有価証券報告書-第100期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 13:32
【資料】
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【項目】
116項目

研究開発活動

当連結会計年度の研究開発活動は、バイオガスおよびLNG冷熱の有効活用に向けた試験研究や農業分野におけるエネルギーの有効活用についての検討を行っております。また、全国の中小ガス事業者が日本ガス協会およびメーカーと共同で現場での作業が安全かつ効率的に実施できるよう改善や工夫提案を行う技術開発に参画しております。技術開発・試験研究項目は以下のとおりであり、要した費用は合計で2,295千円となっております。
都市ガス事業
(1)バイオマス設備メーカーとのバイオガス増量に関する共同検討
畜産が盛んな鹿児島でのバイオガス事業検討において、生ごみ、植物残渣等と比較すると畜産糞尿は発生するバイオガス発生量が少ないため、事業採算性が厳しい状況にあります。事業性向上を目指し、ガス発生量が多いエネルギー作物の添加や畜産糞尿の水分調整によるガス増量への有効性について、設備メーカーと共同研究を実施しており、要した費用は1,000千円であります。
(2)国立大学法人鹿児島大学との共同研究
農業分野におけるエネルギーの有効利用について検討しています。鹿児島大学指宿農場の温泉熱利用のデータ取りを実施し、大学が保有する作物栽培に必要な全エネルギー量データとの比較で、排熱利用における省エネ効果の具体化を行い、要した費用は500千円であります。
将来的にはバイオマス事業も絡め、発電排熱等を利用したエネルギーベストミックスのあるべき姿を構築したいと考えています。
(3)LNGの冷熱を空調に利用した野菜工場の試験研究
野菜工場のテストプラントを設置し、野菜の生育実証とLNGの冷熱を空調に利用した野菜工場の試験研究を行っており、要した費用は350千円であります。
(4)簡易両ガス確認装置開発
本支管工事における両ガス確認作業は、一般的にバイパス配管を利用して行われていますが、廃止管工事やパイプスプリッター工事のようにバイパス配管設置を行わない工事もあります。その場合でも両ガス確認作業を行っているため、閉止用・バイパス用穿孔(計3か所)が必要であり、現場での作業負荷が大きい現状です。よって、本技術の確立により穿孔箇所数を減らし、作業負荷・コスト低減を図ることを目的とし開発を進めており、要した費用は265千円であります。
簡易に両ガス確認作業が可能となることは供給支障現場等の迅速な調査・復旧にも役立つ技術です。
(5)大口径塩ビライニング鋼管用被覆剥離工具開発
大口径塩ビライニング鋼管(アイボリー管32A~80A)の工事の際に使用する各種継手は、塩ビ被覆を剥離せずにメカニカル接合することは不可能であり、事前の作業として必ず塩ビの剥離作業が発生します。
しかしながら、鋼管の外周全周に強力な接着剤が塗布されており剥離作業に多くの時間を費やしています。本課題を解決するため開発を行い、作業時間と比べて最大1/8に作業短縮できる工具を完成させました。要した費用は180千円であります。