四半期報告書-第21期第2四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/13 16:12
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の当社グループの売上収益は6,465,175千円となり、前年同期比47.6%、売上総利益は5,679,483千円となり前年同期比56.0%、営業利益は医薬品事業、医療機器事業による堅調な業績に加え、当第2四半期に計上された投資に対する利益により1,455,628千円となり、前年同期比68.9%とそれぞれ増加いたしました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の四半期利益は、744,778千円となり、前年同期比41.4%増加いたしました。
①医薬品事業
主力製品であるアイスーリュイの中国市場での売上収益は引き続き堅調に推移し、医薬品事業セグメントの売上収益は5,457,052千円(前年同期比54.0%増)、セグメント利益は1,065,659千円(前年同期比95.0%増)となりました。
売上収益は、当第2四半期連結累計期間は前年同期比で伸びているものの、第1四半期連結累計期間の前年同期比と比較すると鈍化しております。これは、第1四半期に受注が集中したためであります。
②医療機器事業
米国における医療機器事業セグメントも回復が顕著であり、売上収益は1,008,123千円(前年同期比20.4%増)、セグメント利益は389,969千円(前年同期比23.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費並びに研究開発費
(単位:千円)
前第2四半期連結累計期間当第2四半期連結累計期間差額
販売費及び一般管理費△2,212,614△3,677,925△1,465,310
人件費△865,503△1,420,567△555,064
研究開発費△582,468△864,935△282,467

当第2四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、前第2四半期連結累計期間に比べ1,465,310千円増加し、3,677,925千円となりました。販売費及び一般管理費の増加は、医薬品事業セグメントの販売及びマーケティング費用、一過性の取引手数料などが第1四半期連結累計期間に計上されたためです。
また、研究開発費の増加は主に、Cullgen Inc.(以下、Cullgenという。)の開発プログラムによるものです。
金融収益及び金融費用
(単位:千円)
前第2四半期連結累計期間当第2四半期連結累計期間差額
金融収益24,52332,8098,286
金融費用△68,365△290,762△222,396

金融収益
当第2四半期連結累計期間の金融収益は、前第2四半期連結累計期間の24,523千円と比べて、8,286千円増加し、32,809千円となりました。
金融費用
当第2四半期連結累計期間の金融費用は、前第2四半期連結累計期間の68,365千円と比べて、222,396千円増加し、290,762千円となりました。これは主に第1四半期連結累計期間に行った当社子会社であるCullgenの財務活動における支払利息が増加したためです。
(2)財政状態に関する分析
連結財政状態
(単位:千円)
前連結会計年度当第2四半期連結会計期間差額
資産合計23,219,25728,990,0085,770,750
負債合計10,450,1539,909,549△540,603
資本合計12,769,10419,080,4596,311,354

資産合計
当第2四半期連結会計期間における資産合計は、前連結会計年度末に比べて5,770,750千円増加し、28,990,008千円となりました。
負債合計
当第2四半期連結会計期間における負債合計は、前連結会計年度末に比べて540,603千円減少し、9,909,549千円となりました。
資本合計
当第2四半期連結会計期間における資本合計は、前連結会計年度末に比べて6,311,354千円増加し、19,080,459千円となりました。
連結キャッシュ・フロー
(単位:千円)
前第2四半期連結累計期間当第2四半期連結累計期間差額
営業活動によるキャッシュ・フロー808,2031,100,855292,652
投資活動によるキャッシュ・フロー△186,332△1,006,877△820,544
財務活動によるキャッシュ・フロー122,3882,906,1782,783,790

営業活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間の808,203千円の収入と比べて292,652千円増加し、1,100,855千円の収入となりました。主な増加要因は、税引前四半期利益の増加によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間の186,332千円の支出と比べて820,544千円増加し、1,006,877千円の支出となりました。主な支出は、定期預金の預け入れによる支出であります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間の122,388千円の収入と比べて2,783,790千円増加し、2,906,178千円の収入となりました。主な収入は、非支配持分からの払込による収入であります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。また新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
[研究活動]
当社グループの創薬活動はCullgenを中心に、新しい創薬基盤技術であるuSMITE™(ユビキチン化を介した標的タンパク質分解誘導技術)を活用した、革新的な新規化学物質(NCE)の開発を目指しています。
Cullgenは、がん、痛み、及び自己免疫疾患の適応症に対する酵素及び非酵素タンパク質の両方を標的とした複数の新規分解剤を含む創薬パイプラインの拡充のための研究開発をすすめております。
Cullgenの新しいE3リガンドプログラムの開発は、タンパク質分解誘導の将来を担う技術で、毒性の低減、薬剤耐性の緩和、組織・腫瘍・細胞内コンパートメントの選択性の提供、基質スペクトルの拡大を実現させるNCEの開発の可能性があると考えられております。
なお、Cullgenは、2021年後半にリード候補薬を治験薬(IND)申請することを目指しています。
[開発活動]
■アイスーリュイ[中国語:艾思瑞®、英語:Etuary®(一般名:ピルフェニドン)]
放射線性肺炎(RP)
当社グループは、アイスーリュイの2番目の適応症として、RP治療薬の第3相臨床試験前パイロット試験を実施しております。これは、反復投与、多施設でのオープン試験を行うものです。2021年6月末時点で103名の被験者が登録されております。
糖尿病腎症(DN)
アイスーリュイの3番目の適応症であるDNは、Ⅰ型糖尿病またはⅡ型糖尿病により引き起こされる慢性腎臓病です。中国では9,240万人が糖尿病に脅かされており、このうち20~30%がⅠ型糖尿病またはⅡ型糖尿病を患い、腎疾患を引き起こすと言われております。本第1相臨床試験につきましては、2021年6月末時点で予備研究として18名の被験者が登録されております。
結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)
2016年9月、結合組織疾患の患者の肺の炎症や線維症を引き起こすCTD-ILDの治療に対するアイスーリュイの4番目の適応症の国家薬品監督管理局(NMPA)承認を受けました。このINDの承認により、全身性硬化症(強皮症)と皮膚筋炎(DM)の2つの適応症について、直接第3相臨床試験に移行することが承認されました。
2018年6月には、強皮症及びDMの治療を対象とした第3相臨床試験の各段階において、無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、52週間の試験に第1期被験者を登録しました。強皮症には144名、DMには152名の被験者が登録される予定で、2021年6月末時点で、それぞれ14名、40名の被験者が登録されております。
じん肺治療薬(Pneumoconiosis Disease)
2019年5月、当社グループは、アイスーリュイの5番目の適応症として、じん肺治療薬の治験許可(IND)申請に対する承認をNMPAより取得しました。じん肺疾患は、肺に炎症や瘢痕化(線維化)を引き起こす慢性的な肺疾患で、吸い込まれた粉塵や微粒子が、肺の細胞に蓄積することによって引き起こされます。中国には、およそ43万3千人の患者様がおり、更に、適切な診断を受けていない患者様が、最大60万人いると推定されており、中国のみならず、世界中でアンメット・メディカル・ニーズ(有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)が存在します。当社グループは、病院との提携を進め、治験実施計画書を決定し、第3相臨床試験を開始して参ります。
■F351(肝線維症等治療薬)
F351(一般名:ヒドロニドン)は、当社グループの医薬品ポートフォリオにおける重要な創薬候補化合物であり、他の世界の主要医薬品市場へ臨床開発活動を拡大する戦略の重要な部分を占めています。
F351は、アイスーリュイの誘導体である新規開発化合物であり、肝星細胞の増殖及び内臓の線維化に重要な役割を果たすTGF-β伝達経路の両方の阻害剤です。当社グループは中国、日本、豪州、カナダ、米国及び欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保有しております。
2020年8月、当社は肝線維症の候補薬であるF351の中国における第2相臨床試験の初期段階分析の良好な結果について発表しました。この試験は、中国における慢性ウイルス性B型肝炎患者の肝線維症に対するF351の安全性と有効性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ・コントロール、多施設、用量逓増試験で、2020年10月に開示いたしましたように、プラセボと比較して52週の治療で肝線維症スコアが統計的に有意に改善するという主要評価項目を満たしました。
なお、中国の医薬品評価センター(CDE)との協議を経て、2021年3月にF351はNMPAより肝線維症の画期的治療薬に指定されました。これにより、F351についてのCDEとの協議が優先的、かつ有利な臨床試験を進めることが可能となっております。
米国における第2相臨床試験については、2021年後半の米国食品医薬品局(FDA)申請を目指し、KOL及びアドバイザーとの協議を通じた適応症の可能性について検討を重ねております。
■F573(急性肝不全・慢性肝不全急性時(ACLF)治療薬)
F573はアイスーリュイ及びF351に次ぐ3番目の創薬候補化合物として、カスパーゼを阻害する可能性を持つ強いジペプチド化合物であり、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、アルコール性肝硬変による重症肝炎に関連して発生する細胞死や炎症反応に重要な化合物です。当社グループは治験実施計画書を作成し、第1相臨床試験実施の準備をしておりましたが、2020年9月に仁安病院より第1相臨床試験実施の承認を受け、第1相臨床試験において使用する人類遺伝子情報の届け出をHGRA(Human Genetics Resources Administration)に提出、受理されました。なお、その後プロトコルの変更を加えたためHGRAへ再提出し承認待ちとなっております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、864,935千円となりました。