有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2014/11/20 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
102項目

対処すべき課題

当社グループが取り組んでいる、ソーシャル・ビッグデータ事業の拡大及び経営の安定化を図っていくうえで、対処すべき課題は以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)事業展開上の課題
①ビジネス・イノベーション
ソーシャル・ビッグデータを活用したビジネスモデルには様々な可能性があると当社では認識しており、当社では常に数多くのアイディアを捻出し、試行錯誤を繰り返してソーシャル・ビッグデータを活用した新規ビジネスの創出に取り組んでおります。これらのアイディアを具体的なビジネス企画に落とし込み、早いタイミングで開発していくことが、ビッグデータ分析に関する新規ビジネスを創出する上で必要であると認識しております。そのような認識のもと、平成26年2月から新たに「ビジネス企画部」を新規ビジネスの立ち上げのために独立した専門組織として設立し、新規ビジネス企画・プロトタイピング開発に長けた人員を採用いたしました。
当社では当社ビジネス企画部又は様々な分野のパートナーとの連携により、ビッグデータに関する様々な新規ビジネスを創出すべく、仮説・検証のサイクルを高速でまわし、優良な新規ビジネスを継続的に立ち上げていく方針であります。
②ソーシャル・ビッグデータ以外のデータとの連動
ソーシャル・ビッグデータは、ビッグデータ分析の中でも先進的で、ソーシャル・ビッグデータ単独でもソーシャルリスニング、ソーシャル分析、広告効果測定等の利用が活性化しておりますが、ソーシャル・ビッグデータは、現状活用されているシーンだけでなく、“企業内に存在する様々なデータ”、“公開されている様々なデータ”これらを有機的に連動させることで、より付加価値が増していくものであります。
こうした観点より、ソーシャル・ビッグデータだけでなく、公開されている様々な分野のデータ収集を更に積極的に行っていく必要があるとともに、“企業内に存在する様々なデータ”と連動させるために、“企業内に存在する様々なデータ”を所有するベンダーや企業との連携が必要であると考えております。当社では、ソーシャル・ビッグデータに更なる付加価値を生み出していくことを課題と認識し、研究開発拠点の設置やアライアンスパートナー戦略を通じて継続的に取り組んでまいります。
a.研究開発拠点の設置
当社グループでは、“公開されている様々な分野のデータ”の収集を加速させるために、研究開発拠点としてDATASECTION VIETNAM CO.,LTDを平成25年6月に設立いたしました。これにより、日本のソーシャル・ビッグデータに限らず、世界各国のソーシャル・ビッグデータを柔軟に集めるとともに、ソーシャル・ビッグデータ以外のWeb情報を集めることができる体制を整えました。今後は、データ収集のさらなる活性化のために東南アジアの他の国においても研究開発拠点を設置する予定であります。
b.アライアンスパートナー戦略
“企業内に存在する様々なデータ”を所有する、広告代理店、SIer、BIツールを提供するベンダー等の企業との連携を早期に行う必要があると考えております。こういった、企業においても、ソーシャルメディアと連動をしたいという動きが活性化することが想定されたため、既に、平成24年7月に株式会社博報堂と資本業務提携をし、事業連携を強化するとともに、平成24年から平成25年にかけて大手SIer、BIツールを提供するベンダーと業務連携を行いました。今後も様々なパートナーと提携または連携していくことを検討しております。
(2)全体的な課題
①内部管理体制の強化
当社グループが今後さらなる業容を拡大するには、各業務の標準化と効率化を図ることにより事業基盤を確立させることが重要な課題であると認識しております。そのためには、全従業員が業務マニュアルや規律などを遵守することを一層徹底することにより、内部管理体制の強化を図ってまいります。
②人材の確保と育成
当社グループが、今後さらなる業容拡大を図るためには、高いスキルを持った人材の確保と従業員の育成が重要な課題となっております。しかしながら、高いスキルを持った人材の採用はIT業界で採用の競争が激しく、安定的な人材確保が今後難しくなることが想定されます。そのため、当社グループでは海外拠点であるDATASECTION VIETNAM CO.,LTDにて採用活動を行い、グローバルな人材採用を行っていくとともに、採用した人材を外部研修の活用やOJTにより育成していく方針であります。