有価証券報告書-第25期(2025/01/01-2025/12/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、不安定な国際情勢や米国政府の保護主義的な貿易政策等により、世界経済の不確実性が増しており、先行きが不透明な状況が続いております。一方、国内においては、企業収益や雇用・所得環境が改善する中、設備投資や個人消費に持ち直しの動きが見られる等、緩やかな回復基調が続きました。また、観光分野においては、円安や航空路線の回復を背景に訪日外国人数が年間過去最高を更新し、訪日外国人旅行消費額が年間で9.5兆円規模に達する等、インバウンド市場は極めて活況に推移いたしました。
このような経済環境の中、当社グループは主力事業であるグローバルWiFi事業、情報通信サービス事業及びグランピング・ツーリズム事業に注力し、高品質で魅力のある商品をベストプライスで提供できる当社グループの強みをさらに磨き、お客様のニーズをとらえた事業を行ってまいりました。
また、中期経営計画の初年度となる当期は、最終事業年度(2028年)における営業利益100億円達成に向けた各種施策に取り組んでおります。グローバルWiFi事業においては、ニューヨーク子会社の営業開始及び「World eSIM」事業の拡大、情報通信サービス事業においては、データドリブンセールスに向けた経理BPO業務推進のための人的資本の投資等を実施いたしました。
この結果、当連結会計年度における売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、上記先行投資を吸収し、いずれも前年実績を上回り、過去最高となりました。
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| 売上高 | 39,012 | 35,528 | 3,483 | 9.8 |
| 営業利益 | 6,465 | 5,365 | 1,100 | 20.5 |
| 経常利益 | 6,466 | 5,422 | 1,044 | 19.3 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,522 | 3,375 | 1,146 | 34.0 |
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
(グローバルWiFi事業)
当連結会計年度における訪日旅行市場は、円安の追い風を受けて活況に推移し、訪日外国人数は、年間過去最高を更新する4,268万人(前年比15.8%増)に達し、前年の3,687万人を580万人以上上回る結果となりました。
一方、日本人出国者数については、旅行先の物価上昇、円安基調の継続、燃油高騰に加え、不安定な国際情勢の影響を受けながらも、前年比13.3%増の1,473万人となりました。回復傾向にはあるものの、2019年比では依然として73.4%に留まっており、本格的な回復にはなお時間を要する状況が続いております。(出典:日本政府観光局(JNTO))
このような事業環境の中、インバウンドにおいては、訪日外国人向け日本用Wi-Fiレンタル「NINJA WiFi」や空港カウンターでの自動販売機によるSIMカードの販売に注力いたしました。また、2025年10月に閉幕した「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」では、会場内の主要ゲート広場にサービスブースを展開しました。「グローバルWiFi」・「NINJA WiFi」を通じて、Wi-Fiルーターやモバイルバッテリーのキャッシュレスレンタル環境を整備し、世界中から訪れる観光客一人ひとりの快適な万博体験をサポートするとともに、万博開催に伴う需要獲得に努めてまいりました。
アウトバウンドにおいては、法人向けの「グローバルWiFi for Biz」やデータ容量「無制限プラン」の需要が堅調に推移し、顧客単価も引き続き高く維持いたしました。また、「World eSIM」についても、認知度の高まりとともに順調に利用者数を拡大させております。
この結果、当連結会計年度における売上高、セグメント利益はともに前年実績を上回りました。
| グローバルWiFi事業 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 | 増減率 |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| 売上高 | 21,011 | 19,875 | 1,136 | 5.7 |
| セグメント利益 | 6,351 | 5,987 | 364 | 6.1 |
(情報通信サービス事業)
当連結会計年度において、「第182回中小企業景況調査」によると、当事業が主にサービスを提供する中小企業においては、全産業の業況判断DI(Diffusion Index 企業の業況感や設備、雇用人員の過不足等の各種判断を指数化したもの)はマイナス17.5となり、前期(2025年7月~9月期)から0.7ポイント減と2期連続して低下しました。
このような事業環境の中、販売チャネルの更なる強化を進め、事業の拡大に取り組んだ結果、移動体通信機器販売が好調に推移しました。これに加え、経理BPO事業も順調に推移しております。
また、将来的なアップセルやクロスセル、長期的な解約率の低減、ストック商材による継続的収入といった、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の最大化を図り、自社ストックサービスの拡販に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度における売上高、セグメント利益はともに前年実績を上回りました。
| 情報通信サービス事業 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 | 増減率 |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| 売上高 | 16,406 | 14,490 | 1,915 | 13.2 |
| セグメント利益 | 1,746 | 1,693 | 53 | 3.1 |
(グランピング・ツーリズム事業)
当連結会計年度において、観光庁の「インバウンド消費動向調査」によりますと、2025年の訪日外国人旅行消費額は9兆4,559億円(2024年比16.4%増)と推計されております。
費目別では、宿泊費が3兆4,617億円(36.6%)と最も多く、次いで買物代2兆5,490億円(27.0%)、飲食費2兆711億円(21.9%)と続いております。
このような事業環境の中、インバウンド需要の拡大と国内観光ニーズの多様化に対応するため、「グランピング事業」と「ツーリズム事業」の2軸で観光領域の事業展開を行っております。
グランピング事業においては、「VISION GLAMPING Resort & Spa 山中湖」(山梨県山中湖村)、「VISION GLAMPING Resort & Spa こしかの温泉」(鹿児島県霧島市)が堅調に推移しております。また、2027年初旬オープンを目指し、兵庫県淡路市岩屋にて「VISION GLAMPING Resort & Spa 淡路島」の建設を進めております。
ツーリズム事業においては、訪日外国人旅行者を対象とした観光サービスを提供しており、こちらも堅調に推移しております。急速に拡大するインバウンド需要に対応するため、単なる手配業務にとどまらず、地域の魅力を体感できる体験を提供する等、プロフェッショナルなDMC(Destination Management Company)モデルの高度化に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度における売上高、セグメント利益はともに前年実績を上回りました。
| グランピング・ ツーリズム事業 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 | 増減率 |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| 売上高 | 1,588 | 1,155 | 432 | 37.4 |
| セグメント利益 | 176 | 119 | 56 | 47.2 |
財政状態の分析
(資産)
資産合計は、30,172百万円(前連結会計年度末比4,911百万円増)となりました。
流動資産は、23,036百万円(前連結会計年度末比3,804百万円増)となり、その主な要因は、現金及び預金が1,677百万円、売掛金が1,098百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定資産は、7,135百万円(前連結会計年度末比1,106百万円増)となり、その主な要因は、レンタル資産が222百万円、建設仮勘定が612百万円増加したことによるものです。
(負債)
負債合計は、8,883百万円(前連結会計年度末比1,512百万円増)となりました。
流動負債は、6,694百万円(前連結会計年度末比6百万円増)となり、その主な要因は、支払手形及び買掛金が111百万円、未払金が206百万円増加した一方で、株主優待引当金が408百万円減少したことによるものです。
固定負債は、2,189百万円(前連結会計年度末比1,505百万円増)となり、その主な要因は、長期借入金が1,372百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産は、21,289百万円(前連結会計年度末比3,398百万円増)となりました。その主な要因は、資本金、資本剰余金がそれぞれ224百万円増加、利益剰余金が2,850百万円増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,686百万円増加し、13,599百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、3,635百万円(前連結会計年度は3,116百万円の資金の増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益6,427百万円の計上、減価償却費752百万円の計上があった一方で、株主優待引当金の減少408百万円、売上債権の増加1,085百万円、法人税等の支払額が2,040百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、2,129百万円(前連結会計年度は1,163百万円の資金の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得により1,742百万円、敷金保証金の払込250百万円の支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、149百万円(前連結会計年度は478百万円の資金の減少)となりました。これは主として、長期借入金により1,441百万円、自己株式の処分により1,471百万円、ストック・オプションの行使により445百万円の収入があった一方で、自己株式の取得により1,440百万円、長期借入金の返済により108百万円、配当金の支払により1,669百万円の支出があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 仕入実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前期比(%) |
| グローバルWiFi事業 | 4,501 | 6.6 |
| 情報通信サービス事業 | 5,332 | 12.4 |
| グランピング・ツーリズム事業 | 316 | △6.2 |
| 合計 | 10,149 | 9.1 |
(注) 金額は、仕入価格によっております。
c. 受注実績
受注から販売までの期間が短期間のため、記載を省略しております。
d. 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| グローバルWiFi事業 | 21,011 | 5.7 |
| 情報通信サービス事業 | 16,404 | 13.4 |
| グランピング・ツーリズム事業 | 1,586 | 37.3 |
| 報告セグメント計 | 39,002 | 9.9 |
| その他 | 10 | △68.0 |
| 合計 | 39,012 | 9.8 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社メンバーズモバイル | - | - | 4,489 | 11.5 |
前連結会計年度の株式会社メンバーズモバイルにおける販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載したとおりです。
当社グループは本業である営業活動における収益性を重要視していることから、営業利益を目標に掲げております。
当連結会計年度における営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、いずれも前年実績を上回る結果となりました。
| 当連結会計年度 | 計画 | 増減 | 増減率 | |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| 売上高 | 39,012 | 40,002 | △990 | △2.5 |
| 営業利益 | 6,465 | 6,439 | 26 | 0.4 |
| 営業利益率(%) | 16.6 | 16.1 | - | - |
| 経常利益 | 6,466 | 6,445 | 21 | 0.3 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 4,522 | 4,382 | 139 | 3.2 |
これらの結果、資産、負債、純資産はそれぞれ前連結会計年度比で増加しております。
また、当座比率310.0%(前連結会計年度末270.2%)、自己資本比率69.2%(前連結会計年度末69.1%)と財務健全性を確保しております。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載した取り組みの結果、次のとおりとなっております。
| セグメント利益 | 当連結会計年度 | 計画 | 増減 | 増減率 |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| グローバルWiFi事業 | 6,351 | 6,467 | △116 | △1.8 |
| 情報通信サービス事業 | 1,746 | 1,862 | △116 | △6.2 |
| グランピング・ツーリズム事業 | 176 | 150 | 25 | 17.1 |
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、グローバルWiFiの通信仕入やデバイスの購入費、グランピング施設の設置費、販売費及び一般管理費等の営業費用に加え、新規事業の開発コストによるものであります。これらの資金需要につきましては、自己資金により賄うことを基本方針としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。