有価証券報告書-第39期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/26 10:30
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137項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、雇用・所得環境の改善や個人消費の持ち直しの動きがみられており緩やかな景気の回復基調が継続する一方で、中東地域をはじめとした地政学的な緊張の高まりや、米国の通商政策を巡る不確実性などが継続していることにより、依然として先行きは不透明な状況です。
このような状況の中、当社グループは「JR貨物グループ長期ビジョン2030」と、「JR貨物グループ中期経営計画2026」(以下、「中計2026」)で定めた基本方針を踏まえ、鉄道事業の基盤は安全であるという認識のもと安全体制の強化に継続的に取組みながら、「作業記録の書き換え等の不適切事案の再発防止」、「安全基盤の強化と安定輸送の追求」、「グループ一体での鉄道×物流の総合力による輸送量の拡大」、「不動産事業の拡大と新規事業の展開」、「経営基盤の強化」、「貨物鉄道輸送の更なる役割発揮に向けた体制強化」の6つの取組みを進めました。
しかしながら、農産品・青果物の生育不良や食料工業品等の荷動き低調による収入の伸び悩み、雪害や大雨をはじめとした自然災害による収入影響、国際情勢の混乱や円安等を背景とした物価高騰によるコストの増嵩が経営成績に影響を及ぼしました。
この結果、当連結会計年度の営業収益は前期比3.4%増の2,076億円、営業利益は前期比19.5%増の32億円、経常利益は前期65.3%増の24億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比81.9%減の12億円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
a 鉄道ロジスティクス事業
鉄道ロジスティクス事業では、2024年9月に発生した輪軸組立作業に関する作業記録書き換え等の不正事案に関して、2024年10月31日に報告した「JR貨物の安全確保のために講ずべき措置」に基づいた対策を継続し、輸送の安全確保に全社一丸となって努めました。
輸送サービスにおいては、2025年3月のダイヤ改正において、東京貨物ターミナル駅と仙台貨物ターミナル駅を直結するコンテナ列車の設定や、リードタイムの短縮・深夜発ダイヤの拡充による利便性の向上をするとともに、ご要望の強い区間では輸送力を増強しました。また、近年ニーズが高まっている大型コンテナの取扱いの拡大を図りました。
当連結会計年度における輸送量は、コンテナが前期比101.6%、車扱が前期比98.1%となり、合計では前期比100.5%となりました。コンテナの品目では、エコ関連物資が、中央新幹線建設工事に伴う発生土の運搬により前年を上回ったほか、自動車部品は、一部顧客における増送が続いたことにより前年を上回りました。また、積合せ貨物は、ドライバー不足を背景とした鉄道利用の増加により増送となりました。車扱の品目では、石油について、平年より気温が高く推移し、燃料需要が減少した影響により前年を下回りました。また、亜鉛が輸送終了となった影響もあり減送となりました。
総合物流事業の推進としては、4月に日本運輸倉庫株式会社から商号変更したJR貨物ロジ・ソリューションズ株式会社を中心に、グループ会社の倉庫機能を結節点として、貨物鉄道をはじめ様々な輸送モードを活用し、物流をトータルで提案する体制を整え、総合物流サービスを展開しました。今後も当社グループ会社全体のサービスを結集して、物流全体からスポット的な需要までお客様のニーズに応じた多彩な輸送サービスを提供し、更なる成長を図っていきます。
経費面では、安全の確立、安定輸送の確保、輸送品質の維持等の事業継続に必要な経費は着実に執行したうえで、業務の効率化の取組みを継続してきましたが、物価の高騰などにより車両修繕費等の修繕費や線路使用料等が上昇しました。
この結果、当連結会計年度の営業収益は前期比1.6%増の1,832億円、営業損失は119億円(前期は営業損失85億円)となりました。
b 不動産事業
不動産事業では、賃貸マンションの「フレシア立川」(東京都立川市)が2025年8月、「フレシア天王寺」(大阪市阿倍野区)が2026年1月に竣工、賃貸を開始しました。また、分譲マンション「ブライトタウン天竜川駅前フレシア」(浜松市中央区)は順調に販売が進み、2026年3月までに全戸完売を達成しました。
その他、西橋本社宅跡地の土地持分譲渡、昨年度組成した第1号不動産私募ファンドへの土地譲渡による譲渡益計上のほか、大規模修繕工事の計画見直し等により経費削減に努め、全体として収益性が向上しました。
この結果、当連結会計年度の営業収益は前期比18.5%増の258億円、営業利益は前期比36.7%増の148億円となりました。
c その他
その他では、リースアップ品売却における入札方式を変更したことから、売却単価の引き上げに成功し、利益率・利益額ともに大幅に上昇しました。商品流通部門では商品販売及び鉄道資材の売上増により同じく収益は前年を上回りました。資源循環部門は、金属スクラップ市況が乱高下する中ではありましたが、前年並みの収益を上げました。鉄道グッズ販売部門、保険事業部門は前年度より収益が微減となりました。業務委託部門では、コスト上昇分を業務の見直しで吸収し前年度並みの実績でした。
この結果、当連結会計年度の営業収益は前期比2.2%増の48億円、営業利益は前期比45.1%増の2億円となりました。
(参考)
当社の貨物鉄道事業の最近の品目別輸送実績は次のとおりであります。
(単位:千トン)
前事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
対前期比
増減%
輸送量合計27,14827,287+138+0.5
コンテナ輸送量計18,61718,918+300+1.6
農産品・青果物1,5451,453-91-6.0
化学工業品1,5661,546-20-1.3
化学薬品1,0911,075-15-1.4
食料工業品3,0952,966-128-4.1
紙・パルプ2,1272,090-36-1.7
他工業品1,1851,253+68+5.7
積合せ貨物3,1793,233+53+1.7
自動車部品733827+94+12.8
家電・情報機器376350-25-6.8
エコ関連物資534854+320+59.9
その他3,1823,266+83+2.6
車扱輸送量計8,5308,368-162-1.9
石油5,9425,853-88-1.5
セメント・石灰石1,4041,419+15+1.1
車両811812+0+0.1
その他372283-89-24.0

また、最近2連結会計年度における主な顧客先別の売上高及び当該売上高実績の総売上高実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
日本通運株式会社37,75818.837,27117.9

② 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産額は、4,668億円となり、前連結会計年度末と比較し、99億円増加しました。これは主に、棚卸資産の増加によるものです。
負債総額は、3,589億円となり、前連結会計年度末と比較し、48億円増加しました。これは主に、社債の発行等によるものです。
純資産総額は、1,078億円となり、前連結会計年度末と比較し、51億円増加しました。これは主に、退職給付に係る調整累計額の増加によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローについては、営業債務や退職給付に係る負債の増加と未収運賃等の営業債権の減少等により、前期の流入額に比べ67億円増となり254億円の流入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、有形及び無形固定資産の取得による支出の増加や工事負担金等受入による収入の減少や有形固定資産の売却収入の減少等により、前期の流出額に比べ165億円増の338億円の流出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、長期借入れによる収入の減少や社債発行による収入の減少等により、前期の流入額に比べ77億円減の106億円の流入となりました。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ21億円増の430億円となりました。
また、当連結会計年度末の長期借入金残高は、前連結会計年度末に比べ9億円増の1,911億円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社及び当社の連結子会社の大多数は、受注生産形態を取らない業態であります。長期に亘り収益が認識される契約を有する鉄道ロジスティクス事業については、未履行の履行義務残高を、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表 注記事項(収益認識関係)」に記載しています。なお、販売の状況については「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行ったうえで、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表は固定資産の比率が高いことから、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積りのうち特に影響が大きいものは、固定資産の減損会計であります。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績
〇 営業収益
当連結会計年度の営業収益は、運輸収入では運賃改定効果や輸送量の増加により、前期比3.4%増の2,076億円となりました。
鉄道ロジスティクス事業の外部顧客への売上高は、前期比1.6%増の1,829億円となりました。
輸送サービスにおいては、2025年3月のダイヤ改正において、東京貨物ターミナル駅と仙台貨物ターミナル駅を直結するコンテナ列車の設定や、リードタイムの短縮・深夜発ダイヤの拡充による利便性の向上をするとともに、ご要望の強い区間では輸送力を増強しました。また、近年ニーズが高まっている大型コンテナの取扱いの拡大を図りました。
コンテナの輸送量は前期比101.6%、車扱が前期比98.1%となり、合計では前期比100.5%となりました。コンテナの品目では、エコ関連物資が、中央新幹線建設工事に伴う発生土の運搬により前年を上回ったほか、自動車部品は、一部顧客における増送が続いたことにより前年を上回りました。また、積合せ貨物は、ドライバー不足を背景とした鉄道利用の増加により増送となりました。車扱の品目では、石油について、平年より気温が高く推移し、燃料需要が減少した影響により前年を下回りました。また、亜鉛が輸送終了となった影響もあり減送となりました。
鉄道ロジスティクス事業以外の事業の外部顧客への売上高については、以下のとおりであります。
不動産事業では、分譲マンション販売や新規貸付、昨年度組成した第1号不動産私募ファンドへの土地譲渡による譲渡益計上等により、前期比20.0%増の240億円となりました。
その他の事業では、前期比6.3%増の5億円となりました。
〇 営業費用
営業費用は、前期比3.2%増の2,043億円となりました。営業収益に対する営業費用の比率は、前連結会計年度の98.6%に対して、当連結会計年度は98.4%となりました。
運輸業等営業費及び売上原価は、前期比3.1%増の1,881億円となりました。これは、車両修繕費等の修繕費や線路使用料等の費用が増加したことなどによるものであります。
販売費及び一般管理費は、前期比4.6%増の161億円となりました。これは、主に業務用OA端末の更新などによるものであります。
〇 営業損益
営業利益は、32億円となりました。前連結会計年度は、営業利益27億円でありました。
〇 営業外損益
営業外収益は、前期比52.2%増の9億円、営業外費用は、前期比5.1%減の17億円となりました。これは、前期持分法適用会社の貸倒引当金を計上したことなどによるものであります。
なお、受取利息などの金融収益から、支払利息などの金融費用を差し引いた金融収支は、12億円のマイナスとなり、前連結会計年度から2.3%改善しております。
〇 経常損益
経常利益は、24億円となりました。前連結会計年度は、経常利益14億円でありました。
〇 特別損益
特別利益は、前期比89.3%減の15億円となりました。これは、前期に土地売却があったことなどによるものであります。
特別損失は、前期比71.8%減の15億円となりました。これは、前期に駅移転に伴う圧縮損の発生があったことなどによるものであります。
〇 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、24億円となりました。前連結会計年度は、税金等調整前当期純利益102億円でありました。
〇 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比81.9%減の12億円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の17,785.37円に対し、当連結会計年度は3,226.52円となりました。また、当連結会計年度の営業収益に対する親会社株主に帰属する当期純利益の比率は、前連結会計年度の3.4%に対し、当連結会計年度は0.6%となりました。
b 財政状態
当連結会計年度末の資産残高は前連結会計年度に比べ99億円増の4,668億円、負債残高は前連結会計年度に比べ48億円増の3,589億円、純資産額は前連結会計年度に比べ51億円増の1,078億円となりました。
鉄道ロジスティクス事業においては、沼津駅付近連続立体交差事業に伴う新沼津貨物駅新設工事による建設仮勘定等の増加などにより、当連結会計年度末の資産残高は3,709億円となりました。
不動産事業においては、賃貸用事業資産の取得を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は572億円となりました。
その他の事業においては、大きな投資は行っておらず、当連結会計年度末の資産残高は177億円となりました。
c キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
〇 キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度より67億円多い254億円の流入となりました。これは、販売用不動産の売却収入等の増加などによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度より165億円少ない338億円の流出となりました。これは、土地売却等の減少によるものであります。
なお、設備投資については、鉄道ロジスティクス事業に関して、車両の新造、コンテナの新製、荷役機械の新製などの投資などについて実施しました。
また、フリー・キャッシュ・フローは、84億円の流出(前期は13億円の流入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度より77億円少ない106億円の流入となりました。これは、長期借入と社債発行による収入が減少したことなどによるものであります。なお、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の408億円から21億円増加し、430億円となりました。
〇 財務政策
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、シンジケート・ローンを含む銀行借入ならびに社債等により、既存債務の返済資金や設備投資資金等の必要資金を調達しております。財務政策の方針は、市場動向等を勘案しながら低利かつ中長期的にわたり安定的な資金調達を行うことであります。弁済期限が1年を超える資金を借り入れる際は、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和61年法律第88号)の第五条に基づき、国土交通大臣の認可を得て実行しています。
なお、運転資金の効率的な調達のため、当座貸越枠を設定しているほか、大規模災害発生時の資金面の備えとして、震災・大雨・噴火対応型のコミットメントライン契約(契約枠150億円)を締結しております。

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