有価証券報告書-第40期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 9:11
【資料】
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【項目】
107項目

研究開発活動

当社グループは、医薬品等の安全性、特に人命に関わる重篤な副作用の検出を目指した非臨床試験法及び臨床試験法の開発を推進しております。併せて、医薬品、食品、化学品、医療機器等、各分野へ特化領域を広げながら、安全性/毒性及び有効性評価における受託試験研究機関としての独自性を高めるべく、新試験法の開発活動を推進しております。
近年、非臨床試験及び臨床試験の両分野において、特に安全性薬理領域の試験法開発に力を入れてきました。非臨床安全性薬理試験は、医薬品候補化合物の中枢神経系、循環器系及び呼吸器系への有害作用を予測評価する試験で、平成13年に厚生労働省によりガイドライン化されて以来、需要が増大しており、評価法の改良も行われております。また、臨床薬理試験は、催不整脈リスク評価を基軸として、今後は更に需要が高まる事が予想されます。当社は本試験系の開発を通じて医薬品の人命に関わる重大な副作用の検出に努めてまいります。
① 安全性薬理試験
安全性薬理試験に関しては、平成20年3月に特許を取得した催不整脈モデル動物について、学会発表や顧客への紹介を進めており、科学技術振興機構(JST)及び新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)との協業を踏まえ、徐々に受託数を増やしております。
また、平成20年9月に稼動を開始した新棟においては、催不整脈モデルを用いた試験を始め、サルを用いた安全性薬理試験全般の受託増加を目論み専用飼育室を多数設けており、併せて専門技術者などの増員を図りながら安全性薬理分野の強化を引き続き図っております。
② その他の非臨床試験
平成17年、製薬会社等との共同開発により世界で初めて実用化に成功した、薬物の発がんリスクを従来の方法よりも高精度に予測評価できるラットの再生肝細胞を用いた小核試験については、日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)のガイドラインにその実施が記載される見込みとなっており、今後の需要増加が期待されます。
また、求められる医薬品をいち早く開発して患者の方に届けられる社会的仕組みの確立に向け、医薬品の開発期間短縮のため世界的に開発の進むマイクロドーズ試験を日本国内で推進するための国家プロジェクトに参加しております。
以上の活動における当連結会計年度の研究開発費として、59,531千円を計上しております。