訂正有価証券報告書-第19期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、当面弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなか緩やかな回復が続くことが期待されておりますが、通商問題を巡る動向、中国経済の先行き、英国のEU離脱等の海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税引き上げ後の影響等に留意する必要があります。
このような状況の中、当社グループはカスタマー・ロイヤリティ・チーム(CLT)を中心としてお客様サポートを徹底し、お客様の声を既存サービスの品質向上や新たなサービス開発につなげ、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を上げるべく事業活動を推進してまいりました。
当連結会計年度における実績は以下のとおり、売上高・利益ともに前期実績を上回り、5期連続での過去最高を更新することができました。
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| 売上高 | 27,318 | 21,503 | 5,814 | 27.0 |
| 営業利益 | 3,325 | 2,484 | 840 | 33.8 |
| 経常利益 | 3,358 | 2,499 | 859 | 34.4 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,226 | 1,529 | 696 | 45.6 |
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
(グローバルWiFi事業)
日本政府観光局(JNTO)によると、当連結会計年度における日本人出国者数は、11月を除く全ての月で前年同月比増となり、初の2,000万人超えとなる前年比5.9%増の2,008万人となりました。
訪日外国人数も、同様に過去最高となる前年比2.2%増の3,188万人となり、2013年から7年連続となる過去最高値を記録いたしました。東アジアは航空座席供給量の増加で高い伸びを見せ、中国が初めて単一国で950万人を超えたほか、英国がラグビーワールドカップ開催期間中の9月と10月に前年同月比80%を超える伸長率を示し、初めて40万人を突破しております。
このような旅行市場を背景に受注が順調に伸びたことに加え、新たに提供を開始した通信容量無制限プランが好評を博し、ARPU(1件あたり売上単価)を押し上げる結果となり、売上高・セグメント利益ともに前期実績を上回りました。
| グローバルWiFi事業 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 | 増減率 |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| 売上高 | 17,732 | 13,505 | 4,226 | 31.3 |
| セグメント利益 | 3,301 | 2,413 | 887 | 36.8 |
当事業におきましては、お客様の満足度を徹底的に追求し、様々なサービスを構築・研磨しておりますが、当連結会計年度においては、前述の通信容量無制限プランを提供開始したほか、QRコード活用受付カウンター「スマートチェック」とクラウドWi-Fi、顧客データベースの連動で可能となった航空機出発直前需要の申込対応、クラウド対応スマートフォン型Wi-Fiルーター「GW01」のレンタル・OEM提供を開始いたしました。更に、QRコードを活用した無人受取専用ロッカー「スマートピックアップ」による無人店舗オープンなど、ユーザビリティの向上と差別化を図っております。
また利用ごとのレンタル手続きが不要となる社内常備型モバイルWi-Fiルーター「グローバルWiFi for Biz」の受注も堅調に推移し、出荷数が増加しております。
(情報通信サービス事業)
当事業では、新設法人・ベンチャー企業を主要ターゲットとし、企業の成長とニーズにあわせたアップセル・クロスセルを提案しております。更に、サポートサービス、メンテナンスサービスといった様々なストック型サービスに加入頂くことで、より長期的な取引と安定的な成長を目指してまいりました。
日本経済の緩やかな回復を背景に中小企業・小規模企業の業況は回復傾向にありますが、大企業に比べ仕入価格を販売価格に転嫁できず経常利益が伸び悩むといった課題を抱えております。また存続企業が付加価値を高める一方、廃業の多さで企業数が減少傾向にあります。これらのことから、後継者不足の経営者の事業や経営資源の引継ぎ、創業した企業が軌道に乗るまでの支援などにより、小規模事業者層の付加価値額を伸ばしていく事が極めて重要となっております(出典:2019年度版中小企業白書・小規模企業白書(中小企業庁))。
当連結会計年度においては、通信インフラ回線や新電力取次の受注は伸び悩みましたが、複数商材のセット販売による1件当たり販売単価の増加、内製化の推進によるOA機器設置等の工事原価やホームページ制作原価の低減等により、売上高・セグメント利益ともに前期実績を上回りました。
| 情報通信サービス事業 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 | 増減率 |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| 売上高 | 8,955 | 7,775 | 1,180 | 15.2 |
| セグメント利益 | 1,363 | 1,218 | 144 | 11.9 |
当事業におきましては、様々なニーズに対応するために取扱商材やサービスを増やしておりますが、それによりマネタイズポイントも多様化し、価格競争力が増しております。当連結会計年度におきましては、当社が開発した月額制のクラウド型ワークフローサービス「VWS」の販売強化などにより、全社を挙げてストック収益の増加を目指しております。
財政状態の分析
(資産)
資産合計は、15,173百万円(前連結会計年度末比1,621百万円増)となりました。流動資産は、11,792百万円(前連結会計年度末比1,529百万円増)となり、その主な要因は、現金及び預金が922百万円、受取手形及び売掛金が252百万円、それぞれ増加したことによるものです。固定資産は、3,381百万円(前連結会計年度末比91百万円増)となり、その主な要因は、建物及び構築物が78百万円、リース資産が62百万円、のれんが65百万円増加した一方で、投資有価証券が137百万円減少したことによるものです。
(負債)
負債合計は、4,268百万円(前連結会計年度末比519百万円増)となりました。
流動負債は、4,222百万円(前連結会計年度末比473百万円増)となり、その主な要因は、支払手形及び買掛金が325百万円、未払金が136百万円、それぞれ増加したことによるものです。
固定負債は、46百万円(前連結会計年度末比46百万円増)となり、その主な要因は、リース債務が38百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産は、10,905百万円(前連結会計年度末比1,102百万円増)となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,226百万円増加した一方で、自己株式の取得により1,120百万円減少したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年連結会計年度末に比べ922百万円増加し、8,485百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、3,549百万円(前連結会計年度は2,888百万円の資金の増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益3,199百万円、減価償却費1,053百万円の計上、投資有価証券評価損137百万円の計上、仕入債務が329百万円の増加となった一方で、売上債権257百万円の増加、法人税等の支払額986百万円の支出があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、1,435百万円(前連結会計年度は1,457百万円の資金の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得により1,183百万円、無形固定資産の取得により139百万円の支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、1,164百万円(前連結会計年度は312百万円の資金の減少)となりました。これは主として、自己株式取得により1,140百万円の支出があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 仕入実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| グローバルWiFi事業 | 3,985,775 | 133.6 |
| 情報通信サービス事業 | 3,168,693 | 120.7 |
| 合計 | 7,154,468 | 127.6 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
受注から販売までの期間が短期間のため、記載を省略しております。
d. 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| グローバルWiFi事業 | 17,732,581 | 131.3 |
| 情報通信サービス事業 | 8,954,898 | 115.2 |
| 報告セグメント計 | 26,687,479 | 125.4 |
| その他 | 630,688 | 281.5 |
| 合計 | 27,318,168 | 127.0 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| ㈱SKY | 2,917,405 | 13.6 | 3,768,432 | 13.8 |
| ㈱メンバーズモバイル | 2,960,927 | 13.8 | 3,364,808 | 12.3 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、当社グループは期末日における資産及び負債、連結会計年度における収益及び費用に影響を及ぼすような会計上の見積りを行う場合があります。これらの見積りについて、当社グループは過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り根拠となる仮定あるいは条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりですが、各事業セグメントにおいて売上・利益が増加した結果、2019年8月9日に期初計画を上方修正いたしました。そして最終的には修正計画も上回り、5期連続での過去最高益を更新するに至りました。
(単位:百万円)
| 当連結会計年度 | 期初計画 | 修正計画 | |||||
| 増減 | 増減率(%) | 増減 | 増減率(%) | ||||
| 売上高 | 27,318 | 24,470 | 2,847 | 11.6 | 25,793 | 1,524 | 5.9 |
| 営業利益 | 3,325 | 3,012 | 313 | 10.4 | 3,264 | 60 | 1.8 |
| 営業利益率(%) | 12.2 | 12.3 | △0.1 | - | 12.7 | △0.5 | - |
| 経常利益 | 3,358 | 3,013 | 345 | 11.4 | 3,248 | 110 | 3.4 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,226 | 2,003 | 222 | 11.1 | 2,116 | 109 | 5.2 |
| セグメント利益 | 当連結会計年度 | 期初計画 | 増減 | 増減率 |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | (%) | |
| グローバルWiFi事業 | 3,301 | 2,662 | 639 | 24.0 |
| 情報通信サービス事業 | 1,363 | 1,422 | △59 | △4.2 |
当社は本業である営業活動における収益性を重要視していることから、営業利益を目標に掲げております。社内データベースのクレンジングや修繕等、来期の事業成長に向けた投資を実施したことで、情報通信事業は前期比増ではあるものの計画に至りませんでしたが、全体では前期比・計画比ともに増加いたしました。
営業利益率の微減につきましては、情報通信事業における、OA機器や移動体通信機器等仕入原価の発生する商材比率の増加も一因としてあげられ、市場のニーズが影響している側面もございます。
営業利益の目標達成の要因として、前述した各事業セグメントにおける取り組みの他、最新技術を積極的に活用し、労働集約型からの脱却を図っていることもあげられます。空港の無人店舗開発に加え、AI(BOT)を活用したコールセンターでの自動案内、バックヤード業務のロボット化(RPA)の推進等は、業務の効率化と生産性の向上につながっております。
また、緊密な事業部間連携による営業活動の効率化も、営業利益の達成に寄与しております。当社グループでは、各事業部がそれぞれの担当商材の販売と同時に、あまねくとらえたニーズを他の専門部署に橋渡しして受注につなげる体制をとっているため、営業機会損失や販売に係る費用が格段に低下しております。更に、長年に渡りこれを評価する体制を整えてきた結果、企業文化として根ざすまでに至っております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、グローバルWiFiの通信仕入やデバイスの購入費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。これらの資金需要につきましては、自己資金により賄うことを基本方針としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。