有価証券報告書-第22期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)

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2019/05/30 15:36
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114項目
(業績等の概要)
(1)業績
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善が続き、全体として緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米中の通商問題の動向、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等により、日本経済の先行きは不透明な状況が続いております。
国内の雇用情勢につきましては、2019年2月の完全失業率(季節調整値)は2.3%と低位で推移し、有効求人倍率(季節調整値)は1.63倍と、引き続き高水準で推移しております。
このような環境のなか、人手不足を背景とした多くの求人ニーズが当社サービスに寄せられております。こうした多様なニーズに対応すべく、当社は2018年4月に296名の新卒社員を受け入れたほか、営業拠点の新設(2拠点)及び増床・移転(4拠点)を行うなど、営業体制の基盤強化に努めてまいりました。また、主力事業である人材サービス事業におきましては、営業力及び商品力の強化に継続して注力するとともに、ブランド力の向上及びユーザー層の拡大を図ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は421億76百万円(前年同期比10.8%増)と堅調に推移しました。利益につきましては、新卒社員の採用などの人材投資及び広告宣伝投資を実施する一方、費用の効率化にも努めた結果、営業利益127億45百万円(前年同期比18.0%増)、経常利益125億77百万円(前年同期比16.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は89億10百万円(前年同期比18.3%増)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントにつきまして、組織変更に伴い、「メディア事業」と「エージェント事業」を統合し「人材サービス事業」と致しました。詳細は、「第5.経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「1.報告セグメントの概要 (3)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
①人材サービス事業
人材サービス事業におきましては、アルバイト・パートの求人情報サイト「バイトル」、正社員・契約社員の求人情報サイト「バイトルNEXT」、総合求人情報サイト「はたらこねっと」、及び看護師転職サービス「ナースではたらこ」などの事業を運営しております。
「バイトル」におきましては、2018年3月に業界初となる「しごと体験」「職場見学」応募機能の提供を開始いたしました。2018年6月には、チームラボ株式会社と森ビル株式会社が共同で東京・お台場にオープンした「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」にオフィシャルパートナーとして参画、バイトルアプリをダウンロードした高校生10万人を無料招待するなどの取り組みを通じてアプリのダウンロード促進を図っております。また、2018年10月からは男子体操競技で世界的に活躍する白井健三選手(日本体育大学)を新キャラクターに迎え、「夢は叶えるためにある」をメッセージにした新TVCFを放映したことに加え、2019年1月には乃木坂46を起用したTVCFの新シリーズ4篇(「宅配便」篇、「カラオケボックス」篇、「警備員」篇、「パート」篇)の放映を開始するなど、ブランド力の向上にも努めてまいりました。
「バイトルNEXT」におきましては、「バイトル」の利用顧客に対するクロスセルを引き続き推進し、契約社数の増加による顧客基盤の強化を図ってまいりました。また、2018年6月より、「バイトルNEXT」のブランド力向上のため、イメージキャラクターにEXILE/三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEでパフォーマーを務める岩田剛典さんを起用したTVCFを全国で放映しております。2019年1月には初の就職・転職イベント「しごと発見フェア」を開催し、正社員領域におけるサービスをより一層加速しております。
その他、「バイトル」及び「バイトルNEXT」の共通機能として、2018年7月より求職者の行動履歴データを活用したスカウトメール機能「iスカウト」の提供を開始し、2019年2月にリニューアルを行い「iスカウト/iアプローチ」をリリースいたしました。「iスカウト/iアプローチ」により、従来の機能ではアプローチできなかったユーザーへのスカウトが可能になり、企業と潜在的な求職者の出会いの機会を創出し、採用成功率の高いマッチングを図っております。また、2018年10月からはハローワーク求人情報の掲載を開始し、多様な求人情報を掲載することにより、サイトの魅力及び集客力をさらに向上させる取り組みも進めております。
次に「はたらこねっと」におきましては、人材需給の逼迫や働き方の多様化が進行する中で、引き続き上戸彩さんを起用したTVCFを放映し、ブランド力の向上と新たなユーザーの獲得に注力してまいりました。また、2017年4月より派遣求人情報サイトから総合求人情報サイトへと領域を拡大したことにともない、派遣の求人情報に加え、正社員・契約社員やアルバイト・パートといった直雇用案件の掲載が拡大し、月間契約社数及び掲載情報数が大幅に増加しております。派遣社員だけでなく正社員・契約社員、アルバイト・パートと幅広い働き方の選択肢を提示し、多様なニーズを持つ求職者がそれぞれのライフステージに合った最適な仕事と出会えるサービスを提供することで、さらなるサイトの価値向上を図っております。また、2019年1月には顧客及び営業のさらなる利便性向上を図るため、掲載・応募管理画面をリニューアルし、これまで以上に使いやすいデザインに変更したほか、スマートフォン対応などを行っております。
「ナースではたらこ」に関しましては、2017年5月にサイトのデザインを一新し、スマートフォン対応の強化やお役立ちコンテンツの追加などユーザビリティの向上施策を講じるとともにキャリア・アドバイザーの生産性向上に取り組むことで、安定的に収益が出ております。
なお、2019年1月から日本国内でも提供が開始された「Googleしごと検索」に、当社の「バイトル」「バイトルNEXT」「はたらこねっと」「はたらこindex」「ナースではたらこ」が対応いたしました。Google検索で求人に関する情報を検索すると、検索ワードと関連性がある場合、当社各サイトに掲載中の仕事情報が表示されるようになっております。
これらの結果、当セグメントにおける売上高は421億61百万円(前年同期比10.8%増)、セグメント利益は166億88百万円(前年同期比16.3%増)となりました。
②その他
当社では、既存事業の事業価値を高めていくことに加え、「私たちdipは夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」という企業理念のもと、求人情報サービスの領域にとどまらず、社会への貢献性及び既存事業との親和性が高い新規事業の創出に積極的に取り組んでおります。具体的には、2018年5月には米国子会社「DIP America, Inc.」を設立し、米国においてLIMEX(注)事業を展開するうえでの情報収集・マーケティング活動を開始いたしました。当社は今後も、株式会社TBMとの強固な関係性を構築しつつ、生分解性プラスチック領域の事業展開を図ってまいります。なお、2018年10月より製品開発の促進、販売の強化を目的として、紙等の代替製品としてのLIMEXの販売機能を株式会社TBMへ移管しております。
また、2017年11月に連結子会社化した株式会社BANQにおいては、給料日を待つことなく、働いた分の給料を受け取ることができるオンデマンド給料サービスを展開しております。同サービスにおいては2018年10月より、ジャパンネット銀行と提携してリアルタイム振込サービスを開始したほか、2018年11月には全銀システムの稼動時間拡大(モアタイムシステム)に対応することにより、ジャパンネット銀行以外に口座を持つ利用者に対するリアルタイム振込も実現するなど、高まる日払いニーズに対応した取り組みを進めております。
当セグメントは、主に立ち上げ段階の新規事業から構成され、売上高は14百万円(前年同期は3百万円)、セグメント損失は3億19百万円(前年同期は2億97百万円のセグメント損失)となりました。
(注)「LIMEX(ライメックス)」は、株式会社TBMの商標です。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し、2億10百万円増加し、149億27百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は109億26百万円(前年同期比11億97百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益126億8百万円、減価償却費14億98百万円、株式報酬費用2億51百万円、その他の負債の増加額4億23百万円等が法人税等の支払額37億6百万円、売上債権の増加額4億円を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は63億60百万円(前年同期比19億96百万円の増加)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出19億68百万円、投資有価証券の取得による支出37億62百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は43億56百万円(前年同期比23億91百万円の増加)となりました。これは主に自己株式取得による支出17億8百万円、配当金の支払額27億51百万円によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社グループの主たる業務は、インターネットを利用した求人情報掲載料及び看護師紹介事業の成功報酬の売上であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(2) 受注実績
生産実績と同様の理由により、記載を省略しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年3月1日
至 2019年2月28日)
金額(千円)前年同期比(%)
人材サービス事業42,161,479+10.8
その他14,986+294.6
合計42,176,466+10.8

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.当連結会計年度より、組織変更を行ったことに伴い、前連結会計年度まで区分掲記しておりました「メディア事業」と「エージェント事業」を統合し「人材サービス事業」といたしました。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。なお、連結財務諸表には、将来に対する見積り等が含まれておりますが、これらは、当連結会計年度末現在における当社グループの判断によるものであります。このような将来に対する見積り等は、過去の実績や趨勢に基づき可能な限り合理的に判断したものでありますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、結果とは異なる可能性があります。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における連結財務諸表の流動資産の合計は205億22百万円であり、前連結会計年度末と比較して7億34百万円増加いたしました。この増加の主な要因は、現金及び預金の増加2億10百万円、受取手形及び売掛金の増加3億93百万円であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における連結財務諸表の固定資産の合計は129億87百万円であり、前連結会計年度末と比較して47億59百万円増加いたしました。この増加の主な要因は、有形固定資産の増加1億4百万円、ソフトウエアの増加7億97百万円、投資有価証券の増加35億71百万円であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における連結財務諸表の流動負債の合計は69億25百万円であり、前連結会計年度末と比較して5億89百万円増加いたしました。この増加の主な要因は、未払金の増加3億87百万円であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における連結財務諸表の固定負債の合計は8億83百万円であり、前連結会計年度末と比較して1億93百万円増加いたしました。この増加の主な要因は、資産除去債務の増加77百万円、役員株式給付引当金の増加34百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における連結財務諸表の純資産の合計は257億1百万円であり、前連結会計年度末と比較して47億10百万円増加いたしました。この増加の主な要因は、利益剰余金の増加61億56百万円、自己株式の増加17億8百万円であります。
(3) キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要)(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移につきましては、以下のとおりであります。
2015年2月期2016年2月期2017年2月期2018年2月期2019年2月期
自己資本比率(%)60.066.469.672.474.0
時価ベースの自己資本比率(%)562.6767.3617.0662.9323.4
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)
-----
インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)
905.83,013.2-36,689.5-

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.2015年2月期より2017年2月期までは個別財務諸表に基づく数値を記載しております。
2.営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましてはキャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)については、2015年2月期は期中に有利子負債を全額返済しているため、記載しておりません。また、2016年2月期より有利子負債残高がないため、記載しておりません。
4.インタレスト・カバレッジ・レシオについては、2017年2月期及び2019年2月期は利払いが発生していないため、記載しておりません。
(4) 経営成績の分析
「第2 事業の概況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の事業には、景気の変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(6) 経営戦略と今後の見通し
米中の通商問題の動向、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等により、日本経済の先行きには慎重な見方がなされております。しかしながら、2019年2月の有効求人倍率は1.63倍と高水準となっており、2020年2月期においても国内雇用環境は堅調に推移するものと想定されます。
アルバイト求人広告市場において、ユーザーが用いる求人情報検索媒体は、フリーペーパーなどの紙媒体からスマートフォンを中心としたネット媒体への移行が継続しております。そのため、アプリ強化やコンテンツの充実はもちろん、今後、スマートフォンの保有率及び求人需要の伸びが期待されるパート層、シニア層の獲得や、正社員採用のニーズにも対応すべく、サービスの充実に注力してまいります。
一方、求人需要の高まりを受け、アルバイト、派遣求人市場においては今後も市場の拡大が見込まれますが、同時に激しい競争も続くことが想定されます。当社ではTVCFやWEB広告などによる広告宣伝投資を継続し、ブランド力の向上及びユーザー獲得に努めてまいります。
看護師人材紹介サービスにおいては、キャリア・アドバイザーの生産性向上と適正な人員配置により、引き続き、安定的な収益獲得に向けた取り組みに注力してまいります。
また、当社はこれまで求人広告メディアを主な事業ドメインとして、日本の労働市場における構造的な人手不足を解消するべく人材需給のマッチング及び雇用の創出に取り組んでまいりましたが、2020年2月期より、求人広告メディアを主軸とする事業ドメインを拡大し、『労働力の総合商社』として、求人広告を通じた人材採用の支援に加え、AI・RPA(Robotic Process Automation)を活用したサービスの開発及び提供を行う事業を開始いたしました。これにより当社は、構造的な人手不足をはじめとする労働力に係る諸課題を解決する“Labor force solution company”に進化いたします。
これまで当社は、AI・RPA 分野における事業基盤の構築に取り組んでまいりました。具体的には、2016年に AI専門組織「dip AI.Lab」を設立し、日本初の人工知能専門メディア「AINOW」の運営を開始、現在では AI領域における有力メディアに成長しております。また、2017 年には日本初の人工知能スタートアップ特化型アクセラレータープログラム「AI.Accelerator」を開始し、これまで約 600社の AI・RPA関連等のスタートアップ企業から応募があり、その中から 60社超を採択しました。採択企業が飛躍的な成長を遂げられるよう、総力をあげて支援してまいりました結果、13社への投資実行を行いました。これらの企業のサービスや技術を最大限活用し、AI・RPA領域での事業展開を強力に推進してまいります。
本事業においては、AI・RPAサービスを導入するお客様側に専門知識がなくても簡単に導入できるよう、既存システムと連携して自動化・省力化が可能なテンプレートを提供してまいります。また、当社のグループ会社及び出資企業が開発・提供する自動化・省力化ツールとも有機的に連携し、パッケージとしてお客様に提案いたします。販売にあたっては、2019年4月入社の新卒社員を含む約1,500名もの当社の営業リソースを活かして強力に推進することを予定しております。なお、サービス提供開始時期は2019年夏頃を予定しておりますが、今後の開発状況により変動する可能性がございます。
また、当社の継続的な成長におきましては、人材の採用と育成が重要な経営戦略であります。
2020年2月期は2019年4月に362名の新卒採用を行っております。2020年4月入社予定の新卒採用活動におきましても、継続して当社の成長を担う人材の獲得に努めてまいります。
人材育成に関しましては、当社独自の教育プログラムを作成し、全社員に対し階層に応じた教育を行い、マネジメント能力と業務スキルの向上を図ります。
また、女性社員の更なる活躍が期待され得る中、2019年3月1日時点で、当社全管理職に占める女性比率は31.3%となっております。社員自身の意識向上も非常に重要になるため、自律的なキャリア形成力を向上させるプロジェクトを実施するなど、全社を挙げてダイバーシティの推進に取り組んでまいります。

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