訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/06/05 10:22
【資料】
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【項目】
101項目

業績等の概要

当社は、第4期連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との対比については記載しておりません。一方、第5期第1四半期累計期間より連結財務諸表を作成しておりません。
(1)業績
第4期連結会計年度(自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日)
当連結会計年度においては、当社の神戸研究所が位置する神戸市を含む関西圏が、平成26年3月に国家戦略特区の指定を受け、同年5月にはその区域方針として再生医療をはじめとする先端的な医薬品・医療機器の研究開発・事業化を推進することを目標とするなど、官民一体となった成長戦略が加速してきております。また、同年11月には再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び改正薬事法が施行され、iPS細胞を用いた再生医療等製品について、安全性を確保しつつ、条件付承認等による迅速な実用化を後押しする法整備が進められてきております。
さらに、平成26年9月には当社が共同研究を進める理研等により、滲出型加齢黄斑変性に対する自家細胞によるiPS細胞由来RPE細胞シートの移植に関する臨床研究として、世界で初めてiPS細胞由来RPE細胞シートの罹患者への移植が行われました。
このような状況の中、当社においては、iPSC再生医薬品に関する研究開発活動の推進、人員体制の拡充を進めてきており、平成26年2月には、大日本住友製薬と共に眼疾患領域におけるiPSC再生医薬品の将来的な製造及び販売促進を行うための合弁会社として、サイレジェンを設立いたしました。また、これに伴い、当社は、大日本住友製薬よりマイルストン収入を受領し売上に計上しております。
iPSC再生医薬品分野においては、当社のiPSC再生医薬品候補であるiPS細胞に由来するRPE細胞の製造に関し、細胞培養方法の最適化を行っております。また、既に実施された短期の造腫瘍性試験では、異常増殖は認められておらず、このことは製品が移植された後の安全性を示唆する結果と考えています。
化合物医薬品分野においては、BBG250(Brilliant Blue G-250)を主成分とする眼科手術補助剤に関し、平成25年12月にアキュメンより事業譲渡を受けたことにより、ロイヤルティ収入を当連結会計年度より売上に計上しております。開発における現況としましては、欧州で承認されているCEマーキング適合製品を用いて、九州大学医学部眼科学教室の石橋達朗教授により内境界膜剥離の適応症で第Ⅲ相試験(医師主導治験)が完了しております。かかる試験は、最終製品とCEマーキング適合製品との間の比較検証結果を申請資料として使用する目的で実施したものであります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は279,997千円、営業損失は573,409千円、経常損失は476,503千円、当期純損失は480,712千円となりました。
第5期第1四半期累計期間(自 平成27年1月1日 至 平成27年3月31日)
当第1四半期累計期間のわが国経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響から個人消費や生産で足踏みがみられたものの、政府や日本銀行による政策効果の発現もあり、雇用や所得の情勢は改善傾向にあり、緩やかな景気回復基調が続いています。
再生医療業界においては、平成26年9月に理研等による臨床研究として行われた世界で初めてのiPS細胞由来RPE細胞シートの加齢黄斑変性罹患者への移植に関して、平成27年3月に行われた日本再生医療学会において、半年経過後もがんはできておらず、細胞シートはきちんと定着しており、問題となる副作用は起きていない、また、異常な血管を抑える注射治療を行っても続いていた視力低下が移植後には止まっている、という安全性及び有効性を示唆する発表がなされております。
このような状況の中、当社は、iPSC再生医薬品の早期実用化を目指して、引き続き治験の準備として各種試験の実施等を進めたほか、将来の開発パイプラインの拡充に向けて、平成27年3月に、iPSアカデミアジャパンとの間で、網膜変性疾患以外を対象とした研究を行う目的でのiPS細胞使用に関する特許権の非独占的実施許諾契約を締結いたしました。また、当社は、同月、国内におけるRPE細胞製品の製造体制の構築を主たる目的として、当社と大日本住友製薬の合弁会社であるサイレジェンが実施した総額3億円の株主割当増資について、大日本住友製薬と同額である1.5億円の引受けを行いました。
以上の結果、当第1四半期累計期間の業績は、売上高は19,883千円、営業損失は232,601千円、経常損失は241,920千円、四半期純損失は241,784千円となりました。なお、売上高の構成は、眼科手術補助剤に関するロイヤルティ収入のみであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
第4期連結会計年度(自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,946,959千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は157,077千円となりました。支出の主な内訳は、税金等調整前当期純損失の計上476,503千円であり、収入の主な内訳は、共同開発先からの開発費用の入金等による前受金の増加329,720千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は888,555千円となりました。これは、主にアキュメンからの事業譲受に係る未払金の支払735,000千円及び有形固定資産の取得114,749千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は78,725千円となりました。これは、少数株主からの払込みによる収入50,000千円及び新株予約権の発行による収入28,725千円があったことによるものであります。