有価証券報告書-第27期(2025/03/01-2026/02/28)

【提出】
2026/05/25 15:33
【資料】
PDFをみる
【項目】
165項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は15,567,069千円となり、前連結会計年度末に比べて344,632千円増加しました。これは主に、現金及び預金が603,519千円増加、売掛金及び契約資産が590,238千円増加した一方で、有価証券が590,451千円減少、前渡金が314,800千円減少したことによるものであります。また、固定資産は4,691,877千円となり、前連結会計年度末に比べて579,473千円減少しました。これは主に、のれんが797,330千円減少、関係会社株式が144,276千円減少した一方で、投資有価証券が193,625千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は10,010,406千円となり、前連結会計年度末に比べて1,301,233千円増加しました。これは主に、買掛金が754,817千円増加、短期借入金が720,000千円増加した一方で、契約負債が467,234千円減少したことによるものであります。また、固定負債は513,335千円となり、前連結会計年度末に比べて189,150千円増加しました。これは主に、繰延税金負債が120,065千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は9,735,204千円となり、前連結会計年度末に比べて1,725,224千円減少しました。これは主に、利益剰余金が600,957千円減少、自己株式の取得により自己株式が1,116,926千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかに回復しております。一方で、米国の通商政策をめぐる動向による景気の下押しリスクに加え、為替相場における円安基調の継続や不安定な変動、金融資本市場の動向等の影響には引き続き注意が必要であり、先行き不透明な状況が続くものと想定されます。
当社グループを取り巻く日本国内のクラウド市場は、引き続き急速な成長軌道にあり、その背景にはデジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)やオムニチャネル(注2)化による顧客接点の高度化に加え、AI技術の劇的な進化が挙げられます。
特に2026年初めの生成AI分野での技術進展(いわゆる「アンソロピック・ショック」など)に象徴されるAIモデルの飛躍的進化は社会やビジネスのあり方を根本から変容させつつあります。しかしながら、AIの進化は膨大な計算リソースと高度なデータ基盤を必要とするため、クラウドビジネスを専業とする当社グループにとって、この変化は極めてポジティブな追い風であると認識しております。AIが高度化・複雑化するほど、その安定的な実行基盤としてのクラウドの重要性は増しており、AIの進化はクラウド市場の成長を更に加速させる強力なエンジンとなっています。また、企業のAI対応は急務となっており、当社グループにおいてもAI関連プロジェクトの引き合いが急増していることを受け、Amazon Web Services(以下「AWS(注3)」)でのAIコンピテンシー認定を取得し、AI活用を前提としたインフラ構築・運用の体制整備を急ピッチで進めております。
世界的には、パブリッククラウド市場をけん引するAWSが、技術の進化とイノベーションを繰り返しながら、依然高い成長率と圧倒的シェアを維持して順調に市場を拡大しています。追随するGoogleやMicrosoftとの競争は、それぞれが独自の強みを活かしてクラウドサービスの拡充や改善に力を入れることで多様な選択・オプションが利用可能になり、顧客にとって多くの利益をもたらすとともにクラウドサービスの性能向上やクラウド市場の拡大に大きく寄与しております。
このような状況の中、当社グループは、2025年4月に中期経営方針(FY26-FY28)を公表するとともに、2023年に締結されたAWSとの戦略的協業契約を中心戦略としたクラウド基盤に関するコンサルティング、基盤構築・運用、クラウドサービスの機能強化に加えて、生成AIを活用した新たなサービス展開やセキュリティ領域における付加価値の強化、アライアンスによる海外展開に取り組むなどビジネス拡大に尽力してまいりました。また、Google Cloud事業を展開する連結子会社である株式会社G-genのほか、高度なクラウド運用管理を専門的に運営する株式会社サーバーワークス・スマートオペレーションズを2025年3月に新潟市に設立いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は40,006,534千円(前期比12.0%増)と前期比で増収となった一方で、一過性の不採算プロジェクトの影響により営業利益は625,262千円(前期比41.7%減)、経常利益は766,168千円(前期比28.1%減)と減益となり、のれんの一括償却等に伴う特別損失等により親会社株主に帰属する当期純損失は600,957千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益677,331千円)となりました。
なお、当社グループの事業はクラウド事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりませんが、製品・サービス別の業績の概要は以下のとおりであります。
(クラウドインテグレーション)
旧来のオンプレミスシステムから新たなクラウド環境への移行や複数のクラウドサービスを統合するハイブリッドクラウド戦略などを推進する企業が増加していることによってクラウド需要が更に拡大しており、また、生成AIやIoTなど高度な技術の活用により多様なデータ連携やシステムの最適化が必要となり、専門的な技術支援を求める企業が増え顧客獲得と受注が堅調に推移しました。一方で、大規模かつ複雑なクラウドインテグレーション案件が増加していることから、将来のリスクに備えて一部案件で受注損失の引当を行いました。これは、当社グループがより大規模で高難度の案件を手掛ける機会が拡大していることの表れでもあり、今後の事業規模拡大に資する前向きなものと捉えております。以上の結果、売上高は2,367,675千円(前期比4.2%増)となりました。
(リセール)
既存顧客からの継続的な受注及び大口顧客のAWS利用料の増加によりARPU(注4)が堅調に推移するとともに、新規顧客の獲得もあってアカウント数も増加しました。加えて、クラウドインテグレーション案件の大型化に伴い、リセールにおけるAWS利用料も大規模なものが増加しており、当社グループの収益基盤の拡大に寄与しております。一方で、案件の大型化に伴い戦略的なディスカウント案件も増加していますが、現時点ではアカウントを獲得することを優先方針として営業活動を行ってまいりました。また、セキュリティを中心とするサービス・ソフトウェアのライセンス販売、自社サービスの販売も堅調に推移しました。以上の結果、売上高は35,877,350千円(前期比12.9%増)となりました。
(MSP(注5))
クラウド需要の高まりに伴い、クラウド環境の運用や管理に関するニーズが拡大しており、企業はクラウド導入後の運用効率化やセキュリティ確保、コスト最適化のため、専門知識を持つ外部パートナーに依頼するケースが増えております。また、生成AIやIoTなどの先進技術の導入によりシステムの複雑性が増し、運用負担が高まっていることなどから受注が堅調に増加しました。特に、MSP事業は当社グループ事業区分の中で最も利益率が高く、収益性をけん引する重要な柱となっております。以上の結果、売上高は1,731,316千円(前期比4.0%増)となりました。
(その他)
その他は、特定顧客向けサービスの提供により、売上高は30,192千円(前期比145.8%増)となりました。
[用語解説]
(注1) デジタルトランスフォーメーション(DX): 企業がデジタルテクノロジーを活用して、ビジネスプロセスやカスタマーエクスペリエンス、組織文化などの様々な領域において革新的な変革を実現する取り組みのことを指します。
(注2) オムニチャネル: 企業が複数の販売チャネル(店舗、ウェブサイト、モバイルアプリなど)を統合して、顧客にとってシームレスな購買体験を提供する戦略のことを指します。
(注3) AWS:「Amazon Web Services」の略称であります。Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services, Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称であります。
(注4) ARPU:「 Average Revenue Per User 」の略称であります。1社あたりの平均売上金額を表す数値であります。
(注5) MSP:「Managed Service Provider」の略称であります。顧客がAWS上に展開した仮想サーバーやネットワークの監視・運用・保守等を請け負うサービスであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ4,289,513千円増加し、40,006,534千円(前期比12.0%増)となりました。これは主に、リセールが4,110,419千円増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ4,749,319千円増加し、36,362,176千円(前期比15.0%増)となりました。これは主に、リセール売上にかかる仕入高の増加によるものであります。
以上の結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ459,806千円減少し、3,644,357千円(前期比11.2%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ12,992千円減少し、3,019,095千円(前期比0.4%減)となりました。これは主に、人件費が増加した一方で、業務委託費が減少したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ446,813千円減少し、625,262千円(前期比41.7%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ66,203千円増加し、295,682千円(前期比28.8%増)となりました。これは主に、受取利息が18,376千円減少した一方で、受取手数料が25,379千円増加、為替差益が24,250千円増加したことによるものであります。
また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ80,537千円減少し、154,776千円(前期比34.2%減)となりました。これは主に、持分法による投資損失が98,481千円減少したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ300,072千円減少し、766,168千円(前期比28.1%減)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別利益は、45,378千円となりました。これは、主に臨時収益38,614千円によるものであります。
また、特別損失は、前連結会計年度に比べ769,352千円増加し、866,875千円(前期比788.9%増)となりました。これは、主にのれん償却額742,966千円によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等合計は、前連結会計年度に比べ275,923千円増加し、545,628千円(前期比102.3%増)となり、非支配株主に帰属する当期純利益は21,680千円減少し、-千円(前期は非支配株主に帰属する当期純利益21,680千円)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は600,957千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益677,331千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は6,645,493千円となり、前連結会計年度末に比べて603,519千円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は765,814千円(前連結会計年度は906,594千円の収入)となりました。これは主にのれん償却額797,330千円、仕入債務の増加額754,817千円、前渡金の減少額314,800千円等があった一方で、売上債権及び契約資産の増加額590,495千円、契約負債の減少額467,234千円、法人税等の支払額345,474千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は156,907千円(前連結会計年度は1,453,379千円の支出)となりました。これは主に有価証券の償還による収入598,520千円等があった一方で、投資有価証券の取得による支出374,517千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は398,620千円(前連結会計年度は227,252千円の支出)となりました。これは主に短期借入れによる収入720,000千円等があった一方で、自己株式の取得による支出1,128,094千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当社グループは「クラウド事業」の単一セグメントとしておりますが、当連結会計年度の販売実績を製品・サービス区分ごとに示すと次のとおりであります。
製品・サービス区分の名称当連結会計年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
前年同期比(%)
クラウドインテグレーション(千円)2,367,675104.2
リセール(千円)35,877,350112.9
MSP(千円)1,731,316104.0
その他(千円)30,192245.8
合計(千円)40,006,534112.0

(注) 1.製品・サービス区分間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「② 経営成績の状況」に記載しております。また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、リセールにおける仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、継続的なソフトウエアの開発及び投資有価証券の取得等によるものであります。なお、当社グループの資金の源泉は主に営業活動によるキャッシュ・フローによるものであり、必要に応じて金融機関からの短期借入金による調達も行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。