有価証券報告書-第100期(2023/03/01-2024/02/29)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類感染症に移行したことに伴い、行動制限が撤廃され、経済活動の正常化が進みました。インバウンド需要の増加や賃上げ率の上昇、資源価格や人件費の増加分を価格転嫁する動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調となった一方で、不安定な国際情勢、大幅な円安による資源価格の高騰や自然災害といった不安要素に十分な注意を払う必要がある等、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のなか、劇場及び附帯施設を賃貸する不動産賃貸事業と食堂・飲食及び売店事業を展開する当社グループは、コロナ禍で落ち込んだ業績の早期回復を図るため経営効率の改善と従業員の意識改革に努めました。
その結果、当連結会計年度における売上高は3,052,816千円(前期比13.0%増)、営業利益は203,200千円(前期は営業損失25,079千円)、経常利益は222,400千円(前期は経常損失3,174千円)となり、連結子会社が所有する不動産の一部を売却して固定資産売却益128,233千円を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は255,955千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失78,400千円)となりました。
これをセグメント別にみると、不動産賃貸事業については、売上高は1,895,690千円(前期比2.0%増)となりました。コロナ禍の余波により設備に係る一部の保全作業が先送りとなったこと等から、セグメント利益は694,678千円(前期比4.7%増)となりました。
食堂・飲食事業については、歌舞伎俳優監修や演目に因んだお食事・お弁当を毎月提供した他、2024年1月に浅草公会堂「新春浅草歌舞伎」で「新春浅草歌舞伎お好み弁当」を販売し売上を伸ばしました。8月と12月には、「歌舞伎座×かぶきにゃんたろう アフタヌーンティー」を開催し、数多くのお客様にご来店いただきました。その結果、売上高は576,149千円(前期比42.5%増)、セグメント損失は20,028千円(前期はセグメント損失101,621千円)となりました。
売店事業については、歌舞伎座を訪れる国内外観光客が増えており、「和」を感じさせる商品に工夫を凝らした他、GINZA歌舞伎座開場10周年記念商品や、地下「木挽町広場」にて様々なお客様をターゲットとした商品の企画販売を展開いたしました。また、「ねこ展」等の定期的な開催により幅広い世代のお客様にご来場をいただきました。その結果、売上高は580,976千円(前期比32.4%増)、セグメント利益は56,304千円(前期はセグメント損失47,553千円)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ464,892千円減少し23,791,967千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ430,826千円増加し2,064,571千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加411,429千円、売掛金の増加15,777千円であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ895,718千円減少し21,727,395千円となりました。主な要因は、投資有価証券の時価評価による減少397,512千円の他、固定資産の取得による増加14,550千円、固定資産の除却・売却による減少51,590千円、減価償却による減少440,015千円であります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ383,928千円減少し13,248,150千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ43,226千円増加し815,257千円となりました。主な要因は、買掛金の増加27,531千円、未払金の増加13,169千円、未払消費税等の増加11,758千円であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ427,154千円減少し12,432,892千円となりました。主な要因は、長期前受金の減少292,809千円、投資有価証券を時価評価したこと等による繰延税金負債の減少124,008千円であります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ80,964千円減少し10,543,816千円となりました。主な要因は、投資有価証券を時価評価したことによるその他有価証券評価差額金の減少275,812千円、利益剰余金からの配当による減少60,599千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加255,955千円であります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.5%増加し44.3%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動により308,321千円、投資活動により163,394千円いずれも増加し、財務活動により60,286千円減少しました。その結果、現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、411,429千円増加し、当連結会計年度末には1,918,452千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、308,321千円となりました。これは主に「税金等調整前当期純利益」350,633千円、「減価償却費」440,015千円の計上及び「長期前受金の減少額」292,809千円、「固定資産売却益」128,233千円、「法人税等の支払額」96,996千円による減少であり、前連結会計年度との比較では148,643千円の資金の増加(前期は159,677千円の資金の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は、163,394千円となりました。これは主に「有形固定資産の売却による収入」177,467千円、「有形固定資産の取得による支出」7,468千円であり、前連結会計年度との比較では168,241千円の資金の増加(前期は4,846千円の資金の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、60,286千円となりました。これは主に「配当金の支払額」59,778千円であり、前連結会計年度との比較では8千円の資金の減少(前期は60,278千円の資金の減少)となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
| 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | |
| 自己資本比率(%) | 44.2 | 43.8 | 44.3 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 228.4 | 236.8 | 238.6 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | - | - | - |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | - | - | - |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)より算出しております。
※ 2022年2月期連結会計年度より2024年2月期連結会計年度は、有利子負債及び利払いがないため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
④ 営業実績
当連結会計年度における売上高実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 割合(%) | 前年同期比(%) |
| 不動産賃貸事業 | 1,895,690 | 62.1 | 2.0 |
| 食堂・飲食事業 | 576,149 | 18.9 | 42.5 |
| 売店事業 | 580,976 | 19.0 | 32.4 |
| 計 | 3,052,816 | 100.0 | 13.0 |
(注) 主な相手先別売上高実績及び総売上高に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 売上高(千円) | 割合(%) | 売上高(千円) | 割合(%) | |
| 松竹株式会社 | 1,646,560 | 60.9 | 1,646,314 | 53.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績の分析
不動産賃貸事業においては、安定的な収益を計上する一方で、食堂・飲食事業及び売店事業においては、反転の兆しも見えてきているものの予断を許さない状況が続きました。
また、連結子会社が所有する不動産の一部を売却し固定資産売却益128,233千円を特別利益に計上いたしました。
(不動産賃貸事業)
売上高は1,895,690千円(前期比2.0%増)、施設の保全作業について安全・衛生面を優先し、内容を吟味すること等により、営業利益は694,678千円(前期比4.7%増)となりました。
(食堂・飲食事業)
コロナ禍で禁止していた客席・ロビーでの飲食が10月より可能となり、折詰弁当の販売を再開いたしました。お食事処「花篭」でも座席数をコロナ前の170席に戻し、舞台出演者監修のメニューや演目に因んだ食事を用意するなど、集客に努めました。その結果、売上高は576,149千円(前期比42.5%増)営業損失は20,028千円(前期は営業損失101,621千円)となりました。
(売店事業)
お土産処「木挽町」にて歌舞伎座でしか手に入らない独自性のある商品を取り揃えた他、地下木挽町広場では、「全国歌舞伎巡業地方物産展」、人気の高い「ねこ展」や「苔玉盆栽」などの販売会で幅広い世代のお客様にご来店いただきました。また、外販事業にも注力いたしました。その結果、売上高は580,976千円(前期比32.4%増)、営業利益は56,304千円(前期は営業損失47,553千円)となりました。
なお、提出会社の当期純利益は前事業年度に比べ22,479千円(前期比13.6%)増加し187,391千円となりましたが、「安定配当の維持・継続」の基本方針により年間配当金を1株につき5円といたします。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況に記載のとおりであります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.5%増加し44.3%となりました。総資産が464,892千円(前期比1.9%)減少、自己資本が80,964千円(前期比0.8%)減少したことによるものであります。
④ キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金と設備投資資金であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を営業キャッシュ・フローにより安定的に確保することを基本方針とし、自己資金のほか必要に応じて金融機関からの借入により資金調達を行います。