有価証券報告書-第18期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、緩やかに回復しております。雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり、今後も緩やかな回復が続くことが期待されております。世界経済においても、景気は緩やかに回復しておりますが、一方で、中国を始めアジア新興国等の経済の先行き、政策に関する不確実性、通商問題の動向、金融資本市場の変動の影響など、依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは、「進化への挑戦~第2章~」を本連結会計年度のスローガンに掲げ、お客様満足を徹底的に追求することでお客様・市場・時代のニーズを的確に捉え、事業の拡大と周辺ビジネスによる差別化、業界における圧倒的な地位の確立を図るべく積極的な事業活動を行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は21,503百万円(前年同期比22.5%増)となりました。利益面では、増収効果に加えて、継続的な原価効率改善活動、AI(人工知能)、及びRPA(ロボットによる業務自動化)の活用などによる業務効率化の取り組みにより営業利益は2,484百万円(前年同期比38.9%増)、経常利益は2,499百万円(前年同期比39.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,529百万円(前年同期比26.5%増)となりました。
(セグメント別の概況)
当社グループの報告セグメントは、「グローバルWiFi事業」及び「情報通信サービス事業」の計2セグメントでの報告となっております。各区分における概況は以下のとおりです。
「グローバルWiFi事業」
当連結会計年度における旅行市場は、日本から海外への渡航者は1,895万人(前年同期比6.0%)、訪日外国人は3,119万人(前年同期比8.7%)となりました(出典:日本政府観光局(JNTO))。
日本から海外への渡航者数は、好調な企業収益を背景とした海外出張の増加や「働き方改革」による余暇時間の拡大等に伴う個人旅行の増加により、2012年の海外旅行ブームの際に記録した1,869万人を超え、過去最多を更新しております。
訪日外国人においても、相次ぐ自然災害の影響で旅行控えが見られましたが、年末までに前年同期を上回るまでに回復し過去最多を更新しております。
このような市場環境の中、法人を中心とした安定したリピート利用を下支えに、新規ユーザーの獲得によりレンタル件数は順調に増加し、売上高は13,505百万円(前年同期比30.0%増)となりました。増収効果に加えて、原価効率とオペレーションコスト各収益性の向上施策の継続的取り組みにより収益性も向上し、セグメント利益は2,413百万円(前年同期比51.5%増)となりました。
実施した収益性向上策は、以下のとおりとなります。
通信原価の低減
・ボリュームディスカウントによる仕入条件の改善。[通信料金の単価引下げ及び独自条件での契約等]
・クラウド上でSIMを管理する次世代型の通信技術を搭載したWi-Fiルーター(クラウドWiFi)の活用。[Wi-Fiルーター及び通信回線の効率的な稼動]
・クラウドWiFiの出荷比率増加(2017年12月:約51%⇒2018年12月:約88%、単月比較)。[Wi-Fiルーター及び通信回線の効率的な稼動]
・精度の高い受注予測。[余剰在庫(通信回線含む)の削減]
オペレーションの改善
・AI(人工知能)を活用したお問合せ対策。[コールセンター費用の抑制]
・スマートピックアップ(自動受渡しロッカー)の稼動率向上、スマートエントリー(セルフレジKIOSK端末)の活用。[オペレーションの自動化によるカウンターコストの低減、カウンター窓口の稼動率向上によるオプションサービス等の付帯率向上]
・スマートピックアップの増設(設置空港:羽田空港、成田空港、伊丹空港、関西国際空港、中部国際空港の計5空港、18機)。[オペレーションの自動化によるカウンターコストの低減、カウンター窓口の稼動率向上によるオプションサービス等の付帯率向上]
・クラウドWiFiの活用。[出荷オペレーションの省力化]
海外渡航中の課題を解決したり、“あったらいいな”を叶える旅行関連サービスプラットフォームの拡充、サービスの利便性、及び認知度向上へ向けて以下の取り組みを進めております。
・通信規格4G-LTE(82→87の国と地域)及び大容量プラン等の提供エリア拡充[サービスの利便性向上]
・渡航時に言語をサポートする音声翻訳機「ili(イリー)」「POCKETALK(ポケトーク)」、渡航中不足しやすい充電を補うモバイルバッテリー、スーツケースのレンタル及びレンタル機器や携帯品の紛失や盗難などのトラブルを保証する安心補償パックなどのオプションサービスの拡充。[サービスの利便性向上]
・渡航のたびに必要なレンタル手配・受取返却手続きが不要となり、社内に常備の上ご利用頂ける「グローバルWiFi for Biz」のサービス大幅改訂。新たに国内通信を月間3GBまで無料提供、対応エリアの大幅拡張(世界53の国と地域→世界105の国と地域)、及び法人向け付加サービスの拡充(緊急時位置情報確認サービス)。[サービスの利便性向上]
・スマートピックアップ、スマートエントリー、及びスマートチェック(QRコードを活用し店頭でお客様を即時に識別可能な受付カウンター)などを活用した店舗スマート化戦略、クラウドWiFi、データベースの連携による直前(カウンターの目前でも対応可能)でのWEB申込体制の構築。[サービスの利便性向上]
・ANA国際線の機内CMの配信、旅行及びモバイルに関連する各種イベントや展示会等への出展。[認知度向上]
「情報通信サービス事業」
当事業におきましては、主要ターゲットである新設法人・ベンチャー企業の獲得、CRMによる継続取引の積み上げ、及びクロスセリングによる電力サービス「ハルエネでんき」の加入取次の獲得が引き続き好調に推移し、売上高は7,775百万円(前年同期比9.4%増)、セグメント利益は1,218百万円(前年同期比3.9%増)となりました。当事業におきましては、企業の成長ステージにあわせて、その規模やニーズを踏まえた“ちょうどいい”サービスや製品を適切なタイミングで適正な価格で提供することで高い顧客満足度を獲得し、お客様と長期的に取引を続けることで、安定的な成長を実現しております。
これを支える仕組みは、『WEBマーケティング』×『営業』×『カスタマー・ロイヤリティ・チーム(CLT)』の3つを緊密に連携させた効率的な受注スキームにあります。当社の強みである『WEBマーケティング』は、受注に結びつきやすい顕在需要を効率的に拾い上げ、サービス提供の要である『CLT』は、既存のお客様とのコンタクトで見出した要望や課題を抽出しております。この2つのチャネルで獲得した有望顧客やニーズに対して、『営業』の確かな提案力で受注率を高め、生産性の高い事業活動を行なっております。
「その他」
その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ProDrivers(プロドラ:ハイヤータイムシェアリングサービス)事業、メディア事業、カタログ販売事業、及び新規事業の探索・育成を含んでおります。
当連結会計年度におきまして、今後の更なる成長に向けて主に以下の取り組みを進めており売上高は231百万円(前年同期比295.8%増)、セグメント損失194百万円(前年同期はセグメント損失102百万円)となりました。
・中国・韓国最大クラスWi-Fiルーターレンタル事業者グループとメディア事業の連携。
・空港送迎・役員送迎などビジネス・日常共にあらゆる移動を快適にする送迎サービス「ProDrivers(プロドラ:ハイヤータイムシェアリングサービス)」の開始。国内(東京)及び海外渡航時の空港送迎予約サービス取次ぎ(世界150ヶ国500都市以上対応)。
財政状態の分析
(資産)
資産合計は、13,552百万円(前連結会計年度末比2,068百万円増)となりました。流動資産は、10,455百万円(前連結会計年度末比1,459百万円増)となり、その主な要因は、現金及び預金が1,307百万円、受取手形及び売掛金が481百万円、それぞれ増加したことによるものです。固定資産は、3,096百万円(前連結会計年度末比608百万円増)となり、その主な要因は、建物が45百万円、レンタル資産が107百万円、のれんが113百万円、繰延税金資産が220百万円、それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
負債合計は、3,748百万円(前連結会計年度末比851百万円増)となりました。
流動負債は、3,748百万円(前連結会計年度末比853百万円増)となり、その主な要因は、支払手形及び買掛金が72百万円、未払金が445百万円、未払法人税等が199百万円、それぞれ増加したことによるものです。
固定負債は、0百万円(前連結会計年度末比2百万円減)となり、その主な要因は、リース債務が2百万円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産は、9,803百万円(前連結会計年度末比1,216百万円増)となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,529百万円増加した一方で、自己株式の取得により309百万円減少したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年連結会計年度末に比べ1,110百万円増加し、7,563百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、2,888百万円(前連結会計年度は1,617百万円の資金の増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益2,192百万円、減価償却費830百万円の計上、投資有価証券評価損309百万円の計上、未払金424百万円の増加となった一方、売上債権496百万円の増加、法人税等の支払額639百万円の支出があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、1,457百万円(前連結会計年度は1,415百万円の資金の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得により723百万円、無形固定資産の取得により139百万円、投資有価証券の取得により273百万円、事業譲受により139百万円の支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、312百万円(前連結会計年度は8百万円の資金の減少)となりました。これは主として、自己株式取得により310百万円の支出があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 仕入実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| グローバルWiFi事業 | 2,983,111 | 103.1 |
| 情報通信サービス事業 | 2,625,032 | 110.1 |
| 合計 | 5,608,143 | 106.3 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
該当事項はありません。
d. 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| グローバルWiFi事業 | 13,505,955 | 130.0 |
| 情報通信サービス事業 | 7,773,658 | 109.4 |
| 報告セグメント計 | 21,279,613 | 121.6 |
| その他 | 224,055 | 383.8 |
| 合計 | 21,503,668 | 122.5 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| ㈱メンバーズモバイル | 3,266,635 | 18.6 | 2,960,927 | 13.8 |
| ㈱SKY | - | - | 2,917,405 | 13.6 |
3.前連結会計年度における総販売実績に占める㈱SKYの割合は、10%未満であるため記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、当社グループは期末日における資産及び負債、連結会計年度における収益及び費用に影響を及ぼすような会計上の見積りを行う場合があります。これらの見積りについて、当社グループは過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り根拠となる仮定あるいは条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の分析
売上高
売上高は、21,503百万円(前年同期比22.5%増)となりました。主にグローバルWiFi事業の成長により当該事業の売上高が13,505百万円(前年同期比30.0%増)となったことによるものです。日本からの海外渡航者(アウトバウンド)の利用者数が堅調に推移したことと、市場拡大による訪日外国人旅行者(インバウンド)の利用者数の大幅な増加したことにより、Wi-Fiルーターのレンタル収入が拡大したことが要因となります。
売上総利益
売上総利益は、主に売上高の増加により12,650百万円(前年同期比24.5%増)となりました。
販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、人件費及び支払手数料の増加を主な要因として10,165百万円(前年同期比21.4%増)となりました。
営業利益
上記の結果、営業利益は、2,484百万円(前年同期比38.9%増)となりました。主にグローバルWiFi事業の成長により、セグメント利益が2,413百万円(前年同期比51.5%増)となったことが要因となります。
経常利益
営業外収益は、為替差益8百万円などを計上しました。
この結果、経常利益は2,499百万円(前年同期比39.3%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
特別損失は、投資有価証券評価損309百万円を計上し、法人税、住民税及び事業税を847百万円計上した一方で、法人税等調整額△180百万円を計上しました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,529百万円(前年同期比26.5%増)となりました。
(キャッシュ・フローの状況の分析)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
事業セグメントごとの経営成績の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、グローバルWiFiの通信仕入やデバイスの購入費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。これらの資金需要につきましては、自己資金により賄うことを基本方針としております。