訂正有価証券報告書-第79期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、2018年6~9月に相次いだ自然災害の影響による一時的な弱含みはあったものの、個人消費や企業の設備投資を背景に緩やかに回復しました。しかし、今後の先行きにつきましては、米中貿易摩擦等に伴う海外経済の減速や消費増税に伴う個人消費の下押し影響等による国内景気の減速が懸念されます。
このような経営環境の下で、当社グループは、2019年3月期から2021年3月期までを対象とする中期経営計画を開始しました。この3年間を、創業150周年を迎える2030年に向けた「確固たる基盤づくり」の期間と位置づけ、人材の採用・育成やシステム投資等による事業基盤の充実、コーポレート・ガバナンスの強化や管理会計制度の見直し等経営基盤の再構築といった施策に取り組んでおります。
特に当連結会計年度においては、「基盤づくり」の取り組みとして、戦略実行の前提となる社内の意識や仕組みの変革に焦点を当てて取り組みました。第一に、これまでの当社グループのブランド価値を整理・再構築して企業理念を改定し、当社グループのブランドの社内外浸透を図りました。さらに、「2030年ビジョン」や中期経営計画の考え方の共有、事業ポートフォリオ内における各事業の位置づけの明確化などに取り組みました。また、重要な事業基盤である人材についても、昨今、人手不足が業界全体で深刻な課題である中、全体として現状の業務運営には支障をきたさない程度に人材を確保できました。しかし、さらなる生産性向上を目指し、新技術の業務への取り込みと高いスキルを持つ人材の育成を行い、新しい形の現場やサービスの開発に引き続き取り組みます。
事業面においては、国内物流事業では課題であった収益性の改善に取り組みました。また、成長事業として位置づけたインド鉄道輸送事業や環境・エンジニアリング事業では積極的に設備投資やM&Aを実施いたしました。2019年4月からはインド統括本部を新設し、同国における事業展開をさらに推進いたします。
このように、当連結会計年度は当中期経営計画の方針に沿って一定の成果がみられました。
当連結会計年度における経営成績については、鉄鋼関連分野における製鉄所内生産工程付帯業務増加、空港
関連分野での業務拡大、新規連結会社の寄与等により、売上高は2,941億58百万円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。また、利益面につきましては、自然災害の発生等による影響等により、営業利益は109億76百万円(同0.8%減)、経常利益は113億73百万円(同1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、62億89百万円(同10.7%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。また、セグメント利益は当社の管理部門に係る一般管理費等の全社費用控除前の営業利益であります。
なお、当連結会計年度より、各報告セグメントを構成する事業本部に所属する営業所の一部について、主要顧客並びに事業内容の変化に対応するため、所属する事業本部を変更いたしました。そのため、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を当該変更後の数値で比較しております。
①複合ソリューション事業
複合ソリューション事業におきましては、鉄鋼関連や環境・エンジニアリング分野について、製鉄所内生産工程付帯業務や自動車エンジン用部品生産業務が増加するとともに、プラントエンジニアリング事業(電気計装設計)を行う新規連結会社エヌビーエス㈱の寄与等により、増収となりました。空港関連分野では、成田国際空港における業務拡大、関西国際空港における増便や機材の大型化、新規受託空港での業務開始等により増収となりました。食品関連分野では、飲料等の配送センター業務や生産工程請負業務が堅調に推移するとともに、生活関連分野での空調機器の取扱量、メディカル分野での医療機器の取扱量が増加したこと等により、売上高は2,032億83百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。利益につきましては、前述の通り各分野において取扱量が堅調に推移しましたが、台風21号による関西国際空港一時閉鎖等の自然災害や軽油単価高騰等の影響があり、137億38百万円(同1.2%減)となりました。
②国内物流事業
国内物流事業におきましては、通販物流取扱量、冷凍冷蔵食品の保管・配送取扱業務の増加等により、売上高は496億93百万円(前連結会計年度比1.4%増)となりました。利益につきましては、軽油単価高騰等の影響はありましたが、単価改定や倉庫保管効率向上、路線・共配便の効率化等により、利益率の改善効果が表れ、23億75百万円(同37.8%増)となりました。
③国際物流事業
国際物流事業におきましては、香港のフォワーディング会社BEL INTERNATIONAL LOGISTICS LTD.の新規連結化、インド子会社における鉄道貨物輸送取扱量増加、フォワーディング業務等の増加等により、売上高は411億81百万円(前連結会計年度比16.0%増)となりました。利益につきましては、海上コンテナ取扱増はありましたが、自然災害及びユーロ圏経済の減速影響等により、10億35百万円(同3.6%減)となりました。
④その他
当該事業については、当社グループ内のソフトウェア開発及び保守業務等が中心であり、金額的重要性も低いため報告セグメントとはしておりません。そのため記載を省略しております。
財政状態の状況は次のとおりであります。
(総資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は2,132億54百万円であり、前連結会計年度末に比べ15億63百万円増加しました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は839億34百万円であり、前連結会計年度末に比べ10億82百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が75億39百万円減少したこと、受取手形及び売掛金が62億1百万円増加したこと、貯蔵品が2億41百万円増加したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,293億20百万円であり、前連結会計年度末に比べ26億45百万円増加しました。主な要因は、建設仮勘定が9億73百万円増加したこと、その他無形固定資産が6億8百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計の残高は1,116億91百万円であり、前連結会計年度末に比べ11億63百万円増加しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は604億6百万円であり、前連結会計年度末に比べ69億38百万円増加しました。主な要因は、1年内償還予定の社債が70億円増加したこと、短期借入金が51億46百万円増加したこと、その他流動負債が21億18百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は512億85百万円であり、前連結会計年度末に比べ57億75百万円減少しました。主な要因は、社債が100億円減少したこと、退職給付に係る負債が26億78百万円増加したこと、長期借入金が17億92百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,015億63百万円であり、前連結会計年度末に比べ4億円増加しました。主な要因は、利益剰余金が37億87百万円増加したこと、土地再評価差額金が4億42百万円増加したこと、自己株式の取得により24億83百万円減少したこと等によるものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(2)キャッシュ・フローの状況
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは58億8百万円の収入(前連結会計年度比85億42百万円の収入減)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が104億36百万円あったこと、減価償却費が74億52百万円あったこと、法人税等の支払額が54億95百万円あったこと等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは86億97百万円の支出(前連結会計年度比12億91百万円の支出減)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が81億63百万円あったこと等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは38億33百万円の支出(前連結会計年度比26億50百万円の支出減)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出が30億97百万円あったこと、社債の償還による支出が30億円あったこと、自己株式の取得による支出が25億26百万円あったこと、短期借入金の純増額が42億72百万円あったこと等によるものであります。
これらの結果に為替変動による減少額1億38百万円を考慮し、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より68億34百万円減少し、222億79百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績及び受注実績
当社グループの事業内容は複合ソリューション事業、国内物流事業、国際物流事業、その他と多岐にわたっているため、生産実績を画一的に算定表示することは困難であり、また受注生産形態を採らない事業も多いため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)新日鐵住金株式会社は、2019年4月1日付で商号を日本製鉄株式会社に変更いたしました。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループは連結財務諸表を作成するにあたり、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど、合理的な見積り、判断を行った上で、その結果を反映させておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績
当連結会計年度における売上高は2,941億58百万円であり、前連結会計年度比で173億97百万円(6.3%増)の増収となりました。売上高が増加した主な要因は、鉄鋼関連分野の持ち直しや食品関連分野の好調、インバウンド増勢持続による空港関連分野の伸長等によるものであります。
売上原価は2,681億48百万円と、前連結会計年度比で160億29百万円増(6.4%増)となり、売上総利益は260億10百万円と、前連結会計年度比で13億67百万円(5.6%増)の増益となりました。売上原価増加の主な要因は、労務費の増加等によるものであります。
販売費及び一般管理費は150億34百万円と、前連結会計年度比で14億58百万円増(10.7%増)となりました。主な要因は、新規連結に伴うのれん償却費の増加等によるものであります。
以上の結果、営業利益は109億76百万円と、前連結会計年度比で90百万円(0.8%減)の減益、経常利益は113億73百万円と、前連結会計年度比で1億62百万円(1.4%減)の減益となりました。
特別損益は、減損損失6億38百万円を特別損失として計上いたしました。特別利益は固定資産売却益2億13百万円を計上しております。
その結果、税金等調整前当期純利益は104億36百万円となり、法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は62億89百万円となり、前連結会計年度比で7億53百万円の減益となりました。
なお、事業別の売上高及び営業利益の概況については、「経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(3) 財政状態
(総資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は2,132億54百万円であり、前連結会計年度末に比べ15億63百万円増加しました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は839億34百万円であり、前連結会計年度末に比べ10億82百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が75億39百万円減少したこと、受取手形及び売掛金が62億1百万円増加したこと、貯蔵品が2億41百万円増加したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,293億20百万円であり、前連結会計年度末に比べ26億45百万円増加しました。主な要因は、建設仮勘定が9億73百万円増加したこと、その他無形固定資産が6億8百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計の残高は1,116億91百万円であり、前連結会計年度末に比べ11億63百万円増加しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は604億6百万円であり、前連結会計年度末に比べ69億38百万円増加しました。主な要因は、1年内償還予定の社債が70億円増加したこと、短期借入金が51億46百万円増加したこと、その他流動負債が21億18百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は512億85百万円であり、前連結会計年度末に比べ57億75百万円減少しました。主な要因は、社債が100億円減少したこと、退職給付に係る負債が26億78百万円増加したこと、長期借入金が17億92百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,015億63百万円であり、前連結会計年度末に比べ4億円増加しました。主な要因は、利益剰余金が37億87百万円増加したこと、土地再評価差額金が4億42百万円増加したこと、自己株式の取得により24億83百万円減少したこと等によるものです。
(4) キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因としては、ⅰ)顧客企業・顧客業界の動向、ⅱ)コスト動向、ⅲ)事故・災害、ⅳ)人材の育成・確保、ⅴ)法的規制の動向等が挙げられます。
ⅰ) 顧客企業・顧客業界の動向
当社グループは、顧客企業のニーズに応じて様々な請負サービス及び物流サービスを提供しております。当社グループの売上高は、請負業務の取扱量や物流業務の輸送量に連動する傾向があり、そしてこれらの取扱量や輸送量は、顧客企業の生産量・販売量に連動する傾向があります。したがって、顧客企業の生産・販売動向、ひいては顧客業界における市場動向が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特に、当社グループの売上高のうち、43.2%が鉄鋼関連分野と食品・飲料関連分野の売上高であり、両分野の影響を強く受けます。また、近年ではメディカル関連分野や空港関連分野の事業規模が拡大傾向であり、これらの業界の動向も経営成績に影響を与える可能性があります。
さらに、顧客企業の外注化に関する方針に変更がある場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅱ) コスト動向
当社グループの主要なコストは、人件費(労務費)、外注費、燃料費等であり、これらのコスト動向が経営成績に影響を与える可能性があります。
例えば、人手不足の深刻化や社会的な企業への賃上げ要請の高まりなどによって、人件費単価は上昇傾向にあり、当社グループにおいても人件費や外注費が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて使用する輸送用車輌等の燃料費は、軽油価格等の変動の影響を受けております。
当社グループは、これらのコスト増加が生じた場合には、生産性向上等のコスト改善努力を行うとともに、顧客企業との協議により適正な業務単価の維持を図っていく方針ではありますが、コスト改善効果が十分ではなく、また、価格転嫁も困難となる場合には、減益要因となる可能性があります。
一方、人件費等のコスト上昇に伴い、顧客企業等において業務効率改善やコスト削減等を目的としたアウトソーシングを推進する動きが強まれば、当社グループの業務拡大の機会が増加し、当社グループの経営成績にプラスの影響を与える可能性があります。
ⅲ) 事故・災害
当社グループは、請負サービスや物流サービスの提供を通じて、顧客企業の生産工程やサプライチェーンに深く関与しております。したがって、当社グループの経営上最も重視すべき点は、安全衛生の向上並びにサービスの品質管理を徹底し、事故・災害を未然に防止すること、そして、さらにはこのような安全衛生・品質管理への徹底した姿勢を強みにまで昇華させることであると認識しております。安全衛生・品質管理への徹底した取り組みは、業務の生産性を維持・向上させ、顧客企業との信頼関係強化につながり、経営成績にプラスの影響を与える要因となります。しかしながら、当社グループの安全・品質の不備に起因する重大事故や災害が発生した場合には、当社グループのみならず顧客企業の社会的な信用の失墜に繋がり、当社グループの経営成績に大幅なマイナス影響を与える可能性があります。
ⅳ) 人材の育成・確保
当社グループでは、顧客企業のニーズに応じて多種多様な業務作業の請負を行っており、各業務作業に関して専門的な知識を有する人材を育成し、確保する必要があります。また、顧客企業の季節需要を含む業務の繁閑に対して、外注企業の活用を含めた柔軟な人員配置をコントロールする必要があります。したがって、必要な人材の確保・育成及び適正配置を行うことが、当社グループの健全な成長の前提条件であり、これが達成できない場合には、経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
ⅴ) 法的規制の動向等
当社グループは、多種多様な許認可等を得て事業運営を行っております。これらの許認可等が一種の参入障壁となり、事業の安定に寄与している側面があります。当社グループはこれら関連法令等の遵守に努めており、本書提出日現在において事業運営上の支障をきたす状況は生じておりません。しかしながら、違反その他事由により必要な許認可等が停止又は取消となった場合には、当社グループの経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
また、当社グループの事業の性質上、a)請負・派遣の区分等の適正化に係る規制、b)外注企業の活用における下請代金支払遅延等防止法(下請法)に係る規制、c)従業員の労務管理にかかる労働関連法令に係る規制、さらにはd)自動車NOx・PM法をはじめとする環境関連の法令・条例等について、留意する必要があります。当社グループの事業に関連する法的規制の強化等により、それに対応するためのコスト増や設備投資等が必要となる場合には、経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの主な資金需要は、運転資金、設備資金、投融資資金があります。
運転資金については、請負業務、貨物輸送、倉庫業務といった営業活動に必要な資金(外注・材料費及び人件費等)や、一般管理費、販売費があります。
設備資金については、主に拠点拡大、整備等による倉庫建設や、車両運搬具及び機械装置といった固定資産購入によるものであります。投融資資金については、業容拡大のためのM&Aや事業提携による出資金があります。
財務政策
当社グループの資金調達に関しては、内部資金を充当し、不足分については有利子負債で調達しております。具体的な調達手段といたしましては、運転資金については短期借入金やコマーシャル・ペーパー発行により調達し、設備資金、投融資資金については長期借入金や社債発行による調達を実施しております。
なお、資金調達の実施にあたっては、キャッシュ・フローの状況、投資案件の進捗、金利動向を考慮し、調達時期、調達規模、調達手段を適宜判断し実施しております。
一方、グループ内の余剰資金を活用し、資金を必要とする当社グループ会社に融資する事で、資金の流動性を確保し、併せて有利子負債の圧縮に努めております。
(7) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、限られた経営資源を効率的に活用することで高い付加価値を生み出しつつ、中長期的な成長を達成することを目指しております。したがって、売上高や営業利益といった事業規模や成長性を示す指標と、売上高営業利益率や自己資本当期純利益率(ROE)といった収益性、資本効率性を示す指標が、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断する上での基本的な指標であると考えております。
2019年3月期の売上高は2,941億58百万円(前連結会計年度比6.3%増)、営業利益は109億76百万円(前連結会計年度比0.8%減)であり、営業利益率は3.7%(前連結会計年度と同水準)、ROEは6.4%(前連結会計年度比1.0ポイント減)でした。今後は、2030年に向けた基盤作りを行うべく、当面の間、人材の採用・育成コスト、システム関連コストなどの負担が増加することが見込まれます。しかし、これらのコストは、生産年齢人口の減少に伴う構造的な人手不足など長期的な経営環境の変化に対応するために、経営戦略上必要なコストであると考えております。
今後も経営環境の変化を機会と捉え、資本生産性を高めながら中長期的な成長を図ってまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、2018年6~9月に相次いだ自然災害の影響による一時的な弱含みはあったものの、個人消費や企業の設備投資を背景に緩やかに回復しました。しかし、今後の先行きにつきましては、米中貿易摩擦等に伴う海外経済の減速や消費増税に伴う個人消費の下押し影響等による国内景気の減速が懸念されます。
このような経営環境の下で、当社グループは、2019年3月期から2021年3月期までを対象とする中期経営計画を開始しました。この3年間を、創業150周年を迎える2030年に向けた「確固たる基盤づくり」の期間と位置づけ、人材の採用・育成やシステム投資等による事業基盤の充実、コーポレート・ガバナンスの強化や管理会計制度の見直し等経営基盤の再構築といった施策に取り組んでおります。
特に当連結会計年度においては、「基盤づくり」の取り組みとして、戦略実行の前提となる社内の意識や仕組みの変革に焦点を当てて取り組みました。第一に、これまでの当社グループのブランド価値を整理・再構築して企業理念を改定し、当社グループのブランドの社内外浸透を図りました。さらに、「2030年ビジョン」や中期経営計画の考え方の共有、事業ポートフォリオ内における各事業の位置づけの明確化などに取り組みました。また、重要な事業基盤である人材についても、昨今、人手不足が業界全体で深刻な課題である中、全体として現状の業務運営には支障をきたさない程度に人材を確保できました。しかし、さらなる生産性向上を目指し、新技術の業務への取り込みと高いスキルを持つ人材の育成を行い、新しい形の現場やサービスの開発に引き続き取り組みます。
事業面においては、国内物流事業では課題であった収益性の改善に取り組みました。また、成長事業として位置づけたインド鉄道輸送事業や環境・エンジニアリング事業では積極的に設備投資やM&Aを実施いたしました。2019年4月からはインド統括本部を新設し、同国における事業展開をさらに推進いたします。
このように、当連結会計年度は当中期経営計画の方針に沿って一定の成果がみられました。
当連結会計年度における経営成績については、鉄鋼関連分野における製鉄所内生産工程付帯業務増加、空港
関連分野での業務拡大、新規連結会社の寄与等により、売上高は2,941億58百万円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。また、利益面につきましては、自然災害の発生等による影響等により、営業利益は109億76百万円(同0.8%減)、経常利益は113億73百万円(同1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、62億89百万円(同10.7%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。また、セグメント利益は当社の管理部門に係る一般管理費等の全社費用控除前の営業利益であります。
なお、当連結会計年度より、各報告セグメントを構成する事業本部に所属する営業所の一部について、主要顧客並びに事業内容の変化に対応するため、所属する事業本部を変更いたしました。そのため、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を当該変更後の数値で比較しております。
①複合ソリューション事業
複合ソリューション事業におきましては、鉄鋼関連や環境・エンジニアリング分野について、製鉄所内生産工程付帯業務や自動車エンジン用部品生産業務が増加するとともに、プラントエンジニアリング事業(電気計装設計)を行う新規連結会社エヌビーエス㈱の寄与等により、増収となりました。空港関連分野では、成田国際空港における業務拡大、関西国際空港における増便や機材の大型化、新規受託空港での業務開始等により増収となりました。食品関連分野では、飲料等の配送センター業務や生産工程請負業務が堅調に推移するとともに、生活関連分野での空調機器の取扱量、メディカル分野での医療機器の取扱量が増加したこと等により、売上高は2,032億83百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。利益につきましては、前述の通り各分野において取扱量が堅調に推移しましたが、台風21号による関西国際空港一時閉鎖等の自然災害や軽油単価高騰等の影響があり、137億38百万円(同1.2%減)となりました。
②国内物流事業
国内物流事業におきましては、通販物流取扱量、冷凍冷蔵食品の保管・配送取扱業務の増加等により、売上高は496億93百万円(前連結会計年度比1.4%増)となりました。利益につきましては、軽油単価高騰等の影響はありましたが、単価改定や倉庫保管効率向上、路線・共配便の効率化等により、利益率の改善効果が表れ、23億75百万円(同37.8%増)となりました。
③国際物流事業
国際物流事業におきましては、香港のフォワーディング会社BEL INTERNATIONAL LOGISTICS LTD.の新規連結化、インド子会社における鉄道貨物輸送取扱量増加、フォワーディング業務等の増加等により、売上高は411億81百万円(前連結会計年度比16.0%増)となりました。利益につきましては、海上コンテナ取扱増はありましたが、自然災害及びユーロ圏経済の減速影響等により、10億35百万円(同3.6%減)となりました。
④その他
当該事業については、当社グループ内のソフトウェア開発及び保守業務等が中心であり、金額的重要性も低いため報告セグメントとはしておりません。そのため記載を省略しております。
財政状態の状況は次のとおりであります。
(総資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は2,132億54百万円であり、前連結会計年度末に比べ15億63百万円増加しました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は839億34百万円であり、前連結会計年度末に比べ10億82百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が75億39百万円減少したこと、受取手形及び売掛金が62億1百万円増加したこと、貯蔵品が2億41百万円増加したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,293億20百万円であり、前連結会計年度末に比べ26億45百万円増加しました。主な要因は、建設仮勘定が9億73百万円増加したこと、その他無形固定資産が6億8百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計の残高は1,116億91百万円であり、前連結会計年度末に比べ11億63百万円増加しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は604億6百万円であり、前連結会計年度末に比べ69億38百万円増加しました。主な要因は、1年内償還予定の社債が70億円増加したこと、短期借入金が51億46百万円増加したこと、その他流動負債が21億18百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は512億85百万円であり、前連結会計年度末に比べ57億75百万円減少しました。主な要因は、社債が100億円減少したこと、退職給付に係る負債が26億78百万円増加したこと、長期借入金が17億92百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,015億63百万円であり、前連結会計年度末に比べ4億円増加しました。主な要因は、利益剰余金が37億87百万円増加したこと、土地再評価差額金が4億42百万円増加したこと、自己株式の取得により24億83百万円減少したこと等によるものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(2)キャッシュ・フローの状況
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは58億8百万円の収入(前連結会計年度比85億42百万円の収入減)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が104億36百万円あったこと、減価償却費が74億52百万円あったこと、法人税等の支払額が54億95百万円あったこと等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは86億97百万円の支出(前連結会計年度比12億91百万円の支出減)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が81億63百万円あったこと等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは38億33百万円の支出(前連結会計年度比26億50百万円の支出減)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出が30億97百万円あったこと、社債の償還による支出が30億円あったこと、自己株式の取得による支出が25億26百万円あったこと、短期借入金の純増額が42億72百万円あったこと等によるものであります。
これらの結果に為替変動による減少額1億38百万円を考慮し、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より68億34百万円減少し、222億79百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績及び受注実績
当社グループの事業内容は複合ソリューション事業、国内物流事業、国際物流事業、その他と多岐にわたっているため、生産実績を画一的に算定表示することは困難であり、また受注生産形態を採らない事業も多いため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 複合ソリューション事業 | 203,283 | 105.7 |
| 国内物流事業 | 49,693 | 101.4 |
| 国際物流事業 | 41,181 | 116.0 |
| 報告セグメント計 | 294,158 | 106.3 |
| その他 | - | - |
| 合計 | 294,158 | 106.3 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 新日鐵住金㈱ | 32,861 | 11.9 | 36,292 | 12.3 |
(注)新日鐵住金株式会社は、2019年4月1日付で商号を日本製鉄株式会社に変更いたしました。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループは連結財務諸表を作成するにあたり、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど、合理的な見積り、判断を行った上で、その結果を反映させておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績
当連結会計年度における売上高は2,941億58百万円であり、前連結会計年度比で173億97百万円(6.3%増)の増収となりました。売上高が増加した主な要因は、鉄鋼関連分野の持ち直しや食品関連分野の好調、インバウンド増勢持続による空港関連分野の伸長等によるものであります。
売上原価は2,681億48百万円と、前連結会計年度比で160億29百万円増(6.4%増)となり、売上総利益は260億10百万円と、前連結会計年度比で13億67百万円(5.6%増)の増益となりました。売上原価増加の主な要因は、労務費の増加等によるものであります。
販売費及び一般管理費は150億34百万円と、前連結会計年度比で14億58百万円増(10.7%増)となりました。主な要因は、新規連結に伴うのれん償却費の増加等によるものであります。
以上の結果、営業利益は109億76百万円と、前連結会計年度比で90百万円(0.8%減)の減益、経常利益は113億73百万円と、前連結会計年度比で1億62百万円(1.4%減)の減益となりました。
特別損益は、減損損失6億38百万円を特別損失として計上いたしました。特別利益は固定資産売却益2億13百万円を計上しております。
その結果、税金等調整前当期純利益は104億36百万円となり、法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は62億89百万円となり、前連結会計年度比で7億53百万円の減益となりました。
なお、事業別の売上高及び営業利益の概況については、「経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(3) 財政状態
(総資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は2,132億54百万円であり、前連結会計年度末に比べ15億63百万円増加しました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は839億34百万円であり、前連結会計年度末に比べ10億82百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が75億39百万円減少したこと、受取手形及び売掛金が62億1百万円増加したこと、貯蔵品が2億41百万円増加したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,293億20百万円であり、前連結会計年度末に比べ26億45百万円増加しました。主な要因は、建設仮勘定が9億73百万円増加したこと、その他無形固定資産が6億8百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計の残高は1,116億91百万円であり、前連結会計年度末に比べ11億63百万円増加しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は604億6百万円であり、前連結会計年度末に比べ69億38百万円増加しました。主な要因は、1年内償還予定の社債が70億円増加したこと、短期借入金が51億46百万円増加したこと、その他流動負債が21億18百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は512億85百万円であり、前連結会計年度末に比べ57億75百万円減少しました。主な要因は、社債が100億円減少したこと、退職給付に係る負債が26億78百万円増加したこと、長期借入金が17億92百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,015億63百万円であり、前連結会計年度末に比べ4億円増加しました。主な要因は、利益剰余金が37億87百万円増加したこと、土地再評価差額金が4億42百万円増加したこと、自己株式の取得により24億83百万円減少したこと等によるものです。
(4) キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因としては、ⅰ)顧客企業・顧客業界の動向、ⅱ)コスト動向、ⅲ)事故・災害、ⅳ)人材の育成・確保、ⅴ)法的規制の動向等が挙げられます。
ⅰ) 顧客企業・顧客業界の動向
当社グループは、顧客企業のニーズに応じて様々な請負サービス及び物流サービスを提供しております。当社グループの売上高は、請負業務の取扱量や物流業務の輸送量に連動する傾向があり、そしてこれらの取扱量や輸送量は、顧客企業の生産量・販売量に連動する傾向があります。したがって、顧客企業の生産・販売動向、ひいては顧客業界における市場動向が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特に、当社グループの売上高のうち、43.2%が鉄鋼関連分野と食品・飲料関連分野の売上高であり、両分野の影響を強く受けます。また、近年ではメディカル関連分野や空港関連分野の事業規模が拡大傾向であり、これらの業界の動向も経営成績に影響を与える可能性があります。
さらに、顧客企業の外注化に関する方針に変更がある場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅱ) コスト動向
当社グループの主要なコストは、人件費(労務費)、外注費、燃料費等であり、これらのコスト動向が経営成績に影響を与える可能性があります。
例えば、人手不足の深刻化や社会的な企業への賃上げ要請の高まりなどによって、人件費単価は上昇傾向にあり、当社グループにおいても人件費や外注費が増加する可能性があります。また、当社グループにおいて使用する輸送用車輌等の燃料費は、軽油価格等の変動の影響を受けております。
当社グループは、これらのコスト増加が生じた場合には、生産性向上等のコスト改善努力を行うとともに、顧客企業との協議により適正な業務単価の維持を図っていく方針ではありますが、コスト改善効果が十分ではなく、また、価格転嫁も困難となる場合には、減益要因となる可能性があります。
一方、人件費等のコスト上昇に伴い、顧客企業等において業務効率改善やコスト削減等を目的としたアウトソーシングを推進する動きが強まれば、当社グループの業務拡大の機会が増加し、当社グループの経営成績にプラスの影響を与える可能性があります。
ⅲ) 事故・災害
当社グループは、請負サービスや物流サービスの提供を通じて、顧客企業の生産工程やサプライチェーンに深く関与しております。したがって、当社グループの経営上最も重視すべき点は、安全衛生の向上並びにサービスの品質管理を徹底し、事故・災害を未然に防止すること、そして、さらにはこのような安全衛生・品質管理への徹底した姿勢を強みにまで昇華させることであると認識しております。安全衛生・品質管理への徹底した取り組みは、業務の生産性を維持・向上させ、顧客企業との信頼関係強化につながり、経営成績にプラスの影響を与える要因となります。しかしながら、当社グループの安全・品質の不備に起因する重大事故や災害が発生した場合には、当社グループのみならず顧客企業の社会的な信用の失墜に繋がり、当社グループの経営成績に大幅なマイナス影響を与える可能性があります。
ⅳ) 人材の育成・確保
当社グループでは、顧客企業のニーズに応じて多種多様な業務作業の請負を行っており、各業務作業に関して専門的な知識を有する人材を育成し、確保する必要があります。また、顧客企業の季節需要を含む業務の繁閑に対して、外注企業の活用を含めた柔軟な人員配置をコントロールする必要があります。したがって、必要な人材の確保・育成及び適正配置を行うことが、当社グループの健全な成長の前提条件であり、これが達成できない場合には、経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
ⅴ) 法的規制の動向等
当社グループは、多種多様な許認可等を得て事業運営を行っております。これらの許認可等が一種の参入障壁となり、事業の安定に寄与している側面があります。当社グループはこれら関連法令等の遵守に努めており、本書提出日現在において事業運営上の支障をきたす状況は生じておりません。しかしながら、違反その他事由により必要な許認可等が停止又は取消となった場合には、当社グループの経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
また、当社グループの事業の性質上、a)請負・派遣の区分等の適正化に係る規制、b)外注企業の活用における下請代金支払遅延等防止法(下請法)に係る規制、c)従業員の労務管理にかかる労働関連法令に係る規制、さらにはd)自動車NOx・PM法をはじめとする環境関連の法令・条例等について、留意する必要があります。当社グループの事業に関連する法的規制の強化等により、それに対応するためのコスト増や設備投資等が必要となる場合には、経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの主な資金需要は、運転資金、設備資金、投融資資金があります。
運転資金については、請負業務、貨物輸送、倉庫業務といった営業活動に必要な資金(外注・材料費及び人件費等)や、一般管理費、販売費があります。
設備資金については、主に拠点拡大、整備等による倉庫建設や、車両運搬具及び機械装置といった固定資産購入によるものであります。投融資資金については、業容拡大のためのM&Aや事業提携による出資金があります。
財務政策
当社グループの資金調達に関しては、内部資金を充当し、不足分については有利子負債で調達しております。具体的な調達手段といたしましては、運転資金については短期借入金やコマーシャル・ペーパー発行により調達し、設備資金、投融資資金については長期借入金や社債発行による調達を実施しております。
なお、資金調達の実施にあたっては、キャッシュ・フローの状況、投資案件の進捗、金利動向を考慮し、調達時期、調達規模、調達手段を適宜判断し実施しております。
一方、グループ内の余剰資金を活用し、資金を必要とする当社グループ会社に融資する事で、資金の流動性を確保し、併せて有利子負債の圧縮に努めております。
(7) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、限られた経営資源を効率的に活用することで高い付加価値を生み出しつつ、中長期的な成長を達成することを目指しております。したがって、売上高や営業利益といった事業規模や成長性を示す指標と、売上高営業利益率や自己資本当期純利益率(ROE)といった収益性、資本効率性を示す指標が、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断する上での基本的な指標であると考えております。
2019年3月期の売上高は2,941億58百万円(前連結会計年度比6.3%増)、営業利益は109億76百万円(前連結会計年度比0.8%減)であり、営業利益率は3.7%(前連結会計年度と同水準)、ROEは6.4%(前連結会計年度比1.0ポイント減)でした。今後は、2030年に向けた基盤作りを行うべく、当面の間、人材の採用・育成コスト、システム関連コストなどの負担が増加することが見込まれます。しかし、これらのコストは、生産年齢人口の減少に伴う構造的な人手不足など長期的な経営環境の変化に対応するために、経営戦略上必要なコストであると考えております。
今後も経営環境の変化を機会と捉え、資本生産性を高めながら中長期的な成長を図ってまいります。