有価証券報告書-第21期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)

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2020/05/29 15:53
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(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、長期化する米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題など、海外政治情勢の不安定化が継続していることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う東京オリンピック・パラリンピックの開催延期等による内外経済の減速懸念など、依然として先行きは不透明な状況が継続しており、今後の推移を注視していく必要があります。
当社を取り巻く国内ITサービス市場においては、IoT(注1)、AI(注2)などのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するシステム投資が一層その存在感を強めております。柔軟性と変化対応のスピードが要求される新しいビジネス領域は、パブリッククラウドに支えられた新たなデジタル技術を前提として拡大しており、当該市場は今後も堅調な成長が見込まれます。パブリッククラウド市場をけん引するAmazon Web Services(以下「AWS(注3)」)の全世界売上高(2019年12月期)は前年比+36%の350億ドルに到達し、依然高い成長率を維持しながら順調に市場を拡大しています。
このような状況の中、当社は、クラウド専業インテグレーターとして、AWSを中心としたクラウド基盤に関するコンサルティング、基盤構築・運用、クラウドサービスの機能強化、並びにシェア獲得によるビジネスの拡大に尽力してまいりました。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高は6,811,373千円(前期比52.1%増)となりました。営業利益は417,570千円(同24.4%増)となり、経常利益は421,214千円(同25.5%増)となりました。投資有価証券の売却により特別利益37,943千円を計上した結果、当期純利益は333,381千円(同6.5%減)となりました。なお、2019年2月期においては関係会社株式の売却により207,053千円の特別利益を計上しております。
なお、当社の事業はクラウド事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。製品・サービス別の業績の概要は以下のとおりであります。
(クラウドインテグレーション)
クラウドインテグレーションは、既存顧客からの追加案件の受注及び大型案件の受注に加え新規顧客の獲得もあったものの、大型の既存顧客対応のためにエンジニアリソースをMSP(注4)サービスへ振り分けたこともあり、やや伸びが鈍化して推移しました。以上の結果、売上高は577,426千円(前期比5.4%減)となりました。
(リセール)
リセールは、既存顧客からの継続的な受注及び大口顧客のAWS利用料の増加に加え、新規顧客の獲得もあって好調に推移しました。また、セキュリティを中心とするサービス・ソフトウェアのライセンス販売、自社サービスの販売も好調に推移しました。以上の結果、売上高は5,390,089千円(同66.9%増)となりました。
(MSP(注4))
MSPは、既存顧客からの継続的な受注及び大型案件の受注増に加え、新規顧客の獲得もあって契約数が順調に増加しました。また、SRE(注5)の浸透により、大型顧客や案件に対しては専任チームを編成して対応にあたるなど、標準対応以上のサービス提供を、MSPの役割として担うことが増えてきており、当社でも体制を整えてまいりました。以上の結果、売上高は784,134千円(同35.3%増)となりました。
(その他)
その他は、特定顧客向けサービスの縮小により、売上高は59,723千円(同4.1%増)となりました。
[用語解説]
(注1) IoT: 「Internet of Things」の略称であります。コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、相互に通信を行うことにより認識や制御を自動的に行うことを意味します。
(注2) AI: 「Artificial Intelligence」の略称であります。日本では「人工知能」として知られております。従来から概念として広く知られた言葉ですが、膨大なデータの分析・解析・学習処理をクラウドベースで実現することにより現実味を帯びはじめています。
(注3) AWS: 「Amazon Web Services」の略称であります。Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services, Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称であります。
(注4) MSP:「Managed Services Provider」の略称であります。顧客がAWS上に展開した仮想サーバーやネットワークの監視・運用・保守等を請け負うサービスであります。
(注5) SRE:「Site Reliability Engineering」の略称であります。Webサイトやシステムの信頼性向上に向けた取り組み(自動化、障害対応、パフォーマンス管理、可用性(システムが停止することなく稼働し続ける能力)担保など)を行い、価値の向上を進める方法論及び役割であります。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べ818,966千円増加し、1,579,231千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は407,308千円となりました(前事業年度は157,702千円の獲得)。これは主に税引前当期純利益459,157千円、仕入債務の増加額359,842千円、預け金の減少額224,108千円等があった一方で、売上債権の増加額290,830千円、法人税等の支払額278,186千円、前渡金の増加額144,586千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は155,964千円となりました(前事業年度は172,018千円の獲得)。これは主に投資有価証券の売却による収入40,954千円があった一方で、投資有価証券の取得による支出99,995千円、無形固定資産の取得による支出49,733千円、有形固定資産の取得による支出30,928千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は567,644千円となりました(前事業年度は70,860千円の獲得)。これは主に、株式の発行による収入871,544千円があった一方で、短期借入金の減少額300,000千円等があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社は受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当社は「クラウド事業」の単一セグメントとしておりますが、当事業年度の販売実績を製品・サービス区分ごとに示すと次のとおりであります。
製品・サービス区分の名称当事業年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
前年同期比(%)
クラウドインテグレーション(千円)577,42694.6
リセール(千円)5,390,089166.9
MSP(千円)784,134135.3
その他(千円)59,723104.1
合計(千円)6,811,373152.1

(注)1.製品・サービス区分間の取引については相殺消去しております。
2.前事業年度及び当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における流動資産は3,004,621千円となり、前事業年度末に比べて1,041,381千円増加しました。これは主に、マザーズ市場上場に伴う公募増資等により現金及び預金が818,966千円増加したことに加え、売掛金が290,830千円増加、前渡金が144,586千円増加した一方で、預け金が224,108千円減少したことによるものであります。また、固定資産は1,467,531千円となり、前事業年度末に比べて258,855千円増加しました。これは主に、株式会社テラスカイ株式の保有目的区分変更により、関係会社株式から投資有価証券に科目変更を行っておりますが、当該株式の評価額の上昇に伴い同社株式が119,453千円増加したことに加えて、株式会社モンスター・ラボの株式取得により投資有価証券が99,995千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は1,437,044千円となり、前事業年度末に比べて1,795千円増加しました。これは主に、買掛金が359,842千円増加した一方で、短期借入金が300,000千円減少、未払法人税等が133,736千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は3,035,107千円となり、前事業年度末に比べて1,298,441千円増加しました。これは主に、マザーズ市場上場に伴う公募増資等により資本金及び資本準備金がそれぞれ440,497千円増加したことに加えて、株式会社テラスカイ株式の評価額の上昇に伴いその他有価証券評価差額金が84,965千円増加したことによるものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
2)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ2,333,494千円増加し6,811,373千円(前事業年度比52.1%増)となりました。これは主に、リセールが2,159,652千円増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ2,107,355千円増加し5,725,327千円(同58.2%増)となりました。これは主に、リセール売上にかかる仕入高が増加したことによるものであります。
以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べ226,138千円増加し1,086,045千円(同26.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ144,231千円増加し668,475千円(同27.5%増)となりました。これは主に、給料及び手当が32,301千円増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は、前事業年度に比べ81,906千円増加し417,570千円(同24.4%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度における営業外収益は前事業年度に比べ1,192千円増加し13,408千円(同9.8%増)となりました。これは主に、受取手数料が2,727千円増加した一方で、助成金収入が1,022千円減少したことによるものであります。また、営業外費用は、前事業年度に比べ2,479千円減少し9,764千円(同20.2%減)となりました。これは主に、株式交付費が1,495千円増加、為替差損が1,352千円増加した一方で、支払利息が2,958千円減少、株式公開費用が1,000千円減少したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ85,578千円増加し421,214千円(同25.5%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度における特別利益は37,943千円となりました。これは、投資有価証券売却益によるものであります。また、特別損失の発生はありません。
当事業年度における法人税等合計は、前事業年度に比べ60,192千円減少し125,776千円(同32.4%減)となりました。
以上の結果、当期純利益は前事業年度に比べ23,338千円減少し333,381千円(同6.5%減)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、AWSリセールにおける仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
なお、当社の資金の源泉は主に営業活動によるキャッシュ・フローによるものであります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」をご参照ください。当社では売上高及び営業利益を重要な指標としております。
当事業年度における売上高は前事業年度に比べて2,333,494千円増加し6,811,373千円(前事業年度比52.1%増)となりました。また、営業利益は、前事業年度に比べて81,906千円増加し417,570千円(同24.4%増)となりました。引き続きこれらの指標について増加するよう取り組んでまいります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容や外部環境、事業体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に業界動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
⑥経営戦略の現状と今後の見通し
経営戦略の現状と今後の見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑦経営者の問題認識と今後の方針について
当社が属する業界においては、今後より一層クラウドの普及が進むことで、オンプレミスベースの既存顧客企業を保有する大手企業等が相次いで市場に参入し、価格競争が激化することが予測されます。
このような状況下において、当社が更なる成長を実現し、持続的に成長していくために、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の内容について重点的に取り組んでいく方針であります。

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