有価証券報告書-第9期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
有報資料
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりです。本項における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成は経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積り及び予測を必要とします。経営者は、これらの見積りや予測について、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実績はこれらと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針の適用が、その作成において用いられる見積り及び予測により、当社の財務諸表に大きな影響を及ぼします。
①金融商品の時価の算定方法
有価証券の一部の取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、原則として市場価格に基づいて算定しておりますが、市場価格がない場合には将来キャッシュ・フローの現在価値等に基づく合理的な見積りによることとしております。将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積り額は変動する可能性があります。
②有価証券の減損処理
売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価が取得価額に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められる場合を除き、合理的な基準に基づく減損処理を行うこととしております。今後の金融市場の状況によっては、多額の有価証券評価損を計上する可能性があります。
③繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債については、「税効果会計に係る会計基準(平成10年10月30日企業会計審議会)」に基づき、認められる額を計上しております。
④貸倒引当金の計上基準
当社は、債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準及び償却・引当基準に則り、債務者の状況に応じ、債権の回収不能時に生じる損失の見積り額について、貸倒引当金を計上することとしております。将来、債務者の財務状況が悪化し支払い能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
⑤支払備金の積立方法
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等について、事業年度末時点の未払の金額を見積り、支払備金として積み立てております。今後、見積りに影響する新たな事実の発生や裁判の判例等により、支払備金の計上額が当初の見積り額から変動する可能性があります。
⑥責任準備金の積立方法
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、将来の死亡率、罹患率、解約失効率、及び資産運用利回り等の予測にもとづいて責任準備金を積み立てております。当社は責任準備金の見積りに使用されるこれらの基礎率は合理的であると考えておりますが、実際の結果が著しく異なる場合、あるいは基礎率を変更する必要がある場合には、責任準備金の金額に影響を及ぼす可能性があります。なお、保険料積立金については保険業法施行規則第69条第4項第4号の規定に基づき5年チルメル式によって計算しております。
⑦保険業法第113条繰延資産の処理方法
保険業法第113条の規定に基づき、生命保険会社の免許取得後の最初の5事業年度の間に発生した事業費の一部の金額を保険業法第113条繰延資産として計上しております。保険業法第113条繰延資産の償却額の計算は、同法の規定に基づきその計上事業年度から生命保険会社の免許取得後10事業年度(2018年3月期まで)の間に償却することとしております。
(2) 経営成績及び財政状態の分析
①経営成績及び財政状態
経営成績の分析は、「1 業績等の概要 (1)業績 (収支の状況)」をご参照ください。また、財政状態の分析は、「1 業績等の概要 (1)業績 (財政状態)」をご参照ください。
②経常利益等の明細(基礎利益)
(a) 基礎利益の考え方
基礎利益とは生命保険業における収益を示す指標のひとつです。具体的には、保険契約者から収受した保険料等の保険料等収入、資産運用収益及び責任準備金戻入額等その他経常収益等で構成される基礎収益から、保険金等支払金、責任準備金等繰入額、資産運用費用、事業費及びその他経常費用等から構成される基礎費用を控除したものとして計算されます。
(b) 基礎利益
(単位:百万円)
(注)当事業年度の基礎利益には、金銭の信託運用益3百万円を含んでおります。
(c) 三利源について
基礎利益は「危険差益」、「費差益」及び「利差益(順ざや)」に分解することも可能であり、これらを三利源と呼んでおります。生命保険料の計算は、予定発生率(死亡率、入院率など)、予定利率、予定事業費率(付加保険料部分)の3つに基づいております。これらの「予定」と実績との差によって生命保険会社の利益(基礎利益)が生じていると考え、それぞれの差分を算出することによって、基礎利益がどのような要因から生じているのかを明らかにするのが利源分析の考え方です。
(注)当社の三利源分析は、保険数理上合理的な方法を採用しておりますが、具体的な計算方法は他の保険会社と異なることがあります。当社では保険料の内訳計算等について5年チルメル式を採用し、解約・失効による利益(解約失効益)は、費差損益に含めております。
(d) 基礎利益の内訳(三利源)
当事業年度の基礎利益及び三利源の状況は以下のとおりです。
危険差益は、保険料収入の増加及び支払備金の戻入により、1,777百万円に増加しました。一方、事業費は減少したものの、新契約件数も減少したことから、費差損は3,282百万円となりました。また、資産運用収益の増加により、利差益は19百万円となりました。これらの結果、基礎利益は、1,484百万円のマイナスとなりました。
(単位:百万円)
③ソルベンシー・マージン比率
(a) ソルベンシー・マージン(支払い余力)の考え方
ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株式市場の暴落など、通常の予測の範囲を超えて発生するリスクに対応できる「支払い余力」を有しているかどうかを判断するための経営指標・行政監督上の指標のひとつです。具体的には、純資産などの内部留保と有価証券含み益などの合計(ソルベンシー・マージンの総額=支払い余力)を、定量化した諸リスクの合計額で除して求めます。なお、ソルベンシー・マージン比率が200%以上であれば、行政監督上、健全性についてのひとつの基準を満たしているとされます。
(b) ソルベンシー・マージン比率
当事業年度末のソルベンシー・マージン比率は、前事業年度末に比べ増加し、2,244.7%となりました。これは、責任準備金の増加に伴う保険料積立金等余剰部分の増加、教保ライフプラネット生命保険株式会社が関連会社でなくなったことによる資産運用リスクの減少及び再保険契約の締結によるものです。
(単位:百万円)
(注) 以上の数値は、保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの分析につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(4) 経営状況の分析と今後の方針
経営状況の分析と今後の方針につきましては、「1 業績等の概要 (1)業績」及び「3 対処すべき課題」をご参照ください。
(参考) エンベディッド・バリュー
当事業年度末(2015年3月31日)ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(EEV)
当社の当事業年度末のエンベディッド・バリュー(Embedded Value:以下、「EV」)の計算結果及びその要旨は以下のとおりです。
◯EV(エンベディッド・バリュー)とは
エンベディッド・バリューとは、保有する生命保険契約から生じる将来のキャッシュ・フローを予測し、そこから計算される潜在的な利益の測定を行い、生命保険契約の潜在的な利益を評価しようとする価値基準です。
生命保険契約は、契約前後に契約獲得のための費用が多くかかることなど、収益と費用の発生するタイミングが一致せず、契約を獲得してから利益が生ずるまでに時間がかかるといった特性があります。このことが、生命保険事業を単年度の収支で評価することを難しくしております。EVは純資産と株式会社の税引後の将来利益の現在価値の合計として計算することで、ヨーロッパ、カナダ及び日本などでは生命保険会社の企業価値や業績を評価する手法の一つとして用いられております。
◯EEV(ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー)とは
ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(European Embedded Value:以下、「EEV」)は、近年、ヨーロッパの主要な生命保険会社を中心として広く採用されております。
EVは、使用する前提条件や計算方法によって計算結果が大きく異なってきます。そのため、従来から計算方法や開示に関する統一した基準が求められてきました。そのような中で、EVの計算方法や開示内容について一貫性及び透明性を高めることを目的として、ヨーロッパの大手保険会社のCFO(最高財務責任者)から構成されるCFOフォーラムによって、EEV原則とそれに関するガイダンスが2004年5月に制定されました。2005年には、感応度と開示に関する追加のEEVガイダンスが定められております。
さらに、2008年6月には、リスクの反映方法などがより明確化された、市場整合的エンベディッド・バリュー原則(The European Insurance CFO Forum Market Consistent Embedded Value Principles©:以下、「MCEV原則」)が同CFOフォーラムにより発表されております(2009年10月に改定)。
当社では、EVの算出にあたって、EEV原則に従っております。リスクの反映方法などについては部分的にMCEV原則を参考にしましたが、本EVはMCEV原則に準拠したものではありません。
◯EEV算出の手法
株主将来利益に関するリスクの反映がEEV原則の主なポイントのひとつです。当社では、このリスクの反映方法として、割引率を商品等のリスク特性に合わせて、商品毎又はキャッシュ・フロー毎に個別に設定するボトムアップ・アプローチの代表的な手法である市場整合的な方法を採用しております。これは、資産・負債の将来キャッシュ・フローを市場において取引されている金融商品と整合的に評価するため、市場取引のない分散不可能なリスクについても評価を行い、EEVに反映させるものです。
このような手法は、ヨーロッパの多くの大手保険会社でも採用され、MCEV原則でも、ボトムアップ・アプローチの中でも市場整合的手法をとることが明確化されました。
◯注意事項
EVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ前提条件を使用するため、将来の実績がEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合があります。
上記の理由により、EVの使用にあたっては、充分な注意を払っていただく必要があります。
◯EEV
当事業年度末の当社のEEVは、前年度末比2,341百万円増加し、25,248百万円となりました。
修正純資産は、前年度末比20百万円増加の11,095百万円となりました。保有契約の将来利益現価は、前年度末比2,320百万円増の14,152百万円となりました。また、当事業年度の新契約価値は、89百万円となりました。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
《参考》新契約価値(均衡事業費ベース)
EEV及び上記の新契約価値の計算に用いた事業費は、1件当たりの事業費が保有契約の増加に伴って逓減し、 開業10年目(2017年度)に均衡に達する前提としております。本前提における将来の各事業年度の新契約件数は、直近年度実績を適用しております。契約獲得時から均衡水準にあるものとして計算した場合の新契約価値は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
◯修正純資産
修正純資産は、生命保険会社の資産の時価から責任準備金及びその他の負債の時価を控除した額として定義され、その価額は株主に帰属する価値と考えられます。具体的には、貸借対照表上の純資産の合計額と負債中の内部留保及び時価評価されていない資産・負債の含み損益などの合計として計算されます。当社の修正純資産の内訳は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1. 価格変動準備金及び危険準備金
2. (b)に係る税効果額及び繰延税金負債のうち(d)に関連する部分の金額
◯保有契約の将来利益現価
保有契約の将来利益現価は、一定の前提の下で、評価日時点(2015年3月末)の保有契約から将来見込まれる株主に分配可能な税引後利益を評価日における現在価値に換算したものです。当社の保有契約の将来利益現価の内訳は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1.確実性等価将来利益現価は、保有契約に対応する資産の運用利回りの前提と将来利益の割引率をともにリスクフリー・レートとして計算した、保有契約の将来利益の現在価値です。
2.オプションと保証の時間価値は、オプション性や保証性のあるキャッシュ・フローを市場整合的なリスク中立経済シナリオを用いて確率論的に算定したものです。ただし、当社が現在販売している商品はいずれも無配当・無解約返戻金型の保障性商品であることから、ゼロとしております。
3.必要資本維持のための費用は、当社が生命保険事業を継続していく上で必要と考える資本水準を将来にわたって維持するための費用です。
4.非市場性リスクに係る費用は、確実性等価将来利益現価の計算において直接には十分反映されていない、市場性のないリスクの影響額についての会社としての見積額です。
◯新契約価値
新契約価値は、当事業年度中に新契約を獲得したことによるEEVへの影響を表したもので、当事業年度末におけるEEVと同一の前提を使用して計算しております。
また、新契約価値における新契約とは、当事業年度中に新たに成立した生命保険契約のことをいい、将来獲得する新契約を含みません。新契約価値における修正純資産とは、契約成立時点から当事業年度末までに発生した新契約に係る損益(保険料収入や事業費の影響等)を表しております。新契約価値の内訳は以下のとおりです。なお、前年同期との差の主な要因は、新契約の販売量の減少によるものです。また、2014年5月に発売した新商品の影響により新契約1件当たりの単価が上昇したものの新契約マージンが下がっております。
(単位:百万円)
新契約の保険料収入の現在価値に対する新契約価値の比率(新契約マージン)は以下のとおりです。
(単位:百万円)
なお、新契約価値を新契約1件あたりに換算した金額は以下のとおりです。
(単位:千円)
《参考》新契約価値(均衡事業費ベース)
EEV及び上記の新契約価値の計算に用いた事業費の前提について、1件あたりの事業費(維持管理費)が保有契約の増加に伴って逓減し、開業10年目(2017年度)に均衡に達するものとしております。契約獲得時から均衡水準にあるものとして計算した場合(均衡事業費ベース)の新契約価値は、以下のとおりになります。なお、前期との差の主な要因は、新契約の販売量の減少によるものです。また、2014年5月に発売した新商品の影響により新契約1件当たりの単価が上昇したものの新契約マージンが下がっております。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
なお、新契約価値(均衡事業費ベース)を新契約1件あたりに換算した金額は以下のとおりです。
(単位:千円)
◯主要な前提条件
(a)経済的前提
確実性等価将来利益現価の計算において使用する割引率及び運用利回りは、評価日(当事業年度は2015年3月末)現在のリスクフリー・レートであり、当社は金利スワップレート(データ:Bloomberg)を使用して算出しております。使用した金利スワップレートの数値は次のとおりです。
(b)その他の前提
・保険料、事業費、保険金・給付金、税金等のキャッシュ・フロー
保険料、事業費、保険金・給付金、税金等のキャッシュ・フローの前提は、ベストエスティメイトとして設定しております。 事業費等の前提については直近の実績及び事業計画をもとに設定し、その他の保険前提は過去の実績や業界実績を基に設定しております。
・事業費
事業費の前提は、直近の実績と直近に作成された事業計画を基にベストエスティメイトとして設定しました。ただし、2014年度の実績の事業費のうちシステム費用等の一部151百万円を一時的な費用として控除しております。
当社は、開業間もないため、契約件数に対する事業費の額が大きくなっております。そのため、開業10年目にあたる2017年度までは保有契約の増加により、保有契約1件あたりの維持管理費が逓減し、2017年度に均衡に達するものとして、それ以降は一定となるような前提にしております。この事業費の前提には消費税を含んでおり、「所得税法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第9号)が2015年3月31日に公布され、消費税率の引き上げ時期が変更となったため、消費税率は2017年3月までは8%、2017年4月以降は10%としております。また、事業費のインフレ率については、0%としております。
新契約価値の計算においては、当期末までに発生した事業費(新契約費及び維持管理費)については修正純資産に含まれ、将来発生する分についてはEEVと同様に将来利益現価に含まれます。参考として、1件あたりの維持管理費が契約獲得時から2017年度の均衡水準とした場合の新契約価値についても計算しております。
・保険金等の支払率、解約失効率
保険金等の支払率及び解約失効率の前提は、実績データが限定的であるため、自社の実績を基本としつつも、業界の実績を参考にして、ベストエスティメイトとして設定しております。
・保険料
当社の定期死亡保険及び定期療養保険は、契約更新の際、更新時の保険料率と被保険者の満年齢によって新たな保険料を計算することが約款に規定されております。将来収支の計算では更新時の保険料率として、現在販売している同商品の保険料率を更新時の年齢に応じて適用するという前提にしました。
・責任準備金
責任準備金のうち保険料積立金については、当社は2015年3月末時点では、保険業法施行規則第69条第4項第4号の規定に基づいて5年チルメル式で計算しておりますので、将来収支の計算においても同様にしております。ただし、定期死亡保険及び定期療養保険の契約更新以後については、法定基準であるいわゆる標準責任準備金を積み立てる前提にしております。
・法人税等
将来利益現価の計算において、将来利益は税引後で計算され、2015年3月末までに生じた欠損金が将来の法人税等の金額を軽減する効果を織り込んでおります。
「所得税法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第9号)が2015年3月31日に公布され、法人税率が引き下げられることになったため、適用する法人税率は28.85%としました。また、同法律により欠損金繰越控除の見直し(繰越欠損金の控除限度額の引下げ及び繰越期間の延長)が実施されることになったため、これを反映しております。
◯前提条件を変更した場合の影響(感応度)
前提条件を変更した場合のEEVへの影響額は以下のとおりです。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた感応度の影響は、それぞれ単独に前提を変化させた感応度を2つ合計したものと計算結果が異なる可能性があることに留意ください。なお、責任準備金は日本の法令に基づいて計算されますので、各感応度計算においては、評価日時点の責任準備金は変わりません。
(単位:百万円)
・感応度1a:リスクフリー・レートが 1.0%上昇(各年限とも上昇)
・感応度1b:リスクフリー・レートが 1.0%低下(各年限とも低下)
・感応度1c:リスクフリー・レートが 0.5%上昇(各年限とも上昇)
・感応度1d:リスクフリー・レートが 0.5%低下(各年限とも低下)
債券など、金利の変動により時価が変動する資産を再評価するとともに、運用利回り及び割引率を変動させて保有契約の将来利益現価を再計算します。ただし、「リスクフリー・レート-1.0%」や「リスクフリー・レート-0.5%」が負になる場合には、0%で計算します。
EEVガイダンスでは、1.0%の上昇・低下の感応度のみ規定されておりますが、日本の金利状況を踏まえ、0.5%の上昇・低下も含めました。
・感応度2: 評価日現在の株式及び不動産の価値が 10%下落
株式及び不動産の評価日現在の時価を変動させます。
・感応度3: 事業費率(契約維持に関する事業費)の 10%減少
基礎となる事業費率(契約維持に関する事業費)前提に 0.9 を乗じたものを使用します。
・感応度4: 解約失効率の 10%低下
基礎となる解約失効率前提に 0.9 を乗じたものを使用します。
・感応度5: 生命保険における保険事故発生率の 5%低下
基礎となる保険事故発生率(死亡率・罹患率)前提に 0.95 を乗じたものを使用します。なお、保険事故発生率の変動に対応して料率改定する等の経営行動は反映していません。
・感応度6: 年金保険における死亡率の 5%低下
当社は、年金商品の取り扱いを行っておりませんので、空欄としております。
・感応度7: 必要資本を法定最低水準(ソルベンシー・マージン比率 200%)に変更
◯その他の特記事項
当社では、保険数理に関する専門知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、当社のEEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成は経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積り及び予測を必要とします。経営者は、これらの見積りや予測について、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実績はこれらと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針の適用が、その作成において用いられる見積り及び予測により、当社の財務諸表に大きな影響を及ぼします。
①金融商品の時価の算定方法
有価証券の一部の取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、原則として市場価格に基づいて算定しておりますが、市場価格がない場合には将来キャッシュ・フローの現在価値等に基づく合理的な見積りによることとしております。将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積り額は変動する可能性があります。
②有価証券の減損処理
売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価が取得価額に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められる場合を除き、合理的な基準に基づく減損処理を行うこととしております。今後の金融市場の状況によっては、多額の有価証券評価損を計上する可能性があります。
③繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債については、「税効果会計に係る会計基準(平成10年10月30日企業会計審議会)」に基づき、認められる額を計上しております。
④貸倒引当金の計上基準
当社は、債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準及び償却・引当基準に則り、債務者の状況に応じ、債権の回収不能時に生じる損失の見積り額について、貸倒引当金を計上することとしております。将来、債務者の財務状況が悪化し支払い能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
⑤支払備金の積立方法
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等について、事業年度末時点の未払の金額を見積り、支払備金として積み立てております。今後、見積りに影響する新たな事実の発生や裁判の判例等により、支払備金の計上額が当初の見積り額から変動する可能性があります。
⑥責任準備金の積立方法
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、将来の死亡率、罹患率、解約失効率、及び資産運用利回り等の予測にもとづいて責任準備金を積み立てております。当社は責任準備金の見積りに使用されるこれらの基礎率は合理的であると考えておりますが、実際の結果が著しく異なる場合、あるいは基礎率を変更する必要がある場合には、責任準備金の金額に影響を及ぼす可能性があります。なお、保険料積立金については保険業法施行規則第69条第4項第4号の規定に基づき5年チルメル式によって計算しております。
⑦保険業法第113条繰延資産の処理方法
保険業法第113条の規定に基づき、生命保険会社の免許取得後の最初の5事業年度の間に発生した事業費の一部の金額を保険業法第113条繰延資産として計上しております。保険業法第113条繰延資産の償却額の計算は、同法の規定に基づきその計上事業年度から生命保険会社の免許取得後10事業年度(2018年3月期まで)の間に償却することとしております。
(2) 経営成績及び財政状態の分析
①経営成績及び財政状態
経営成績の分析は、「1 業績等の概要 (1)業績 (収支の状況)」をご参照ください。また、財政状態の分析は、「1 業績等の概要 (1)業績 (財政状態)」をご参照ください。
②経常利益等の明細(基礎利益)
(a) 基礎利益の考え方
基礎利益とは生命保険業における収益を示す指標のひとつです。具体的には、保険契約者から収受した保険料等の保険料等収入、資産運用収益及び責任準備金戻入額等その他経常収益等で構成される基礎収益から、保険金等支払金、責任準備金等繰入額、資産運用費用、事業費及びその他経常費用等から構成される基礎費用を控除したものとして計算されます。
(b) 基礎利益
(単位:百万円)
| 前事業年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当事業年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |||
| 基礎利益 A | △2,089 | △1,484 | ||
| キャピタル収益 | - | 3 | ||
| 金銭の信託運用益 | - | 0 | ||
| 売買目的有価証券運用益 | - | - | ||
| 有価証券売却益 | - | 2 | ||
| 金融派生商品収益 | - | - | ||
| 為替差益 | - | - | ||
| その他キャピタル収益 | - | - | ||
| キャピタル費用 | - | 0 | ||
| 金銭の信託運用損 | - | - | ||
| 売買目的有価証券運用損 | - | - | ||
| 有価証券売却損 | - | 0 | ||
| 有価証券評価損 | - | - | ||
| 金融派生商品費用 | - | - | ||
| 為替差損 | - | - | ||
| その他キャピタル費用 | - | - | ||
| キャピタル損益 B | - | 3 | ||
| キャピタル損益含み基礎利益 A+B | △2,089 | △1,481 | ||
| 臨時収益 | - | - | ||
| 再保険収入 | - | - | ||
| 危険準備金戻入額 | - | - | ||
| その他臨時収益 | - | - | ||
| 臨時費用 | 169 | 50 | ||
| 再保険料 | - | - | ||
| 危険準備金繰入額 | 169 | 50 | ||
| 個別貸倒引当金繰入額 | - | - | ||
| 特定海外債権引当勘定繰入額 | - | - | ||
| 貸付金償却 | - | - | ||
| その他臨時費用 | - | - | ||
| 臨時損益 C | △169 | △50 | ||
| 経常利益 A+B+C | △2,258 | △1,532 | ||
(注)当事業年度の基礎利益には、金銭の信託運用益3百万円を含んでおります。
(c) 三利源について
基礎利益は「危険差益」、「費差益」及び「利差益(順ざや)」に分解することも可能であり、これらを三利源と呼んでおります。生命保険料の計算は、予定発生率(死亡率、入院率など)、予定利率、予定事業費率(付加保険料部分)の3つに基づいております。これらの「予定」と実績との差によって生命保険会社の利益(基礎利益)が生じていると考え、それぞれの差分を算出することによって、基礎利益がどのような要因から生じているのかを明らかにするのが利源分析の考え方です。
| 危険差益(差損) | 想定した保険金・給付金の支払額(予定発生率)と実際に発生した支払額との差 |
| 費差益(差損) | 想定した事業費(予定事業費率)と実際の事業費支出との差 |
| 利差益(差損)若しくは順ざや(逆ざや) | 想定した運用収支(予定利率)と実際の運用収支との差 |
(注)当社の三利源分析は、保険数理上合理的な方法を採用しておりますが、具体的な計算方法は他の保険会社と異なることがあります。当社では保険料の内訳計算等について5年チルメル式を採用し、解約・失効による利益(解約失効益)は、費差損益に含めております。
(d) 基礎利益の内訳(三利源)
当事業年度の基礎利益及び三利源の状況は以下のとおりです。
危険差益は、保険料収入の増加及び支払備金の戻入により、1,777百万円に増加しました。一方、事業費は減少したものの、新契約件数も減少したことから、費差損は3,282百万円となりました。また、資産運用収益の増加により、利差益は19百万円となりました。これらの結果、基礎利益は、1,484百万円のマイナスとなりました。
(単位:百万円)
| 前事業年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当事業年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||
| 基礎利益 | △2,089 | △1,484 | |
| 危険差益 | 1,141 | 1,777 | |
| 費差損(△) | △3,234 | △3,282 | |
| 利差益(順ざや額) | 3 | 19 | |
③ソルベンシー・マージン比率
(a) ソルベンシー・マージン(支払い余力)の考え方
ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株式市場の暴落など、通常の予測の範囲を超えて発生するリスクに対応できる「支払い余力」を有しているかどうかを判断するための経営指標・行政監督上の指標のひとつです。具体的には、純資産などの内部留保と有価証券含み益などの合計(ソルベンシー・マージンの総額=支払い余力)を、定量化した諸リスクの合計額で除して求めます。なお、ソルベンシー・マージン比率が200%以上であれば、行政監督上、健全性についてのひとつの基準を満たしているとされます。
| ソルベンシー・マージン比率 = | ソルベンシー・マージン総額 | × 100(%) |
| リスクの合計額 × 1/2 |
(b) ソルベンシー・マージン比率
当事業年度末のソルベンシー・マージン比率は、前事業年度末に比べ増加し、2,244.7%となりました。これは、責任準備金の増加に伴う保険料積立金等余剰部分の増加、教保ライフプラネット生命保険株式会社が関連会社でなくなったことによる資産運用リスクの減少及び再保険契約の締結によるものです。
(単位:百万円)
| 項 目 | 前事業年度 (2014年3月31日) | 当事業年度 (2015年3月31日) | ||
| (A) ソルベンシー・マージン総額 | 12,173 | 14,182 | ||
| 資本金等 | 9,606 | 9,041 | ||
| 価格変動準備金 | 6 | 9 | ||
| 危険準備金 | 1,167 | 1,218 | ||
| 一般貸倒引当金 | - | - | ||
| その他有価証券の評価差額×90% (マイナスの場合100%) | 115 | 335 | ||
| 土地の含み損益×85% (マイナスの場合100%) | - | - | ||
| 全期チルメル式責任準備金相当額超過額 | 1,278 | 3,577 | ||
| 持込資本金等 | - | - | ||
| 負債性資本調達手段等 | - | - | ||
| 控除項目 | - | - | ||
| その他 | - | - | ||
(B) リスクの合計額![]() | 1,266 | 1,263 | ||
| 保険リスク相当額 R1 | 1,020 | 980 | ||
| 第三分野保険の保険リスク相当額 R8 | 139 | 198 | ||
| 予定利率リスク相当額 R2 | 0 | 1 | ||
| 最低保証リスク相当額 R7 | - | - | ||
| 資産運用リスク相当額 R3 | 381 | 308 | ||
| 経営管理リスク相当額 R4 | 46 | 44 | ||
(C) ソルベンシー・マージン比率![]() | 1,922.2% | 2,244.7% | ||
(注) 以上の数値は、保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの分析につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(4) 経営状況の分析と今後の方針
経営状況の分析と今後の方針につきましては、「1 業績等の概要 (1)業績」及び「3 対処すべき課題」をご参照ください。
(参考) エンベディッド・バリュー
当事業年度末(2015年3月31日)ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(EEV)
当社の当事業年度末のエンベディッド・バリュー(Embedded Value:以下、「EV」)の計算結果及びその要旨は以下のとおりです。
◯EV(エンベディッド・バリュー)とは
エンベディッド・バリューとは、保有する生命保険契約から生じる将来のキャッシュ・フローを予測し、そこから計算される潜在的な利益の測定を行い、生命保険契約の潜在的な利益を評価しようとする価値基準です。
生命保険契約は、契約前後に契約獲得のための費用が多くかかることなど、収益と費用の発生するタイミングが一致せず、契約を獲得してから利益が生ずるまでに時間がかかるといった特性があります。このことが、生命保険事業を単年度の収支で評価することを難しくしております。EVは純資産と株式会社の税引後の将来利益の現在価値の合計として計算することで、ヨーロッパ、カナダ及び日本などでは生命保険会社の企業価値や業績を評価する手法の一つとして用いられております。
◯EEV(ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー)とは
ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(European Embedded Value:以下、「EEV」)は、近年、ヨーロッパの主要な生命保険会社を中心として広く採用されております。
EVは、使用する前提条件や計算方法によって計算結果が大きく異なってきます。そのため、従来から計算方法や開示に関する統一した基準が求められてきました。そのような中で、EVの計算方法や開示内容について一貫性及び透明性を高めることを目的として、ヨーロッパの大手保険会社のCFO(最高財務責任者)から構成されるCFOフォーラムによって、EEV原則とそれに関するガイダンスが2004年5月に制定されました。2005年には、感応度と開示に関する追加のEEVガイダンスが定められております。
さらに、2008年6月には、リスクの反映方法などがより明確化された、市場整合的エンベディッド・バリュー原則(The European Insurance CFO Forum Market Consistent Embedded Value Principles©:以下、「MCEV原則」)が同CFOフォーラムにより発表されております(2009年10月に改定)。
当社では、EVの算出にあたって、EEV原則に従っております。リスクの反映方法などについては部分的にMCEV原則を参考にしましたが、本EVはMCEV原則に準拠したものではありません。
◯EEV算出の手法
株主将来利益に関するリスクの反映がEEV原則の主なポイントのひとつです。当社では、このリスクの反映方法として、割引率を商品等のリスク特性に合わせて、商品毎又はキャッシュ・フロー毎に個別に設定するボトムアップ・アプローチの代表的な手法である市場整合的な方法を採用しております。これは、資産・負債の将来キャッシュ・フローを市場において取引されている金融商品と整合的に評価するため、市場取引のない分散不可能なリスクについても評価を行い、EEVに反映させるものです。
このような手法は、ヨーロッパの多くの大手保険会社でも採用され、MCEV原則でも、ボトムアップ・アプローチの中でも市場整合的手法をとることが明確化されました。
◯注意事項
EVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ前提条件を使用するため、将来の実績がEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合があります。
上記の理由により、EVの使用にあたっては、充分な注意を払っていただく必要があります。
◯EEV
当事業年度末の当社のEEVは、前年度末比2,341百万円増加し、25,248百万円となりました。
修正純資産は、前年度末比20百万円増加の11,095百万円となりました。保有契約の将来利益現価は、前年度末比2,320百万円増の14,152百万円となりました。また、当事業年度の新契約価値は、89百万円となりました。
(単位:百万円)
| 前事業年度末 (2014年3月31日) | 当事業年度末 (2015年3月31日) | ||||
| 増減 | |||||
| EEV | 22,907 | 25,248 | 2,341 | ||
| 修正純資産 | 11,075 | 11,095 | 20 | ||
| 保有契約の将来利益現価 | 11,831 | 14,152 | 2,320 | ||
(単位:百万円)
| 前事業年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当事業年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||
| 増減 | |||
| 新契約価値 | 620 | 89 | △531 |
《参考》新契約価値(均衡事業費ベース)
EEV及び上記の新契約価値の計算に用いた事業費は、1件当たりの事業費が保有契約の増加に伴って逓減し、 開業10年目(2017年度)に均衡に達する前提としております。本前提における将来の各事業年度の新契約件数は、直近年度実績を適用しております。契約獲得時から均衡水準にあるものとして計算した場合の新契約価値は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前事業年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当事業年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||
| 増減 | |||
| 新契約価値(均衡事業費ベース) | 838 | 152 | △685 |
◯修正純資産
修正純資産は、生命保険会社の資産の時価から責任準備金及びその他の負債の時価を控除した額として定義され、その価額は株主に帰属する価値と考えられます。具体的には、貸借対照表上の純資産の合計額と負債中の内部留保及び時価評価されていない資産・負債の含み損益などの合計として計算されます。当社の修正純資産の内訳は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前事業年度末 (2014年3月31日) | 当事業年度末 (2015年3月31日) | |||
| 増減 | ||||
| 修正純資産 | 11,075 | 11,095 | 20 | |
| (a)純資産の部合計 | 13,935 | 12,487 | △1,447 | |
| (b)有価証券の時価と貸借対照表計上額との差額 | △6 | 371 | 378 | |
| (c)負債中の内部留保(注)1 | 1,173 | 1,227 | 54 | |
| (d)保険業法第113条繰延資産(△) | △4,240 | △3,180 | 1,060 | |
| (e)上記項目に係る税効果(注)2 | 213 | 188 | △24 | |
(注)1. 価格変動準備金及び危険準備金
2. (b)に係る税効果額及び繰延税金負債のうち(d)に関連する部分の金額
◯保有契約の将来利益現価
保有契約の将来利益現価は、一定の前提の下で、評価日時点(2015年3月末)の保有契約から将来見込まれる株主に分配可能な税引後利益を評価日における現在価値に換算したものです。当社の保有契約の将来利益現価の内訳は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前事業年度末 (2014年3月31日) | 当事業年度末 (2015年3月31日) | |||
| 増減 | ||||
| 保有契約の将来利益現価 | 11,831 | 14,152 | 2,320 | |
| 確実性等価将来利益現価 | 21,598 | 28,488 | 6,889 | |
| オプションと保証の時間価値 | - | - | - | |
| 必要資本維持のための費用 | △157 | △126 | 31 | |
| 非市場性リスクに係る費用 | △9,609 | △14,209 | △4,600 | |
(注)1.確実性等価将来利益現価は、保有契約に対応する資産の運用利回りの前提と将来利益の割引率をともにリスクフリー・レートとして計算した、保有契約の将来利益の現在価値です。
2.オプションと保証の時間価値は、オプション性や保証性のあるキャッシュ・フローを市場整合的なリスク中立経済シナリオを用いて確率論的に算定したものです。ただし、当社が現在販売している商品はいずれも無配当・無解約返戻金型の保障性商品であることから、ゼロとしております。
3.必要資本維持のための費用は、当社が生命保険事業を継続していく上で必要と考える資本水準を将来にわたって維持するための費用です。
4.非市場性リスクに係る費用は、確実性等価将来利益現価の計算において直接には十分反映されていない、市場性のないリスクの影響額についての会社としての見積額です。
◯新契約価値
新契約価値は、当事業年度中に新契約を獲得したことによるEEVへの影響を表したもので、当事業年度末におけるEEVと同一の前提を使用して計算しております。
また、新契約価値における新契約とは、当事業年度中に新たに成立した生命保険契約のことをいい、将来獲得する新契約を含みません。新契約価値における修正純資産とは、契約成立時点から当事業年度末までに発生した新契約に係る損益(保険料収入や事業費の影響等)を表しております。新契約価値の内訳は以下のとおりです。なお、前年同期との差の主な要因は、新契約の販売量の減少によるものです。また、2014年5月に発売した新商品の影響により新契約1件当たりの単価が上昇したものの新契約マージンが下がっております。
(単位:百万円)
| 前事業年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当事業年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||||
| 増減 | |||||
| 新契約価値 | 620 | 89 | △531 | ||
| 修正純資産 | △1,962 | △1,564 | 397 | ||
| 将来利益現価 | 2,582 | 1,653 | △928 | ||
| 確実性等価将来利益現価 | 4,330 | 3,692 | △637 | ||
| オプションと保証の時間価値 | - | - | - | ||
| 必要資本維持のための費用 | △28 | △19 | 8 | ||
| 非市場性リスクに係る費用 | △1,720 | △2,019 | △299 | ||
新契約の保険料収入の現在価値に対する新契約価値の比率(新契約マージン)は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前事業年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当事業年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||
| 増減 | |||
| ①保険料収入現価 | 23,980 | 20,367 | △3,612 |
| ②新契約価値 | 620 | 89 | △531 |
| 新契約マージン(②/①) | 2.6% | 0.4% | △2.1pts |
なお、新契約価値を新契約1件あたりに換算した金額は以下のとおりです。
(単位:千円)
| 前事業年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当事業年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||
| 増減 | |||
| 1件あたりの新契約価値 | 13 | 3 | △10 |
《参考》新契約価値(均衡事業費ベース)
EEV及び上記の新契約価値の計算に用いた事業費の前提について、1件あたりの事業費(維持管理費)が保有契約の増加に伴って逓減し、開業10年目(2017年度)に均衡に達するものとしております。契約獲得時から均衡水準にあるものとして計算した場合(均衡事業費ベース)の新契約価値は、以下のとおりになります。なお、前期との差の主な要因は、新契約の販売量の減少によるものです。また、2014年5月に発売した新商品の影響により新契約1件当たりの単価が上昇したものの新契約マージンが下がっております。
(単位:百万円)
| 前事業年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当事業年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||||
| 増減 | |||||
| 新契約価値(均衡事業費ベース) | 838 | 152 | △685 | ||
| 修正純資産 | △1,856 | △1,537 | 319 | ||
| 将来利益現価 | 2,694 | 1,689 | △1,004 | ||
| 確実性等価将来利益現価 | 4,442 | 3,720 | △722 | ||
| オプションと保証の時間価値 | - | - | - | ||
| 必要資本維持のための費用 | △28 | △19 | 8 | ||
| 非市場性リスクに係る費用 | △1,720 | △2,010 | △290 | ||
(単位:百万円)
| 前事業年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当事業年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||
| 増減 | |||
| ①保険料収入現価 | 23,980 | 20,367 | △3,612 |
| ②新契約価値(均衡事業費ベース) | 838 | 152 | △685 |
| 新契約マージン(②/①) | 3.5% | 0.8% | △2.7pts |
なお、新契約価値(均衡事業費ベース)を新契約1件あたりに換算した金額は以下のとおりです。
(単位:千円)
| 前事業年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当事業年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | ||
| 増減 | |||
| 1件あたりの新契約価値 (均衡事業費ベース) | 18 | 5 | △12 |
◯主要な前提条件
(a)経済的前提
確実性等価将来利益現価の計算において使用する割引率及び運用利回りは、評価日(当事業年度は2015年3月末)現在のリスクフリー・レートであり、当社は金利スワップレート(データ:Bloomberg)を使用して算出しております。使用した金利スワップレートの数値は次のとおりです。
| 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | |
| 2015年3月末 | 0.15% | 0.17% | 0.19% | 0.23% | 0.28% |
| 2014年3月末 | 0.18% | 0.19% | 0.21% | 0.26% | 0.33% |
| 10年 | 15年 | 20年 | 30年 | 40年 | |
| 2015年3月末 | 0.58% | 0.90% | 1.15% | 1.37% | 1.44% |
| 2014年3月末 | 0.83% | 1.29% | 1.60% | 1.84% | 1.96% |
(b)その他の前提
・保険料、事業費、保険金・給付金、税金等のキャッシュ・フロー
保険料、事業費、保険金・給付金、税金等のキャッシュ・フローの前提は、ベストエスティメイトとして設定しております。 事業費等の前提については直近の実績及び事業計画をもとに設定し、その他の保険前提は過去の実績や業界実績を基に設定しております。
・事業費
事業費の前提は、直近の実績と直近に作成された事業計画を基にベストエスティメイトとして設定しました。ただし、2014年度の実績の事業費のうちシステム費用等の一部151百万円を一時的な費用として控除しております。
当社は、開業間もないため、契約件数に対する事業費の額が大きくなっております。そのため、開業10年目にあたる2017年度までは保有契約の増加により、保有契約1件あたりの維持管理費が逓減し、2017年度に均衡に達するものとして、それ以降は一定となるような前提にしております。この事業費の前提には消費税を含んでおり、「所得税法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第9号)が2015年3月31日に公布され、消費税率の引き上げ時期が変更となったため、消費税率は2017年3月までは8%、2017年4月以降は10%としております。また、事業費のインフレ率については、0%としております。
新契約価値の計算においては、当期末までに発生した事業費(新契約費及び維持管理費)については修正純資産に含まれ、将来発生する分についてはEEVと同様に将来利益現価に含まれます。参考として、1件あたりの維持管理費が契約獲得時から2017年度の均衡水準とした場合の新契約価値についても計算しております。
・保険金等の支払率、解約失効率
保険金等の支払率及び解約失効率の前提は、実績データが限定的であるため、自社の実績を基本としつつも、業界の実績を参考にして、ベストエスティメイトとして設定しております。
・保険料
当社の定期死亡保険及び定期療養保険は、契約更新の際、更新時の保険料率と被保険者の満年齢によって新たな保険料を計算することが約款に規定されております。将来収支の計算では更新時の保険料率として、現在販売している同商品の保険料率を更新時の年齢に応じて適用するという前提にしました。
・責任準備金
責任準備金のうち保険料積立金については、当社は2015年3月末時点では、保険業法施行規則第69条第4項第4号の規定に基づいて5年チルメル式で計算しておりますので、将来収支の計算においても同様にしております。ただし、定期死亡保険及び定期療養保険の契約更新以後については、法定基準であるいわゆる標準責任準備金を積み立てる前提にしております。
・法人税等
将来利益現価の計算において、将来利益は税引後で計算され、2015年3月末までに生じた欠損金が将来の法人税等の金額を軽減する効果を織り込んでおります。
「所得税法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第9号)が2015年3月31日に公布され、法人税率が引き下げられることになったため、適用する法人税率は28.85%としました。また、同法律により欠損金繰越控除の見直し(繰越欠損金の控除限度額の引下げ及び繰越期間の延長)が実施されることになったため、これを反映しております。
◯前提条件を変更した場合の影響(感応度)
前提条件を変更した場合のEEVへの影響額は以下のとおりです。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた感応度の影響は、それぞれ単独に前提を変化させた感応度を2つ合計したものと計算結果が異なる可能性があることに留意ください。なお、責任準備金は日本の法令に基づいて計算されますので、各感応度計算においては、評価日時点の責任準備金は変わりません。
(単位:百万円)
| 当事業年度末 (2015年3月31日) 現在のEEVの変動 | 新契約価値の 変動 | |
| 当事業年度末におけるEEV及び新契約価値 | 25,248 | 89 |
| 感応度1a(リスクフリー・レート 1.0%上昇) | 1,115 | 376 |
| 感応度1b(リスクフリー・レート 1.0%低下) | △2,903 | △731 |
| 感応度1c(リスクフリー・レート 0.5%上昇) | 671 | 213 |
| 感応度1d(リスクフリー・レート 0.5%低下) | △1,110 | △296 |
| 感応度2(株式・不動産価値 10%下落) | △78 | - |
| 感応度3(事業費率 10%減少) | 1,788 | 222 |
| 感応度4(解約失効率 10%低下) | △1,355 | △233 |
| 感応度5(生命保険の保険事故発生率 5%低下) | 3,329 | 412 |
| 感応度6(年金保険の死亡率 5%低下) | - | - |
| 感応度7(必要資本を法定最低水準に変更) | 93 | 14 |
・感応度1a:リスクフリー・レートが 1.0%上昇(各年限とも上昇)
・感応度1b:リスクフリー・レートが 1.0%低下(各年限とも低下)
・感応度1c:リスクフリー・レートが 0.5%上昇(各年限とも上昇)
・感応度1d:リスクフリー・レートが 0.5%低下(各年限とも低下)
債券など、金利の変動により時価が変動する資産を再評価するとともに、運用利回り及び割引率を変動させて保有契約の将来利益現価を再計算します。ただし、「リスクフリー・レート-1.0%」や「リスクフリー・レート-0.5%」が負になる場合には、0%で計算します。
EEVガイダンスでは、1.0%の上昇・低下の感応度のみ規定されておりますが、日本の金利状況を踏まえ、0.5%の上昇・低下も含めました。
・感応度2: 評価日現在の株式及び不動産の価値が 10%下落
株式及び不動産の評価日現在の時価を変動させます。
・感応度3: 事業費率(契約維持に関する事業費)の 10%減少
基礎となる事業費率(契約維持に関する事業費)前提に 0.9 を乗じたものを使用します。
・感応度4: 解約失効率の 10%低下
基礎となる解約失効率前提に 0.9 を乗じたものを使用します。
・感応度5: 生命保険における保険事故発生率の 5%低下
基礎となる保険事故発生率(死亡率・罹患率)前提に 0.95 を乗じたものを使用します。なお、保険事故発生率の変動に対応して料率改定する等の経営行動は反映していません。
・感応度6: 年金保険における死亡率の 5%低下
当社は、年金商品の取り扱いを行っておりませんので、空欄としております。
・感応度7: 必要資本を法定最低水準(ソルベンシー・マージン比率 200%)に変更
◯その他の特記事項
当社では、保険数理に関する専門知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、当社のEEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。

