有価証券報告書-第43期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/24 11:55
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103項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、世界的な半導体の在庫調整や米中貿易摩擦の影響を受けた加工型産業を中心に民間設備投資が低調に推移するとともに、消費税増税による個人消費も縮減傾向となったことに加え、年明けからの新型コロナウイルスの感染拡大が経済全体の停滞をもたらしたため、景気は大きく悪化する結果となりました。
当社が属する情報通信・エレクトロニクス業界の事業環境は、5G(第5世代移動通信システム)の普及に向けた技術開発本格化の動きが出る一方、半導体の在庫調整や貿易摩擦の影響が長引く中で新型コロナウイルスの感染拡大の影響が深刻化し、電子部品の調達遅延や各社における開発プロジェクトの延期、見直しが発生したため、事業年度末にかけて急激に変化をしてまいりました。
このような事業環境の中で当社は、通信ミドルウェア事業の単一セグメントでの事業形態として、Ethernet通信技術・ストリーミング技術での強みを活かし、お客様に向けて付加価値が高く、かつ安心してご利用いただける製品・技術を提供できる「高収益」型の事業モデルの構築を推進しております。
具体的には、通信ミドルウェア事業の中核である組込領域において着実に需要のある監視システム分野では、ストリーミング技術に対する高い評価を背景に新製品投入を継続し、また、IP(インターネットプロトコル)化の進むFAネットワーク分野、FAアプリケーションパッケージ分野では、Ethernet通信技術の需要を的確に捉える販売活動の展開に加え、安全技術への需要の高まりを踏まえた機能安全規格の認証取得に資する製品のプロモーションを推進し、新たなお客様の獲得と既存のお客様からの需要掘り起こしに努めております。特に当事業年度においては、セキュアなリアルタイム転送を実現するSRTPミドルウェア製品や、CC-Link IE TSNリモート局とマスター局それぞれに対応する製品を開発するとともに、各種展示会に出展する等、積極的な事業活動を行ってまいりました。
さらに、組込領域以外からの需要拡大のため、当社が培った要素技術を組合せたパッケージ製品の提供を皮切りに、商談規模の大型化を推進するとともに、継続課金による安定的な収益確保に向けた積極的な販売活動を加速しております。
このように積極的な事業活動を展開してまいりましたものの、経済情勢の変化に伴い、お客様各社において開発投資に慎重となる動きが広がったことが商談進捗にも影響したため、当事業年度の売上高が7億70百万円(前年同期比10.8%減少)となりました。
また、損益面では、営業利益3百万円(前年同期比93.4%減少)、経常利益3百万円(前年同期比93.2%減少)となりましたが、業績推移及び今後の業績動向を踏まえ繰延税金資産の取崩しを行ったことから、当期純損失は9百万円(前事業年度は当期純利益42百万円)となりました。
当事業年度末の資産につきまして、流動資産は7億39百万円(前年同期比0百万円減少)となりました。これは主として電子記録債権が18百万円増加、前払費用が16百万円増加したものの、売掛金が38百万円減少したことによるものです。固定資産は82百万円(前年同期比16百万円増加)となりました。これは主として、繰延税金資産が8百万円減少したものの、長期前払費用が19百万円増加したことによるものです。この結果、資産合計は8億22百万円(前年同期比16百万円増加)となりました。
負債につきまして、流動負債は1億55百万円(前年同期比1百万円減少)となりました。これは主として前受収益が23百万円増加したものの、未払金が9百万円減少、買掛金が4百万円減少、未払法人税等が4百万円減少、預り金が3百万円減少したことによるものです。固定負債は43百万円(前年同期比27百万円増加)となりました。これは主として長期前受収益が25百万円増加したことによるものです。この結果、負債合計は1億98百万円(前年同期比25百万円増加)となりました。
純資産合計につきましては6億23百万円となり、前事業年度末の純資産合計と比べ、9百万円の減少となりました。これは主として利益剰余金が9百万円減少したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前受収益の増加額49百万円、売上債権の減少額19百万円、減価償却費16百万円があったものの、前払費用の増加額36百万円、法人税等の支払額11百万円、無形固定資産取得による支出15百万円等により、前事業年度末に比べ2百万円減少し、当事業年度末には4億80百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、17百万円(前年同期比84.2%減少)となりました。これは主に、前払費用の増加額36百万円(前年同期は前払費用の減少額29百万円)、法人税等の支払額11百万円(前年同期比24.7%増加)があったものの、前受収益の増加額49百万円(前年同期は前受収益の減少額37百万円)、売上債権の減少額19百万円(前年同期比48.6%減少)、減価償却費16百万円(前年同期比1.1%減少)等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、15百万円(前年同期比294.0%増加)となりました。これは主に、無形固定資産取得による支出15百万円(前年同期比480.9%増加)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3百万円(前年同期比18.8%増加)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出3百万円(前年同期比18.0%増加)によるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2016年
3月期
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
自己資本比率(%)77.270.476.378.675.9
時価ベースの自己資本比率(%)356.3308.1474.5261.2178.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)--0.10.10.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)--1,324.0602.972.8

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注2)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注3)有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注4)2016年3月期及び2017年3月期は「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
製品
標準製品 (千円)313,13098.2
開発サービス (千円)402,88992.4
その他 (千円)52,97975.7
合計 (千円)769,00093.2

(注)1.当社は、通信ミドルウェア事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
他社製パッケージ製品 (千円)1,90071.5
その他 (千円)15235.9
合計 (千円)2,05266.6

(注)1.当社は、通信ミドルウェア事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当事業年度の受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
製品
標準製品245,49557.891,05357.8
開発サービス378,46985.248,64266.6
その他52,886106.233,34299.7
小計676,85073.7173,03865.5
商品
その他2,54253.8--
合計679,39273.6173,03865.5

(注)1.当社は、通信ミドルウェア事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
製品
標準製品 (千円)312,00288.4
開発サービス (千円)402,88992.4
その他 (千円)52,97975.7
小計 (千円)767,87189.4
商品
その他 (千円)2,64255.8
合計 (千円)770,51389.2

(注)1.当社は、通信ミドルウェア事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.前事業年度及び当事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
エレコム株式会社--73,2009.5

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産、負債の計上金額及び会計期間における収益、費用の計上金額に影響を与えるような見積りや判断を必要とします。これらの見積りや判断は、当社が継続的に過去の実績、あるいは状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により様々な検討を行い、その見積りと予測を評価して、これらの評価結果を資産、負債、収益及び費用の計上金額についての判断の基礎としております。
繰延税金資産の回収可能性について当社は、企業会計上の資産及び負債と、課税所得計算上の資産及び負債の間に生じる一時差異の影響を、法人実効税率を用いて繰延税金資産及び繰延税金負債に計上しており、かつ繰延税金資産について回収可能性がないと見込まれる金額まで評価性引当額を計上しております。つまり、評価性引当額の計上に際しては、将来の収益予想、課税所得予測を考慮しておりますが、当社が繰延税金資産を回収するには、十分な課税所得を計上する必要があります。
なお、当事業年度末において業績推移及び今後の業績動向について、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を反映させるには不確実性が大きく、難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に慎重な検討を行っております。
② 当事業年度の財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当事業年度の売上高は、通信ミドルウェア事業の中核である組込領域において着実に需要のある監視システム分野では、ストリーミング技術に対する高い評価を背景に新製品投入を継続し、また、IP(インターネットプロトコル)化の進むFAネットワーク分野、FAアプリケーションパッケージ分野では、Ethernet通信技術の需要を的確に捉える販売活動の展開に加え、安全技術への需要の高まりを踏まえた機能安全規格の認証取得に資する製品のプロモーションを推進してまいりましたものの、経済情勢の変化に伴い、取引先各社において開発投資に慎重となる動きが広がったことから商談進捗にも影響したため、7億70百万円(前年同期比10.8%減少)となりました。
b.売上原価
当事業年度の売上原価は、3億47百万円(前年同期比16.5%減少)となりました。この減少要因は主に、労務費及び外注加工費の減少によるものです。
c.販売費及び一般管理費
当事業年度の販売費及び一般管理費は、4億19百万円(前年同期比5.0%増加)となりました。この増加要因は主に、人件費と技術研究費の増加によるものです。
d.営業利益
当事業年度の営業利益は、3百万円(前年同期比93.4%減少)となりました。この減少要因は主に、売上高の減少に伴う売上総利益の減少によるものです。
e.経常利益
当事業年度の経常利益は、3百万円(前年同期比93.2%減少)となりました。この減少要因は主に、営業利益の減益によるものです。
f.当期純損失
当事業年度の当期純損失は、9百万円(前事業年度は当期純利益42百万円)となりました。その主な要因は、経常利益の減益と繰延税金資産の取り崩しに伴う法人税等調整額の損の計上によるものです。この結果、1株当たり当期純損失は1.55円となりました。
g.財務状況
当事業年度末における総資産は、8億22百万円(前年同期比2.0%増加)となりました。総資産増加の主な要因は、流動資産のうちの前払費用並びに固定資産のうちの長期前払費用の増加によるものです。また、当事業年度末における純資産は、6億23百万円(前年同期比1.5%減少)となりました。純資産減少の要因は、当期純損失の計上によるものです。
h.キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローについては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
i.当社の資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資金需要のうち主なものは、製造原価のうちの労務費、外注加工費、販売費及び一般管理費等の運転資金、並びに設備投資資金であります。特に販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、技術革新の速い情報通信・エレクトロニクス業界におきまして継続的に投資していくことが不可欠であると認識しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大による経済停滞等、事業遂行中に発生する不測の事態に対処するためにも、当座の必要資金を十分に確保した財務安定性は不可欠であると認識しております。
これらを踏まえ当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金並びに設備投資資金とも自己資金を充当することを基本としています。また一方で、先行投資的な資金も必要なことから事業運営上必要な資金は、手元流動性の高い現金及び現金同等物として保持していく方針であります。
なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は4億80百万円であります。
j.当社の経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因に関しては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
k.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、事業基盤の強化中であることを踏まえ、収益性を重視し、その収益を源泉として次の収益に繋がる研究開発費や設備投資資金を捻出するため、毎事業年度において、売上高総利益率50%以上を経営上の目標としております。なお、当事業年度における売上高総利益率は54.9%となっております。
(3)経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、IoT(Internet of Things)の普及期を迎え、組込みシステムとその応用技術は現在以上に重要な役割を担うことになると想定される経営環境にありますが、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の動揺が大きく広がっているため、直接的に影響を受ける業界だけではなく、電機業界各社、自動車業界各社、さらには素材業界各社も新規の設備投資、開発投資に慎重な姿勢を強める等、経済が停滞する環境は当面続くと思われます。
その環境を踏まえ当社といたしましては、資金の厳格管理を進める等による流動資産中の現預金の増加を志向し、この結果として、より余力のある、安定した経営を行っていく所存です。
そのための方策として、開発業務におけるプロジェクト単位での予実管理の徹底、技術力・品質管理力の向上、蓄積した知見の活用によるリソースに頼らない業務効率化と、全社規模での社内啓発によるコンプライアンス意識の一層の向上を行うことにより、収益性確保と、企業としての社会性を担保してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとして、デジタル技術を活用して新たな価値を生み出すDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展が加速し、社会が急速に変容していくことが想定されます。事実、企業におけるリモート会議やテレワーク勤務の浸透、個人消費におけるECサイト利用の拡大等、「新しい常態」が出現しつつありますので、当社といたしましては、業務プロセスの安定とセキュリティの向上を一層図ると同時に、この機を捉えた事業拡大に向け、保有する通信ミドルウェア・ライブラリの要素技術の新たに生まれる需要の開拓を推進し、中長期的視点から持続的な収益力の強化を進めてまいります。

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