を図ってまいります。

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