有価証券報告書-第22期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

【提出】
2021/05/28 15:28
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(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は8,999,600千円となり、前事業年度末に比べて5,994,979千円増加しました。これは主に、新株予約権の行使等により現金及び預金が5,846,895千円増加、売掛金が243,393千円増加した一方で、前渡金が111,253千円減少したことによるものであります。また、固定資産は1,718,299千円となり、前事業年度末に比べて250,768千円増加しました。これは主に、保有株式の評価額の上昇に伴い、投資有価証券が216,207千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は1,862,566千円となり、前事業年度末に比べて425,521千円増加しました。これは主に、買掛金が212,550千円増加したことに加え、未払法人税等が114,362千円増加、保有株式の評価額の上昇に伴い繰延税金負債が54,054千円増加、前受金が50,161千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は8,855,333千円となり、前事業年度末に比べて5,820,226千円増加しました。これは主に、利益剰余金が482,271千円増加、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ2,592,375千円増加したことに加え、保有株式の評価額の上昇に伴いその他有価証券評価差額金が154,182千円増加したことによるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度(自 2020年3月1日 至 2021年2月28日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により厳しい状況にありました。感染拡大の防止策を講じつつ社会経済活動のレベルを引き上げていく中で、各種政策の効果もあり、企業の設備投資や個人消費等の持ち直しが期待されますが先行き不透明な状態が続くと想定されます。
当社を取り巻く国内ITサービス市場においては、IoT(注1)、AI(注2)などのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するシステム投資が一層その存在感を強めていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、時間と場所を有効に活用できる柔軟な労働環境の急速な整備が求められており、アフター/ウィズコロナ時代の新しい働き方としてテレワーク環境の導入など新たなクラウド需要が発生し急速に普及が進んでおります。柔軟性と変化対応のスピードが要求される新しいビジネス領域は、パブリッククラウドに支えられた新たなデジタル技術を前提として拡大しており、中長期的には当該市場は堅調な成長が見込まれると予想される一方、クラウド導入には「文化」「組織」「人材/スキル」の変革や強化が重要となる中で多くの企業が課題を抱えており、短期的にはIT投資の抑制や導入プロジェクトの中止・遅延も見られ、2020年の国内パブリッククラウドサービス市場は成長が鈍化いたしました。
一方、世界的には、パブリッククラウド市場をけん引するAmazon Web Services(以下「AWS(注3)」)の全世界売上高(2020年12月期)は前年比+30%の450億ドルに到達し、依然高い成長率を維持しながら順調に市場を拡大しています。
なお、当社では、従来よりテレワークをはじめとした柔軟な働き方に対応した労働環境や制度の整備を積極的に推進しております。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、社内外への感染防止と従業員の安全確保を最優先とすべくテレワーク体制を一層強化し、警戒レベルに合わせて、原則出社禁止や在宅勤務を推奨しつつ各オフィスキャパシティの半分を目安とした分散出社などを実施、また、テレワークに伴う毎月2万円の在宅勤務手当を従業員に支給するなどの取り組みを継続して行っております。営業活動においては、当初予定していた展示会等への参加は中止・自粛を余儀なくされておりますが、ビデオ会議システムを活用した社内外とのコミュニケーション、SNSを活用したオンラインセミナー・イベントの実施、動画配信等によるオンラインマーケティングを積極的に推進し、アフター/ウィズコロナ時代における新たな働き方へ順応しています。
このような状況の中、当社は、クラウド専業インテグレーターとして、AWSを中心としたクラウド基盤に関するコンサルティング、基盤構築・運用、クラウドサービスの機能強化、並びにシェア獲得によるビジネスの拡大に尽力してまいりました。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高は8,029,275千円(前期比17.9%増)、営業利益は419,799千円(同0.5%増)、経常利益は410,598千円(同2.5%減)となりました。投資有価証券の売却により特別利益246,221千円を計上した結果、当期純利益は482,271千円(同44.7%増)となりました。
なお、当社の事業はクラウド事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりませんが、製品・サービス別の業績の概要は以下のとおりであります。
(クラウドインテグレーション)
クラウドインテグレーションは、プロジェクト数(前期比6.0%増)及び取引社数(前期比14.7%増)は増加しましたが、当期第1四半期から第2四半期にかけての新型コロナウイルス感染症による営業活動の停滞、企業のIT投資の抑制などが影響しプロジェクト単価が減少(前期比30.5%減)しました。以上の結果、売上高は425,370千円(前期比26.3%減)となりました。
(リセール)
リセールは、既存顧客からの継続的な受注及び大口顧客のAWS利用料の増加によりARPU(注4)が堅調に推移するとともに、新規顧客の獲得もあってアカウント数も堅調に増加、また、セキュリティを中心とするサービス・ソフトウェアのライセンス販売、自社サービスの販売も堅調に推移しました。以上の結果、売上高は6,626,683千円(同22.9%増)となりました。
(MSP(注5))
MSPは、既存顧客からの継続的な受注により順調に増加しました。また、SRE(注6)の浸透により、大型顧客や案件に対しては専任チームを編成して対応にあたるなど、標準対応以上のサービス提供をMSPの役割として担うことが増え、当社でも体制を整えております。以上の結果、売上高は961,195千円(同22.6%増)となりました。
(その他)
その他は、特定顧客向けサービスの縮小により、売上高は16,026千円(同73.2%減)となりました。
[用語解説]
(注1)IoT:「Internet of Things」の略称であります。コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、相互に通信を行うことにより認識や制御を自動的に行うことを意味します。
(注2)AI:「Artificial Intelligence」の略称であります。日本では「人工知能」として知られております。従来から概念として広く知られた言葉ですが、膨大なデータの分析・解析・学習処理をクラウドベースで実現することにより現実味を帯びはじめています。
(注3)AWS:「Amazon Web Services」の略称であります。Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services, Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称であります。
(注4)ARPU:「 Average Revenue Per User 」の略称であります。1社あたりの平均売上金額を表す数値であります。
(注5)MSP:「Managed Service Provider」の略称であります。顧客がAWS上に展開した仮想サーバーやネットワークの監視・運用・保守等を請け負うサービスであります。
(注6)SRE:「Site Reliability Engineering」の略称であります。Webサイトやシステムの信頼性向上に向けた取り組み(自動化、障害対応、パフォーマンス管理、可用性(システムが停止することなく稼働し続ける能力)担保など)を行い、価値の向上を進める方法論及び役割であります。
(売上高)
当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ1,217,901千円増加し8,029,275千円(前事業年度比17.9%増)となりました。これは主に、リセールが1,236,594千円増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ1,079,265千円増加し6,804,593千円(同18.9%増)となりました。これは主に、リセール売上にかかる仕入高が増加したことによるものであります。
以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べ138,635千円増加し1,224,681千円(同12.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ136,405千円増加し804,881千円(同20.4%増)となりました。これは主に、給料及び手当が77,853千円増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は、前事業年度に比べ2,229千円増加し419,799千円(同0.5%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度における営業外収益は前事業年度に比べ26,056千円増加し39,464千円(同194.3%増)となりました。これは主に、受取手数料が18,971千円、為替差益が5,758千円増加したことによるものであります。また、営業外費用は、前事業年度に比べ38,901千円増加し48,665千円(同398.4%増)となりました。これは主に、株式交付費が20,091千円増加、市場変更費用が17,058千円増加した一方で、為替差損が2,540千円減少、株式公開費用が2,000千円減少したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ10,615千円減少し410,598千円(同2.5%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度における特別利益は246,221千円となりました。これは、投資有価証券売却益によるものであります。また、特別損失の発生はありません。
当事業年度における法人税等合計は、前事業年度に比べ48,772千円増加し174,549千円(同38.8%増)となりました。
以上の結果、当期純利益は前事業年度に比べ148,890千円増加し482,271千円(同44.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べ5,846,895千円増加し、7,426,126千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は529,869千円(前事業年度は407,308千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益656,820千円、仕入債務の増加額212,550千円、前渡金の減少額111,253千円等があった一方で、投資有価証券売却益246,221千円、売上債権の増加額243,393千円、法人税等の支払額110,867千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は159,595千円(前事業年度は155,964千円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入252,243千円があった一方で、無形固定資産の取得による支出67,116千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は5,157,437千円(前事業年度は567,644千円の獲得)となりました。これは主に、株式の発行による収入5,090,261千円及び新株予約権の発行による収入68,142千円等があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社は受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当社は「クラウド事業」の単一セグメントとしておりますが、当事業年度の販売実績を製品・サービス区分ごとに示すと次のとおりであります。
製品・サービス区分の名称当事業年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
前年同期比(%)
クラウドインテグレーション(千円)425,37073.7
リセール(千円)6,626,683122.9
MSP(千円)961,195122.6
その他(千円)16,02626.8
合計(千円)8,029,275117.9

(注)1.製品・サービス区分間の取引については相殺消去しております。
2.前事業年度及び当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「② 経営成績の状況」に記載しております。また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要のうち主なものは、AWSリセールにおける仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、継続的なソフトウエアの開発及び投資有価証券の取得等によるものであります。なお、当社の資金の源泉は主に新株の発行及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。なお、当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
a.受注損失引当金
受注損失引当金は、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末における受注契約のうち、将来の損失発生が見込まれ、かつ、当該損失を合理的に見積ることが可能なものについては、翌事業年度以降の損失見込額を計上しております。当該損失見込額は将来の工数等の見積りに依存するため、見積りの前提となる条件や仮定に変更が生じた場合には引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b.投資有価証券
投資有価証券のうち時価のあるものについては、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合、時価のないものについては、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合につき、将来の回復の可能性を検討し、評価損を計上することとしております。将来、時価又は実質価額が下落し、回復可能性がないと判断した場合には、減損処理する可能性があります。

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