有価証券報告書-第16期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/07/01 16:00
【資料】
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【項目】
168項目

対処すべき課題


当社グループは「Bright Valueの実現~記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する~」という企業理念のもと、独自開発の人工知能(AI)エンジン「KIBIT(キビット)」及び「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー)」を柱とする高度な情報解析技術を駆使し、祖業である国際訴訟支援、不正調査から製造、金融、小売、流通、そして医療分野といった様々なフィールドで、必要かつ適切な情報に出会えるフェアな世界の実現及び社会課題の解決に貢献しております。
(1) リーガルテックAI事業の営業強化
リーガルテックAI事業は、前連結会計年度における米国子会社の損益構造改革により、eディスカバリ市場の需要変動に耐えうる収益体質を構築いたしました。今後の課題は、新たに設置したグローバルリーガル事業統括本部の指揮の下、当社グループの強みであるアジア言語の解析力、人工知能(AI)技術を活用した効率性、全工程をワンストップでサポートする対応力を武器にアジア企業の大型案件獲得による収益改善と顧客基盤の充実化を進めていくことだと考えております。課題解決に向けて、決定力不足の要因となっている営業・マーケティングのシニアマネジメント層の強化、技術営業の促進、多面的な営業活動の活性化といった営業組織力の強化を迅速に進めてまいります。
(2) AIソリューション事業の人材採用・育成
AIソリューション事業は、データサイエンティスト・AI人材の不足が顕在化している昨今、技術提案力、顧客企業の業務への深い理解を背景としたコンサルティング力、ソリューション力及びサポート力の向上を実現するために、優秀な人材を獲得・定着させることが重要であると認識しており、引き続き積極的な採用活動と既存社員の育成を進めます。
(3) AIソリューション事業のパートナー連携の加速
当社が3年連続でシェアトップを誇る自然言語×AIの領域は開拓の余地が非常に大きく、積極的な市場開拓を推し進め業界のデファクトとしての地位を目指し取り組んでまいりたいと考えております。市場開拓を加速するためには、導入事例や受託開発などで当社が培ったベストプラクティスを蓄積・パッケージ化しマーケティングパートナー企業と共有・補完することが必須であり、パートナーとの連携を重点的に取り組んでまいります。
(4) 新技術の研究・開発
当社の競争力の源泉は技術力であり、市場のニーズに適時に応える技術力の保持と迅速なサービス提供を追求します。リーガルテックAI事業では、eディスカバリ業界で解析対象となるデータ量増加への対応が課題となっていることを捉え、eディスカバリ作業のAIによる全自動化の実現を目指します。AIソリューション事業では、当連結会計年度に設立をしたFRONTEO AIBizDevOps Lab.(フロンテオ エーアイ ビズデブオプスラボ)を軸として、AIの導入における様々な課題の発見と解決策の立案から、実現可能な運用設計に至るプロセスを最短で実現いたします。
(5) 管理体制の強化
日米で上場している企業として社会から信頼を継続的に獲得するため、事業規模の拡大にあわせた組織体制及び内部管理体制の改善・強化を重要な経営課題として認識し、実効性のある内部統制システムへの更なる改善、経営の効率化、会社資源の有効活用等、グループ全体を通じた高度な管理体制の構築と強化を進めてまいります。