訂正有価証券報告書-第15期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/07/25 10:54
【資料】
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【項目】
134項目

対処すべき課題


当社グループは『BrightValueの実現~記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する~』という企業理念のもと、独自開発の人工知能(AI)エンジン「KIBIT(キビット)」を核とする高度な情報解析技術を駆使し、祖業である国際訴訟支援、不正調査から製造、金融、小売、流通、そして医療介護分野といったさまざまなフィールドで必要かつ適切な情報に出会えるフェアな世界の実現および社会課題の解決に貢献しております。
(1) AIソリューション事業の体制強化
当連結会計年度の第3四半期に四半期営業黒字化を達成しており、AIソリューション事業は着実に収益体質へと成長をしております。今後は、一層の需要増加に対応するため、販売強化を目的にパートナー企業の拡充、開発力の強化、各分野の専門知識を持つ人材の獲得によるコンサル力の強化を進めてまいります。
(2) リーガルテック事業においてアジアの大型案件を継続して獲得できる強固な営業体制(クロスボーダー営業体
制)を確立すること
リーガルテック事業は、当連結会計年度における米国子会社の損益構造改革の努力が実り、eディスカバリ市場の需要の変動に耐えうる収益体質を構築いたしました。また、アジアの大型案件獲得に向けて、各国の状況、顧客ニーズを的確に察知し、迅速な意思決定を行える営業体制を整えました。今後は、各拠点の連携をさらに深めることで、ベンダー間の競争が益々激しくなる中においても、アジアの大型案件を継続して獲得できる強固な営業体制(クロスボーダー営業体制)を確立いたします。
また、eディスカバリ業界は、解析対象となるデータ量増加への対応が課題となっておりますが、当社グループは、強みである人工知能(AI)の活用範囲を拡充させること、人工知能(AI)技術をさらに向上させることにより各工程の作業を効率化するといったテクノロジーの力で対応してまいります。
(3) 管理体制強化への課題
日米で上場している企業として社会から信頼を継続的に獲得するため、事業規模の拡大にあわせた組織体制及び内部管理体制の改善・強化を重要な経営課題として認識し、実効性のある内部統制システムへの更なる改善、経営の効率化、会社資源の有効活用等、グループ全体を通じた高度な管理体制の構築と強化を進めてまいります。
(4) 継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況の早期解消
当社グループは、当連結会計年度において、2期連続して連結経常損失を計上したことにより、金銭消費貸借契約における財務制限条項に抵触している状況にあり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
しかしながら、主要取引銀行と緊密な関係を維持し、定期的に建設的な協議を継続していることから、今後も主要取引銀行より継続的な支援が得られるものと考えております。また、翌連結会計年度においては、リーガルテック事業において、当連結会計年度において実施したクロスボーダー営業体制の整備及び米国子会社の構造改革の成果が通期で損益に寄与する見込みであります。AIソリューション事業においては、ビジネスインテリジェンス分野で金融や知財といった既存領域でのさらなる浸透に加え、新領域の開拓と事業拡大を加速させるためのマーケティングパートナーの育成も進めてまいります。ヘルスケア分野においては、製薬業界や医療機器メーカーへの業務改善コンサルの提供を進めるほか、共同研究・受託開発案件の獲得に注力いたします。このような施策を遂行することで、将来の成長に向けて当該状況を早期に解消し、業績及び財務状況の改善に努めてまいります。
したがって、当社グループには、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。