四半期報告書-第19期第1四半期(平成31年1月1日-平成31年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
会社概要
当社は日本に本社を置き、中国及び米国の子会社を通じて医薬品事業と医療機器事業を行うグローバル製薬企業です。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループでは、引き続き売上及び利益ともに対前年同期比で力強く増加しました。当社の中国子会社である北京コンチネント薬業有限公司(北京コンチネント)においては、アイスーリュイの四半期売上が過去最高を記録しております。また、米国子会社であるBerkeley Advanced Biomaterials LLCにおける医療機器事業は好調な四半期利益を計上しており、両事業は多角化されかつバランスの取れた収益源を形成しております。
当第1四半期連結累計期間においても、当社グループは引き続き将来に向けた成長戦略を実行しました。北京コンチネントの滄州新工場の建設が完了し、同社の上場に関する準備を進め、また、AIを活用して肺線維症や肝線維症の診断精度を向上させる手法を開発するため、コンピューターによる病理診断を行う新興企業Reveal Biosciences, Inc.(米国カリフォルニア州サンディエゴ)に投資を行いました。
当第1四半期連結累計期間の当社グループの業績概要は以下のとおりです。
(1)経営成績に関する分析
当第1四半期連結累計期間の経営成績
連結経営成績概要
(単位:千円)
売上収益及び売上総利益
当第1四半期連結累計期間において、売上収益は前年同期比約55.6%増加の1,575,365千円となりました。利益率は改善し、当第1四半期連結累計期間の売上総利益は、前年同期比約51.6%増加の1,321,428千円となりました。前年同期に比べたこの増加は、主に北京コンチネントにおけるアイスーリュイの堅調な売上によるものです。
営業利益
当第1四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期比約136.5%増加の251,008千円となりました。当社グループの主要事業の収益性向上により、営業利益は引き続き増加しております。
四半期利益(損失)
当第1四半期連結累計期間の四半期利益は、前第1四半期連結累計期間の260,130千円の損失と比べ、499,348千円改善し、239,218千円の利益となりました。この四半期利益の達成は、継続的な営業利益の改善と慎重なコスト管理に加え、当第1四半期連結累計期間において為替差益が発生したことによるものです。
販売費及び一般管理費並びに研究開発費
(単位:千円)
当第1四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、前第1四半期連結累計期間に比べ291,949千円増加し、959,022千円となりました。これは一つには、北京コンチネントの上場準備に関連する一時費用が計上されたことによるものです。研究開発費が前年同期に比べ増加したのは、中国におけるアイスーリュイの追加適応症及びF351に関する臨床試験、並びにCullgenにおいて継続中の創薬研究活動によるものです。
金融収益及び金融費用
(単位:千円)
金融収益
当第1四半期連結累計期間の金融収益は、前第1四半期連結累計期間の6,815千円と比べて、24,255千円増加し、31,070千円となりました。この増加は、主として、現金支出を伴わない外貨建ての資産及び負債の評価替えにより生じた正味の為替差益によるものです。
金融費用
当第1四半期連結累計期間の金融費用は、前第1四半期連結累計期間の335,913千円と比べて、320,467千円減少し、15,445千円となりました。これは、主として支払利息によるものです。
(2)財政状態に関する分析
連結財政状態
(単位:千円)
資産合計
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて874,170千円増加し、17,974,976千円となりました。
負債合計
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて652,282千円増加し、7,745,151千円となりました。
資本合計
当第1四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて221,888千円増加し、10,229,824千円となりました。
連結キャッシュ・フロー
(単位:千円)
営業活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間の294,587千円の収入と比べて209,131千円減少し、85,455千円の収入となりました。主な収入は、税引前四半期利益並びに営業債務及びその他の債務の増加額であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間の161,674千円の支出と比べて76,278千円増加し、237,952千円の支出となりました。主な支出は、有形固定資産の取得による支出及び投資有価証券の取得による支出であります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間の68,323千円の支出と比べて45,500千円減少し、22,823千円の支出となりました。主な支出は、長期借入金の返済による支出であります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。また新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
[創薬]
当社グループの創薬活動はCullgenを中心に展開されておりますが、Cullgenは、新しい創薬基盤技術であるuSMITE™(ユビキチン化を介した低分子標的タンパク質分解誘導技術)を活用した、がん、炎症性疾患及び自己免疫疾患の新たな治療における革新的な新規化合物の研究開発を行う目的で設立されました。Cullgenは、従来創薬ターゲットにできなかった酵素やタンパク質の除去を可能とするべく、タンパク質等の活性部位への阻害を越えた医薬品デザインの拡大を目指しています。
2018年度第1四半期に設立されて以降、Cullgenは、カリフォルニア州サンディエゴに本社を構え、Cullgen (Shanghai), Inc.においてその研究施設を保有し、東京、サンディエゴ、上海に渡る国際的なチームを作り上げて来ました。Cullgenは、独自の創薬基盤技術を活用して、癌領域の新規化合物を既に多数見い出しており、そのうち6つの標的の異なるタンパク質分解誘導薬候補化合物の開発計画が進行中です。それぞれの開発計画について、複数の候補化合物が評価されています。同社設立以来、約1,200の標的タンパク質分解誘導薬の候補化合物が合成され、テストされており、最も進んでいる2つの開発計画は、共にリード化合物最適化の段階で、2019年末までに治験許可申請に向けた非臨床試験等の開始を見込んでおります。Cullgenは、既に3件のPCT国際出願を行い、4件目を準備中です。
[臨床試験]
■アイスーリュイ[中国語:艾思瑞®、英語:Etuary®(一般名:ピルフェニドン)]
放射線性肺炎(RP)
当社グループは、アイスーリュイの2番目の適応症として、RP治療薬の第3相臨床試験前パイロット試験を実施しております。これは、反復投与、多施設でのオープン試験を行うもので、2019年3月末現在、10の施設で11人の被験者登録が行われています。被験者登録は、2019年末までに終了する見込みです。
糖尿病腎症(DN)
DNは、Ⅰ型糖尿病又はⅡ型糖尿病により引き起こされる慢性腎臓病です。統計によれば、中国では、糖尿病の有病者が9,240万人に達すると報告されており、Ⅰ型又はⅡ型糖尿病患者の20~30%が腎疾患を引き起こすとされています。2016年8月、当社グループは、国家薬品監督管理局(NMPA)(旧 CFDA)より、DN治療薬のIND申請に対する承認を取得し、DNに関し第2相臨床試験を直ちに開始することが認められました。当第2相臨床試験は、治験実施予定施設の改築完了をもって開始する予定ですが、その時期は2019年前半を見込んでおります。
結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)
CTD-ILDとは、結合組織疾患(CTD)を持つ患者様の肺に、炎症及び線維症、又はいずれか一方の症状を引き起こす状態のことを指しますが、2016年9月、当社グループは、アイスーリュイの4番目の適応症としてのCTD-ILD治療薬のIND申請に対する承認をNMPAより取得しました。同承認により、当社グループは、CTD-ILDの2つの適応症である全身性強皮症(強皮症)及び皮膚筋炎(DM)に関し、第3相臨床試験を直ちに開始することが認められました。2018年6月、当社グループは、強皮症とDMに関する第3相臨床試験において、最初の患者様が被験者登録されたことを発表いたしました。本試験は無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、52週の試験です。強皮症に関しては144名、DMに関しては152名の被験者が参加する予定で、2019年3月末現在、強皮症に関しては7人、DMに関しては18人の被験者登録が行われています。
■F351(肝線維症等治療薬)
F351(一般名:ヒドロニドン)は、当社グループの開発パイプラインの中でも重要な創薬候補化合物で、臨床開発活動を世界の主要医薬品市場で展開する当社戦略に必要不可欠なものです。F351は、アイスーリュイの誘導体である新規開発化合物であり、肝星細胞の増殖及び内臓の線維化に重要な役割を果たすTGF-β伝達経路の両方の阻害剤です。当社グループは中国、日本、豪州、カナダ、米国及び欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保有しております。
中国 - 当社グループは、中国において、F351の肝線維症治療薬としての第2相臨床試験を行っておりますが、これは、慢性B型肝炎ウイルス感染による肝線維症の治療におけるF351の安全性及び有効性を検証するもので、中国全土の三級甲の13の病院が参加し、最大240人の被験者に対して、無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、反復投与、多施設での試験を行うものです。2018年9月、当社グループは、中国におけるF351の肝線維症を適応症とする第2相臨床試験を審査する独立データモニタリング委員会(IDMC)より、これまでの試験において良好な結果が認められたことから、本試験に対する新規被験者登録を停止すべきとの勧告を受領しました。また、IDMCは、本試験終了前に、まだ52週間の経過観察期間が残っている36名の被験者については試験を継続するよう勧告しております。同委員会の勧告に従い、当社グループは、中国における当第2相臨床試験を2019年夏頃に終了し、その後、当試験の最終結果は国際学会の場で発表される予定です。その一方で、当社グループは、この重要な医薬候補品の承認に至る過程で必要だとNMPAからアドバイスされた内容に従って、患者様を用いた生物学的同等性データ及び薬物動態データを準備しております。
米国 - 2018年7月、肝疾患を対象に実施されていたF351の米国における第1相臨床試験に関し、全ての被験者群(4群、総数48名)の登録が完了となりました。2018年12月、当社グループは当臨床試験の治験報告書を受領いたしました。全ての被験者群において、深刻な副作用は見られなかったことが再度確認されました。F351は、アジア人以外の人種においても充分な忍容性を示し、薬物動態試験においては、アジア人以外の人種に対し、以前中国において行われた第1相臨床試験結果と比べわずかな違いしか示しませんでした。
■タミバロテン(急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬)
タミバロテンは、APL治療薬です。APLは、急性骨髄白血病の一種で、前骨髄球が「がん化」する白血病です。共同開発者である東光薬品工業株式会社と当社子会社のGNI Hong Kong Limitedは、2015年10月に、アムノレイク®錠2mg(一般名:タミバロテン)を、輸入薬としてNMPAに登録申請を行いました。その後、書類審査や治験施設においてのGCP適応審査などが行われ、総合審査前の段階にあります。
■F573(急性肝不全・慢性肝不全急性時(ACLF)治療薬)
急性肝不全・ACLF治療薬F573は、アイスーリュイ及びF351に続く3つ目の新規開発化合物で、当社グループは、2011年7月にNMPAにIND申請を提出しました。F573は、ジペプチド化合物で、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アルコール性肝硬変に起因する重症肝炎と関連した、細胞死や炎症反応をもたらす酵素の一種であるカスパーゼを阻害する可能性を持つものです。2018年4月、当社グループは、NMPAより、F573の急性肝不全・ACLF治療薬としてのIND申請に対する承認を取得しました。本承認は、第1相臨床試験の結果が良好であった場合、第2相臨床試験も行うことができる内容となっております。2019年3月、北京コンチネントの上場に関連する当社グループの組織再編成の一環として、F573に関する権利は、グループ内取引としてGNI Hong Kong LimitedからContinent Pharmaceuticals Inc. (CPI)に譲渡されました。今後、CPIは当社グループと連携して、F573の第1相臨床試験について治験施設の選定を含め準備を進めて参ります。
■その他
以上のパイプラインの他、2015年12月には、当社の連結子会社である北京コンチネントが、酪酸ヒドロコルチゾンの温度により制御されるフォーム製剤(外用薬)のIND申請を北京市食品薬品監督管理局(北京FDA)に提出し、受理されております。当フォーム製剤は、湿疹、乾癬、接触性皮膚炎等の外用薬として、北京コンチネントとGENEPHARM Biotech Corp.(台湾企業)により共同開発されたものです。当初提出したフォーム製剤に関するIND申請に一部データが不足していたため、北京コンチネントは、再提出に向けた当該データの準備を行っております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、127,681千円となりました。
会社概要
当社は日本に本社を置き、中国及び米国の子会社を通じて医薬品事業と医療機器事業を行うグローバル製薬企業です。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループでは、引き続き売上及び利益ともに対前年同期比で力強く増加しました。当社の中国子会社である北京コンチネント薬業有限公司(北京コンチネント)においては、アイスーリュイの四半期売上が過去最高を記録しております。また、米国子会社であるBerkeley Advanced Biomaterials LLCにおける医療機器事業は好調な四半期利益を計上しており、両事業は多角化されかつバランスの取れた収益源を形成しております。
当第1四半期連結累計期間においても、当社グループは引き続き将来に向けた成長戦略を実行しました。北京コンチネントの滄州新工場の建設が完了し、同社の上場に関する準備を進め、また、AIを活用して肺線維症や肝線維症の診断精度を向上させる手法を開発するため、コンピューターによる病理診断を行う新興企業Reveal Biosciences, Inc.(米国カリフォルニア州サンディエゴ)に投資を行いました。
当第1四半期連結累計期間の当社グループの業績概要は以下のとおりです。
(1)経営成績に関する分析
当第1四半期連結累計期間の経営成績
連結経営成績概要
(単位:千円)
前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 差額 | |
売上収益 | 1,012,347 | 1,575,365 | 563,018 |
売上総利益 | 871,786 | 1,321,428 | 449,642 |
営業利益 | 106,128 | 251,008 | 144,880 |
四半期利益(△損失) | △260,130 | 239,218 | 499,348 |
売上収益及び売上総利益
当第1四半期連結累計期間において、売上収益は前年同期比約55.6%増加の1,575,365千円となりました。利益率は改善し、当第1四半期連結累計期間の売上総利益は、前年同期比約51.6%増加の1,321,428千円となりました。前年同期に比べたこの増加は、主に北京コンチネントにおけるアイスーリュイの堅調な売上によるものです。
営業利益
当第1四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期比約136.5%増加の251,008千円となりました。当社グループの主要事業の収益性向上により、営業利益は引き続き増加しております。
四半期利益(損失)
当第1四半期連結累計期間の四半期利益は、前第1四半期連結累計期間の260,130千円の損失と比べ、499,348千円改善し、239,218千円の利益となりました。この四半期利益の達成は、継続的な営業利益の改善と慎重なコスト管理に加え、当第1四半期連結累計期間において為替差益が発生したことによるものです。
販売費及び一般管理費並びに研究開発費
(単位:千円)
前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 差額 | |
販売費及び一般管理費 | △667,072 | △959,022 | △291,949 |
人件費 | △333,939 | △362,287 | △28,347 |
研究開発費 | △90,752 | △127,681 | △36,928 |
当第1四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、前第1四半期連結累計期間に比べ291,949千円増加し、959,022千円となりました。これは一つには、北京コンチネントの上場準備に関連する一時費用が計上されたことによるものです。研究開発費が前年同期に比べ増加したのは、中国におけるアイスーリュイの追加適応症及びF351に関する臨床試験、並びにCullgenにおいて継続中の創薬研究活動によるものです。
金融収益及び金融費用
(単位:千円)
前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 差額 | |
金融収益 | 6,815 | 31,070 | 24,255 |
金融費用 | △335,913 | △15,445 | 320,467 |
金融収益
当第1四半期連結累計期間の金融収益は、前第1四半期連結累計期間の6,815千円と比べて、24,255千円増加し、31,070千円となりました。この増加は、主として、現金支出を伴わない外貨建ての資産及び負債の評価替えにより生じた正味の為替差益によるものです。
金融費用
当第1四半期連結累計期間の金融費用は、前第1四半期連結累計期間の335,913千円と比べて、320,467千円減少し、15,445千円となりました。これは、主として支払利息によるものです。
(2)財政状態に関する分析
連結財政状態
(単位:千円)
前連結会計年度 | 当第1四半期連結会計期間 | 差額 | |
資産合計 | 17,100,806 | 17,974,976 | 874,170 |
負債合計 | 7,092,869 | 7,745,151 | 652,282 |
資本合計 | 10,007,936 | 10,229,824 | 221,888 |
資産合計
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて874,170千円増加し、17,974,976千円となりました。
負債合計
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて652,282千円増加し、7,745,151千円となりました。
資本合計
当第1四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて221,888千円増加し、10,229,824千円となりました。
連結キャッシュ・フロー
(単位:千円)
前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 差額 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 294,587 | 85,455 | △209,131 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △161,674 | △237,952 | △76,278 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △68,323 | △22,823 | 45,500 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間の294,587千円の収入と比べて209,131千円減少し、85,455千円の収入となりました。主な収入は、税引前四半期利益並びに営業債務及びその他の債務の増加額であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間の161,674千円の支出と比べて76,278千円増加し、237,952千円の支出となりました。主な支出は、有形固定資産の取得による支出及び投資有価証券の取得による支出であります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間の68,323千円の支出と比べて45,500千円減少し、22,823千円の支出となりました。主な支出は、長期借入金の返済による支出であります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。また新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
[創薬]
当社グループの創薬活動はCullgenを中心に展開されておりますが、Cullgenは、新しい創薬基盤技術であるuSMITE™(ユビキチン化を介した低分子標的タンパク質分解誘導技術)を活用した、がん、炎症性疾患及び自己免疫疾患の新たな治療における革新的な新規化合物の研究開発を行う目的で設立されました。Cullgenは、従来創薬ターゲットにできなかった酵素やタンパク質の除去を可能とするべく、タンパク質等の活性部位への阻害を越えた医薬品デザインの拡大を目指しています。
2018年度第1四半期に設立されて以降、Cullgenは、カリフォルニア州サンディエゴに本社を構え、Cullgen (Shanghai), Inc.においてその研究施設を保有し、東京、サンディエゴ、上海に渡る国際的なチームを作り上げて来ました。Cullgenは、独自の創薬基盤技術を活用して、癌領域の新規化合物を既に多数見い出しており、そのうち6つの標的の異なるタンパク質分解誘導薬候補化合物の開発計画が進行中です。それぞれの開発計画について、複数の候補化合物が評価されています。同社設立以来、約1,200の標的タンパク質分解誘導薬の候補化合物が合成され、テストされており、最も進んでいる2つの開発計画は、共にリード化合物最適化の段階で、2019年末までに治験許可申請に向けた非臨床試験等の開始を見込んでおります。Cullgenは、既に3件のPCT国際出願を行い、4件目を準備中です。
[臨床試験]
■アイスーリュイ[中国語:艾思瑞®、英語:Etuary®(一般名:ピルフェニドン)]
放射線性肺炎(RP)
当社グループは、アイスーリュイの2番目の適応症として、RP治療薬の第3相臨床試験前パイロット試験を実施しております。これは、反復投与、多施設でのオープン試験を行うもので、2019年3月末現在、10の施設で11人の被験者登録が行われています。被験者登録は、2019年末までに終了する見込みです。
糖尿病腎症(DN)
DNは、Ⅰ型糖尿病又はⅡ型糖尿病により引き起こされる慢性腎臓病です。統計によれば、中国では、糖尿病の有病者が9,240万人に達すると報告されており、Ⅰ型又はⅡ型糖尿病患者の20~30%が腎疾患を引き起こすとされています。2016年8月、当社グループは、国家薬品監督管理局(NMPA)(旧 CFDA)より、DN治療薬のIND申請に対する承認を取得し、DNに関し第2相臨床試験を直ちに開始することが認められました。当第2相臨床試験は、治験実施予定施設の改築完了をもって開始する予定ですが、その時期は2019年前半を見込んでおります。
結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)
CTD-ILDとは、結合組織疾患(CTD)を持つ患者様の肺に、炎症及び線維症、又はいずれか一方の症状を引き起こす状態のことを指しますが、2016年9月、当社グループは、アイスーリュイの4番目の適応症としてのCTD-ILD治療薬のIND申請に対する承認をNMPAより取得しました。同承認により、当社グループは、CTD-ILDの2つの適応症である全身性強皮症(強皮症)及び皮膚筋炎(DM)に関し、第3相臨床試験を直ちに開始することが認められました。2018年6月、当社グループは、強皮症とDMに関する第3相臨床試験において、最初の患者様が被験者登録されたことを発表いたしました。本試験は無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、52週の試験です。強皮症に関しては144名、DMに関しては152名の被験者が参加する予定で、2019年3月末現在、強皮症に関しては7人、DMに関しては18人の被験者登録が行われています。
■F351(肝線維症等治療薬)
F351(一般名:ヒドロニドン)は、当社グループの開発パイプラインの中でも重要な創薬候補化合物で、臨床開発活動を世界の主要医薬品市場で展開する当社戦略に必要不可欠なものです。F351は、アイスーリュイの誘導体である新規開発化合物であり、肝星細胞の増殖及び内臓の線維化に重要な役割を果たすTGF-β伝達経路の両方の阻害剤です。当社グループは中国、日本、豪州、カナダ、米国及び欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保有しております。
中国 - 当社グループは、中国において、F351の肝線維症治療薬としての第2相臨床試験を行っておりますが、これは、慢性B型肝炎ウイルス感染による肝線維症の治療におけるF351の安全性及び有効性を検証するもので、中国全土の三級甲の13の病院が参加し、最大240人の被験者に対して、無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、反復投与、多施設での試験を行うものです。2018年9月、当社グループは、中国におけるF351の肝線維症を適応症とする第2相臨床試験を審査する独立データモニタリング委員会(IDMC)より、これまでの試験において良好な結果が認められたことから、本試験に対する新規被験者登録を停止すべきとの勧告を受領しました。また、IDMCは、本試験終了前に、まだ52週間の経過観察期間が残っている36名の被験者については試験を継続するよう勧告しております。同委員会の勧告に従い、当社グループは、中国における当第2相臨床試験を2019年夏頃に終了し、その後、当試験の最終結果は国際学会の場で発表される予定です。その一方で、当社グループは、この重要な医薬候補品の承認に至る過程で必要だとNMPAからアドバイスされた内容に従って、患者様を用いた生物学的同等性データ及び薬物動態データを準備しております。
米国 - 2018年7月、肝疾患を対象に実施されていたF351の米国における第1相臨床試験に関し、全ての被験者群(4群、総数48名)の登録が完了となりました。2018年12月、当社グループは当臨床試験の治験報告書を受領いたしました。全ての被験者群において、深刻な副作用は見られなかったことが再度確認されました。F351は、アジア人以外の人種においても充分な忍容性を示し、薬物動態試験においては、アジア人以外の人種に対し、以前中国において行われた第1相臨床試験結果と比べわずかな違いしか示しませんでした。
■タミバロテン(急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬)
タミバロテンは、APL治療薬です。APLは、急性骨髄白血病の一種で、前骨髄球が「がん化」する白血病です。共同開発者である東光薬品工業株式会社と当社子会社のGNI Hong Kong Limitedは、2015年10月に、アムノレイク®錠2mg(一般名:タミバロテン)を、輸入薬としてNMPAに登録申請を行いました。その後、書類審査や治験施設においてのGCP適応審査などが行われ、総合審査前の段階にあります。
■F573(急性肝不全・慢性肝不全急性時(ACLF)治療薬)
急性肝不全・ACLF治療薬F573は、アイスーリュイ及びF351に続く3つ目の新規開発化合物で、当社グループは、2011年7月にNMPAにIND申請を提出しました。F573は、ジペプチド化合物で、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アルコール性肝硬変に起因する重症肝炎と関連した、細胞死や炎症反応をもたらす酵素の一種であるカスパーゼを阻害する可能性を持つものです。2018年4月、当社グループは、NMPAより、F573の急性肝不全・ACLF治療薬としてのIND申請に対する承認を取得しました。本承認は、第1相臨床試験の結果が良好であった場合、第2相臨床試験も行うことができる内容となっております。2019年3月、北京コンチネントの上場に関連する当社グループの組織再編成の一環として、F573に関する権利は、グループ内取引としてGNI Hong Kong LimitedからContinent Pharmaceuticals Inc. (CPI)に譲渡されました。今後、CPIは当社グループと連携して、F573の第1相臨床試験について治験施設の選定を含め準備を進めて参ります。
■その他
以上のパイプラインの他、2015年12月には、当社の連結子会社である北京コンチネントが、酪酸ヒドロコルチゾンの温度により制御されるフォーム製剤(外用薬)のIND申請を北京市食品薬品監督管理局(北京FDA)に提出し、受理されております。当フォーム製剤は、湿疹、乾癬、接触性皮膚炎等の外用薬として、北京コンチネントとGENEPHARM Biotech Corp.(台湾企業)により共同開発されたものです。当初提出したフォーム製剤に関するIND申請に一部データが不足していたため、北京コンチネントは、再提出に向けた当該データの準備を行っております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、127,681千円となりました。