有価証券報告書-第53期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

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2020/12/21 16:56
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は一部持ち直しの動きが見られるものの、新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益の大幅な減少が継続しており、先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループにおいては中国経済の減速、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の影響による取引先の減産を受け、貴金属取扱数量は前期を下回りました。また、2019年10月に発生した台風19号による水害により、環境事業の一部製品を生産する富久山工場が水没したことで、環境事業の製品販売数量は前期を下回りました。なお、操業を停止しておりました富久山工場は4月から操業を再開し、5月に復旧を完了しております。主要製品価格は貴金属の価格が米国の金利政策や新型コロナウイルス感染症の世界的拡大による実体経済の減速感が意識されたことにより前期を上回りました。銅の価格は新型コロナウイルス感染症からの経済活動の再開を進める動きがあり、足元では上昇していますが、当連結会計年度の平均では主に中国経済の減速を理由として、前期を下回る水準となりました。
このような事業環境の中、当社グループは事業環境の好転期を見据えながら、持続的な成長を果たすべく、事業ポートフォリオを再構成する取り組みを加速させ、最優先で取り組むべき事項を選択し、経営資源を集中させることといたしました。既存事業では主要取引先である電子部品・デバイスメーカーの生産回復期において、「いち早く市場ニーズに応える」ことをテーマとし、既取引先の更なる深耕、独自技術を武器とした新規開拓に注力いたしました。また、不採算事業であったマレーシアでの貴金属事業から撤退することを決定し、事業整理に着手いたしました。新規事業であるレアメタル事業では世界中で需要が高まっているリチウムイオン電池のリサイクル(以下、LiB:Lithium-ion Battery)に着目し、研究開発及び事業化に注力いたしました。以前より進めていたLiBの材料に使用されるレアメタルについてはメーカーでの評価試験をほぼ終えており、来期以降に供給を開始することができる見込みとなっております。また従来の取り組みに加えて新たに、将来増大することが見込まれる使用済み電池リサイクルを視野に、LiBに含まれる有価金属の分離回収と精製・高純度化によるLiB原料への再生、いわゆる“LiB to LiB”の技術確立に目途をつけることが出来ております。
当連結会計年度の業績は、売上高7,412,926千円(対前期23.9%減)、営業利益85,387千円(同45.8%減)、経常利益63,350千円(同53.5%減)となりました。減収減益の主な要因は事業戦略の見直しに伴う高品位貴金属の取扱量減少、撤退を決定した海外子会社での減少、貴金属事業における主要取引先の減産の影響、台風19号の水害によります。親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益として台風被害による保険金受領額506,578千円、特別損失として台風被害からの復旧費用309,061千円、関係会社整理損75,800千円、事業縮小に伴う関連資産の減損損失40,874千円を計上したことにより、120,205千円(同48.3%増)となりました。
各セグメントの業績は、次のとおりです。なお、各セグメントの金額はセグメント間取引を含んでおります。
(貴金属事業)
事業戦略の見直しに伴う高品位貴金属の取扱量減及び海外子会社の撤退、主要取引先の減産により、売上高は6,721,935千円(対前期23.9%減)の減収となりましたが、利益率の改善が図られたことにより、セグメント利益は116,604千円(同57.3%増)の増益となりました。
(環境事業)
台風19号による水害の影響で売上高・利益ともに前年を下回り、売上高は554,940千円(同28.6%減)、セグメント損失は51,704千円(前期は42,562千円の利益)となりました。なお、被害のあった富久山工場は4月より一部操業を再開し、5月に完全復旧しております。
(システム事業)
品質管理システムの販売が増加した一方、次期を見据えた販促費の増加により、売上高は123,976千円(対前期10.5%増)、セグメント利益は12,077千円(同28.0%減)となりました。
(その他)
その他に含まれる運輸事業等は、台風被害により連結グループ内の受注が減少し、売上高は228,273千円(同9.4%減)、セグメント損失は13,627千円(前期は2,812千円の利益)となりました。
②財政状態の状況
(資産の部)
前連結会計年度末に比べて648,520千円増加し、6,911,099千円となりました。
主な要因は、現金及び預金が597,083千円、土地が122,920千円増加し、たな卸資産が110,432円減少したことです。
(負債の部)
前連結会計年度末に比べて570,177千円増加し、3,797,571千円となりました。
主な要因は、借入金が337,913千円、社債が130,000千円、未払法人税等が46,982千円増加したことです。
(純資産の部)
前連結会計年度末に比べて78,342千円増加し、3,113,528千円となりました。
主な要因は、利益剰余金が81,879千円、その他有価証券評価差額金が31,950千円増加し、自己株式取得により38,771千円減少したことです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より600,175千円増加し、1,220,455千円(前連結会計年度比96.8%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、652,087千円となりました(対前期45.8%増)。
これは、主な収入要因として、税金等調整前当期純利益の計上が123,445千円、たな卸資産の減少額が108,513千円、保険金の受取額が578,930千円あり、主な支出要因として、災害による損失の支払額が170,352千円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、427,007千円となりました(対前期107.1%減)。
これは、主な支出要因として、有形固定資産の取得による支出が425,797千円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、377,734千円となりました(前期は189,059千円の支出)。
これは、主な収入要因として、短期借入金の純増額が491,245千円、社債発行による収入が130,000千円あり、主な支出要因として、長期借入金の返済による支出が151,112千円、自己株式の取得による支出が39,126千円、配当金の支払額が38,188千円あったこと等によるものです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
2018年9月期2019年9月期2020年9月期
自己資本比率(%)47.148.445.0
時価ベースの自己資本比率(%)96.362.551.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)18.04.53.9
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)5.925.030.0

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年10月1日
至 2020年9月30日)
前年同期比(%)
貴金属事業(千円)6,567,66386.7
環境事業(千円)407,36358.8
システム事業(千円)123,976110.5
報告セグメント計(千円)7,099,00484.7
その他(千円)12,24365.4
合計(千円)7,111,24784.6

(注)1.金額は販売価格により、セグメント間の取引は含んでおりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
貴金属事業、環境事業ともに回収量に応じて生産しているため該当事項はありません。システム事業においては、受注生産を行っております。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
システム事業52,30943.821,506120.6

(注)1.セグメント間の取引は含んでおりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年10月1日
至 2020年9月30日)
前年同期比(%)
貴金属事業(千円)6,721,93576.1
環境事業(千円)554,77171.4
システム事業(千円)123,976110.5
報告セグメント計(千円)7,400,68376.1
その他(千円)12,24365.4
合計(千円)7,412,92676.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年10月1日
至 2019年9月30日)
当連結会計年度
(自 2019年10月1日
至 2020年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
三菱商事RtMジャパン株式会社2,666,04127.33,175,56542.8
住商マテリアル株式会社2,204,39422.6--

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度の住商マテリアル株式会社に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は、売上高7,412,926千円(対前期23.9%減)、営業利益85,387千円(同45.8%減)、経常利益63,350千円(同53.5%減)となりました。減収減益の主な要因は事業戦略の見直しに伴う高品位貴金属の取扱量減少、撤退を決定した海外子会社での減少、貴金属事業における主要取引先の減産の影響、台風19号の水害によります。親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益として台風被害による保険金受領額506,578千円、特別損失として台風被害からの復旧費用309,061千円、関係会社整理損75,800千円、事業縮小に伴う関連資産の減損損失40,874千円を計上したことにより、120,205千円(同48.3%増)となりました。
なお、セグメント別の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因として、当社グループは貴金属、非鉄金属を主な製品として取り扱っているため、金属相場及び為替相場による影響を受ける可能性があります。また、当社の取引先の多くは電子部品・デバイス工業分野に属しており、この分野の景況の変化に伴い、当社の業績も連動する可能性があります。
その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「2[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、貴金属事業における材料仕入資金並びに製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。投資を目的とした資金需要は、主に研究開発投資及び設備投資によるものであります。
当社グループの事業運営上で必要な資金の確保は、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローの増加を中心としつつ、資金使途を踏まえ、調達する時点で最も効率的かつ安定的と判断される方法により資金調達を行っていく方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループでは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性の判断をしております。将来の課税所得に関する予測は、過去の実績や一定の仮定のもとに行っているため、経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループでは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたって、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
なお、当連結会計年度においては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※8 減損損失」に記載の通り、連結損益計算書上は、減損損失40,874千円及び関係会社整理損に35,423千円を含んでそれぞれ特別損失に計上しております。

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