有価証券報告書-第47期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(業績等の概要)
当期における我が国の経済状況は、一部に弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続きました。また、世界の経済状況は、通商問題の動向、中国経済の先行き、政策に関する不確実性等のリスクがあるものの、全体としては緩やかな回復が続きました。一方で、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により経済活動が制約され、景気は足下で急速に減速しました。
このような状況のなか、当社グループは、2020年度(2021年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2020」の達成に向けて「①戦略開発投資」「②事業戦略(基盤分野の強化と成長分野の拡大)」「③ 持続的なESGの取り組み」を重点施策とし、全社を挙げて取り組んでまいりました。
国内事業においては、自治体の抱える財政難や人材不足等の課題に対して公民連携・民間活用が進展するなか、パートナー企業との戦略的提携、他社との差別化を図った技術・製品の開発とその拡販、全社的な合理化及びコストダウン等による収益改善に継続的に取り組んでまいりました。
海外事業においては、安定した市場成長が見込まれる欧米を中心とした事業展開を推進するなかで、特に米国子会社であるAqua-Aerobic Systems, Inc.を基盤として、更なる事業拡大に向けた活動に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績については、次表のとおりとなりました。
| 2019年3月期 (百万円) | 2020年3月期 (百万円) | 増減 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 117,342 | 128,723 | +11,381 | +9.7 |
| 営業利益 | 7,607 | 8,223 | +615 | +8.1 |
| 経常利益 | 7,624 | 8,132 | +508 | +6.7 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 5,170 | 5,677 | +506 | +9.8 |
| 受注高 | 123,807 | 125,011 | +1,204 | +1.0 |
| 受注残高 | 142,351 | 138,639 | △3,711 | △2.6 |
当社グループの事業は、「プラントエンジニアリング事業セグメント」に基盤分野であるEPC事業及び成長分野と位置付ける海外事業が区分され、また、「サービスソリューション事業セグメント」に基盤分野であるO&M事業及び成長分野と位置付けるPPP事業が区分されております。セグメント別の業績は次のとおりです。
(プラントエンジニアリング事業)
プラントエンジニアリング事業における業績は、次表のとおりとなりました。
EPC事業においては、売上高は好調に推移したものの、営業利益は案件構成の違い等により概ね前期と同水準にて推移しました。また、海外事業においては、売上高及び営業利益共に概ね前期と同水準にて推移しました。
| 2019年3月期 (百万円) | 2020年3月期 (百万円) | 増減 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 65,517 | 72,366 | +6,848 | +10.5 |
| 営業利益 | 3,191 | 3,188 | △3 | △0.1 |
| 受注高 | 73,915 | 67,861 | △6,053 | △8.2 |
| 受注残高 | 83,047 | 78,542 | △4,505 | △5.4 |
(サービスソリューション事業)
サービスソリューション事業における業績は、次表のとおりとなりました。
O&M事業においては、売上高及び営業利益共に好調に推移しました。また、PPP事業においても、売上高及び営業利益共に好調に推移しました。
| 2019年3月期 (百万円) | 2020年3月期 (百万円) | 増減 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 51,824 | 56,356 | +4,532 | +8.7 |
| 営業利益 | 4,416 | 5,035 | +619 | +14.0 |
| 受注高 | 49,892 | 57,150 | +7,258 | +14.5 |
| 受注残高 | 59,303 | 60,097 | +793 | +1.3 |
(受注及び販売の状況)
(1) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| プラントエンジニアリング事業 | 67,861 | 91.8 | 78,542 | 94.6 |
| サービスソリューション事業 | 57,150 | 114.5 | 60,097 | 101.3 |
| 合計 | 125,011 | 101.0 | 138,639 | 97.4 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3. 受注高のうち、官公庁からの受注が9割以上を占めております。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| プラントエンジニアリング事業 | 72,366 | 110.5 |
| サービスソリューション事業 | 56,356 | 108.7 |
| 合計 | 128,723 | 109.7 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 東京都 | 19,967 | 17.02 | 17,267 | 13.41 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの業績は、受注高は前連結会計年度に比べ1.0%増加の1,250億11百万円となり、売上高は前連結会計年度に比べ9.7%増収の1,287億23百万円となりました。なお、セグメント別の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりであります。
売上原価は、前連結会計年度に比べ、11.4%増加の1,018億46百万円となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ2.0%増加の186億53百万円となりました。
これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ8.1%増益の82億23百万円となりました。また、経常利益は前連結会計年度に比べ6.7%増益の81億32百万円となりました。特別損失の計上はありません。以上により、税金等調整前当期純利益は81億32百万円となり、前連結会計年度に比べ6.7%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ9.8%増益の56億77百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ131億51百万円減少し、1,194億69百万円となりました。
流動資産は、売掛金が増加しましたが、仕掛品並びに現金及び預金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ135億96百万円減少し、1,019億41百万円となりました。
固定資産は、退職給付に係る資産が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ4億44百万円増加し、175億27百万円となりました。
流動負債は、買掛金が増加しましたが、前受金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ19億92百万円減少し、543億33百万円となりました。
固定負債は、PFI等プロジェクトファイナンス・ローンが減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ17億20百万円減少し、155億42百万円となりました。
純資産は、自己株式の取得による減少などにより、前連結会計年度末に比べ94億38百万円減少し、495億92百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
主な資金需要は、運転資本、設備投資、研究開発、IT投資に対するものであり、それらの資金は主に営業キャッシュ・フローで充当しており、必要に応じて借入金による調達で対応しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は128億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ、149億20百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
売上債権の増加による支出18億59百万円、法人税等の支払による支出25億37百万円の一方、税金等調整前当期純利益81億32百万円、減価償却費10億98百万円などにより、営業活動に伴う資金の増加は35億21百万円(前年同期比27億15百万円減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出6億円、無形固定資産の取得による支出1億79百万円などにより、投資活動に伴う資金の減少は13億80百万円(前年同期比5億75百万円増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払による支出16億7百万円、PFI等プロジェクトファイナンス・ローンの返済による支出8億44百万円、自己株式の取得による支出142億88百万円などにより、財務活動に伴う資金の減少は170億72百万円(前年同期比144億55百万円増)となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 43.1 | 44.6 | 44.4 | 41.4 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 62.1 | 70.1 | 61.0 | 70.3 |
| キャッシュ・フロー対有利子 負債比率(%) | 205.0 | 284.1 | 220.2 | 355.6 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 35.5 | 23.7 | 28.5 | 18.5 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を
対象としております。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しているとおり、事業環境や国際情勢の変動、大規模災害・事故、法令規制・コンプライアンス、製品・サービスの品質等、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
(5) 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り・当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計基準に基づいて見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しております。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針や見積が連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があると考えております。
・完成工事高及び完成工事原価の計上基準
完成工事高の計上は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。
工事進行基準の採用に当たっては、原価の見積りが合理的に可能であることが前提であり、総原価を見積り後、見積りと実績の比較を行い見直し、適時かつ適切に総原価へ反映を行っております。ただし、想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高及び完成工事原価が影響を受ける可能性があります。なお、今後の新型コロナウイルス感染症が当社グループの事業活動に与える影響が不透明であることから、完成工事高の計上においてその影響を織り込んでおりません。