有価証券報告書-第97期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により極めて厳しい状況となり、劇場歌舞伎座における歌舞伎公演も3月から7月までは休演となり、8月より再開したものの、座席数の制限、客席・ロビーでの食事禁止など、引き続き感染症対策を実施しております。このため、連結子会社の食堂・飲食事業及び売店事業の売上高及びセグメント利益は前期を大幅に下回る結果となりました。なお、当連結会計年度におきまして、計画していた舞台檜板の張替及び劇場1階売店出入口新設等の設備投資を行っております。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、当連結会計年度における売上高は2,106,205千円(前期比43.7%減)、営業損失は378,294千円(前期は営業利益297,646千円)、経常損失は322,324千円(前期は経常利益322,435千円)となり、劇場設備の更新に伴う有形固定資産除却損を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は347,417千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益212,540千円)となりました。
これをセグメント別にみると、不動産賃貸事業については、賃料減額の影響により売上高は1,750,961千円(前期比8.3%減)となりました。安全・衛生に影響のない保全作業を先送りし、公演中止に伴う経費も減少しましたが、固定資産税等の負担増により、セグメント利益は487,313千円(前期比32.3%減)となりました。
食堂・飲食、売店事業については、休演による影響と再開した8月公演以降に実施した感染症予防対策により、厳しい状況で推移いたしました。
食堂・飲食事業については、売上高は87,957千円(前期比87.9%減)となり、セグメント損失は192,438千円(前期はセグメント利益29,636千円)となりました。
売店事業については、売上高は267,286千円(前期比75.8%減)となり、セグメント損失は172,034千円(前期はセグメント利益58,884千円)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,170,435千円増加し27,366,184千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ433,463千円減少し1,420,799千円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少483,345千円であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,603,899千円増加し25,945,384千円となりました。主な要因は、投資有価証券の時価評価による増加2,093,957千円のほか、有形固定資産の取得による増加49,324千円(建設仮勘定からの振替を含まない)及び減価償却等(無形固定資産を含む)による減少523,206千円であります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ127,427千円増加し14,812,923千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ185,741千円減少し673,642千円となりました。主な要因は、買掛金の減少110,480千円、未払法人税等の減少31,636千円、未払消費税等の減少24,032千円であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ313,168千円増加し14,139,280千円となりました。主な要因は、長期前受金の減少292,809千円、投資有価証券を時価評価したこと等による繰延税金負債の増加622,017千円であります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,043,008千円増加し12,553,260千円となりました。主な要因は、投資有価証券を時価評価したことによるその他有価証券評価差額金の増加1,451,384千円、利益剰余金の減少407,932千円であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動により360,721千円減少し、投資活動により62,452千円減少し、財務活動により60,171千円減少しました。その結果、現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、483,345千円減少となり、当連結会計年度末には1,269,995千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果から減少した資金は、360,721千円となり、前連結会計年度との比較では947,455千円の減少となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失356,860千円(前期は税金等調整前当期純利益309,287千円)による資金の減少666,147千円、仕入債務の増減額の減少99,142千円、その他(主に未払金)の減少126,858千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は、62,452千円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出であり、前連結会計年度との比較では34,481千円の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の減少は、60,171千円となりました。これは主に配当金の支払額であり、前連結会計年度との比較では721千円の支出の減少となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
| 2019年2月期 | 2020年2月期 | 2021年2月期 | |
| 自己資本比率(%) | 43.3 | 43.9 | 45.9 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 265.3 | 255.5 | 216.0 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | ― | ― | ― |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | ― | ― | ― |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)より算出しております。
※ 2019年2月期連結会計年度より2021年2月期連結会計年度は、有利子負債及び利払いがないため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
④ 営業実績
当連結会計年度における売上高実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 割合(%) | 前年同期比(%) |
| 不動産賃貸事業 | 1,750,961 | 83.1 | △8.3 |
| 食堂・飲食事業 | 87,957 | 4.2 | △87.9 |
| 売店事業 | 267,286 | 12.7 | △75.8 |
| 計 | 2,106,205 | 100.0 | △43.7 |
(注) 1 主な相手先別売上高実績及び総売上高に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 売上高(千円) | 割合(%) | 売上高(千円) | 割合(%) | |
| 松竹株式会社 | 949,699 | 25.4 | 797,921 | 37.9 |
| KSビルキャピタル特定目的会社 | 719,331 | 19.2 | 719,331 | 34.2 |
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 詳細につきましては、第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] [連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項] に記載のとおりであります。
② 経営成績の分析
売上高は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく、劇場歌舞伎座における歌舞伎公演は緊急事態宣言を受けて、3月から7月まで中止となり、8月より原則前後左右を空けた席配置とし、幕間(休憩時間)を設けない総入れ替えの四部制で再開し、1月以降は三部制の公演となったものの、引き続き座席数の制限、短い幕間等の感染症対策を実施しております。
(不動産賃貸事業)
劇場休演期間の賃料減額の影響、地下広場においては緊急事態宣言に伴う休業および営業時間の短縮に伴う賃料減額の影響により、売上高は前期比8.3%の減収となり、営業利益は、固定資産税等の負担増により前期比32.3%の減益となりました。
(食堂・飲食事業)
3月から7月までの5か月に及ぶ休演、8月以降の再開後も客席・ロビーでの飲食禁止等感染症対策により、売上高は前期比87.9%の減収となり、192,438千円の営業損失(前期は営業利益29,636千円)を計上いたしました。
(売店事業)
上記5か月の休演、再開後も幕間を設けない公演(1月以降は短い幕間)等により、売上高は前期比75.8%の減収となり、172,034千円の営業損失(前期は58,884千円の営業利益)となりました。
なお、提出会社の当期純利益は前事業年度に比べ177,640千円(前期比76.5%)減少し54,671千円となりましたが、「安定配当の維持・継続」の基本方針により年間配当金を1株につき5円といたします。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況に記載のとおりであります。
なお、自己資本比率は45.9%となり、前連結会計年度末に比べ2.0%上昇しました。総資産は1,170,435千円(前期比4.5%)増加し、自己資本は1,043,008千円(前期比9.1%)増加したことによるものであります。
④ キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金と設備投資資金であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を営業キャッシュ・フローにより安定的に確保することを基本方針とし、自己資金のほか必要に応じて金融機関からの借入により資金調達を行います。