有価証券報告書-第13期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(4)【役員の報酬等】
① 役員報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当事業年度の報酬ポリシー
パーソルグループの役員報酬の考え方(役員報酬ポリシー)
(1)パーソルグループの価値創造ストーリー
① パーソルが目指す世界(グループビジョン)
「はたらいて、笑おう。」これが、パーソルが実現したい世界であり、グループビジョンです。
現在、労働市場では「組織」の時代から「個」の時代へのシフトが起こっており、人材サービス業界が担うべき役割や存在意義が改めて問われています。
性別・年齢・国籍・あらゆる制約を越えてすべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現に向け、まずは、私たち一人一人が「はたらいて、笑おう。」を体現してまいります。
② パーソルグループの社会への約束
「はたらく期間の長期化」、「テクノロジーによるはたらき方の変化」といった“はたらく”に関わる世界の変容の中で、人生100年時代における新しいはたらき方、雇用のあり方を提案し、あらゆる個人のワークエンゲージメント向上に貢献することを通じて「はたらいて、笑おう。」を実現します。
③ 価値創造の源泉
経営理念や行動指針を大切にし、はたらく個人に誠実に寄り添い続けてきた「人」と、これまでの事業活動を通じて獲得した顧客接点や社会的信用、スタッフや企業の豊富な人材・HR情報、そして健全な財務基盤がパーソルグループの価値創造の源泉です。
④ 事業活動
上記②の「社会への約束」を実現するために、グループ重点戦略として「”個人”にフォーカスする」「テクノロジーを武器にする」「世界で価値を提供する」を掲げます。これらのグループ重点戦略やSBU(Strategic Business Unit)体制、事業戦略・コーポレート戦略により事業活動を加速させます。
⑤ 事業活動の結果
グループビジョンの達成度合いを測る指標として「はたらいて、笑おう。」指標を設定します。「はたらいて、笑おう。」指標に基づく社会的価値の目標達成が、ひいては財務目標の達成につながると考えます。
また、パーソルグループの活動の結果として、その達成に貢献するSDGsの項目を「4.質の高い教育をみんなに」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「8.働きがいも経済成長も」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「10.人や国の不平等をなくそう」の5項目に特定しました。今後、グループビジョン実現に向けた活動や継続的なステークホルダーとの対話を通じて取り組みを具体化していきます。
(2)役員報酬の基本方針
当社及びSBU事業戦略の中核を担う当社子会社(以下「SBU中核会社」という。)の経営陣幹部・取締役の報酬(以下「役員報酬」という。)は、パーソルグループの価値創造ストーリーを実現するために、パーソルグループの短期的な会社業績だけでなく、中長期的な会社業績の向上に対する貢献を明確に反映する設計としています。したがって、パーソルグループの役員報酬は、中長期的な持続的成長を実現するためのインセンティブとして位置付けており、その基本方針を以下3つの視点で具体化しています。
① パーソルグループの短期的・中長期的な会社業績及び企業価値と連動する
- 短期的な業績だけでなく、中長期的な業績及び企業価値と連動した制度であること
② 株主価値と連動する
- 株主との利益意識の共有や株主重視の経営意識を高めるものであること
- 報酬決定プロセスにおいて、客観性・透明性を確保すること
③ 競争力のある報酬水準に設定する
- 国内の同規模・同業種の企業群の報酬水準と比して競争力ある水準とし、優秀な人材の確保に資する水準であること
- 当社業績及び企業価値の向上に対して、当社役員がより強いインセンティブを感じられる水準であること
(3)報酬水準
役員報酬の水準は、上記役員報酬の基本方針に基づき適正妥当なものとなるよう決定しております。具体的には、外部のデータベース等を活用してベンチマーク企業群(20~30社を目安)を設定し、当該ベンチマーク企業群の水準を調査・分析のうえ、当社の経営環境を勘案し、決定いたします。2023年3月期の中期経営期間に向けた役員報酬を決定するに当たり参照したベンチマーク企業群は、時価総額や中期経営計画の目標値を基に、同業他社(人材サービス業)や同規模の主要企業から22社を選定しました。
(4)報酬構成
当社の監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員の報酬は、各役員の役割に応じた「基本報酬」、短期インセンティブ報酬としての「賞与」及び中長期インセンティブ報酬としての「株式報酬」で構成されます。各役員に対する賞与は基本報酬の30%、株式報酬は基本報酬の26%(それぞれ目標達成度が100%の場合)となるよう設定しています。なお、SBU中核会社の取締役についても、当社と同様の報酬構成とします。
他方、監査等委員でない社外取締役及び監査等委員である取締役(以下「非業務執行取締役」という。)の報酬は、「基本報酬」及び中長期インセンティブ報酬としての「株式報酬」で構成されます。なお、非業務執行取締役に対する株式報酬は、中長期的な企業価値向上に対する貢献意識を高めつつ、株主の皆様との利益意識を共有することを目的としており、当該目的の達成と、非業務執行取締役による過度なリスクテイクを防止し、株主の視点から業務執行者を適切に監督する観点から、業績には連動させず、交付数固定の株式報酬として支給するものとします。
① 報酬項目の概要
-基本報酬
取締役及び執行役員について、職務の専門性、多様性、意思決定の難易度、管掌地域の広さ、成果責任の大きさ等に基づき役割(グレード)を定義したうえで、その役割の内容や責任に応じて定められた基本報酬額を支給します。これにより、より客観性・透明性の高い報酬決定が可能となります。なお、月額固定報酬として毎月支給します。
-賞与
中期経営計画の達成に向けたマイルストーンとして単年度の目標を設定し、短期インセンティブ報酬として毎年7月に支給します。定量的には、本業の収益力を示す売上高、営業利益等及び非財務指標として当社が当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上において特に重視する従業員エンゲージメント指標、女性管理職比率の目標達成度に応じて評価を行います。なお、業績については絶対評価に加え、原則として国内外の競合他社との成長性の相対比較を行うことで、外部環境要因を除いた評価を報酬に反映させることとしています。この他、各取締役及び執行役員の業績及び企業価値向上への取り組み状況について、定性評価を行います。
本報酬は、概ね0~200%の範囲内で変動します。
(※1)全社及びSBU毎の評価ウェイトは、取締役及び執行役員の管掌領域に応じて決定します。
(※2)上記の他、特に貢献度が高かった場合、会社と当該役員の委任契約等に反する重大な違反があった場合には、加点・減点評価を行います。
-株式報酬
パーソルグループの中長期的な会社業績及び企業価値の向上に対するインセンティブ付与を目的とすると同時に、株主との利益意識の共有を一層促すことを目的に、原則として退任時に支給します(海外赴任となった場合は、その時点で支給をし、原則として海外赴任中は株価に連動した金銭報酬(仮想株式報酬)を、中期経営計画の対象期間の終了ごとに支給するものとします。)。また、退任時に交付される予定の潜在保有株式数を含め、当社は監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)に対し、原則として基本報酬(年額)の1倍以上の当社株式を保有することを推奨します。
監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)の株式報酬は、そのうち70%をグレード及び当社の中期経営計画の目標達成度に応じて決まる業績連動型中長期インセンティブ報酬(Performance Share)、残りの30%を株主価値との連動を目的とした、グレードに応じて決まる固定型中長期インセンティブ報酬(Restricted Stock)としています。
他方、非業務執行取締役の株式報酬は、上述のとおり、固定型中長期インセンティブ報酬(Restricted Stock)のみとしています。
⦅業績連動型中長期インセンティブ報酬(Performance Share)⦆
2023年3月期に向けた中期経営計画の財務指標(連結売上高、連結営業利益、TSR及びROIC)や非財務指標の目標達成度等の評価に応じて決まる仕組みとしています。特に、非財務指標については、ESG指標を複数取り入れることで、価値創造ストーリーに基づく取り組みを一層向上させる設計としています。
本報酬は、0~200%の範囲内で変動します。
(※)比較対象企業とTOPIXを利用した相対評価のため、TSR自体の目標値は設定しません。
⦅固定型中長期インセンティブ報酬(Restricted Stock)⦆
株主価値との連動を一層促すため、交付数固定の株式報酬として支給します。
(※)株式報酬は、信託型自社株報酬制度を通じて支給します。本制度は、対象者に対して、毎年、ユニット(ポイント)を付与し、退任時にユニット数(ポイント数)に相当する株式を交付するものです。自社株式の管理は、三菱UFJ信託銀行に委託しています。
② 報酬構成の標準モデル
-監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(各指標の目標が概ね100%達成の場合)
-非業務執行取締役
(※)非業務執行取締役に対する株式報酬は、1人当たり200万円相当を固定的に付与するものであり、各非業務執行取締役の役割に応じて基本報酬額が異なりうるため、実際の報酬構成は上記と異なることがあります。
(5)報酬ガバナンス
① 報酬決定のプロセス
当社の役員報酬等の額及びその算定方法並びに個人別の報酬等の内容の決定方針については、取締役会の諮問機関である独立した指名・報酬委員会での十分な審議を経た上で、取締役会で決定します。なお、監査等委員である取締役の報酬等の額については、監査等委員の協議により決定します。役員報酬等は、株主総会において決議された報酬等の上限額以内で支給するものとします。
② 指名・報酬委員会の役割
当社の取締役及び執行役員の報酬内容の妥当性や客観性・透明性を高めるために、取締役会の諮問機関として、3名以上の委員で構成され、委員長及び委員の過半数を独立社外取締役とする指名・報酬委員会を設置しています。
指名・報酬委員会では、役員報酬については、役員報酬の基本方針や役員報酬制度の内容等につき審議し、取締役会に対し答申・提案を行います。
また、社外からの客観的視点及び役員報酬制度に関する専門的知見を導入するため、外部の報酬コンサルタントを起用し、その支援を受け、外部データ、経済環境、業界動向及び経営状況等を考慮し、報酬制度の内容について検討することとします。
⦅指名・報酬委員会における主な検討事項⦆
指名・報酬委員会は、1年間で4回以上実施することとしており、主として以下の内容について審議し、取締役会に対し答申・提案を行います。
①取締役及びHeadquarters Management Committee(以下「HMC」という。)構成員の候補者の決定に関する事項
-取締役の選任及び解任に関する方針の原案の決定
-株主総会に付議する取締役の選解任議案の原案の決定
-代表取締役社長CEO(代表権とCEO職)の選定・解職の原案の決定
-HMC構成員の原案の審議
-代表取締役社長CEOの後継者計画の審議
②取締役及びHMC構成員の報酬の決定に関する事項
-取締役及びHMC構成員の報酬基準の作成
-取締役(監査等委員である取締役を除く。)の評価の実施
③その他取締役会が必要と認めた事項
(※)Headquarters Management Committeeとは、代表取締役社長CEOの補佐機関として、当社グループの経営の基本方針及び重要な業務執行の決定を協議する会議体です。
(6)報酬等の没収(クローバック・マルス)
重大な会計上の誤りや不正による決算の事後修正が取締役会において決議された場合、または役員の在任期間中に会社と当該役員の委任契約等に反する重大な違反があったと取締役会が判断した場合、指名・報酬委員会は、取締役会からの諮問を受けて、賞与及び株式報酬を受ける権利の全部若しくは一部の没収、または支給済みの賞与及び株式報酬の全部若しくは一部の返還を求めるか否かについて審議し、その結果を取締役会に答申します。
取締役会は、指名・報酬委員会の答申結果を踏まえて、賞与及び株式報酬を受ける権利の全部若しくは一部の没収、または支給済みの賞与及び株式報酬の全部若しくは一部の返還を当該役員に請求するか否かにつき決議するものとします。
(7)情報開示等の方針
役員報酬制度の内容については、各種法令等に基づき作成・開示することとなる有価証券報告書、株主総会参考書類、事業報告、コーポレートガバナンス報告書、統合報告書及びホームページ等を通じ、当社株主に対し迅速に開示します。
また、株主や投資家と目的をもった建設的な対話を行い、当社の価値創造ストーリーに関する理解を深めていただくとともに、建設的な対話を通して受けた株主や投資家の意見を取締役会等で共有し、当社の経営に反映することで、当社の企業価値向上に努めます。
社内取締役(監査等委員である取締役を除く。)については、原則として連結報酬等の総額が1億円以上である者に限ることなく、開示することとします。
②役員区分ごとの報酬額の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
1.上記には、当事業年度中に退任した取締役3名を含めております。
2.当事業年度に係る当社の監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)3名に支給する賞与の目標及び実績は次のとおりです。財務指標については、連結売上高の目標は9,900億円、実績は9,706億円、連結営業利益の目標は430億円、実績は391億円となりました。また、派遣・BPOセグメントについては財務指標の目標を個別設定し、売上高、営業利益の目標達成率は平均99%となりました。非財務指標については、従業員満足度及びリスクモニタリングに関する目標を個別に設定し、概ね達成いたしました。また、業績と企業価値向上のために個別に課題を設定して取り組みました。以上の結果、当社の監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)3名に支給する賞与の支給係数は、あらかじめ定めた賞与の算定式に従い標準支給率を100%とした場合、36~75%となりました。
3.株式報酬のうち、業績連動型中長期インセンティブ報酬(Performance Share)については、中期経営計画の目標値を指標としているため、当事業年度は実績はありません。
4.株式報酬は、当事業年度に計上した役員株式給付引当金の繰入額であります。なお、第5 経理の状況 1連結財務諸表等「注記事項(連結損益計算書関係)」及び2財務諸表等「注記事項(損益計算書関係)」※1に記載の「役員株式給付引当金繰入額」には、上記の取締役に対する株式報酬に加え、当社執行役員に対する株式報酬が含まれております。
5.当社では、取締役の個人別の報酬等の内容は、委員長及び委員の過半数を独立社外取締役とする指名・報酬委員会による審議を経て、取締役会の決議により決定しております。指名・報酬委員会は、取締役の個人別の報酬等の内容の決定に関する方針と個人別の報酬等の内容の整合性を確認しつつ、各評価項目の評価結果の妥当性等を勘案したうえで算定式に当てはめ、当該算定式に従って算出される数値を確認するなど、取締役の個人別の報酬等の内容の決定過程の合理性その他の取締役の報酬等内容の決定に関する事項について詳細に審議を行った上で、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容を取締役会に答申しました。取締役会は、報酬委員会の審議の過程と答申の内容を確認した上で、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容を決定したことから、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容は上記の方針(報酬ポリシー)に沿うものであると判断しました。
(ご参考)監査等委員でない社内取締役の連結報酬等の総額等
(注)1. 株式報酬は、当事業年度に計上した役員株式給付引当金の繰入額であります
2. 報酬等の総額が1億円以上である者は存在しませんが、当事業年度の報酬ポリシー「情報等の開示方針」に従い、社内取締役(監査等委員である取締役を除く。)については、1億円以上である者に限ることなく、開示しております。
① 役員報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当事業年度の報酬ポリシー
パーソルグループの役員報酬の考え方(役員報酬ポリシー)
(1)パーソルグループの価値創造ストーリー
① パーソルが目指す世界(グループビジョン)
「はたらいて、笑おう。」これが、パーソルが実現したい世界であり、グループビジョンです。
現在、労働市場では「組織」の時代から「個」の時代へのシフトが起こっており、人材サービス業界が担うべき役割や存在意義が改めて問われています。
性別・年齢・国籍・あらゆる制約を越えてすべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現に向け、まずは、私たち一人一人が「はたらいて、笑おう。」を体現してまいります。
② パーソルグループの社会への約束
「はたらく期間の長期化」、「テクノロジーによるはたらき方の変化」といった“はたらく”に関わる世界の変容の中で、人生100年時代における新しいはたらき方、雇用のあり方を提案し、あらゆる個人のワークエンゲージメント向上に貢献することを通じて「はたらいて、笑おう。」を実現します。
③ 価値創造の源泉
経営理念や行動指針を大切にし、はたらく個人に誠実に寄り添い続けてきた「人」と、これまでの事業活動を通じて獲得した顧客接点や社会的信用、スタッフや企業の豊富な人材・HR情報、そして健全な財務基盤がパーソルグループの価値創造の源泉です。
④ 事業活動
上記②の「社会への約束」を実現するために、グループ重点戦略として「”個人”にフォーカスする」「テクノロジーを武器にする」「世界で価値を提供する」を掲げます。これらのグループ重点戦略やSBU(Strategic Business Unit)体制、事業戦略・コーポレート戦略により事業活動を加速させます。
⑤ 事業活動の結果
グループビジョンの達成度合いを測る指標として「はたらいて、笑おう。」指標を設定します。「はたらいて、笑おう。」指標に基づく社会的価値の目標達成が、ひいては財務目標の達成につながると考えます。
また、パーソルグループの活動の結果として、その達成に貢献するSDGsの項目を「4.質の高い教育をみんなに」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「8.働きがいも経済成長も」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「10.人や国の不平等をなくそう」の5項目に特定しました。今後、グループビジョン実現に向けた活動や継続的なステークホルダーとの対話を通じて取り組みを具体化していきます。
(2)役員報酬の基本方針
当社及びSBU事業戦略の中核を担う当社子会社(以下「SBU中核会社」という。)の経営陣幹部・取締役の報酬(以下「役員報酬」という。)は、パーソルグループの価値創造ストーリーを実現するために、パーソルグループの短期的な会社業績だけでなく、中長期的な会社業績の向上に対する貢献を明確に反映する設計としています。したがって、パーソルグループの役員報酬は、中長期的な持続的成長を実現するためのインセンティブとして位置付けており、その基本方針を以下3つの視点で具体化しています。
① パーソルグループの短期的・中長期的な会社業績及び企業価値と連動する
- 短期的な業績だけでなく、中長期的な業績及び企業価値と連動した制度であること
② 株主価値と連動する
- 株主との利益意識の共有や株主重視の経営意識を高めるものであること
- 報酬決定プロセスにおいて、客観性・透明性を確保すること
③ 競争力のある報酬水準に設定する
- 国内の同規模・同業種の企業群の報酬水準と比して競争力ある水準とし、優秀な人材の確保に資する水準であること
- 当社業績及び企業価値の向上に対して、当社役員がより強いインセンティブを感じられる水準であること
(3)報酬水準
役員報酬の水準は、上記役員報酬の基本方針に基づき適正妥当なものとなるよう決定しております。具体的には、外部のデータベース等を活用してベンチマーク企業群(20~30社を目安)を設定し、当該ベンチマーク企業群の水準を調査・分析のうえ、当社の経営環境を勘案し、決定いたします。2023年3月期の中期経営期間に向けた役員報酬を決定するに当たり参照したベンチマーク企業群は、時価総額や中期経営計画の目標値を基に、同業他社(人材サービス業)や同規模の主要企業から22社を選定しました。
(4)報酬構成
当社の監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員の報酬は、各役員の役割に応じた「基本報酬」、短期インセンティブ報酬としての「賞与」及び中長期インセンティブ報酬としての「株式報酬」で構成されます。各役員に対する賞与は基本報酬の30%、株式報酬は基本報酬の26%(それぞれ目標達成度が100%の場合)となるよう設定しています。なお、SBU中核会社の取締役についても、当社と同様の報酬構成とします。
他方、監査等委員でない社外取締役及び監査等委員である取締役(以下「非業務執行取締役」という。)の報酬は、「基本報酬」及び中長期インセンティブ報酬としての「株式報酬」で構成されます。なお、非業務執行取締役に対する株式報酬は、中長期的な企業価値向上に対する貢献意識を高めつつ、株主の皆様との利益意識を共有することを目的としており、当該目的の達成と、非業務執行取締役による過度なリスクテイクを防止し、株主の視点から業務執行者を適切に監督する観点から、業績には連動させず、交付数固定の株式報酬として支給するものとします。
① 報酬項目の概要
-基本報酬
取締役及び執行役員について、職務の専門性、多様性、意思決定の難易度、管掌地域の広さ、成果責任の大きさ等に基づき役割(グレード)を定義したうえで、その役割の内容や責任に応じて定められた基本報酬額を支給します。これにより、より客観性・透明性の高い報酬決定が可能となります。なお、月額固定報酬として毎月支給します。
-賞与
中期経営計画の達成に向けたマイルストーンとして単年度の目標を設定し、短期インセンティブ報酬として毎年7月に支給します。定量的には、本業の収益力を示す売上高、営業利益等及び非財務指標として当社が当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上において特に重視する従業員エンゲージメント指標、女性管理職比率の目標達成度に応じて評価を行います。なお、業績については絶対評価に加え、原則として国内外の競合他社との成長性の相対比較を行うことで、外部環境要因を除いた評価を報酬に反映させることとしています。この他、各取締役及び執行役員の業績及び企業価値向上への取り組み状況について、定性評価を行います。
本報酬は、概ね0~200%の範囲内で変動します。
評価方法 | 評価ウェイト | |
財務指標 | 全社、SBU毎の①売上高、②営業利益の目標達成度及び競合他社との成長率比較で決定 | 80% |
非財務指標 | 全社、SBU毎の①従業員エンゲージメント指標、②女性管理職比率の目標達成度で決定 | 10% |
テーマ評価 | 業績と企業価値向上のために設定した課題の取組状況について、評価者との面談を通じて決定(監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)の評価は指名・報酬委員会で行うものとする)。 | 10% |
(※1)全社及びSBU毎の評価ウェイトは、取締役及び執行役員の管掌領域に応じて決定します。
(※2)上記の他、特に貢献度が高かった場合、会社と当該役員の委任契約等に反する重大な違反があった場合には、加点・減点評価を行います。
-株式報酬
パーソルグループの中長期的な会社業績及び企業価値の向上に対するインセンティブ付与を目的とすると同時に、株主との利益意識の共有を一層促すことを目的に、原則として退任時に支給します(海外赴任となった場合は、その時点で支給をし、原則として海外赴任中は株価に連動した金銭報酬(仮想株式報酬)を、中期経営計画の対象期間の終了ごとに支給するものとします。)。また、退任時に交付される予定の潜在保有株式数を含め、当社は監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)に対し、原則として基本報酬(年額)の1倍以上の当社株式を保有することを推奨します。
監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)の株式報酬は、そのうち70%をグレード及び当社の中期経営計画の目標達成度に応じて決まる業績連動型中長期インセンティブ報酬(Performance Share)、残りの30%を株主価値との連動を目的とした、グレードに応じて決まる固定型中長期インセンティブ報酬(Restricted Stock)としています。
他方、非業務執行取締役の株式報酬は、上述のとおり、固定型中長期インセンティブ報酬(Restricted Stock)のみとしています。
⦅業績連動型中長期インセンティブ報酬(Performance Share)⦆
2023年3月期に向けた中期経営計画の財務指標(連結売上高、連結営業利益、TSR及びROIC)や非財務指標の目標達成度等の評価に応じて決まる仕組みとしています。特に、非財務指標については、ESG指標を複数取り入れることで、価値創造ストーリーに基づく取り組みを一層向上させる設計としています。
本報酬は、0~200%の範囲内で変動します。
指標 | 目標値 | 評価ウェイト | |
財務指標 | 連結売上高 | 1兆円 | 30% |
連結営業利益 | 450億円 | 30% | |
TSR | ―(※) | 20% | |
ROIC | 10%以上 | △10% (目標未達時) | |
非財務指標 | 従業員エンゲージメント指標 女性管理職比率 テクノロジー投資比率 ESG格付 | 指標ごとに設定 | 20% |
(※)比較対象企業とTOPIXを利用した相対評価のため、TSR自体の目標値は設定しません。
⦅固定型中長期インセンティブ報酬(Restricted Stock)⦆
株主価値との連動を一層促すため、交付数固定の株式報酬として支給します。
(※)株式報酬は、信託型自社株報酬制度を通じて支給します。本制度は、対象者に対して、毎年、ユニット(ポイント)を付与し、退任時にユニット数(ポイント数)に相当する株式を交付するものです。自社株式の管理は、三菱UFJ信託銀行に委託しています。
② 報酬構成の標準モデル
-監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(各指標の目標が概ね100%達成の場合)


(5)報酬ガバナンス
① 報酬決定のプロセス
当社の役員報酬等の額及びその算定方法並びに個人別の報酬等の内容の決定方針については、取締役会の諮問機関である独立した指名・報酬委員会での十分な審議を経た上で、取締役会で決定します。なお、監査等委員である取締役の報酬等の額については、監査等委員の協議により決定します。役員報酬等は、株主総会において決議された報酬等の上限額以内で支給するものとします。
株主総会の 決議年月日 | 内容 | 当該株主総会の 決議日における員数 | |
監査等委員でない取締役の報酬等の額 | 2020年6月24日開催の第12回定時株主総会 | (金銭報酬) 年額500百万円以内。うち社外取締役分は年額60百万円以内とし、使用人兼取締役の使用人分は含まない | 6名 (うち社外取締役3名) |
2017年6月27日開催の第9回定時株主総会 | (株式報酬) 対象者:監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員 当社が拠出する金員:990百万円以内(3事業年度) 交付する株式:460,000株以内(3事業年度) | 15名 (うち執行役員10名) | |
2020年6月24日開催の第12回定時株主総会 | (株式報酬) 対象者:監査等委員でない社外取締役 当社が拠出する金員:33百万円以内(3事業年度※) ※1人当たりの株式報酬額は、一律年間2百万円相当 交付する株式:36,000株以内(3事業年度) | 3名 | |
監査等委員である取締役の報酬等の額 | 2016年6月17日開催の第8回定時株主総会 | (金銭報酬) 年額100百万円以内 | 4名 |
2020年6月24日開催の第12回定時株主総会 | (株式報酬) 当社が拠出する金員:33百万円以内(3事業年度※) ※1人当たりの株式報酬額は、一律年間2百万円相当 交付する株式:36,000株以内(3事業年度) | 3名 |
② 指名・報酬委員会の役割
当社の取締役及び執行役員の報酬内容の妥当性や客観性・透明性を高めるために、取締役会の諮問機関として、3名以上の委員で構成され、委員長及び委員の過半数を独立社外取締役とする指名・報酬委員会を設置しています。
指名・報酬委員会では、役員報酬については、役員報酬の基本方針や役員報酬制度の内容等につき審議し、取締役会に対し答申・提案を行います。
また、社外からの客観的視点及び役員報酬制度に関する専門的知見を導入するため、外部の報酬コンサルタントを起用し、その支援を受け、外部データ、経済環境、業界動向及び経営状況等を考慮し、報酬制度の内容について検討することとします。
⦅指名・報酬委員会における主な検討事項⦆
指名・報酬委員会は、1年間で4回以上実施することとしており、主として以下の内容について審議し、取締役会に対し答申・提案を行います。
①取締役及びHeadquarters Management Committee(以下「HMC」という。)構成員の候補者の決定に関する事項
-取締役の選任及び解任に関する方針の原案の決定
-株主総会に付議する取締役の選解任議案の原案の決定
-代表取締役社長CEO(代表権とCEO職)の選定・解職の原案の決定
-HMC構成員の原案の審議
-代表取締役社長CEOの後継者計画の審議
②取締役及びHMC構成員の報酬の決定に関する事項
-取締役及びHMC構成員の報酬基準の作成
-取締役(監査等委員である取締役を除く。)の評価の実施
③その他取締役会が必要と認めた事項
(※)Headquarters Management Committeeとは、代表取締役社長CEOの補佐機関として、当社グループの経営の基本方針及び重要な業務執行の決定を協議する会議体です。
(6)報酬等の没収(クローバック・マルス)
重大な会計上の誤りや不正による決算の事後修正が取締役会において決議された場合、または役員の在任期間中に会社と当該役員の委任契約等に反する重大な違反があったと取締役会が判断した場合、指名・報酬委員会は、取締役会からの諮問を受けて、賞与及び株式報酬を受ける権利の全部若しくは一部の没収、または支給済みの賞与及び株式報酬の全部若しくは一部の返還を求めるか否かについて審議し、その結果を取締役会に答申します。
取締役会は、指名・報酬委員会の答申結果を踏まえて、賞与及び株式報酬を受ける権利の全部若しくは一部の没収、または支給済みの賞与及び株式報酬の全部若しくは一部の返還を当該役員に請求するか否かにつき決議するものとします。
(7)情報開示等の方針
役員報酬制度の内容については、各種法令等に基づき作成・開示することとなる有価証券報告書、株主総会参考書類、事業報告、コーポレートガバナンス報告書、統合報告書及びホームページ等を通じ、当社株主に対し迅速に開示します。
また、株主や投資家と目的をもった建設的な対話を行い、当社の価値創造ストーリーに関する理解を深めていただくとともに、建設的な対話を通して受けた株主や投資家の意見を取締役会等で共有し、当社の経営に反映することで、当社の企業価値向上に努めます。
社内取締役(監査等委員である取締役を除く。)については、原則として連結報酬等の総額が1億円以上である者に限ることなく、開示することとします。
②役員区分ごとの報酬額の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる 役員の員数 (人) | |||
基本報酬 | 賞与(短期インセンティブ報酬) | 株式報酬 | ||||
業績連動型中長期インセンティブ報酬 | 固定型中長期インセンティブ報酬 | |||||
監査等委員でない取締役 | 283 | 203 | 34 | 23 | 22 | 7 |
(うち社外取締役) | (30) | (25) | (-) | (-) | (4) | (3) |
監査等委員である取締役 | 68 | 63 | - | - | 4 | 6 |
(うち社外取締役) | (26) | (23) | (-) | (-) | (3) | (4) |
合 計 | 351 | 267 | 34 | 23 | 26 | 13 |
(うち社外取締役) | (57) | (49) | (-) | (-) | (7) | (7) |
1.上記には、当事業年度中に退任した取締役3名を含めております。
2.当事業年度に係る当社の監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)3名に支給する賞与の目標及び実績は次のとおりです。財務指標については、連結売上高の目標は9,900億円、実績は9,706億円、連結営業利益の目標は430億円、実績は391億円となりました。また、派遣・BPOセグメントについては財務指標の目標を個別設定し、売上高、営業利益の目標達成率は平均99%となりました。非財務指標については、従業員満足度及びリスクモニタリングに関する目標を個別に設定し、概ね達成いたしました。また、業績と企業価値向上のために個別に課題を設定して取り組みました。以上の結果、当社の監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)3名に支給する賞与の支給係数は、あらかじめ定めた賞与の算定式に従い標準支給率を100%とした場合、36~75%となりました。
3.株式報酬のうち、業績連動型中長期インセンティブ報酬(Performance Share)については、中期経営計画の目標値を指標としているため、当事業年度は実績はありません。
4.株式報酬は、当事業年度に計上した役員株式給付引当金の繰入額であります。なお、第5 経理の状況 1連結財務諸表等「注記事項(連結損益計算書関係)」及び2財務諸表等「注記事項(損益計算書関係)」※1に記載の「役員株式給付引当金繰入額」には、上記の取締役に対する株式報酬に加え、当社執行役員に対する株式報酬が含まれております。
5.当社では、取締役の個人別の報酬等の内容は、委員長及び委員の過半数を独立社外取締役とする指名・報酬委員会による審議を経て、取締役会の決議により決定しております。指名・報酬委員会は、取締役の個人別の報酬等の内容の決定に関する方針と個人別の報酬等の内容の整合性を確認しつつ、各評価項目の評価結果の妥当性等を勘案したうえで算定式に当てはめ、当該算定式に従って算出される数値を確認するなど、取締役の個人別の報酬等の内容の決定過程の合理性その他の取締役の報酬等内容の決定に関する事項について詳細に審議を行った上で、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容を取締役会に答申しました。取締役会は、報酬委員会の審議の過程と答申の内容を確認した上で、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容を決定したことから、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容は上記の方針(報酬ポリシー)に沿うものであると判断しました。
(ご参考)監査等委員でない社内取締役の連結報酬等の総額等
氏名 | 報酬等の総額 (百万円) | 役職 会社区分 | 報酬等の種類別の総額(百万円) | ||||
基本報酬 | 賞与(短期インセンティブ報酬) | 株式報酬 | |||||
業績連動型中長期インセンティブ報酬 | 固定型中長期インセンティブ報酬 | ||||||
水田 正道 | 91 | 代表取締役 社長CEO | 65 | 11 | 8 | 6 | |
和田 孝雄 | 78 | 取締役 副社長 | 52 | 12 | 7 | 4 | |
高橋 広敏 | 76 | 取締役 副社長 | 55 | 8 | 7 | 5 |
(注)1. 株式報酬は、当事業年度に計上した役員株式給付引当金の繰入額であります
2. 報酬等の総額が1億円以上である者は存在しませんが、当事業年度の報酬ポリシー「情報等の開示方針」に従い、社内取締役(監査等委員である取締役を除く。)については、1億円以上である者に限ることなく、開示しております。