有価証券報告書-第18期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

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2021/09/27 15:18
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済環境は、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化し、都市部等を中心に3度にわたり緊急事態宣言が発出される等厳しい状況となりました。2021年に入り徐々にワクチン接種が進み、景気回復の進む欧米・中国等での海外需要を背景とした需要の増加が一部の産業では回復の追い風になっていますが、国内における個人消費等はまだ十分な回復には至っていない状況です。
当社グループが属するライフサイエンス業界においては、新型コロナウイルス感染症対策としての治療薬・ワクチン等の開発に加え、免疫力向上等の感染症予防を促進するための機能性表示食品開発といった健康管理へのニーズの高まりを受けた研究開発が増加傾向になっています。一方で新型コロナウイルス感染症の影響により治験が遅延することや、研究施設等への入所制限等により、研究開発ニーズに対して十分な対応ができない状況も一部では散見されました。
このような状況の中、当社グループではWebを活用した営業活動を精力的に行うことでメタボロミクス事業の受注拡大を図るとともに、営業効率の向上及び一般管理費の削減にも取り組みました。当連結会計年度は大型のヒト試験等の研究計画の遅延等の影響を受け、予定していた受注の延期等が発生し、受注は前連結会計年度より減少いたしましたが、前連結会計年度受注残の売上計上に加え、アカデミア分野では研究開発の増加により受注・売上ともに増加したため、当連結会計年度の売上は微増となりました。
バイオマーカー事業においては引き続き大うつ病性障害(以下「うつ病」といいます。)バイオマーカーの事業化に向けた研究開発を継続するとともに、新規事業開発等にも継続して取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、1,124,067千円(前年同期比0.5%増)となりました。一般管理費削減等に努めた結果、当連結会計年度の営業利益は39,368千円(前年同期は17,039千円の損失)、経常利益は59,503千円(前年同期は16,502千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は58,214千円(前年同期は47,794千円の損失)と増収増益となり、2014年3月期以来の黒字化を果たすことができました。なお当社は当連結会計年度より繰延税金資産を計上しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載したとおり、当連結会計年度での直接的な影響は軽微であったと考えております。
2020年6月期2021年6月期増減率
売上高1,118,495千円1,124,067千円0.5%
営業利益又は営業損失(△)△17,039千円39,368千円-
経常利益又は経常損失(△)△16,502千円59,503千円-
親会社株主に帰属する当期純利益又は
親会社株主に帰属する当期純損失(△)
△47,794千円58,214千円-

セグメント別には、次のとおりであります。
<メタボロミクス事業>
2020年6月期2021年6月期増減率
売上高1,114,180千円1,119,593千円0.5%
(内国内売上高)933,727千円926,362千円△0.8%
(内海外売上高)180,453千円193,230千円7.1%
セグメント利益457,128千円423,485千円△7.4%

国内においてはアカデミア分野と食品分野での売上が増加いたしました。一方で化粧品等の化学分野、製薬分野では研究開発の遅延の影響を受けました。海外においては米国事業売上はアカデミア分野や、創薬ベンチャー、アグリテック企業等からの受注が増加し、売上も堅調に推移しました。新型コロナウイルス感染症による度重なるロックダウン等により欧州事業売上が減少しましたが、海外売上全体としては増加となりました。なお欧州事業は2021年4月に開示いたしました通り閉鎖することを決定し、現在現地法に基づく閉鎖に向けた手続きを進めております。この結果、売上高は1,119,593千円(前年同期比0.5%増)となりました。一方セグメント利益は、設備増強に伴う減価償却費及び新サービス売上増加に伴う外注費の増加等で、売上原価が増加したことにより減少し、423,485千円(前年同期比7.4%減)となりました。
<バイオマーカー事業>
2020年6月期2021年6月期増減率
売上高4,314千円4,474千円3.7%
(内国内売上高)4,208千円4,474千円6.3%
(内海外売上高)106千円-千円-
セグメント損失(△)△160,824千円△70,632千円-

当事業セグメントにおいては、PEA(うつ病バイオマーカー)の共同研究や測定メソッドの開発及び軽度認知障害バイオマーカーの共同研究等を効率的に継続しました。また、新規事業開発等にも継続して取り組みました。この結果、売上高は4,474千円(前年同期比3.7%増)、セグメント損失は効率的な研究開発経費支出に努めた結果、70,632千円(前年同期は160,824千円のセグメント損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ26,026千円増加し、1,245,050千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは34,171千円の支出となりました。これは主に税金等調整前当期純利益50,949千円を計上し、たな卸資産資産が35,842千円及び前払費用20,977千円が減少しましたが、主に売上債権の増加82,120千円、前受金18,154千円の減少、未払又は未収消費税等38,685千円の減少、法人税等の支払39,680千円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは25,986千円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出26,584千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは86,218千円の収入となりました。これは短期借入金が100,000千円増加したこと等によるものであります。
③ 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,456,893千円となり、前連結会計年度末に比べ45,589千円増加しました。これは、満期保有目的債券の満期解約により有価証券が100,000千円、大型の前連結会計年度末仕掛品が当連結会計年度に売上計上されたことにより27,814千円減少しましたが、現金及び預金が126,026千円、売掛金が82,603千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は166,276千円となり、前連結会計年度末に比べ39,434千円増加しました。これは、当連結会計年度より繰延税金資産を認識したことにより28,200千円、工具、器具及び備品が23,659千円及びリース資産44,874千円が増加しましたが、減価償却累計額も49,493千円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は317,327千円となり、前連結会計年度末に比べ17,214千円増加しました。これは未払法人税等が22,348千円、未払金が20,984千円、その他に含まれる未払消費税等が49,378千円減少しましたが、資本コストの低下を目的とした銀行からの短期借入金100,000千円、新人事制度導入に伴う賞与引当金36,985千円及び欧州子会社の閉鎖に伴う引当金16,302千円の計上により増加したためであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は45,712千円となり、前連結会計年度末に比べ22,944千円増加しました。これは、設備投資に伴いリース債務が23,254千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,260,129千円となり、前連結会計年度末に比べ44,864千円増加しました。これは、新株予約権が11,428千円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益58,214千円を計上したこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
生産高(千円)生産高(千円)
メタボロミクス事業5,2531,920
合計5,2531,920

(注)1.金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2.上記の金額は、メタボロミクス事業のうち、試薬キットに係る部分を記載しております。
3.バイオマーカー事業については、業務の性質上生産として把握することが困難であるため、記載しておりません。
(2) 仕入実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
仕入高(千円)仕入高(千円)
メタボロミクス事業16,45617,976
合計16,45617,976

(注)1.金額は、仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2.上記の金額は、メタボロミクス事業のうち、限外ろ過フィルターに係る部分を記載しております。
3.バイオマーカー事業については、業務の性質上仕入として把握することが困難であるため、記載しておりません。
(3) 受注実績
受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
受注高(千円)受注残高(千円)受注高(千円)受注残高(千円)
メタボロミクス事業1,172,300321,950996,967199,325
バイオマーカー事業4,3143,0004,4743,000
合計1,176,615324,9501,001,442202,325

(注)金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
販売高(千円)販売高(千円)
メタボロミクス事業1,114,1801,119,593
バイオマーカー事業4,3144,474
合計1,118,4951,124,067

(注)1.金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため、記載しておりません。
(2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表において、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高につきましては、メタボロミクス事業においては、前連結会計年度受注残を確実に売上計上したこと、Webを活用した営業活動を精力的に行うことで、アカデミアでの受注が増加したことなどにより売上が微増となりました。一方受注につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で従来の営業活動が困難となり、また主に食品・化粧品メーカーでの大型のヒト試験等の研究計画の遅延等の影響も受け、受注は前連結会計年度と比べて減少しました。これらの結果メタボロミクス事業において当連結会計年度末の受注残高は199,325千円(前連結会計年度末は321,950千円)となりました。バイオマーカー事業においては、PEAの研究検査受託等や検査手法開発企業からの共同研究一時金を計上しました。これらの結果、当社グループ全体の売上高は1,124,067千円となりました。
生産面ではメタボロミクス事業においては、設備増強に伴う減価償却費及び新サービス売上増加に伴う外注費の増加等で売上原価が増加しました。
販売費及び一般管理費につきましては、効率的な営業活動を推進したこと、人員配置の最適化を進めたこと、ストックオプションの新規発行を取りやめたこと、共同開発の見直しによる経費削減等により、大幅なコスト削減を行うことができました。これらの結果、営業利益は39,368千円、経常利益は59,503千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は58,214千円となりました。特別利益として新株予約権の戻入益が14,596千円あったものの、特別損失として欧州子会社の閉鎖に伴う関係会社整理損を23,115千円計上しております。また法人税等を21,372千円計上しておりますが、当連結会計年度より繰延税金資産を計上することとし、その法人税等調整額△28,637千円を計上しております。
当社グループ全体といたしましては、持続的に収益を計上できる企業体質へと転換が進んだと考えております。引き続き必要な投資は継続しつつ、収益の持続的成長に向けた取り組みを推進してまいります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。
④ 資金の財源及び資金の流動性について
当社グループは、新サービス・新事業開発のための研究開発資金や、最先端の測定解析を可能とする設備購入のための資金、需要の繁閑に伴う短期的な運転資金などの資金需要が発生します。これらに対し、保有する現預金などの自己資本で研究開発投資、設備投資並びに運転資金需要に対応することを基本としています。必要に応じて主に新規研究開発事業への投資等に必要な資金は新株発行等により調達し、設備投資や短期的な運転資金については、銀行借入により調達いたします。
⑤ 新型コロナウイルス感染症による経営成績等への影響について
新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載したとおり、当連結会計年度での直接的影響は生じておりません。
今後の状況につきましては、現在の感染状況を鑑みますと特に第2四半期までは学術講演会の中止・延期による営業活動の停滞、測定試料の入手遅れによる売上計上遅延などマイナスの影響も考えられますが、以降はこれまで遅延していた研究開発の再開も期待されます。全体としては影響は軽微と考えております。
新型コロナウイルス感染症の更なる拡大を考慮し、業績への影響については引き続き注視してまいります。

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