有価証券報告書-第44期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 13:48
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98項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大による未曽有の事態に見舞われる中、我が国における経済活動は第一次緊急事態宣言の解除後に段階的に再開の動きは見られたものの、消費マインドの停滞に加え、国内各企業も設備投資・開発投資には慎重な姿勢を継続し、さらには2021年1月に首都圏を中心に再び緊急事態宣言が発出されるなど、事態収束の兆しが見えず、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社が属する情報通信・エレクトロニクス業界におきましては、世界規模での新型コロナウイルス感染症の拡大により海外経済も急激に落ち込んだため、輸出企業を中心に新規開発プロジェクトの抑制や予算執行延期が相次ぎ、業況は厳しいものとなりましたが、2020年末からの半導体や液晶需要の復調、さらには自動車の電動化に向けた新規設備投資に支えられ、期末にかけて持ち直しの兆しが顕れております。
このような事業環境の中で当社は、継続的で安定した事業基盤の構築に向け、強みであるストリーミング技術を基に、ネットワークからメディア配信/管理まで一気通貫で技術を提供できる「エンジニアリング・サービス」事業に力を注ぐことを事業方針とし、映像連携ソリューション・パッケージ製品のパートナー連携による拡販と合わせ、車載やDXインサイト(認識技術によるデジタルトランスフォーメーション)分野からの需要獲得を行うなど、収益改善に向けて努力を重ねてまいりました。
このように当社は当事業年度において、企業価値と資本効率を向上させるよう努力を重ねてきましたが、需要先各社における新規開発プロジェクト抑制をはじめとする事業環境悪化の影響を払拭するには至らず、売上高は6億17百万円(前年同期比19.9%減少)となりました。また損益面では、あらゆる経費の削減に努めてまいりましたが減収の影響は大きく、営業損失は62百万円(前事業年度は営業利益3百万円)、経常損失は50百万円(前事業年度は経常利益3百万円)となり、さらに特別退職金及び投資有価証券売却損の特別損失発生と、業績推移並びに今後の業績動向を踏まえた繰延税金資産の取崩しを行ったことから、当期純損失は82百万円(前事業年度は当期純損失9百万円)となりました。
当事業年度末の資産につきまして、流動資産は6億65百万円(前年同期比73百万円減少)となりました。これは主に、現金及び預金の減少59百万円、電子記録債権の減少11百万円等によるものであります。固定資産は30百万円(前年同期比52百万円減少)となりました。これは主に、ソフトウエアの減少4百万円、投資有価証券の減少3百万円、長期前払費用の減少19百万円、繰延税金資産の減少17百万円等によるものであります。この結果、資産合計は6億96百万円(前年同期比1億25百万円減少)となりました。
負債につきまして、流動負債は1億41百万円(前年同期比13百万円減少)となりました。これは主に、買掛金の増加9百万円があったものの、未払法人税等の減少4百万円、未払消費税等の減少7百万円、賞与引当金の減少8百万円等によるものであります。固定負債は13百万円(前年同期比29百万円減少)となりました。これは主に、長期前受収益の減少25百万円等によるものであります。この結果、負債合計は1億55百万円(前年同期比43百万円減少)となりました。
純資産合計につきましては5億41百万円となり、前事業年度末の純資産合計と比べ、82百万円の減少となりました。これは、当期純損失の計上に伴う利益剰余金の減少82百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純損失60百万円を計上したことから、前事業年度末に比べ59百万円減少し、当事業年度末には4億21百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は47百万円(前事業年度に得られた資金は17百万円)となりました。これは主に、税引前当期純損失60百万円(前事業年度は税引前当期純利益3百万円)の計上、助成金の受取額12百万円(前年同期比2099.3%増加)等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7百万円(前年同期比54.4%減少)となりました。これは主に、無形固定資産取得による支出6百万円(前年同期比56.6%減少)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4百万円(前年同期比4.8%増加)となりました。これは、リース債務の返済による支出4百万円(前年同期比5.5%増加)によるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
自己資本比率(%)70.476.378.675.977.7
時価ベースの自己資本比率(%)308.1474.5261.2178.1290.6
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)-0.10.10.8-
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)-1,324.0602.972.8-

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注2)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注3)有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注4)2017年3月期及び2021年3月期は「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
製品
標準製品 (千円)173,93655.5
開発サービス (千円)377,30893.7
その他 (千円)56,193106.1
合計 (千円)607,43879.0

(注)1.当社は、通信ミドルウェア事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
他社製パッケージ製品 (千円)45624.0
その他 (千円)11273.4
合計 (千円)56827.7

(注)1.当社は、通信ミドルウェア事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当事業年度の受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
製品
標準製品150,63961.459,72365.6
開発サービス445,599117.7116,133238.8
その他56,305106.533,455100.3
小計652,54496.4209,311121.0
商品
その他86934.227-
合計653,41396.2209,338121.0

(注)1.当社は、通信ミドルウェア事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
製品
標準製品 (千円)182,76958.6
開発サービス (千円)377,30893.7
その他 (千円)56,193106.1
小計 (千円)616,27180.3
商品
その他 (千円)84231.9
合計 (千円)617,11380.1

(注)1.当社は、通信ミドルウェア事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.前事業年度及び当事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社ニコン--53,5308.7

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産、負債の計上金額及び会計期間における収益、費用の計上金額に影響を与えるような見積りや判断を必要とします。これらの見積りや判断は、当社が継続的に過去の実績、あるいは状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により様々な検討を行い、その見積りと予測を評価して、これらの評価結果を資産、負債、収益及び費用の計上金額についての判断の基礎としております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等、不確実性が大きく、将来事業計画等の見込み数値に反映させることが難しい要素もありますが、当事業年度末現在において入手可能な情報を基に検証を行っております。
(繰延税金資産の回収可能性の評価)
繰延税金資産の回収可能性について当社は、企業会計上の資産及び負債と、課税所得計算上の資産及び負債の間に生じる一時差異の影響を、法定実効税率を用いて繰延税金資産及び繰延税金負債に計上しており、かつ繰延税金資産について回収可能性がないと見込まれる金額まで評価性引当額を計上しております。つまり、評価性引当額の計上に際しては、将来の収益予想、課税所得予測を考慮しておりますが、当社が繰延税金資産を回収するには、十分な課税所得を計上する必要があります。
課税所得の見積りは翌事業年度の事業計画を基礎としております。当該事業計画は従来の通信ミドルウェア・ライブラリ製品の開発販売からエンジニアリング・サービス主体の事業構造への転換をはかるものであり、当事業年度はその転換途上のため翌事業年度の事業計画の達成可能性に不確実性があること、かつ経営環境も新型コロナウイルス感染症拡大の影響が今後も一定期間続くと考えられ、収束が見通せない状況にあることも考慮し、事業計画に一定のストレスをかけて課税所得見積額を算出し、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。
また、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動により見直しが必要となった場合は、翌事業年度の財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
② 当事業年度の財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当事業年度の売上高は、期初より新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け続けたものの、この事業環境・社会情勢の変化を踏まえ、継続的で安定した事業基盤の構築に向け、強みであるストリーミング技術を基に、ネットワークからメディア配信/管理まで一気通貫で技術を提供できるエンジニアリング・サービス事業に力を注ぐ事業方針とし、映像連携ソリューション・パッケージ製品のパートナー連携による拡販と合わせ、車載やDXインサイト(認識技術によるデジタルトランスフォーメーション)分野からの需要獲得を行うなど、収益改善に向けて努力を重ねてきましたが、需要先各社における新規開発プロジェクト抑制をはじめとする事業環境悪化の影響を払拭するには至らず、6億17百万円(前年同期比19.9%減少)となりました。
b.売上原価
当事業年度の売上原価は、3億32百万円(前年同期比4.4%減少)となりました。これは主に、外注加工費の減少によるものです。
c.販売費及び一般管理費
当事業年度の販売費及び一般管理費は、3億47百万円(前年同期比17.2%減少)となりました。これは主に、人件費、販売促進費、旅費及び交通費、研究開発費の減少によるものです。
d.営業利益
当事業年度の営業損失は、62百万円(前事業年度は営業利益3百万円)となりました。これは主に、売上高の減少に伴う売上総利益の減少によるものです。
e.経常利益
当事業年度の経常損失は、50百万円(前事業年度は経常利益3百万円)となりました。これは主に、営業損失及び営業外収益(助成金収入)の計上によるものです。
f.当期純損失
当事業年度の当期純損失は、82百万円(前事業年度は当期純損失9百万円)となりました。これは主に、経常損失と特別損失(投資有価証券売却損、特別退職金)の計上及び繰延税金資産の取崩しによるものです。この結果、1株当たり当期純損失は13.12円となりました。
g.財務状況
当事業年度末における総資産は、6億96百万円(前年同期比15.3%減少)となりました。これは主に、現金及び預金、電子記録債権、ソフトウエア、投資有価証券、長期前払費用、繰延税金資産の減少によるものです。また、当事業年度末における純資産は、5億41百万円(前年同期比13.2%減少)となりました。これは、当期純損失の計上によるものです。
h.キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローについては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
i.当社の資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資金需要のうち主なものは、製造原価のうちの労務費、外注加工費、販売費及び一般管理費等の運転資金、並びに設備投資資金であります。特に販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、技術革新の速い情報通信・エレクトロニクス業界におきまして継続的に投資していくことが不可欠であると認識しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大による経済停滞等、事業遂行中に発生する不測の事態に対処するためにも、当座の必要資金を十分に確保した財務安定性は不可欠であると認識しております。
これらを踏まえ当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金並びに設備投資資金とも自己資金を充当することを基本としています。また一方で、先行投資的な資金も必要なことから事業運営上必要な資金は、手元流動性の高い現金及び現金同等物として保持していく方針であります。
なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は4億21百万円であります。
j.当社の経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因に関しては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
k.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、売上高総利益率とROE(自己資本利益率)であります。当社では、事業環境の変化を踏まえ、当事業年度の期中でエンジニアリング・サービスを中心とした事業構造への転換を推進する事業方針の変更を行っておりますが、これは財務体質の健全性を維持しながら経常的に利益を計上できる収益構造の構築により「企業価値」の向上を目指したものであり、その観点から収益性を重視し、毎事業年度において売上高総利益率50%を目標とするとともに、中期目標としてROEの向上を指向しております。なお、当事業年度における売上高総利益率は46.1%(前事業年度は54.9%)となりました。
(3)経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、変異種の発生が確認された新型コロナウイルス感染症の収束時期や、経済活動、社会活動の回復速度を見通すことが困難な状況でありますが、当社が属する情報通信・エレクトロニクス業界においては、DX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめとする技術革新が非常に早いスピードで進行し、関連する開発投資は拡大を続けていくものと考えております。
このような事業環境の下、当社といたしましては、培ってきたストリーミング技術をベースとしたエンジニアリング・サービス(受託開発)事業の拡大に力を注ぎ、経営の安定化をはかることが急務であると認識しております。
また、持続的な成長に向けた展開を図るためにはエンジニアの確保・育成、及び公正な事業遂行、人権と多様性の尊重が課題となってまいります。当社では事業基盤を支える技術者の採用に努めるとともに、新たな技術の企画・開発と、品質管理を行うことのできる人材の育成、さらにはコンプライアンス意識の一層の向上とダイバーシティに意を用いた社内教育、さらにその人材活用を行うことで、収益力強化と、企業としての社会性を担保してまいります。

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