有価証券報告書-第26期(2024/03/01-2025/02/28)

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2025/05/28 15:02
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144項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は15,222,436千円となり、前連結会計年度末に比べて1,694,637千円増加しました。これは主に、売掛金及び契約資産が940,512千円増加、前渡金が927,659千円増加、有価証券が590,451千円増加した一方で、現金及び預金が838,646千円減少したことによるものであります。また、固定資産は5,271,350千円となり、前連結会計年度末に比べて742,295千円増加しました。これは主に、投資有価証券が512,096千円増加、関係会社株式が225,190千円増加した一方で、のれんが113,234千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は8,709,173千円となり、前連結会計年度末に比べて1,589,429千円増加しました。これは主に、買掛金が1,070,777千円増加、契約負債が726,968千円増加の一方で、短期借入金が100,000千円減少したことによるものであります。また、固定負債は324,185千円となり、前連結会計年度末に比べて54,411千円増加しました。これは主に、繰延税金負債が54,411千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は11,460,428千円となり、前連結会計年度末に比べて793,091千円増加しました。これは主に、利益剰余金が677,331千円増加、その他有価証券評価差額金が200,502千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、一部に足踏みが残るものの、緩やかな回復が続くことが期待されています。一方で、アメリカの政策動向や欧米における高い金利水準の継続など、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクとなっています。また、為替相場の円安基調等を影響とする物価上昇を背景に、依然として先行き不透明な状況が続くと想定されます。
当社グループを取り巻く日本国内のクラウド市場は急速に成長しております。その背景や要因には、顧客サービス・顧客サポートの向上、顧客接点の多様化などを目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)やオムニチャネル(注2)化の推進、また、IoT(注3)やAI(注4)、特に大規模言語モデル(注5)に代表される生成AI(注6)などの最新技術が急激に進化したことによる大量のデータ収集や処理・分析など、企業が競争力強化や業務効率化のために様々な分野でクラウド技術やクラウドサービスの活用が増加していることが挙げられます。さらに、働き方改革やリモートワークの普及がクラウドを通じた業務環境の改善を後押しし、政府や自治体によるDX推進政策も市場拡大を支える要因となっています。これらの背景から、日本国内のクラウド市場は今後も成長が見込まれております。
また、世界的には、パブリッククラウド市場をけん引するAmazon Web Services(以下「AWS(注7)」)が、技術の進化とイノベーションを繰り返しながら、依然高い成長率と圧倒的シェアを維持して順調に市場を拡大しています。追随するGoogleやMicrosoftとの競争は、それぞれが独自の強みを活かしてクラウドサービスの拡充や改善に力を入れることで多様な選択・オプションが利用可能になり、顧客にとって多くの利益をもたらすとともにクラウドサービスの性能向上やクラウド市場の拡大に大きく寄与しております。
このような状況の中、当社グループは、クラウド専業インテグレーターとして、AWSを中心としたクラウド基盤に関するコンサルティング、基盤構築・運用、クラウドサービスの機能強化、並びにシェア獲得によるビジネスの拡大に尽力してまいりました。また、2024年7月1日付で、Google Cloud事業を展開する連結子会社である株式会社G-genと株式会社トップゲートの合併が完了し、Google Cloud事業において国内ナンバーワンを目指すべく新たにスタートいたしました。
さらに、企業のITインフラがますます複雑化し、その運用管理には高度な専門知識と技術が求められている中、高度なクラウド運用管理を専門的に運営する株式会社サーバーワークス・スマートオペレーションズを2025年3月に新潟市に設立することを決定いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は35,717,021千円(前期比29.8%増)、営業利益は1,072,076千円(前期比19.5%増)、経常利益は1,066,240千円(前期比3.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は677,331千円(前期比6.1%増)となりました。
なお、当社グループの事業はクラウド事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりませんが、製品・サービス別の業績の概要は以下のとおりであります。
(クラウドインテグレーション)
旧来のオンプレミスシステムから新たなクラウド環境への移行や複数のクラウドサービスを統合するハイブリッドクラウド戦略などを推進する企業が増加していることによってクラウド需要が更に拡大しており、また、生成AIやIoTなど高度な技術の活用により多様なデータ連携やシステムの最適化が必要となり、専門的な技術支援を求める企業が増え顧客獲得と受注が堅調に推移しました。以上の結果、売上高は2,272,750千円(前期比23.7%増)となりました。
(リセール)
既存顧客からの継続的な受注及び大口顧客のAWS利用料の増加によりARPU(注8)が堅調に推移するとともに、新規顧客の獲得もあってアカウント数も増加、また、セキュリティを中心とするサービス・ソフトウェアのライセンス販売、自社サービスの販売も堅調に推移しました。以上の結果、売上高は31,766,931千円(前期比31.4%増)となりました。
(MSP(注9))
クラウド需要の高まりに伴い、クラウド環境の運用や管理に関するニーズが拡大しており、企業はクラウド導入後の運用効率化やセキュリティ確保、コスト最適化のため、専門知識を持つ外部パートナーに依頼するケースが増えております。また、生成AIやIoTなどの先進技術の導入によりシステムの複雑性が増し、運用負担が高まっていることなどから受注が堅調に増加しました。以上の結果、売上高は1,665,057千円(前期比11.3%増)となりました。
(その他)
その他は、特定顧客向けサービスの縮小により、売上高は12,281千円(前期比70.5%増)となりました。
[用語解説]
(注1) デジタルトランスフォーメーション(DX): 企業がデジタルテクノロジーを活用して、ビジネスプロセスやカスタマーエクスペリエンス、組織文化などの様々な領域において革新的な変革を実現する取り組みのことを指します。
(注2) オムニチャネル: 企業が複数の販売チャネル(店舗、ウェブサイト、モバイルアプリなど)を統合して、顧客にとってシームレスな購買体験を提供する戦略のことを指します。
(注3) IoT:「Internet of Things」の略称であります。コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、相互に通信を行うことにより認識や制御を自動的に行うことを意味します。
(注4) AI:「Artificial Intelligence」の略称であります。日本では「人工知能」として知られております。従来から概念として広く知られた言葉ですが、膨大なデータの分析・解析・学習処理をクラウドベースで実現することにより現実味を帯びはじめています。
(注5) 大規模言語モデル:自然言語処理の分野で使用される深層学習モデルの一種であり、大量のテキストから言語パターンを学習するAIモデルで、テキスト生成や質問応答など多様なタスクに使用されます。
(注6) 生成AI:コンピュータが学習したデータを元に、新しいデータや情報をアウトプットする技術で、データからパターンを学び新しい情報やアイディアを生成するAIの一分野です。これには、テキスト、画像、音楽などの生成が含まれます。
(注7) AWS:「Amazon Web Services」の略称であります。Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services, Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称であります。
(注8) ARPU:「 Average Revenue Per User 」の略称であります。1社あたりの平均売上金額を表す数値であります。
(注9) MSP:「Managed Service Provider」の略称であります。顧客がAWS上に展開した仮想サーバーやネットワークの監視・運用・保守等を請け負うサービスであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ8,206,275千円増加し、35,717,021千円(前期比29.8%増)となりました。これは主に、リセールが7,595,903千円増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ7,637,466千円増加し、31,612,857千円(前期比31.9%増)となりました。これは主に、リセール売上にかかる仕入高の増加によるものであります。
以上の結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ568,808千円増加し、4,104,164千円(前期比16.1%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ394,217千円増加し、3,032,088千円(前期比14.9%増)となりました。これは主に、人件費の増加によるものであります。
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ174,590千円増加し、1,072,076千円(前期比19.5%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ37,608千円増加し、229,478千円(前期比19.6%増)となりました。これは主に、受取利息が63,989千円増加した一方で、為替差益が41,004千円減少したことによるものであります。
また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ178,645千円増加し、235,314千円(前期比315.2%増)となりました。これは主に、持分法による投資損失が141,656千円増加したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ33,553千円増加し、1,066,240千円(前期比3.2%増)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別損失は、前連結会計年度に比べ64,751千円減少し、97,523千円(前期比39.9%減)となりました。これは、主に特別功労金が49,100千円、役員退職特別功労引当金繰入額が34,000千円減少した一方で、投資有価証券評価損が21,502千円増加したことによるものであります。また、特別利益の発生はありません。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等合計は、前連結会計年度に比べ24,274千円増加し、269,705千円(前期比9.9%増)となり、非支配株主に帰属する当期純利益は35,058千円増加し、21,680千円(前期は非支配株主に帰属する当期純損失13,377千円)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ38,971千円増加し、677,331千円(前期比6.1%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は6,041,973千円となり、前連結会計年度末に比べて838,646千円減少しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は906,594千円(前連結会計年度は1,725,470千円の収入)となりました。これは主に仕入債務の増加額1,070,777千円、税金等調整前当期純利益968,717千円、契約負債の増加額726,968千円、利息及び配当金の受取額149,331千円、持分法による投資損失143,409千円等があった一方で、売上債権及び契約資産の増加額940,512千円、前渡金の増加額927,659千円、法人税等の支払額444,816千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,453,379千円(前連結会計年度は439,401千円の支出)となりました。これは主に有価証券の取得による支出598,520千円、投資有価証券の取得による支出423,466千円、関係会社株式の取得による支出300,600千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は227,252千円(前連結会計年度は121,436千円の収入)となりました。これは非支配株主からの払込みによる収入450,020千円、株式の発行による収入7,734千円があった一方で、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出585,007千円、短期借入金の返済による支出100,000千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当社グループは「クラウド事業」の単一セグメントとしておりますが、当連結会計年度の販売実績を製品・サービス区分ごとに示すと次のとおりであります。
製品・サービス区分の名称当連結会計年度
(自 2024年3月1日
至 2025年2月28日)
前年同期比(%)
クラウドインテグレーション(千円)2,272,750123.7
リセール(千円)31,766,931131.4
MSP(千円)1,665,057111.3
その他(千円)12,281170.5
合計(千円)35,717,021129.8

(注) 1.製品・サービス区分間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「② 経営成績の状況」に記載しております。また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、リセールにおける仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、継続的なソフトウエアの開発及び投資有価証券の取得等によるものであります。なお、当社グループの資金の源泉は主に新株の発行及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.受注損失引当金
受注損失引当金は、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注契約のうち、将来の損失発生が見込まれ、かつ、当該損失を合理的に見積ることが可能なものについては、翌連結会計年度以降の損失見込額を計上しております。当該損失見込額は将来の工数等の見積りに依存するため、見積りの前提となる条件や仮定に変更が生じた場合には引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b.投資有価証券
投資有価証券のうち時価のあるものについては、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合、時価のないものについては、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合につき、将来の回復の可能性を検討し、評価損を計上することとしております。将来、時価又は実質価額が下落し、回復可能性がないと判断した場合には、減損処理する可能性があります。
c.株式会社G-genののれんの評価
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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