有価証券報告書-第57期(2023/10/01-2024/09/30)

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2024/12/20 16:47
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人の消費活動には足踏みがみられたものの、企業活動には持ち直しの動きがみられ、物価上昇の影響を受けつつも景気は緩やかに回復しました。一方で、世界的には地政学リスクの高まりやインフレ、エネルギー・資源価格の高騰等、依然として先行き不透明な状況が続きました。
当社グループにおいては、民生電子機器や情報通信機器の需要が低下し、主要取引先において半導体製品等の電子部品の生産量が減少したことにより、貴金属の取り扱い数量は前期を下回りました。
主要製品のうち、金の価格は米国金利の引き下げが行われるとの見方や、紛争による安全資産としての需要の高まりから、ドル建て価格は上昇し、高い水準で推移しました。また、円安ドル高傾向が続いたことも影響し、円建て価格は前期を上回りました。銅の価格は、世界最大の銅消費国である中国の景気に減速がみられるものの、一部の海外鉱山の閉鎖による供給懸念等の要因でドル建て価格は高い水準で推移しました。円安ドル高も影響したことで、円建て価格は前期を上回りました。
このような事業環境の中、当社グループは資源循環型社会の実現に向け、経営基盤の強化及び新規事業の確立に努めました。社員一人ひとりが積極的にチャレンジする企業風土を目指して前期に導入した新人事制度に基づき、評価体系のブラッシュアップに取り組んだほか、人材育成制度の構築に努めました。
既存事業では、DX化に伴い拡大が期待される電子部品業界において、取引先とのリレーション強化や独自技術を武器とした新規開拓に注力しました。収益力の向上に向け、営業力の底上げや製造工程の効率化によるコスト低減にも継続的に取り組んでおります。
新規事業では、リチウムイオン電池(以下、LiB:Lithium-ion Battery)再生事業の事業化に向け、研究開発及び事業スキーム構築に注力しました。LiB再生事業の研究開発へは約600,000千円を投資し、CO₂排出量の削減とレアメタルの高回収率を両立するプロセスの構築に尽力しました。電池メーカーとの共同開発を経て、同社工場において排出される工程廃材リサイクルの一部を将来的に当社が受託する覚書(MOU)の締結に至りました。当該覚書に基づく取引により、将来的に設備及び研究開発へ投資した金額は充分に回収可能であると見込んでおります。
当連結会計年度の売上高は7,967,841千円(対前期3.8%減)となりました。貴金属の主要製品価格は前期を上回ったものの、取引先の減産等に伴い取り扱い数量が減少したこと、また、当社が回収・再生した貴金属を取引先に返却する形態の取引が拡大し、貴金属の売買を伴う取引が縮小したことで売上高は減少しました。加えて、中長期的な成長を見据えた組織体制の強化やLiB再生事業の研究開発への積極的な投資により、営業利益は293,586千円(同25.7%減)、経常利益は266,957千円(同30.8%減)の減益となりました。一方で、ふくしま産業復興企業立地補助金(13次募集)等により、特別利益244,656千円を計上したことで、親会社株主に帰属する当期純利益は371,674千円(同20.9%増)の増益となりました。
なお、当連結会計年度の下期と前連結会計年度の下期の業績を比較した場合、金や銅の取り扱い数量及び売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前連結会計年度を上回っており、会計年度の後半において業績に回復傾向がみられました。
各セグメントの経営成績は、以下のとおりです。なお、売上高については、セグメント間取引の消去前の数値であり、セグメント利益については、セグメント間取引の消去後の数値であります。また、間接部門の経費負担には、LiB再生事業における研究開発費用を含んでおります。
(貴金属事業)
主要製品の価格が前期を上回ったものの、貴金属の取り扱い数量が減少したことや貴金属の取引形態が変化したことにより、売上高は6,530,545千円(対前期7.2%減)となりました。加えて、間接部門の経費負担の増加によりセグメント利益は142,468千円(同56.5%減)の減収減益となりました。
(環境事業)
主要製品の価格が前期を上回ったことに加え、主要製品である銅ペレット等の販売数量が増加したことにより、売上高は1,205,112千円(同16.2%増)、セグメント利益は74,895千円(同453.8%増)の増収増益となりました。
(システム事業)
主要製品である品質管理システムの販売が増加したことにより、売上高は216,752千円(同10.5%増)となりました。一方で、間接部門の経費負担が増加したことにより、セグメント利益は17,216千円(同33.8%減)の増収減益となりました。
(その他)
その他に含まれる運輸事業等は、連結グループ内の取引額の増加により、売上高は339,577千円(同8.1%増)、セグメント利益は32,377千円(同69.9%増)の増収増益となりました。
②財政状態の状況
(資産の部)
前連結会計年度末に比べて194,958千円増加し、8,543,696千円となりました。
主な要因は、棚卸資産が420,233千円、建物及び構築物(純額)が45,760千円、建設仮勘定が160,799千円、投資有価証券が81,597千円増加し、現金及び預金が248,627千円、その他(流動資産)が269,871千円減少したことです。
(負債の部)
前連結会計年度末に比べて198,802千円減少し、3,894,006千円となりました。
主な要因は、借入金が711,920千円減少し、買掛金が23,041千円、未払法人税等が28,609千円、その他(流動負債)が93,425千円、借入金地金が289,343千円、繰延税金負債が84,200千円増加したことです。
(純資産の部)
前連結会計年度末に比べて393,761千円増加し、4,649,690千円となりました。
主な要因は、利益剰余金が332,408千円、その他有価証券評価差額金が57,182千円増加したことです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ248,627千円減少し、890,362千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、799,943千円の収入となりました(前期は697,502千円の収入)。
この主な内訳は、税金等調整前当期純利益が508,994千円、減価償却費が304,053千円、棚卸資産の増加額が420,233千円、その他(営業)の収入が669,390千円、補助金収入が243,800千円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、254,556千円の支出となりました(前期は1,108,651千円の支出)。
この主な内訳は、有形固定資産の取得による支出が475,299千円、補助金の受取額が241,400千円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、785,432千円の支出となりました(前期は202,961千円の収入)。
この主な内訳は、短期借入金の純減少額が809,406千円、長期借入金の返済による支出が258,995千円、長期借入れによる収入が356,588千円です。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。
2022年9月期2023年9月期2024年9月期
自己資本比率(%)51.750.454.0
時価ベースの自己資本比率(%)107.874.753.2
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)2.63.82.4
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)59.945.337.7

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年10月1日
至 2024年9月30日)
前年同期比(%)
貴金属事業(千円)7,003,92395.6
環境事業(千円)1,076,873116.5
システム事業(千円)216,752110.5
報告セグメント計(千円)8,297,54898.2
その他(千円)16,45188.0
合計(千円)8,314,00098.2

(注)金額は販売価格により、セグメント間の取引は含んでおりません。
b.受注実績
貴金属事業、環境事業ともに回収量に応じて生産しているため該当事項はありません。システム事業においては、受注生産を行っております。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
システム事業174,31864.867,15646.7

(注)セグメント間の取引は含んでおりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年10月1日
至 2024年9月30日)
前年同期比(%)
貴金属事業(千円)6,530,54592.8
環境事業(千円)1,204,091116.1
システム事業(千円)216,752110.5
報告セグメント計(千円)7,951,38996.2
その他(千円)16,45188.0
合計(千円)7,967,84196.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年10月1日
至 2023年9月30日)
当連結会計年度
(自 2023年10月1日
至 2024年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
住商マテリアル株式会社1,872,19522.61,492,09218.7
三菱商事RtMジャパン株式会社1,438,27317.41,309,12616.4
田中貴金属工業株式会社1,317,14215.91,026,60512.9
JX金属商事株式会社926,65611.2818,49010.3

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は7,967,841千円(対前期3.8%減)となりました。貴金属の主要製品価格は前期を上回ったものの、取引先の減産等に伴い取り扱い数量が減少したこと、また、当社が回収・再生した貴金属を取引先に返却する形態の取引が拡大し、貴金属の売買を伴う取引が縮小したことで売上高は減少しました。加えて、中長期的な成長を見据えた組織体制の強化やLiB再生事業の研究開発への積極的な投資により、営業利益は293,586千円(同25.7%減)、経常利益は266,957千円(同30.8%減)の減益となりました。一方で、ふくしま産業復興企業立地補助金(13次募集)等により、特別利益244,656千円を計上したことで、親会社株主に帰属する当期純利益は371,674千円(同20.9%増)の増益となりました。
なお、当連結会計年度の下期と前連結会計年度の下期の業績を比較した場合、金や銅の取り扱い数量及び売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前連結会計年度を上回っており、会計年度の後半において業績に回復傾向がみられました。
また、セグメント別の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
経営成績に重要な影響を与える要因として、当社グループは貴金属、非鉄金属を主な製品として取り扱っているため、金属相場及び為替相場による影響を受ける可能性があります。また、当社の取引先の多くは電子部品・デバイス工業分野に属しており、この分野の景況の変化に伴い、当社の業績も連動する可能性があります。
その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、貴金属事業における材料仕入資金並びに製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。投資を目的とした資金需要は、主に研究開発投資及び設備投資によるものです。
当社グループの事業運営上で必要な資金の確保は、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを中心としつつ、資金使途を踏まえ、調達する時点で最も効率的かつ安定的と判断される方法により資金調達を行っていく方針です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、この連結財務諸表の作成に当たって、見積りが必要となる事項については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

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