有価証券報告書-第16期(平成26年10月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2015/12/21 12:56
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【項目】
105項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、中国経済の先行き不安など海外事情を要因とした下振れが懸念されたものの、雇用の改善、消費増税の影響がやわらいだことにより個人消費は底堅く推移しました。また、円安、原油安を背景として企業収益が増加するなど、緩やかな景気回復基調が続きました。
当社グループの主力事業が属するインターネット広告市場は、スマートフォン向け広告の伸長や、動画広告、ネイティブ広告等、広告手法の多様化が進んだことにより、2014年には前年比12.1%増の1兆519億円となり、年間を通じて初の「1兆円」超えを記録しました(株式会社電通調べ)。なかでも2014年のスマートフォン広告市場は、前年比62.4%増の3,008億円となりました(CyberZ/シード・プランニング共同調べ)。
こうした事業環境のもと、当社グループは、「事業基盤の強化」「子会社の収益力強化」「優秀な人材の採用・育成」の目標を掲げ、事業拡大に取り組んでまいりました。
インターネット広告事業では、主力となるアフィリエイトサービス「アクセストレード」においては、新規プロダクトの開発、有力メディアとの連携強化、広告商材のクロスセルを進め、「金融」「サービス」「Eコマース」の各カテゴリーを中心にシェア拡大を図りました。また、店舗型アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」においては、携帯電話販売台数の伸び悩みの影響を受けましたが、既存店舗のフォローや地方販路の開拓等を積極的におこない収益の確保に努めました。さらに、新たな事業展開として、ネットユーザーが欲しているコンテンツを最適化して表示することができるコンテンツレコメンデーションネットワーク「X-lift(クロスリフト)」をリリースしました。
メディア運営事業では、ママ向けコミュニティサイト「ママスタジアム」において、コンテンツの充実、女性向けアプリ「Moon」の譲り受け、Facebook等を活用したソーシャルメディアマーケティングの強化を図った結果、2015年5月には月間ユニークユーザー数が300万人を超えました。また、犬や猫好きのためのキュレーションメディア「mofmo(モフモ)」、グループ&キュレーションアプリ「Grouta(グルータ)」をリリースいたしました。
海外事業では、2015年4月にベトナム社会主義共和国にMWORK CORPORATIONとの合弁会社を設立し、先に事業展開をおこなっているインドネシア、タイ現地法人に続き、海外版アフィリエイトサービス「ACCESSTRADE」の運営を開始いたしました。
なお、当連結会計年度において、直近の業績、今後の事業環境を考慮し、連結子会社でソーシャルメディア事業を運営する株式会社more gamesの全株式を2015年9月に譲渡しました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、20,065百万円(前年同期比19.5%増加)となりましたが、人件費や広告宣伝費の増加により、営業利益は348百万円(前年同期比55.4%減少)、経常利益は346百万円(前年同期比56.2%減少)、当期純利益は302百万円(前年同期比21.6%減少)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① インターネット広告事業
当連結会計年度のインターネット広告事業においては、「アクセストレード」では、「金融」カテゴリーにおいてFX、カードローン、「サービス」カテゴリーで美容、人材サービス、「Eコマース」カテゴリーでは化粧品、健康食品の広告需要が増加し、売上が伸長しました。
また、「ストアフロントアフィリエイト」では、携帯電話販売台数の減少の影響を受け、収益は伸び悩みましたが、店舗とのリレーションを高め案件稼働率の向上に努めたほか、地方販路の開拓に取り組みました。
海外事業では、東南アジアにおける更なる拠点として、2015年4月ベトナム社会主義共和国にベトナム最大級の広告ネットワークを持つMWORK CORPORATIONと合弁会社INTERSPACE VIETNAM CO., LTD.を設立し、海外版アフィリエイトサービス「ACCESSTRADE」の運営を開始いたしました。
以上の結果、当事業の売上高は19,371百万円(前年同期比25.2%増加)となりましたが、採用人員の増加、新潟オフィスの本格稼働、広告宣伝費の増加など販管費が増加したことにより、営業利益は441百万円(前年同期比45.9%減少)となりました。
② メディア運営事業
当連結会計年度のメディア運営事業においては、「ママスタジアム」において、女性向けアプリ「Moon」を譲り受けたり、ママ向けイベントへの参加・協賛や芸能人コラムなどコンテンツの充実を図ったほか、提携メディアへの記事配信の増加、Facebookページの運用などソーシャルメディアマーケティングに注力したことで、媒体価値を向上させ、広告売上を増加させました。
一方、ソーシャルゲーム事業においては、2014年12月にリリースした「Bonjour♪恋味パティスリー」や既存タイトルがふるわず、事業精査と収益構造の改善に取り組みましたが、最終的には、株式会社more gamesの事業の一部を譲り受けた上で保有する全株式を2015年9月に譲渡し、事業を縮小することとなりました。
以上の結果、株式会社more gamesの業績不振が大きく影響し、当事業の売上高は693百万円(前年同期比47.2%減少)、営業損失は92百万円(前年同期は営業損失34百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ164百万円増加し、2,335百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は、372百万円(前年同期は472百万円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益319百万円を計上したほか、仕入債務の増加776百万円、減価償却費の計上193百万円があった一方、法人税等の支払額391百万円及び売上債権の増加535百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は、105百万円(前年同期は597百万円の支出)となりました。
これは主に、定期預金の払い戻しによる収入300百万円及び投資有価証券の売却による収入55百万円があった一方、有形・無形固定資産の取得による支出273百万円、投資有価証券の取得による支出99百万円及び差入保証金の差入れによる支出58百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は108百万円(前年同期は59百万円の支出)となりました。
これは主に、配当金の支払額53百万円及び社債の償還による支出58百万円によるものであります。