有価証券報告書-第10期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は「世界にインパクトを与えなければ、気がすまない」という経営理念及び「次のあたりまえを創る。何度でも」というミッションのもと、インターネット、スマートフォン等を通じたさまざまなビジネス領域において、多くのユーザーに支持されるサービスの企画・制作・運営を行っています。
当社グループが展開する主なビジネスとして、恋愛・婚活マッチングサービス『with』等の<コミュニティ>、スマホRPG『ぼくとドラゴン』や『でみめん』、イグニスグループ初となるブラウザゲーム『猫とドラゴン』の<ゲーム>を展開し、それら2つのジャンルに属さないビジネスを<その他>とした、3ジャンルを現時点で収益を生む基盤収益事業と位置付けて展開しています。さらに、新規ジャンルへのチャレンジとして、今後、サービスの普及拡大と急成長が見込まれる分野であるVR(Virtual Reality:仮想現実)やAI(Artificial Intelligence:人工知能)、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)等の最先端技術の商業化を目指しており、特にVRとAIを活用したビジネスを積極的投資事業と位置付け、早期収益化に向けて積極的に経営資源を投入しています。
当連結会計年度においては、前連結会計年度に引き続き高成長を続けている<コミュニティ>のジャンルが連結売上高に大きく貢献いたしました。一方、新規事業とりわけVR分野での商業化に向けた開発投資も積極的に行いました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は5,571,028千円(前連結会計年度比14.3%増)、積極的な事業投資に伴い、主に広告宣伝費1,476,918千円等が増加するとともに、<ゲーム>における売上貢献不足による当ジャンルの売上高減少の影響等から、営業損失は744,693千円(前連結会計年度は2,532,902千円の営業損失)、経常損失は867,651千円(前連結会計年度は2,571,755千円の経常損失)となり、また、投資有価証券売却益892,648千円を特別利益として計上したものの、関係会社株式評価損52,703千円および減損損失52,707千円等を特別損失として計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は631,178千円(前連結会計年度は2,651,080千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループはスマートフォンアプリ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績は省略しています。
各ジャンルの取り組みと業績は以下のとおりであります。
(コミュニティ)
当連結会計年度は、恋愛・婚活マッチングサービス『with』において、他社類似サービスとの差別化を図るべく、心理学やAIを活用して最適な男女のマッチングを目指し、各種診断イベントの実施や、レコメンド機能である「For You」機能を新たに追加するなど、施策を講じてまいりました。これらの施策はもちろん、国内でオンラインマッチングサービスが急速に浸透してきていることから、『with』についてはプロモーションによる新規流入だけでなく、クチコミによる新規流入も増加傾向にあり、2019年9月末時点におけるユーザー数は230万人を突破するなど、サービスは引き続き順調に成長しています。
この結果、当連結会計年度における当ジャンルの売上高は2,983,428千円となりました。前連結会計年度における当ジャンルの売上高は1,732,714千円であったことから、前連結会計年度比72.2%増となっています。当該サービスについては、連結売上高への貢献度が高いサービスへと成長しており、引き続きユーザービリティの向上、精度の高いマッチングを実現する機能や、診断イベントを継続的に実施していくことで、ユーザー満足度の高い唯一無二の恋愛・婚活マッチングサービスを目指してまいります。
(ゲーム)(注)1
当連結会計年度では、主力タイトルである『ぼくとドラゴン』が配信開始から5年目に突入し、既存ユーザーの満足度向上と収益の安定化を目指すため、季節イベントの強化や、他社人気IPとのコラボレーションを多数実施するなど、ユーザーとのエンゲージメントを高めるサービス運用をしてまいりました。
2019年4月3日には、イグニスグループ初のブラウザゲーム((注)2)である、『猫とドラゴン』の提供を開始いたしました。
一方で、2018年12月12日に提供を開始いたしました、女性をターゲットにした新作スマホRPG『でみめん』につきまして、ユーザー課金率及び新規ユーザー獲得数が伸び悩み、新キャラクターや各種イベントの実施など、施策に講じてまいりましたが、大幅な改善に至らなかったことから、2019年12月12日をもってサービスを終了することとなりました。
スマートフォン向けゲームマーケットの競争は一層激化してきており、当連結会計年度において、プロモーションを中心とした的確なコストコントロールを続けたものの、既存タイトルと、新規タイトルの売上寄与は共に限定的となり、ゲーム事業全体の売上高は減少しました。
この結果、当連結会計年度における当ジャンルの売上高は2,383,015千円となりました。前連結会計年度における当ジャンルの売上高は2,817,402千円であったことから、前連結会計年度比15.4%減となっています。
(その他)
当ジャンルではグラム株式会社が運営する求人マッチングサービスのビジネスや、その他どのジャンルにも属さないプロダクトを含む既存事業で構成されています。
バーチャルライブアプリ『INSPIX LIVE』を中心とした「バーチャルライブプラットフォーム事業」、VRアイドル『えのぐ』や、芸能プロダクション『VOYZ ENTERTAINMENT』による、「エンターテインメント事業」、VR医療分野を含む「その他新規事業」も当ジャンルに含まれています。
「VR」分野では、新時代の音楽イベントである、バーチャルライブとバーチャル握手会を楽しむことができる、バーチャルライブアプリ『INSPIX LIVE』を、2019年8月13日にリリースいたしました。同年8月23日には、VRアイドル『えのぐ』が同アプリのリリース記念ライブを、同年9月26日には無料ライブを実施し、ユーザーの皆様にバーチャルライブを体験していただきました。その他にも、今後、複数の他社IPが『INSPIX LIVE』上でバーチャルライブの実施を予定しているなど、他社IPの誘致も順調に進んでいます。
更に、2019年9月18日には第32回東京国際映画祭VR特設ステージへの『INSPIX LIVE』の技術提供を発表し、新時代のバーチャルライブ体験を創造するために新たな活動を推進しています。
VRアイドル分野においては、業務提携先であるVRタレントのマネジメントを専門とする株式会社岩本町芸能社所属のVRアイドル『えのぐ』が、精力的に活動しています。
芸能プロダクションの運営を行う、連結子会社の株式会社VOYZ ENTERTAINMENTは、所属タレントである『VOYZ BOY』が活動をしている他、2019年9月2日には、「二次元と三次元を行き来する」5人組ボーイズグループ『学芸大青春(ガクゲイダイジュネス)』が活動を開始いたしました。
VR医療分野においては、順天堂大学との共同研究である「VRアプリケーションによる慢性痛み刺激の緩和の臨床研究」につきまして、2019年6月にパイロット提供を開始いたしました。
「AI」分野では、持分法適用会社である株式会社ロビットにおいて、AIを活用したピッキングロボの精度を高めるソフトを開発し、工場の自動化を進める自動車部品メーカーなどへの導入を目指しています。
この結果、当連結会計年度における当ジャンルの売上高は204,583千円となりました。前連結会計年度における当ジャンルの売上高は324,250千円であったことから、前連結会計年度比36.9%減となっています。
(注)1.ゲームの配信プラッフォームが多様化してきている事を踏まえ、従来の<ネイティブゲーム>を<ゲーム>に変更しています。
2.ブラウザゲームとは、ダウンロード不要で、ウェブブラウザがあれば遊べるゲームのことです。
当連結会計年度の財政状態の概要は以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は3,956,001千円となり、前連結会計年度末に比べ698,868千円減少いたしました。流動資産は1,715,630千円(前連結会計年度末比185,763千円減)となりました。主な増加要因は、売掛金が118,419千円増加したことによるものであります。主な減少要因は、現金及び預金が270,561千円減少したことによるものであります。固定資産は2,240,370千円(前連結会計年度末比513,104千円減)となりました。主な減少要因は、投資有価証券の売却等により投資その他の資産が591,245千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は1,689,711千円となり、前連結会計年度末に比べ692,669千円減少いたしました。流動負債は1,309,539千円(前連結会計年度末比515,892千円減)となりました。主な減少要因は、借入金の返済により短期借入金が300,000千円、1年内返済予定の長期借入金が191,694千円減少したこと、未払金が292,189千円減少したことによるものであります。固定負債は380,172千円(前連結会計年度末比176,777千円減)となりました。主な減少要因は、借入金の返済により長期借入金が127,158千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は2,266,289千円となり、前連結会計年度末に比べ6,198千円減少いたしました。主な増加要因は、第三者割当による新株式の発行及び新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が合計で1,224,168千円増加したことによるものであります。主な減少要因は、利益剰余金が631,178千円減少、投資有価証券の一部売却等によりその他有価証券評価差額金が594,985千円減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は209,779千円となり、前連結会計年度末に比べ270,561千円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は959,213千円(前連結会計年度は567,767千円の減少)となりました。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失119,981千円、投資有価証券売却益892,648千円、長期未収入金の増加額236,539千円、未払金の減少額305,669千円によるもの、主な増加要因は、減価償却費523,457千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は90,335千円(前連結会計年度は1,034,681千円の減少)となりました。主な増加要因は投資有価証券の売却による収入959,488千円によるもの、主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出447,032千円、投資有価証券の取得による支出208,510千円、有形固定資産の取得による支出168,864千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は599,078千円(前連結会計年度は8,456千円の増加)となりました。主な増加要因は、株式の発行による収入938,785千円、主な減少要因は長期借入金の返済による支出372,411千円であります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度におけるジャンル別の販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.相手先は決済代行業者であり、ユーザーからの代金回収を代行しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
その作成には、経営者による会計方針の選択・適用・資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、5,571,028千円となりました。内容としましては、前連結会計年度と比較し、<ゲーム>『ぼくとドラゴン』の課金収入が低減傾向にある一方で、積み上げ型の事業の強化として、<コミュニティ>『with』のユーザー数増加に努め、収益貢献度の高いサービスへと成長いたしました。そのことから、ゲームの依存度は前連結会計年度と比してさらに低下しており、強固で安定感のある収益ポートフォリオが構築されてきております。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は1,245,491千円となりました。これは主に労務費及びソフトウエアの減価償却費、設備費によるものであります。この結果、売上総利益は4,325,536千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は5,070,230千円となりました。これは、主に広告宣伝費1,476,918千円、支払手数料1,907,668千円、人件費等573,144千円、研究開発費322,799千円を計上したことによるものであり、この結果、744,693千円の営業損失となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損失)
営業外収益は11,650千円、営業外費用は134,608千円となりました。営業外費用は主に持分法投資損失87,878千円、支払手数料28,957千円によるものであり、この結果、867,651千円の経常損失となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純損失)
投資有価証券売却益892,648千円等を計上したことにより、894,334千円を特別利益に計上し、関係会社株式評価損52,703千円や減損損失52,707千円等を計上したことにより146,665千円を特別損失に計上いたしました。この結果、119,981千円の税金等調整前当期純損失となり、法人税等合計515,461千円の計上により、631,178千円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
b.経営戦略の現状と見通し
当社グループは売上高・利益の更なる成長を目指しております。そのため、一事業に依存しない事業の多面展開を図り、強固で安定感のある事業ポートフォリオを構築しております。中長期での事業戦略としては積み上げ型の事業と爆発力のある事業の推進に努めております。
積み上げ型の事業において、<コミュニティ>『with』のユーザー数が順調に増加し、このジャンルの売上高構成比は53.6%(前連結会計年度は35.5%)と連結売上高に占める割合はより一層高まり順調にトップラインが成長しております。オンライン恋活・婚活マッチングサービスのマーケットは拡大が続くという予測((注)1)もあることから、今後も『with』のユーザー数・トップラインの成長を見込んでおります。次期についても、この『with』の収益が連結業績に大きく貢献してくる見込みであります。
<ゲーム>では、国内におけるスマートフォン向けゲームアプリを中心とした市場規模((注)2)は安定的な成長が予想されておりましたが、海外からの新規タイトルの流入など、国内外問わず数多くのスマートフォン向けゲームアプリが配信されていることから、ユーザー獲得競争はより一層激化しているものと思われます。そのため、2018年12月12日に配信を開始いたしました、女性向け新感覚スマホRPG『でみめん』は、ユーザー課金率及び新規ユーザー獲得数が伸び悩み、新キャラクターや各種イベントの実施など、施策を講じてまいりましたが、大幅な改善に至らなかったことから、2019年12月12日をもってサービスを終了することとなりました。このことから当ジャンルの売上貢献は下がるものと見込んでおります。
主力タイトルである『ぼくとドラゴン』は、季節イベントの強化や、他社人気IPとのコラボレーションを多数実施するなど、ユーザーとのエンゲージメントを高めるサービス運用をした結果、当社グループの収益に大きく貢献いたしました。
しかし、昨今の業績動向を鑑みた結果、次期以降については、プロジェクトの選択と集中の観点から11月13日発表「スマートフォン向けゲームアプリ及びブラウザゲームの譲渡に向けた基本合意に関するお知らせ」の通り、『ぼくとドラゴン』及び『猫とドラゴン』の2つのタイトルを譲渡することとなりました。
今後は、企業ミッションである「次のあたりまえを創る。何度でも」を実現すべく、積み上げ型の事業である『with』のさらなる収益基盤強化と、注力事業であるVR・エンターテインメント分野を第2の柱とすべく売上拡大とコストコントロールを図ってまいります。
<その他>では、積み上げ型の事業とは別に、爆発力のある事業と位置付けて、最先端技術であるVR・AI・IoTに着目したビジネスの商業化に向けた事業投資を行ってまいりました。
VR・エンターテインメント分野では、「ライブプラットフォームの運営」と「IP(タレント等)発掘・育成・プロデュース等」の2軸展開で進めてまいります。この2軸で展開していくという垂直統合型の運営をすることがVR・エンターテインメント分野を推進していく中で大きな差別化になるものと考えております。
ライブプラットフォーム運営については、VRを通じた新しい音楽体験を創出するためにVirtual Live Platform「INSPIX」の開発を進めVR-HMD(VR-Head Mounted Display 頭部装着ディスプレイ)の普及率に左右されず、あらゆるシーンでライブ体験が可能な仕組みの提供を掲げていましたが、2019年8月に、バーチャルライブアプリ『INSPIX LIVE』をリリースし、スマホでどこからでもVR音楽ライブに参加できる仮想空間を実現しました。この『INSPIX LIVE』については、2019年9月26日発表の適時開示『当社連結子会社とモノビット・モリカトロンホールディングス株式会社との業務提携および当社からモノビット・モリカトロンホールディングス株式会社に対する出資に関するお知らせ』および2019年11月13日発表の『「INSPIX WORLD」(旧「(仮)Project WORLD」)のサービス概要及び7組のパートナー参画決定のお知らせ』の通り、大型アップデートを加え、同時接続数の拡大の他、全世界への展開、先立っては中国への展開を見込み開発を続けています。この『INSPIX WORLD』は、『INSPIX LIVE』のアップデート版となることから、従来までのVR音楽ライブ体験にVR空間上でのソーシャル機能を付加させたライブ特化型仮想空間SNSとして展開する計画です。また、このアップデート開発に伴い、アニメーションや音楽アーティストといったエンターテインメント関連の企業等、7組が参画することとなり、VR技術を活用した新しい音楽体験と新しい世界体験を実現してまいります。
IP(タレント等)の発掘・育成・プロデュース等については、子会社のパルス株式会社単独または外部パートナーと組み、バーチャルタレントのみならず、リアルなタレントの創出・プロデュースに力を入れています。子会社のパルス株式会社は株式会社岩本町芸能社との協業を通じ、アイドルプロデュースのノウハウ蓄積と『INSPIX LIVE』の機能強化に向けたフィードバックを行っています。また、2019年5月には、主に男性タレントが所属する芸能事務所、株式会社VOYZ ENTERTAINMENTを立ち上げ、リアルなタレントのIPの構築にも注力しており、今後のタレント発掘・育成・プロデュースを行っていくうえで強い競争力を身につけたと確信しております。また、自社関連のIPに依存することなくアップデート開発中の「INSPIX WORLD」に、他社が持つIP(主にバーチャルタレント)誘致を図り、VR音楽ライブやその他VRイベントを展開していく計画です。
次期以降の展望としては、『INSPIX LIVE』の大型アップデートである『INSPIX WORLD』を完了させるために、引き続き積極的に開発を進めることと、自社IPのファン数拡大、大型他社IPとの協業の拡大を視野に事業を推進してまいります。当社グループは、このようなVR技術を活用したライブ展開により新たな音楽マーケットが確立され、今後数年で大きく飛躍するものと考え、自信を持って事業に取り組んでおります。この分野に注力することが、中長期的に当社グループの業績向上に資するものと考えております。
VRの医療分野では、順天堂大学との共同研究である「VRを用いた慢性疼痛の緩和」が2019年6月にパイロット提供を開始するなど、順調に進捗しています。なお、本プロジェクトは、中長期での研究開発を想定しており、医療現場への導入には一定の期間を要するものと見込んでおります。
AIでは、持分法適用関連会社の株式会社ロビットがAI技術を活用し、工場における検査工程を自動化する装置(ロボット)の開発・検証を行っております。この検査工程の自動化については愛知県豊田市内の自動車部品メーカーと提携し取り組んでおります。現在、日本の製造業においては生産・製造工程ではロボットを活用した自動化が進んでおりますが、検査工程に関しては完全自動化が進んでいない状況であるため、AI技術を活用した装置(ロボット)を開発・提供し、日本の製造業における生産性向上・効率化に貢献してまいります。
IoTでは、ロビットが世界初のスマートフォンアプリと連動してカーテンの自動開閉ができる『めざましカーテン mornin’ plus』という製品を提供しております。本製品は2018年度グッドデザイン賞を受賞し、2017年度のグッドデザイン賞を受賞した旧型の『めざましカーテンmornin’』に続きロビットは2年連続で受賞しております。この受賞を契機に、引き続き販売拡大を図ってまいります。
なお、同社は新工場を設立し、開発力強化を図っています。
VRの医療分野・AIの新規ジャンルについては、現時点で当社グループの収益に貢献しておりませんが、いずれ、グループの成長にとって重要なビジネスになると見込んでいるため、早期収益化に向けて開発・検証・マーケティングに注力しております。一方でVR・エンターテインメント分野では、売上を生み出す仕組み『INSPIX LIVE』が提供開始されました。次期以降は引き続きこの『INSPIX LIVE』の進化のために事業投資を行いつつ、同時に投資回収を目指します。しかしながら、この分野からの収益に関しては、VR音楽ライブという新しいマーケットで展開していくため、売上の基礎となるKPI(基礎となる公演数・観客動員数等)は現時点において不確定要素が多いことから、合理的な見積もりが困難であると考えています。
また、新規事業として医療機関向けSaaSの開発・提供も進めております。こちらの事業につきましては、主にオンライン診療対応を目的として医療機関向けにシステムを提供するものです。このシステムは順調に稼働中であり、2020年9月期の収益貢献を目指し、経営資源の投入を継続しています。
次期連結会計年度の当初連結業績見通しは、売上高15,000,000千円、営業利益6,000,000千円と掲げていました。しかし、<コミュニティ>『with』の更なる成長が見込める一方で、<ゲーム>の売上高の大幅な減少や、VRエンターテインメント分野の売上高の合理的な見積もりが、前述の通り困難であるため、業績見通しに織り込まない方針とした結果、連結売上高4,000,000千円(当連結会計年度比28.2%減)と、当初連結業績見通しよりも減少すると予想しています。
なお、営業利益、経常利益並びに親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、本資料の発表日現在において不確定要素が多く存在するため、公表しておりません。
また、上記の業績見通しは本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。
(注)1.出典:株式会社マッチングエージェント/株式会社デジタルインファクト
2.出典:一般社団法人コンピューターエンターテインメント
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、サービス提供・拡充のための広告宣伝費、支払手数料、研究開発費、人件費、その他経費をはじめとした販売費及び一般管理費等の営業費用であります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当し、投資が必要な場合には状況に応じて金融機関からの借入や各種資本政策等による資金調達で対応していくこととしております。
資本政策として、2018年12月26日に株式会社QK及び株式会社SK並びに佐藤裕介氏を割当先とする第三者割当増資による新株式発行による払込が完了し、また、2019年3月8日に株式会社SYを割当先とする第18回新株予約権の全行使による払込も完了しております。
また、現在、ドイツ銀行ロンドン支店を割当先とする第三者割当による新株予約権の発行を行っており、これによる資金調達も引き続き行っていく計画です。本件に関する詳細は「第4 提出会社の状況 新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
併せて、資産の効率化及び財務体質の強化を図るため2019年3月から5月にかけて投資有価証券の一部売却を行い財源の確保を行っております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、売上高を使用しております。それぞれの指標の当連結会計年度における達成度及び次期の計画は以下のとおりであります。
※2019年9月期は2019年9月17日公表の「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」の通り、修正しております。
(3)継続企業の前提に関する重要事象等を解消するための改善策
当社グループは、前連結会計年度及び当連結会計年度において営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失、マイナスの営業キャッシュ・フローを計上したことから、現時点においては継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
それに対し、当社は当該状況を解消すべく、以下に示す課題への対処を的確に行うことにより安定的な財務基盤を確立し、当該事象が早期に解消されるよう取り組んでまいります。
これらの改善策を状況に応じて適切に推進していくことから、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。
①基盤収益事業の強化による売上維持・拡大
<コミュニティ>『with』において、売上高・利益ともに順調に増加しており、連結売上高に占める構成が53.6%になるまでに成長していることから、当社の安定的な収益の基盤となっております。
そのため、当社は、当該事業をさらに強化していくことで、安定した収益獲得を目指してまいります。
具体的には、マーケットの拡大も見込まれてはおりますが、より効率的な広告宣伝費の投下によるユーザー数の増加、ユーザー満足度の高い機能を追加することによる課金率の上昇等の施策を講じてまいります。
②積極的投資事業については選択と集中による事業の選別と早期収益化の実現
積極的投資事業については、当社とのシナジーが期待できない事業や収益化が困難と判断した事業については適時適切に処分することを検討してまいります。また、早期収益化の実現のため、当社の事業とシナジーのある他社と積極的に業務提携を締結すること等を通じて、事業の拡大を図ってまいります。
③資金調達や資金繰りの安定化
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載の通り、2019年11月26日開催の取締役会において、取締役からの資金の借入について決議するとともに、同日付で金銭消費貸借契約を締結し、2019年11月28日及び2019年12月5日に実行いたしました。
④経費の削減
当社は、当社事業の強みを確保した上で、引き続き、外注費等の売上原価、販売費及び一般管理費の削減に努め、収益性の改善に注力してまいります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は「世界にインパクトを与えなければ、気がすまない」という経営理念及び「次のあたりまえを創る。何度でも」というミッションのもと、インターネット、スマートフォン等を通じたさまざまなビジネス領域において、多くのユーザーに支持されるサービスの企画・制作・運営を行っています。
当社グループが展開する主なビジネスとして、恋愛・婚活マッチングサービス『with』等の<コミュニティ>、スマホRPG『ぼくとドラゴン』や『でみめん』、イグニスグループ初となるブラウザゲーム『猫とドラゴン』の<ゲーム>を展開し、それら2つのジャンルに属さないビジネスを<その他>とした、3ジャンルを現時点で収益を生む基盤収益事業と位置付けて展開しています。さらに、新規ジャンルへのチャレンジとして、今後、サービスの普及拡大と急成長が見込まれる分野であるVR(Virtual Reality:仮想現実)やAI(Artificial Intelligence:人工知能)、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)等の最先端技術の商業化を目指しており、特にVRとAIを活用したビジネスを積極的投資事業と位置付け、早期収益化に向けて積極的に経営資源を投入しています。
当連結会計年度においては、前連結会計年度に引き続き高成長を続けている<コミュニティ>のジャンルが連結売上高に大きく貢献いたしました。一方、新規事業とりわけVR分野での商業化に向けた開発投資も積極的に行いました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は5,571,028千円(前連結会計年度比14.3%増)、積極的な事業投資に伴い、主に広告宣伝費1,476,918千円等が増加するとともに、<ゲーム>における売上貢献不足による当ジャンルの売上高減少の影響等から、営業損失は744,693千円(前連結会計年度は2,532,902千円の営業損失)、経常損失は867,651千円(前連結会計年度は2,571,755千円の経常損失)となり、また、投資有価証券売却益892,648千円を特別利益として計上したものの、関係会社株式評価損52,703千円および減損損失52,707千円等を特別損失として計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は631,178千円(前連結会計年度は2,651,080千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループはスマートフォンアプリ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績は省略しています。
各ジャンルの取り組みと業績は以下のとおりであります。
(コミュニティ)
当連結会計年度は、恋愛・婚活マッチングサービス『with』において、他社類似サービスとの差別化を図るべく、心理学やAIを活用して最適な男女のマッチングを目指し、各種診断イベントの実施や、レコメンド機能である「For You」機能を新たに追加するなど、施策を講じてまいりました。これらの施策はもちろん、国内でオンラインマッチングサービスが急速に浸透してきていることから、『with』についてはプロモーションによる新規流入だけでなく、クチコミによる新規流入も増加傾向にあり、2019年9月末時点におけるユーザー数は230万人を突破するなど、サービスは引き続き順調に成長しています。
この結果、当連結会計年度における当ジャンルの売上高は2,983,428千円となりました。前連結会計年度における当ジャンルの売上高は1,732,714千円であったことから、前連結会計年度比72.2%増となっています。当該サービスについては、連結売上高への貢献度が高いサービスへと成長しており、引き続きユーザービリティの向上、精度の高いマッチングを実現する機能や、診断イベントを継続的に実施していくことで、ユーザー満足度の高い唯一無二の恋愛・婚活マッチングサービスを目指してまいります。
(ゲーム)(注)1
当連結会計年度では、主力タイトルである『ぼくとドラゴン』が配信開始から5年目に突入し、既存ユーザーの満足度向上と収益の安定化を目指すため、季節イベントの強化や、他社人気IPとのコラボレーションを多数実施するなど、ユーザーとのエンゲージメントを高めるサービス運用をしてまいりました。
2019年4月3日には、イグニスグループ初のブラウザゲーム((注)2)である、『猫とドラゴン』の提供を開始いたしました。
一方で、2018年12月12日に提供を開始いたしました、女性をターゲットにした新作スマホRPG『でみめん』につきまして、ユーザー課金率及び新規ユーザー獲得数が伸び悩み、新キャラクターや各種イベントの実施など、施策に講じてまいりましたが、大幅な改善に至らなかったことから、2019年12月12日をもってサービスを終了することとなりました。
スマートフォン向けゲームマーケットの競争は一層激化してきており、当連結会計年度において、プロモーションを中心とした的確なコストコントロールを続けたものの、既存タイトルと、新規タイトルの売上寄与は共に限定的となり、ゲーム事業全体の売上高は減少しました。
この結果、当連結会計年度における当ジャンルの売上高は2,383,015千円となりました。前連結会計年度における当ジャンルの売上高は2,817,402千円であったことから、前連結会計年度比15.4%減となっています。
(その他)
当ジャンルではグラム株式会社が運営する求人マッチングサービスのビジネスや、その他どのジャンルにも属さないプロダクトを含む既存事業で構成されています。
バーチャルライブアプリ『INSPIX LIVE』を中心とした「バーチャルライブプラットフォーム事業」、VRアイドル『えのぐ』や、芸能プロダクション『VOYZ ENTERTAINMENT』による、「エンターテインメント事業」、VR医療分野を含む「その他新規事業」も当ジャンルに含まれています。
「VR」分野では、新時代の音楽イベントである、バーチャルライブとバーチャル握手会を楽しむことができる、バーチャルライブアプリ『INSPIX LIVE』を、2019年8月13日にリリースいたしました。同年8月23日には、VRアイドル『えのぐ』が同アプリのリリース記念ライブを、同年9月26日には無料ライブを実施し、ユーザーの皆様にバーチャルライブを体験していただきました。その他にも、今後、複数の他社IPが『INSPIX LIVE』上でバーチャルライブの実施を予定しているなど、他社IPの誘致も順調に進んでいます。
更に、2019年9月18日には第32回東京国際映画祭VR特設ステージへの『INSPIX LIVE』の技術提供を発表し、新時代のバーチャルライブ体験を創造するために新たな活動を推進しています。
VRアイドル分野においては、業務提携先であるVRタレントのマネジメントを専門とする株式会社岩本町芸能社所属のVRアイドル『えのぐ』が、精力的に活動しています。
芸能プロダクションの運営を行う、連結子会社の株式会社VOYZ ENTERTAINMENTは、所属タレントである『VOYZ BOY』が活動をしている他、2019年9月2日には、「二次元と三次元を行き来する」5人組ボーイズグループ『学芸大青春(ガクゲイダイジュネス)』が活動を開始いたしました。
VR医療分野においては、順天堂大学との共同研究である「VRアプリケーションによる慢性痛み刺激の緩和の臨床研究」につきまして、2019年6月にパイロット提供を開始いたしました。
「AI」分野では、持分法適用会社である株式会社ロビットにおいて、AIを活用したピッキングロボの精度を高めるソフトを開発し、工場の自動化を進める自動車部品メーカーなどへの導入を目指しています。
この結果、当連結会計年度における当ジャンルの売上高は204,583千円となりました。前連結会計年度における当ジャンルの売上高は324,250千円であったことから、前連結会計年度比36.9%減となっています。
(注)1.ゲームの配信プラッフォームが多様化してきている事を踏まえ、従来の<ネイティブゲーム>を<ゲーム>に変更しています。
2.ブラウザゲームとは、ダウンロード不要で、ウェブブラウザがあれば遊べるゲームのことです。
当連結会計年度の財政状態の概要は以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は3,956,001千円となり、前連結会計年度末に比べ698,868千円減少いたしました。流動資産は1,715,630千円(前連結会計年度末比185,763千円減)となりました。主な増加要因は、売掛金が118,419千円増加したことによるものであります。主な減少要因は、現金及び預金が270,561千円減少したことによるものであります。固定資産は2,240,370千円(前連結会計年度末比513,104千円減)となりました。主な減少要因は、投資有価証券の売却等により投資その他の資産が591,245千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は1,689,711千円となり、前連結会計年度末に比べ692,669千円減少いたしました。流動負債は1,309,539千円(前連結会計年度末比515,892千円減)となりました。主な減少要因は、借入金の返済により短期借入金が300,000千円、1年内返済予定の長期借入金が191,694千円減少したこと、未払金が292,189千円減少したことによるものであります。固定負債は380,172千円(前連結会計年度末比176,777千円減)となりました。主な減少要因は、借入金の返済により長期借入金が127,158千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は2,266,289千円となり、前連結会計年度末に比べ6,198千円減少いたしました。主な増加要因は、第三者割当による新株式の発行及び新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が合計で1,224,168千円増加したことによるものであります。主な減少要因は、利益剰余金が631,178千円減少、投資有価証券の一部売却等によりその他有価証券評価差額金が594,985千円減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は209,779千円となり、前連結会計年度末に比べ270,561千円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は959,213千円(前連結会計年度は567,767千円の減少)となりました。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失119,981千円、投資有価証券売却益892,648千円、長期未収入金の増加額236,539千円、未払金の減少額305,669千円によるもの、主な増加要因は、減価償却費523,457千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は90,335千円(前連結会計年度は1,034,681千円の減少)となりました。主な増加要因は投資有価証券の売却による収入959,488千円によるもの、主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出447,032千円、投資有価証券の取得による支出208,510千円、有形固定資産の取得による支出168,864千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は599,078千円(前連結会計年度は8,456千円の増加)となりました。主な増加要因は、株式の発行による収入938,785千円、主な減少要因は長期借入金の返済による支出372,411千円であります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度におけるジャンル別の販売実績は、次のとおりであります。
| ジャンルの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) | 前年同期比(%) |
| コミュニティ(千円) | 2,983,428 | 172.2% |
| ゲーム(千円) | 2,383,015 | 84.6% |
| その他(千円) | 204,583 | 63.1% |
| 合計(千円) | 5,571,028 | 114.3% |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年10月1日 至 2018年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| Apple Inc. | 3,010,641 | 61.8 | 3,595,344 | 64.5 |
| テレコムクレジット株式会社 | 533,716 | 10.9 | 846,271 | 15.2 |
| Google Inc. | 816,555 | 16.8 | 719,397 | 11.1 |
2.相手先は決済代行業者であり、ユーザーからの代金回収を代行しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
その作成には、経営者による会計方針の選択・適用・資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、5,571,028千円となりました。内容としましては、前連結会計年度と比較し、<ゲーム>『ぼくとドラゴン』の課金収入が低減傾向にある一方で、積み上げ型の事業の強化として、<コミュニティ>『with』のユーザー数増加に努め、収益貢献度の高いサービスへと成長いたしました。そのことから、ゲームの依存度は前連結会計年度と比してさらに低下しており、強固で安定感のある収益ポートフォリオが構築されてきております。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は1,245,491千円となりました。これは主に労務費及びソフトウエアの減価償却費、設備費によるものであります。この結果、売上総利益は4,325,536千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は5,070,230千円となりました。これは、主に広告宣伝費1,476,918千円、支払手数料1,907,668千円、人件費等573,144千円、研究開発費322,799千円を計上したことによるものであり、この結果、744,693千円の営業損失となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損失)
営業外収益は11,650千円、営業外費用は134,608千円となりました。営業外費用は主に持分法投資損失87,878千円、支払手数料28,957千円によるものであり、この結果、867,651千円の経常損失となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純損失)
投資有価証券売却益892,648千円等を計上したことにより、894,334千円を特別利益に計上し、関係会社株式評価損52,703千円や減損損失52,707千円等を計上したことにより146,665千円を特別損失に計上いたしました。この結果、119,981千円の税金等調整前当期純損失となり、法人税等合計515,461千円の計上により、631,178千円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
b.経営戦略の現状と見通し
当社グループは売上高・利益の更なる成長を目指しております。そのため、一事業に依存しない事業の多面展開を図り、強固で安定感のある事業ポートフォリオを構築しております。中長期での事業戦略としては積み上げ型の事業と爆発力のある事業の推進に努めております。
積み上げ型の事業において、<コミュニティ>『with』のユーザー数が順調に増加し、このジャンルの売上高構成比は53.6%(前連結会計年度は35.5%)と連結売上高に占める割合はより一層高まり順調にトップラインが成長しております。オンライン恋活・婚活マッチングサービスのマーケットは拡大が続くという予測((注)1)もあることから、今後も『with』のユーザー数・トップラインの成長を見込んでおります。次期についても、この『with』の収益が連結業績に大きく貢献してくる見込みであります。
<ゲーム>では、国内におけるスマートフォン向けゲームアプリを中心とした市場規模((注)2)は安定的な成長が予想されておりましたが、海外からの新規タイトルの流入など、国内外問わず数多くのスマートフォン向けゲームアプリが配信されていることから、ユーザー獲得競争はより一層激化しているものと思われます。そのため、2018年12月12日に配信を開始いたしました、女性向け新感覚スマホRPG『でみめん』は、ユーザー課金率及び新規ユーザー獲得数が伸び悩み、新キャラクターや各種イベントの実施など、施策を講じてまいりましたが、大幅な改善に至らなかったことから、2019年12月12日をもってサービスを終了することとなりました。このことから当ジャンルの売上貢献は下がるものと見込んでおります。
主力タイトルである『ぼくとドラゴン』は、季節イベントの強化や、他社人気IPとのコラボレーションを多数実施するなど、ユーザーとのエンゲージメントを高めるサービス運用をした結果、当社グループの収益に大きく貢献いたしました。
しかし、昨今の業績動向を鑑みた結果、次期以降については、プロジェクトの選択と集中の観点から11月13日発表「スマートフォン向けゲームアプリ及びブラウザゲームの譲渡に向けた基本合意に関するお知らせ」の通り、『ぼくとドラゴン』及び『猫とドラゴン』の2つのタイトルを譲渡することとなりました。
今後は、企業ミッションである「次のあたりまえを創る。何度でも」を実現すべく、積み上げ型の事業である『with』のさらなる収益基盤強化と、注力事業であるVR・エンターテインメント分野を第2の柱とすべく売上拡大とコストコントロールを図ってまいります。
<その他>では、積み上げ型の事業とは別に、爆発力のある事業と位置付けて、最先端技術であるVR・AI・IoTに着目したビジネスの商業化に向けた事業投資を行ってまいりました。
VR・エンターテインメント分野では、「ライブプラットフォームの運営」と「IP(タレント等)発掘・育成・プロデュース等」の2軸展開で進めてまいります。この2軸で展開していくという垂直統合型の運営をすることがVR・エンターテインメント分野を推進していく中で大きな差別化になるものと考えております。
ライブプラットフォーム運営については、VRを通じた新しい音楽体験を創出するためにVirtual Live Platform「INSPIX」の開発を進めVR-HMD(VR-Head Mounted Display 頭部装着ディスプレイ)の普及率に左右されず、あらゆるシーンでライブ体験が可能な仕組みの提供を掲げていましたが、2019年8月に、バーチャルライブアプリ『INSPIX LIVE』をリリースし、スマホでどこからでもVR音楽ライブに参加できる仮想空間を実現しました。この『INSPIX LIVE』については、2019年9月26日発表の適時開示『当社連結子会社とモノビット・モリカトロンホールディングス株式会社との業務提携および当社からモノビット・モリカトロンホールディングス株式会社に対する出資に関するお知らせ』および2019年11月13日発表の『「INSPIX WORLD」(旧「(仮)Project WORLD」)のサービス概要及び7組のパートナー参画決定のお知らせ』の通り、大型アップデートを加え、同時接続数の拡大の他、全世界への展開、先立っては中国への展開を見込み開発を続けています。この『INSPIX WORLD』は、『INSPIX LIVE』のアップデート版となることから、従来までのVR音楽ライブ体験にVR空間上でのソーシャル機能を付加させたライブ特化型仮想空間SNSとして展開する計画です。また、このアップデート開発に伴い、アニメーションや音楽アーティストといったエンターテインメント関連の企業等、7組が参画することとなり、VR技術を活用した新しい音楽体験と新しい世界体験を実現してまいります。
IP(タレント等)の発掘・育成・プロデュース等については、子会社のパルス株式会社単独または外部パートナーと組み、バーチャルタレントのみならず、リアルなタレントの創出・プロデュースに力を入れています。子会社のパルス株式会社は株式会社岩本町芸能社との協業を通じ、アイドルプロデュースのノウハウ蓄積と『INSPIX LIVE』の機能強化に向けたフィードバックを行っています。また、2019年5月には、主に男性タレントが所属する芸能事務所、株式会社VOYZ ENTERTAINMENTを立ち上げ、リアルなタレントのIPの構築にも注力しており、今後のタレント発掘・育成・プロデュースを行っていくうえで強い競争力を身につけたと確信しております。また、自社関連のIPに依存することなくアップデート開発中の「INSPIX WORLD」に、他社が持つIP(主にバーチャルタレント)誘致を図り、VR音楽ライブやその他VRイベントを展開していく計画です。
次期以降の展望としては、『INSPIX LIVE』の大型アップデートである『INSPIX WORLD』を完了させるために、引き続き積極的に開発を進めることと、自社IPのファン数拡大、大型他社IPとの協業の拡大を視野に事業を推進してまいります。当社グループは、このようなVR技術を活用したライブ展開により新たな音楽マーケットが確立され、今後数年で大きく飛躍するものと考え、自信を持って事業に取り組んでおります。この分野に注力することが、中長期的に当社グループの業績向上に資するものと考えております。
VRの医療分野では、順天堂大学との共同研究である「VRを用いた慢性疼痛の緩和」が2019年6月にパイロット提供を開始するなど、順調に進捗しています。なお、本プロジェクトは、中長期での研究開発を想定しており、医療現場への導入には一定の期間を要するものと見込んでおります。
AIでは、持分法適用関連会社の株式会社ロビットがAI技術を活用し、工場における検査工程を自動化する装置(ロボット)の開発・検証を行っております。この検査工程の自動化については愛知県豊田市内の自動車部品メーカーと提携し取り組んでおります。現在、日本の製造業においては生産・製造工程ではロボットを活用した自動化が進んでおりますが、検査工程に関しては完全自動化が進んでいない状況であるため、AI技術を活用した装置(ロボット)を開発・提供し、日本の製造業における生産性向上・効率化に貢献してまいります。
IoTでは、ロビットが世界初のスマートフォンアプリと連動してカーテンの自動開閉ができる『めざましカーテン mornin’ plus』という製品を提供しております。本製品は2018年度グッドデザイン賞を受賞し、2017年度のグッドデザイン賞を受賞した旧型の『めざましカーテンmornin’』に続きロビットは2年連続で受賞しております。この受賞を契機に、引き続き販売拡大を図ってまいります。
なお、同社は新工場を設立し、開発力強化を図っています。
VRの医療分野・AIの新規ジャンルについては、現時点で当社グループの収益に貢献しておりませんが、いずれ、グループの成長にとって重要なビジネスになると見込んでいるため、早期収益化に向けて開発・検証・マーケティングに注力しております。一方でVR・エンターテインメント分野では、売上を生み出す仕組み『INSPIX LIVE』が提供開始されました。次期以降は引き続きこの『INSPIX LIVE』の進化のために事業投資を行いつつ、同時に投資回収を目指します。しかしながら、この分野からの収益に関しては、VR音楽ライブという新しいマーケットで展開していくため、売上の基礎となるKPI(基礎となる公演数・観客動員数等)は現時点において不確定要素が多いことから、合理的な見積もりが困難であると考えています。
また、新規事業として医療機関向けSaaSの開発・提供も進めております。こちらの事業につきましては、主にオンライン診療対応を目的として医療機関向けにシステムを提供するものです。このシステムは順調に稼働中であり、2020年9月期の収益貢献を目指し、経営資源の投入を継続しています。
次期連結会計年度の当初連結業績見通しは、売上高15,000,000千円、営業利益6,000,000千円と掲げていました。しかし、<コミュニティ>『with』の更なる成長が見込める一方で、<ゲーム>の売上高の大幅な減少や、VRエンターテインメント分野の売上高の合理的な見積もりが、前述の通り困難であるため、業績見通しに織り込まない方針とした結果、連結売上高4,000,000千円(当連結会計年度比28.2%減)と、当初連結業績見通しよりも減少すると予想しています。
なお、営業利益、経常利益並びに親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、本資料の発表日現在において不確定要素が多く存在するため、公表しておりません。
また、上記の業績見通しは本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。
(注)1.出典:株式会社マッチングエージェント/株式会社デジタルインファクト
2.出典:一般社団法人コンピューターエンターテインメント
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、サービス提供・拡充のための広告宣伝費、支払手数料、研究開発費、人件費、その他経費をはじめとした販売費及び一般管理費等の営業費用であります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当し、投資が必要な場合には状況に応じて金融機関からの借入や各種資本政策等による資金調達で対応していくこととしております。
資本政策として、2018年12月26日に株式会社QK及び株式会社SK並びに佐藤裕介氏を割当先とする第三者割当増資による新株式発行による払込が完了し、また、2019年3月8日に株式会社SYを割当先とする第18回新株予約権の全行使による払込も完了しております。
また、現在、ドイツ銀行ロンドン支店を割当先とする第三者割当による新株予約権の発行を行っており、これによる資金調達も引き続き行っていく計画です。本件に関する詳細は「第4 提出会社の状況 新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
併せて、資産の効率化及び財務体質の強化を図るため2019年3月から5月にかけて投資有価証券の一部売却を行い財源の確保を行っております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、売上高を使用しております。それぞれの指標の当連結会計年度における達成度及び次期の計画は以下のとおりであります。
| 指標 | 2019年9月期 (計画)※ | 2019年9月期 (実績) | 2019年9月期 達成度 | 2020年9月期 (計画) |
| 売上高 | 5,500百万円 | 5,571百万円 | 101.3% | 4,000百万円 |
※2019年9月期は2019年9月17日公表の「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」の通り、修正しております。
(3)継続企業の前提に関する重要事象等を解消するための改善策
当社グループは、前連結会計年度及び当連結会計年度において営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失、マイナスの営業キャッシュ・フローを計上したことから、現時点においては継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
それに対し、当社は当該状況を解消すべく、以下に示す課題への対処を的確に行うことにより安定的な財務基盤を確立し、当該事象が早期に解消されるよう取り組んでまいります。
これらの改善策を状況に応じて適切に推進していくことから、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。
①基盤収益事業の強化による売上維持・拡大
<コミュニティ>『with』において、売上高・利益ともに順調に増加しており、連結売上高に占める構成が53.6%になるまでに成長していることから、当社の安定的な収益の基盤となっております。
そのため、当社は、当該事業をさらに強化していくことで、安定した収益獲得を目指してまいります。
具体的には、マーケットの拡大も見込まれてはおりますが、より効率的な広告宣伝費の投下によるユーザー数の増加、ユーザー満足度の高い機能を追加することによる課金率の上昇等の施策を講じてまいります。
②積極的投資事業については選択と集中による事業の選別と早期収益化の実現
積極的投資事業については、当社とのシナジーが期待できない事業や収益化が困難と判断した事業については適時適切に処分することを検討してまいります。また、早期収益化の実現のため、当社の事業とシナジーのある他社と積極的に業務提携を締結すること等を通じて、事業の拡大を図ってまいります。
③資金調達や資金繰りの安定化
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載の通り、2019年11月26日開催の取締役会において、取締役からの資金の借入について決議するとともに、同日付で金銭消費貸借契約を締結し、2019年11月28日及び2019年12月5日に実行いたしました。
④経費の削減
当社は、当社事業の強みを確保した上で、引き続き、外注費等の売上原価、販売費及び一般管理費の削減に努め、収益性の改善に注力してまいります。