四半期報告書-第33期第1四半期(平成27年1月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/05/13 15:38
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23項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期累計期間における我が国経済は、政府の経済政策や日銀の金融政策などを背景とした円安・株高効果により、輸出関連企業を中心とした業績の好転や国土強靭化基本計画に係る公共投資の増勢持続から緩やかな回復傾向を辿りました。
一方、急激な円安に伴う原材料コストの増加に加え、一部の業種においては消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減の長期化など景況感に停滞が見られましたが、その影響も全体として収束しつつあります。
当社の属する情報サービス業界におきましては、企業のIT投資マインドが改善傾向にあり、大手企業を中心に競争優位性の確保につながる経営戦略面の課題解決に対する投資意欲が高まっております。
このような経済環境の中、当社の主要なマーケットであります製造業の分野では、住宅メーカー、住宅設備メーカーなど製造業全般でIT投資が活況でありました。また、公共事業の分野でも防災・減災関連やインフラ維持管理テーマへの予算配分が増加しております。
当第1四半期累計期間のソリューションサービス事業は、複数の大型案件の完工に加え、大手企業からの好調な受注と製造業の顧客接点に特化した自社ソリューションが寄与し、大幅な増収増益を達成いたしました。
エンジニアリングサービス事業は、前年同期と比較して大型の販売案件が減少したものの、防災・減災関連業務や施設長寿命化計画策定業務、環境関連業務の好調な引き合いにより堅調に推移しました。
これらの結果、当第1四半期累計期間の売上高は1,057,058千円(前年同期比17.5%増)、営業利益は225,867千円(前年同期比15.3%増)、経常利益は226,887千円(前年同期比14.4%増)、四半期純利益は145,557千円(前年同期比48.4%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
・ソリューションサービス事業
製造業向けソリューションサービスにつきましては、業務の効率化を支援する自社ソリューションを中心に展開しております。
営業支援ソリューション(製品名:Easy及びWebレイアウトプランナー)につきましては、前事業年度より実施中の複数の大型案件が完工したこと、WindowsXPのサポート終了に伴うリプレース案件が増加したことなどにより、順調に推移しました。
また、設計支援ソリューションや保守支援ソリューション(製品名:PLEX及びFieldPlanner)につきましても、業務効率化の流れとアフターサービスの重視から、受注は堅調に推移しました。
今後は、得意分野である構造計算、BIM[※1]ソリューションを中核として、住宅メーカーやゼネコン分野で更なる事業拡大を目指し、注力してまいります。
業績面では、前述の大型案件が順調に完工したことに加え、好調な受注状況を背景に売上が集中したことにより、大幅な増収増益を達成しました。
これらの結果、当第1四半期累計期間の売上高は668,309千円(前年同期比92.3%増)、セグメント利益は160,301千円(前年同期比131.3%増)となりました。
・エンジニアリングサービス事業
防災・減災関連業務につきましては、政府の経済対策による公共投資の増加という好材料の影響もあり、地盤・構造解析業務や津波・氾濫解析業務の受注が堅調に推移しました。
環境関連業務につきましては、エネルギー需給等の市場動向や東京オリンピック開催に関連した環境アセスメント業務や水圏環境解析業務の受注が堅調に推移したほか、小売業の既存店舗の改修需要に伴い大規模小売店舗立地法コンサルタント業務の受注も底堅く推移しております。
また、老朽化した社会インフラの維持・更新ニーズの高まりから、下水道施設等のアセットツール開発や施設長寿命化策定コンサルタントなどアセットマネジメント業務の受注も順調に伸張しております。
前々事業年度から展開を開始したCIM[※2]導入支援プログラムの構築や行動シミュレーション開発は、建設ICT業務や地域防災計画業務の受注に繋がっており、さらに、高度化・複雑化する市場要請に対応するための大気拡散モデル開発や氾濫解析モデル開発を行うことにより着実に事業領域を拡大しております。
一方で業績面では、長期プロジェクトが増加傾向にあり、また、前事業年度は好調であった大型販売案件の引き合いが一段落したため、減収減益となりました。
これらの結果、当第1四半期累計期間の売上高は388,748千円(前年同期比29.5%減)、セグメント利益は121,613千円(前年同期比31.5%減)となりました。
※1:BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)
コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのモデルシステム。
※2:CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)
建設生産システムの基軸を従来の2次元モデルから3次元モデルへ拡張し、データをコンピュータ上に構築・共有しながら統合的に調査、計画、設計、解析、施工、維持管理にいたる一連のワークフローを効率化するシステム。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当第1四半期会計期間の総資産は、2,314,228千円となり前事業年度末と比較し132,255千円増加しました。これは主に、たな卸資産221,741千円が減少したものの、受取手形及び売掛金233,806千円、現金及び預金80,469千円、差入保証金43,757千円がそれぞれ増加したためであります。
(負債の部)
当第1四半期会計期間の負債は、701,388千円となり前事業年度末と比較し15,279千円減少しました。これは主に、賞与引当金が53,319千円増加したものの、受注損失引当金24,738千円及び前受金19,276千円が減少したためであります。
(純資産の部)
当第1四半期会計期間の純資産は、四半期純利益を145,557千円計上したこと等により、前事業年度末から147,534千円増加し、1,612,839千円となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。