有価証券報告書-第24期(2024/01/01-2024/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
2024年の世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の不安定化など、地政学的リスクが引き続き高い水準にあり、不確実性が拭えない状況が続きました。我が国においては、日経平均株価が初の4万円台を記録する等、堅調な雇用環境や観光需要の回復を背景に一定の成長がみられる一方で、為替のボラティリティが高まり、輸入コストの上昇等で物価インフレとなっております。一方、賃金上昇のペースが物価高に追いつかない状況が続いており、家計負担の軽減や持続可能な経済成長への対応が課題となっております。当社が属するバイオテクノロジーセクター及び東証グロース市場につきましては、日本国内の利上げ継続懸念から、引き続き楽観視できない状況が続いております。
このような状況下において、株式会社ジーエヌアイグループ(以下「当社」)及びその関係会社(以下合わせて「当社グループ」)は、グローバル中堅製薬企業となることを目指し、将来の事業発展の布石として当社グループを挙げて取り組んできた研究開発や子会社Cullgenの上場等のプロジェクトを着実に推し進めてまいりました。
製薬及び創薬事業におきまして、当社グループの主要子会社である北京コンチネントは、中国国内において反腐敗運動が想定より長かったものの、主力製品であるアイスーリュイの販売は年間トータルで昨年並みの売上げを維持しました。肺線維症分野における強固な地位を獲得するため、IPF(特発性肺線維症)以外の肺線維症を適応症に持つニンテダニブの製造販売に関する権利を2024年5月に取得いたしました。更に希少疾患分野(オーファンドラッグ)において、中国にて開発を進めていた慢性肝疾患による血小板減少症の治療薬であるアバトロンボパグマレイン酸塩錠の製造販売承認を2024年6月に受け、2025年1月にはITP(慢性特発性血小板減少症)を対象に適応症拡大の承認を受けました。これにより、既存の販売網を活用した今後の売上収益増大が期待されています。
また、2024年10月、北京コンチネントは次期製品の有力な候補であるB型肝炎起因の肝線維症を適応としたF351の第3相臨床試験を中国にて完了し、臨床試験のトップラインデータの公表ができるよう鋭意進めております。更に、MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)起因の肝線維症適応に向け、グローバル展開を視野に入れております。
2024年11月14日に開示しましたとおり、米国及び中国を中心に革新的な新薬の研究開発を行っている米国子会社Cullgenは、リバースマージャーによって米国ナスダック市場の上場会社となることを発表いたしました。無事に上場を果たした際には、GYREに続く2社目となります。
Cullgenは独自の標的タンパク質分解誘導技術プラットフォームuSMITE™(ubiquitin-mediated, small molecule induced target elimination)を活用した創薬に引き続き邁進しております。アステラス製薬株式会社(以下「アステラス製薬」)と革新的なタンパク質分解誘導剤創出に向けた共同研究及びオプション契約を締結しており、本戦略的提携におけるアステラス製薬との共同研究は、順調に進展しております。
同社初のTRK分解剤の抗がん剤候補としてCG001419(開発番号)の臨床試験を中国にて進め、第1/2相臨床試験を開始しております。更に中国、米国に次ぐ3か国目としてオーストラリアに子会社を設立し、2025年1月に急性及び慢性疼痛を対象とした第1相臨床試験を開始いたしました。また、2024年10月9日に開示しましたとおり、中国及び米国で開発を進めている悪性血液腫瘍(白血病)治療薬である CG009301(開発番号)のIND(新薬臨床試験開始申請)が承認されました。他の複数のプログラムにつきましても、臨床試験開始を目指して研究開発を進めております。
② 販売費及び一般管理費ならびに研究開発費
(単位:千円)
販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、15,771,868千円(前連結会計年度比3.1%増)となりました。
研究開発費
当連結会計年度の研究開発費は、主にCullgenにおける臨床試験前と臨床試験の進展により、2,811,801千円(前連結会計年度比9.9%増)となりました。
③ 金融収益及び金融費用
(単位:千円)
金融収益
当連結会計年度の金融収益は、707,799千円(前連結会計年度比8.3%減)となりました。この金融収益の減少は、主に為替差益の減少によるものです。
金融費用
当連結会計年度の金融費用は、1,880,621千円(前連結会計年度比50.4%増)となりました。この金融費用の増加は、主に為替差損の増加及びCullgenの資金調達に関する現金支出を伴わない利息費用の増加によるものです。
④ セグメント情報
医薬品事業
北京コンチネントの主力製品であるアイスーリュイの中国市場での売上収益は順調に推移しました。また、Cullgenにおいて、アステラス製薬との標的タンパク質分解誘導剤の共同開発収益1,438,586千円を計上し、当連結会計年度の医薬品事業セグメントの売上収益とセグメント利益は、それぞれ18,303,785千円(前連結会計年度比20.3%減)、371,073千円(前連結会計年度比96.9%減)となりました。このセグメント利益の大幅な減少は、前連結会計年度において特殊要因であるGYRE普通株式の評価益及びアステラス製薬へのライセンス使用許諾収益等の計上があったことが、主な要因となります。これら特殊要因を除いた場合、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ堅調な業績となっております。
医療機器事業
医療機器事業セグメントの売上収益とセグメント利益は、前連結会計年度において取得した子会社を連結範囲に含めたことにより、それぞれ5,307,920千円(前連結会計年度比73.5%増)、1,031,227千円(前連結会計年度比4.7%減)となりました。
⑤ 生産、受注及び販売の実績
生産実績
当社グループの業務は業務の性質上、生産として把握することが困難である為、記載を省略しております。
受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注状況の記載はしておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(注) 相手先は企業グループ毎にまとめて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における経営指標の実績は次のとおりです。売上収益については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ⑤生産、受注及び販売の実績」に記載しております。
また、研究開発費については、その活動を「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載しております。
(単位:千円)
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積り及び判断を行っております。また、実際の結果は見積りによる不確実性がある為、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況、3 事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.当期の財政状態の概況
前連結会計年度において行われた企業結合に係る暫定的な会計処理が当連結会計年度に確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、当連結会計年度の連結財務諸表に含まれる比較情報において取得原価の当初配分額の見直しを反映しており、前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、当該見直しを反映した後の確定額に基づく金額を使用しております。
連結財政状態
(単位:千円)
資産合計
当連結会計年度末における資産合計は、71,942,909千円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。この資産の増加は、主に無形資産の増加によるものです。
負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、32,229,009千円(前連結会計年度比16.1%増)となりました。この負債の増加は、主に短期借入金の増加によるものです。
資本合計
当連結会計年度末における資本合計は、39,713,900千円(前連結会計年度比8.8%増)となりましたこの資本の増加は、主にその他の資本の構成要素の増加によるものです。
b.当期のキャッシュ・フローの概況
連結キャッシュ・フロー
(単位:千円)
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、3,164,422千円の支出(前連結会計年度は、6,549,337千円の収入)となりました。これは主に、法人所得税の支払によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、10,361,330千円の支出(前連結会計年度は、6,842,661千円の支出)となりました。これは主に、差入保証金・敷金の増加による支出及び有価証券の取得による支出によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、694,161千円の収入(前連結会計年度は、10,686,556千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の増加及び非支配持分からの払込による収入によるものです。
c.財務政策
当社グループの核となる事業は医薬品開発です。当社グループでは、当社グループ内にて当該医薬品候補化合物の収益化を成功させることを目指しており、中国市場においてはアイスーリュイにて実際に達成しております。これにより、当社グループは、十分なキャッシュ・フローを創出し、利益を得ることと、将来の売上収益獲得のために当社グループの医薬品開発パイプラインに継続的な投資を行うこととの両方を実現させるという経営戦略を遂行できるようになりました。このためには、研究開発費と売上利益とのバランスを慎重に保つという厳しい財務政策が必要とされます。
当社グループは主として、上記戦略遂行によって生み出された内部留保資金を当社グループの事業運営に活用しますが、当社経営陣は、医薬品開発のリスク及び将来の金融市場混乱の可能性を予見できないことを依然として認識しております。従いまして、当社グループの事業継続を確かなものにし、また、新たな事業機会が訪れた際に先手を打てるに十分な資金を保有しておくため、場合によっては外部資金調達に取り組むことがあります。そのような外部資金調達を行う場合においても、当社への出資拡大に伴う希薄化を最小限に抑えるとともに、当社グループの成長を支援して頂ける長期安定投資家の探索に努める方針であります。
当連結会計年度において予定している設備投資に係る資金需要の主なものは「第3 設備の状況、3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
① 経営成績の状況
2024年の世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の不安定化など、地政学的リスクが引き続き高い水準にあり、不確実性が拭えない状況が続きました。我が国においては、日経平均株価が初の4万円台を記録する等、堅調な雇用環境や観光需要の回復を背景に一定の成長がみられる一方で、為替のボラティリティが高まり、輸入コストの上昇等で物価インフレとなっております。一方、賃金上昇のペースが物価高に追いつかない状況が続いており、家計負担の軽減や持続可能な経済成長への対応が課題となっております。当社が属するバイオテクノロジーセクター及び東証グロース市場につきましては、日本国内の利上げ継続懸念から、引き続き楽観視できない状況が続いております。
このような状況下において、株式会社ジーエヌアイグループ(以下「当社」)及びその関係会社(以下合わせて「当社グループ」)は、グローバル中堅製薬企業となることを目指し、将来の事業発展の布石として当社グループを挙げて取り組んできた研究開発や子会社Cullgenの上場等のプロジェクトを着実に推し進めてまいりました。
製薬及び創薬事業におきまして、当社グループの主要子会社である北京コンチネントは、中国国内において反腐敗運動が想定より長かったものの、主力製品であるアイスーリュイの販売は年間トータルで昨年並みの売上げを維持しました。肺線維症分野における強固な地位を獲得するため、IPF(特発性肺線維症)以外の肺線維症を適応症に持つニンテダニブの製造販売に関する権利を2024年5月に取得いたしました。更に希少疾患分野(オーファンドラッグ)において、中国にて開発を進めていた慢性肝疾患による血小板減少症の治療薬であるアバトロンボパグマレイン酸塩錠の製造販売承認を2024年6月に受け、2025年1月にはITP(慢性特発性血小板減少症)を対象に適応症拡大の承認を受けました。これにより、既存の販売網を活用した今後の売上収益増大が期待されています。
また、2024年10月、北京コンチネントは次期製品の有力な候補であるB型肝炎起因の肝線維症を適応としたF351の第3相臨床試験を中国にて完了し、臨床試験のトップラインデータの公表ができるよう鋭意進めております。更に、MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)起因の肝線維症適応に向け、グローバル展開を視野に入れております。
2024年11月14日に開示しましたとおり、米国及び中国を中心に革新的な新薬の研究開発を行っている米国子会社Cullgenは、リバースマージャーによって米国ナスダック市場の上場会社となることを発表いたしました。無事に上場を果たした際には、GYREに続く2社目となります。
Cullgenは独自の標的タンパク質分解誘導技術プラットフォームuSMITE™(ubiquitin-mediated, small molecule induced target elimination)を活用した創薬に引き続き邁進しております。アステラス製薬株式会社(以下「アステラス製薬」)と革新的なタンパク質分解誘導剤創出に向けた共同研究及びオプション契約を締結しており、本戦略的提携におけるアステラス製薬との共同研究は、順調に進展しております。
同社初のTRK分解剤の抗がん剤候補としてCG001419(開発番号)の臨床試験を中国にて進め、第1/2相臨床試験を開始しております。更に中国、米国に次ぐ3か国目としてオーストラリアに子会社を設立し、2025年1月に急性及び慢性疼痛を対象とした第1相臨床試験を開始いたしました。また、2024年10月9日に開示しましたとおり、中国及び米国で開発を進めている悪性血液腫瘍(白血病)治療薬である CG009301(開発番号)のIND(新薬臨床試験開始申請)が承認されました。他の複数のプログラムにつきましても、臨床試験開始を目指して研究開発を進めております。
② 販売費及び一般管理費ならびに研究開発費
(単位:千円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 差額 | |
販売費及び一般管理費 | △15,292,839 | △15,771,868 | △479,029 |
人件費 | △5,318,748 | △5,074,682 | 244,065 |
研究開発費 | △2,557,803 | △2,811,801 | △253,998 |
販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、15,771,868千円(前連結会計年度比3.1%増)となりました。
研究開発費
当連結会計年度の研究開発費は、主にCullgenにおける臨床試験前と臨床試験の進展により、2,811,801千円(前連結会計年度比9.9%増)となりました。
③ 金融収益及び金融費用
(単位:千円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 差額 | |
金融収益 | 771,527 | 707,799 | △63,728 |
金融費用 | △1,250,685 | △1,880,621 | △629,935 |
金融収益
当連結会計年度の金融収益は、707,799千円(前連結会計年度比8.3%減)となりました。この金融収益の減少は、主に為替差益の減少によるものです。
金融費用
当連結会計年度の金融費用は、1,880,621千円(前連結会計年度比50.4%増)となりました。この金融費用の増加は、主に為替差損の増加及びCullgenの資金調達に関する現金支出を伴わない利息費用の増加によるものです。
④ セグメント情報
医薬品事業
北京コンチネントの主力製品であるアイスーリュイの中国市場での売上収益は順調に推移しました。また、Cullgenにおいて、アステラス製薬との標的タンパク質分解誘導剤の共同開発収益1,438,586千円を計上し、当連結会計年度の医薬品事業セグメントの売上収益とセグメント利益は、それぞれ18,303,785千円(前連結会計年度比20.3%減)、371,073千円(前連結会計年度比96.9%減)となりました。このセグメント利益の大幅な減少は、前連結会計年度において特殊要因であるGYRE普通株式の評価益及びアステラス製薬へのライセンス使用許諾収益等の計上があったことが、主な要因となります。これら特殊要因を除いた場合、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ堅調な業績となっております。
医療機器事業
医療機器事業セグメントの売上収益とセグメント利益は、前連結会計年度において取得した子会社を連結範囲に含めたことにより、それぞれ5,307,920千円(前連結会計年度比73.5%増)、1,031,227千円(前連結会計年度比4.7%減)となりました。
⑤ 生産、受注及び販売の実績
生産実績
当社グループの業務は業務の性質上、生産として把握することが困難である為、記載を省略しております。
受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注状況の記載はしておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりです。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | |
医薬品事業 | 18,303,785 | △20.3 |
医療機器事業 | 5,307,920 | 74.9 |
合計 | 23,611,705 | △9.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先 | セグメント | 前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | ||
Sinopharm | 医薬品事業 | 5,365,748 | 20.6 | 5,105,295 | 21.6 |
Astellas Pharma Inc. | 医薬品事業 | 5,804,973 | 22.3 | 1,438,586 | 6.1 |
(注) 相手先は企業グループ毎にまとめて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における経営指標の実績は次のとおりです。売上収益については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ⑤生産、受注及び販売の実績」に記載しております。
また、研究開発費については、その活動を「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載しております。
(単位:千円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
売上収益合計 | 26,010,571 | 23,611,705 |
研究開発費 | 2,557,803 | 2,811,801 |
売上収益対比 | 9.8% | 11.9% |
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積り及び判断を行っております。また、実際の結果は見積りによる不確実性がある為、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況、3 事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.当期の財政状態の概況
前連結会計年度において行われた企業結合に係る暫定的な会計処理が当連結会計年度に確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、当連結会計年度の連結財務諸表に含まれる比較情報において取得原価の当初配分額の見直しを反映しており、前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、当該見直しを反映した後の確定額に基づく金額を使用しております。
連結財政状態
(単位:千円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 差額 | |
資産合計 | 64,269,302 | 71,942,909 | 7,673,607 |
負債合計 | 27,764,834 | 32,229,009 | 4,464,174 |
資本合計 | 36,504,467 | 39,713,900 | 3,209,433 |
資産合計
当連結会計年度末における資産合計は、71,942,909千円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。この資産の増加は、主に無形資産の増加によるものです。
負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、32,229,009千円(前連結会計年度比16.1%増)となりました。この負債の増加は、主に短期借入金の増加によるものです。
資本合計
当連結会計年度末における資本合計は、39,713,900千円(前連結会計年度比8.8%増)となりましたこの資本の増加は、主にその他の資本の構成要素の増加によるものです。
b.当期のキャッシュ・フローの概況
連結キャッシュ・フロー
(単位:千円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 差額 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 6,549,337 | △3,164,422 | △9,713,759 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △6,842,661 | △10,361,330 | △3,518,669 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 10,686,556 | 694,161 | △9,992,394 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、3,164,422千円の支出(前連結会計年度は、6,549,337千円の収入)となりました。これは主に、法人所得税の支払によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、10,361,330千円の支出(前連結会計年度は、6,842,661千円の支出)となりました。これは主に、差入保証金・敷金の増加による支出及び有価証券の取得による支出によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、694,161千円の収入(前連結会計年度は、10,686,556千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の増加及び非支配持分からの払込による収入によるものです。
c.財務政策
当社グループの核となる事業は医薬品開発です。当社グループでは、当社グループ内にて当該医薬品候補化合物の収益化を成功させることを目指しており、中国市場においてはアイスーリュイにて実際に達成しております。これにより、当社グループは、十分なキャッシュ・フローを創出し、利益を得ることと、将来の売上収益獲得のために当社グループの医薬品開発パイプラインに継続的な投資を行うこととの両方を実現させるという経営戦略を遂行できるようになりました。このためには、研究開発費と売上利益とのバランスを慎重に保つという厳しい財務政策が必要とされます。
当社グループは主として、上記戦略遂行によって生み出された内部留保資金を当社グループの事業運営に活用しますが、当社経営陣は、医薬品開発のリスク及び将来の金融市場混乱の可能性を予見できないことを依然として認識しております。従いまして、当社グループの事業継続を確かなものにし、また、新たな事業機会が訪れた際に先手を打てるに十分な資金を保有しておくため、場合によっては外部資金調達に取り組むことがあります。そのような外部資金調達を行う場合においても、当社への出資拡大に伴う希薄化を最小限に抑えるとともに、当社グループの成長を支援して頂ける長期安定投資家の探索に努める方針であります。
当連結会計年度において予定している設備投資に係る資金需要の主なものは「第3 設備の状況、3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。