有価証券報告書-第23期(令和1年12月1日-令和2年11月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、年初は雇用・所得環境の改善から緩やかな回復基調にあったものの、感染症の世界的な流行により企業活動や個人消費が低迷し、経済活動が急速に悪化しました。世界中で感染症の流行拡大が続いており、収束の見通しも立っていないことから、国内経済のみならず世界経済の停滞は長引くことが懸念されます。
国内の食品業界においても、外出自粛やインバウンド消費の減少などの影響により、外食・レジャー産業向けの業務用食品の需要は大幅に減少しました。その一方で、「巣ごもり消費」と称される家庭内で消費される食品(内食)の需要が拡大しました。中でもヨーグルトに代表される乳製品は、健康意識の高まりなどにより需要は一年を通じて堅調に推移しました。
このような状況のもと、当社国内販売においては乳原料・チーズ部門及び食肉加工品部門ともに、内食需要向けの原料販売が拡大したものの、外食など業務用食品向けの販売が伸び悩んだことから、全体の販売は数量・金額ともに伸び悩みました。一方、アジア事業においては、外食向けなど一部で需要減の影響があったものの、食品メーカーや飲料メーカー向けの販売が好調に推移し、乳原料販売部門、チーズ製造販売部門ともに引き続きグループの業績に貢献しました。
以上の結果、当連結会計年度末の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ47億65百万円減少し、433億69百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ63億92百万円減少し、257億77百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ16億27百万円増加し、175億92百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は売上高1,108億37百万円(前期比5.1%減)、営業利益29億58百万円(同5.9%減)、経常利益27億80百万円(同1.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益20億62百万円(同5.1%増)となりました。
各事業別の状況は、次のとおりであります。
(乳原料・チーズ)
乳原料・チーズの販売数量は、191,575トン(前期比6.1%減)となり、売上高は783億30百万円(前期比8.1%減)となりました。
(食肉加工品)
食肉加工品の販売数量は21,925トン(前期比1.8%増)となり、売上高は118億95百万円(前期比3.1%減)となりました。
(アジア事業・その他)
アジア事業の乳原料販売部門においては、販売数量は60,159トン(前期比0.4%増)となり、売上高は170億25百万円(前期比6.2%増)となりました。
アジア事業のチーズ製造販売部門においては、販売数量は4,197トン(前期比12.3%増)、売上高は28億95百万円(前期比9.2%増)となりました。
以上の結果、アジア事業・その他の売上高は206億11百万円(前期比6.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ5億61百万円増加し、45億8百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、45億34百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益を27億80百万円計上したこと及び前連結会計年度末が休日であった影響もあり、売上債権が38億60百万円減少、仕入債務が28億18百万円減少、たな卸資産が15億30百万円減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、1億36百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1億54百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、37億64百万円となりました。これは長期借入れによる収入52億円があったものの、長期借入金の返済76億13百万円、短期借入金の返済6億円、社債の償還による支出4億50百万円がそれぞれあったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績および受注実績
当社グループではアジア事業においてチーズの製造販売を行っておりますが、金額の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
b.販売実績
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。
(注) 1.アジア事業・その他は、機能性食品原料販売、アジア事業とアジア事業以外の海外子会社(LACTO USA INC.及びLACTO OCEANIA PTY. LTD.、LACTO EUROPE B.V.)の合計であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、会計上の見積りに対する感染症の影響に関して、収束時期などを想定することは困難であるものの、外出自粛等による経済停滞の影響が2021年11月期の一定期間にわたり継続すると仮定して当連結会計年度(2020年11月期)の会計上の見積りを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ47億65百万円減少し、433億69百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産合計は、前連結会計年度末と比べ51億51百万円減少し、406億23百万円となりました。この主な要因は、休日の影響により「受取手形及び売掛金」が40億2百万円減少したこと、販売減少に伴い「商品及び製品」が16億9百万円減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ3億86百万円増加し、27億46百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が1億22百万円増加したこと、投資その他の資産が2億73百万円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ72億59百万円減少し、199億39百万円となりました。この主な要因は、買掛金、短期借入金が減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ8億66百万円増加し、58億38百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ16億27百万円増加し、175億92百万円となりました。この主な要因は、「利益剰余金」が18億46百万円増加したことによるものです。
これらの結果、自己資本比率は40.4%となり、1株当たり純資産額は、1,774円58銭となりました。
2) 経営成績
(売上高)
各事業別の売上高の対前期比は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。
なお、当社の売上高は、商品相場や為替相場により変動することがありますので、乳原料・チーズ部門および食肉加工品部門における業績管理の指標として、販売数量も重視しております。当該数量の過去5年間の推移は以下のとおりとなっております。
単位:トン
(売上総利益)
売上総利益は、商品相場の下落や感染症の影響によりプロダクトミックスが悪化したことに伴い、66億26百万円(前年同期比2.6%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、36億67百万円(前年同期比0.3%増)と増加しました。
この主な要因は、感染症により出張費や接待費が減少した一方で、人員増による人件費の増加、物流コスト増加による発送配達費の増加などによるものです。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は、29億58百万円(前年同期比5.9%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、営業利益の減少はあったものの、借入金の減少に伴う支払利息の減少等により、27億80百万円(前年同期比1.2%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は27億80百万円(前年同期比1.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は20億62百万円(前年同期比5.1%増)となりました。
これらの結果、1株当たり当期純利益金額は209円47銭となりました。また、自己資本利益率は、12.3%となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社の主要な取扱製品である乳原料およびチーズの販売価格は、国際乳製品価格の動向ならびに為替相場の影響を受けております。当社では、仕入契約ならびに販売契約を同時期に行うことで商品価格の変動リスクを回避し、さらに外貨建て仕入債務についても契約時点で為替予約を締結することで、為替変動リスクを回避しております。しかしながら、国際乳製品価格の低下、もしくは円高進行時においては仕入単価の低下を通じ販売単価も低下(売上減)し、反対に国際乳製品価格の上昇、もしくは円安進行時においては仕入単価の上昇を通じて販売単価も上昇(売上増)します。このように、当社では商品相場ならびに為替相場の動向により売上高が増減いたしますが、上記のとおり、リスクヘッジを着実に実行し、さらには販売数量を伸ばすことで利益を確保し、着実な成長を図ってまいります。
当社グループが今後も持続的に成長していくためには、従前の日本国内の食品メーカー向けの原料販売に加え、今後需要増が見込まれる高齢者向けに健康を訴求した食品原料の開発や日本に紹介されていない新機能海外原料の紹介、さらには経済発展が進むアジア諸国(中国、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア等)に対する乳原料やプロセスチーズの販売に積極的に取り組んでまいります。こうした取り組みで持続的な成長をより堅固なものとすべく、適切なパートナー選び、グローバルな視点で活躍できる人材の育成と獲得、教育研修制度の拡充などを通じて“組織力”の強化・整備を進め当社グループのすべての取引先からの信頼を向上させていく所存です。
c.資本の財源および資金の流動性
資金需要:
当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉加工品部門およびアジア事業・その他における卸売部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのため、業容の拡大イコール運転資金の増加につながります。こうした運転資金が主たる資金需要となっております。
また、アジア事業・チーズ製造販売部門拡大(製造ラインの拡充、新工場設置などの設備増強)を中長期的に想定しております。
財務政策:
事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出に努めるとともに、現状では、金融機関からの借入および社債の発行を中心に資金を調達しております。資金調達にあたっては、その必要性や実施時期を十分に検討の上、金利や期間といった調達条件やコスト等を勘案しながら、最終的には財務体質の健全性確保の観点から、その時点で最も適切と考えられる方法を採用しております。また、当社は、主要取引金融機関と総額210億円のコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結しており、機動的な資金調達の対応が可能となっております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、商品相場や為替相場の変動による影響を直接受けない販売数量を客観的な指標として重視しております。また、株主の皆様からお預かりしている資金の効果的な運用を示すROE等の経営指標を着実に向上させていく所存です。
e.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。
(乳原料・チーズ)
今年度は、主要な生乳生産地域であるオセアニア、EU、米国において、いずれも気候条件が良く、生乳生産量は概ね好調に推移しました。一方消費面においては、世界的な感染症拡大により、各地域において外食需要が低迷するなど、年間を通じて乳製品原料の需給は軟調に推移することとなりました。
日本では、感染症拡大により一定期間小中学校で休校措置がとられたことで、学校給食向けの牛乳需要が一時消失する事態となりました。乳業メーカー各社は、この対応策として、保存可能な脱脂粉乳やバターの生産を増やしたため、国産の乳製品原料在庫は急増し、高い水準のまま推移しました。加えて、感染症拡大による移動制限や外出自粛により、国内消費の大きな割合を占める外食・レジャー産業向けの業務用乳製品需要が激減したことなどもあり、輸入乳製品原料の国内販売は年間を通じて苦戦を強いられることとなりました。
このような事業環境ではありましたが、当社はグローバルに展開しているサプライネットワークを駆使して安定供給を継続するとともに、価格面でも競争力のある商品の販売を行ったことで、全体の輸入数量が減少する中で高いシェアを維持することができました。また、外食業界向けの販売割合が比較的多いチーズにおいても、「巣ごもり消費」で好調な小売り向け販売の強化などにより、外食向け販売の減少を一部補うことができました。
その結果、乳原料・チーズ部門の販売数量は、191,575トン(前期比6.1%減)、売上高は、販売数量の減少に加えて、仕入単価の下落(原料安・円高、関税低減)の影響から販売単価が下落したこともあり、783億30百万円(前期比8.1%減)となりました。
(食肉加工品)
当社の輸入ポーク事業のうち、チルドポークの販売は、主要取引先における輸入取引方針の変更を受けたことで前年と比較して、売上高、販売数量ともに減少することとなりました。一方、フローズンポークの販売においては、「巣ごもり消費」増加により家庭用向けハム・ソーセージの需要が拡大し、原料肉の需要が急増しました。この需要増に対しては、近年取り組んでまいりました販売先の拡充策などが功を奏し、売上高、販売数量ともに増加しました。その結果、輸入ポーク事業全体としては、感染症拡大の中でも売上高、販売数量はともに前年比で微減にとどまりました。なお、利益については、高利益率商品の販売増などにより前年比で増加しております。
また輸入ポーク事業以外に関しましては、生ハム等の加工品販売が、外食業界の需要減から厳しい環境となりましたが、牛肉やその他の食肉加工品など取扱商品の拡充が着実に進捗しています。その結果、食肉加工品部門の販売数量は、21,925トン(前期比1.8%増)、売上高は円高の影響もあり、118億95百万円(前期比3.1%減)となりました。
(アジア事業・その他)
アジア事業の乳原料販売部門においては、日本向けの原料販売が感染症の影響で伸び悩みましたが、アジア地域向けの販売は大半が小売り向け製品を販売している食品メーカー向けということもあり、感染症拡大下でも大きな影響を受けることなく堅調に推移しました。また、新規顧客の開拓においても、リモートによる営業活動の積極展開により、中国、フィリピン、マレーシア、台湾、タイ等で取引が開始し、販売を拡大することができました。
その結果、アジア事業乳原料販売部門の販売数量は、60,159トン(前期比0.4%増)、売上高は、170億25百万円(前期比6.2%増)となりました。
また、アジア事業のチーズ製造販売部門においては、感染症拡大で外食業界向け販売が一時苦戦したものの、食品メーカー向けの販売が伸張し、売上高、販売数量ともに過去最高の結果となりました。特に食品メーカー向けの販売では、現地のロックダウン期間中においても、冷凍食品や保存食品向けのプロセスチーズの販売が大きく伸張しました。
その結果、アジア事業チーズ製造販売部門の販売数量は、4,197トン(前期比12.3%増)、売上高は、28億95百万円(前期比9.2%増)となりました。
その他事業として今年度から開始した機能性食品原料販売においては、感染症拡大の影響で国内市況が低迷したことやインバウンド需要の減少などもあり、厳しい事業環境となりました。その中で、健康を志向する消費者のニーズにより乳たんぱく原料の販売が想定を上回る進捗となりました。
以上の結果、アジア事業・その他の売上高は、206億11百万円(前期比6.8%増)となりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、年初は雇用・所得環境の改善から緩やかな回復基調にあったものの、感染症の世界的な流行により企業活動や個人消費が低迷し、経済活動が急速に悪化しました。世界中で感染症の流行拡大が続いており、収束の見通しも立っていないことから、国内経済のみならず世界経済の停滞は長引くことが懸念されます。
国内の食品業界においても、外出自粛やインバウンド消費の減少などの影響により、外食・レジャー産業向けの業務用食品の需要は大幅に減少しました。その一方で、「巣ごもり消費」と称される家庭内で消費される食品(内食)の需要が拡大しました。中でもヨーグルトに代表される乳製品は、健康意識の高まりなどにより需要は一年を通じて堅調に推移しました。
このような状況のもと、当社国内販売においては乳原料・チーズ部門及び食肉加工品部門ともに、内食需要向けの原料販売が拡大したものの、外食など業務用食品向けの販売が伸び悩んだことから、全体の販売は数量・金額ともに伸び悩みました。一方、アジア事業においては、外食向けなど一部で需要減の影響があったものの、食品メーカーや飲料メーカー向けの販売が好調に推移し、乳原料販売部門、チーズ製造販売部門ともに引き続きグループの業績に貢献しました。
以上の結果、当連結会計年度末の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ47億65百万円減少し、433億69百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ63億92百万円減少し、257億77百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ16億27百万円増加し、175億92百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は売上高1,108億37百万円(前期比5.1%減)、営業利益29億58百万円(同5.9%減)、経常利益27億80百万円(同1.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益20億62百万円(同5.1%増)となりました。
各事業別の状況は、次のとおりであります。
(乳原料・チーズ)
乳原料・チーズの販売数量は、191,575トン(前期比6.1%減)となり、売上高は783億30百万円(前期比8.1%減)となりました。
(食肉加工品)
食肉加工品の販売数量は21,925トン(前期比1.8%増)となり、売上高は118億95百万円(前期比3.1%減)となりました。
(アジア事業・その他)
アジア事業の乳原料販売部門においては、販売数量は60,159トン(前期比0.4%増)となり、売上高は170億25百万円(前期比6.2%増)となりました。
アジア事業のチーズ製造販売部門においては、販売数量は4,197トン(前期比12.3%増)、売上高は28億95百万円(前期比9.2%増)となりました。
以上の結果、アジア事業・その他の売上高は206億11百万円(前期比6.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ5億61百万円増加し、45億8百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、45億34百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益を27億80百万円計上したこと及び前連結会計年度末が休日であった影響もあり、売上債権が38億60百万円減少、仕入債務が28億18百万円減少、たな卸資産が15億30百万円減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、1億36百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1億54百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、37億64百万円となりました。これは長期借入れによる収入52億円があったものの、長期借入金の返済76億13百万円、短期借入金の返済6億円、社債の償還による支出4億50百万円がそれぞれあったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績および受注実績
当社グループではアジア事業においてチーズの製造販売を行っておりますが、金額の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
b.販売実績
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。
| 区分の名称 | 当連結会計年度 (自 2019年12月1日 至 2020年11月30日) | 前年同期比(%) |
| 乳原料・チーズ(千円) | 78,330,597 | 91.9 |
| 食肉加工品(千円) | 11,895,452 | 96.9 |
| アジア事業・その他(千円) | 20,611,485 | 106.8 |
| 合計(千円) | 110,837,536 | 94.9 |
(注) 1.アジア事業・その他は、機能性食品原料販売、アジア事業とアジア事業以外の海外子会社(LACTO USA INC.及びLACTO OCEANIA PTY. LTD.、LACTO EUROPE B.V.)の合計であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、会計上の見積りに対する感染症の影響に関して、収束時期などを想定することは困難であるものの、外出自粛等による経済停滞の影響が2021年11月期の一定期間にわたり継続すると仮定して当連結会計年度(2020年11月期)の会計上の見積りを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ47億65百万円減少し、433億69百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産合計は、前連結会計年度末と比べ51億51百万円減少し、406億23百万円となりました。この主な要因は、休日の影響により「受取手形及び売掛金」が40億2百万円減少したこと、販売減少に伴い「商品及び製品」が16億9百万円減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ3億86百万円増加し、27億46百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が1億22百万円増加したこと、投資その他の資産が2億73百万円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ72億59百万円減少し、199億39百万円となりました。この主な要因は、買掛金、短期借入金が減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ8億66百万円増加し、58億38百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ16億27百万円増加し、175億92百万円となりました。この主な要因は、「利益剰余金」が18億46百万円増加したことによるものです。
これらの結果、自己資本比率は40.4%となり、1株当たり純資産額は、1,774円58銭となりました。
2) 経営成績
(売上高)
各事業別の売上高の対前期比は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。
なお、当社の売上高は、商品相場や為替相場により変動することがありますので、乳原料・チーズ部門および食肉加工品部門における業績管理の指標として、販売数量も重視しております。当該数量の過去5年間の推移は以下のとおりとなっております。
単位:トン
| 販売数量 | 2016年11月期 | 2017年11月期 | 2018年11月期 | 2019年11月期 | 2020年11月期 |
| 乳原料・チーズ | 148,091 | 172,885 | 198,445 | 204,105 | 191,575 |
| 食肉加工品 | 28,029 | 26,349 | 21,595 | 21,532 | 21,925 |
| 合計 | 176,120 | 199,234 | 220,040 | 225,637 | 213,500 |
(売上総利益)
売上総利益は、商品相場の下落や感染症の影響によりプロダクトミックスが悪化したことに伴い、66億26百万円(前年同期比2.6%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、36億67百万円(前年同期比0.3%増)と増加しました。
この主な要因は、感染症により出張費や接待費が減少した一方で、人員増による人件費の増加、物流コスト増加による発送配達費の増加などによるものです。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は、29億58百万円(前年同期比5.9%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、営業利益の減少はあったものの、借入金の減少に伴う支払利息の減少等により、27億80百万円(前年同期比1.2%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は27億80百万円(前年同期比1.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は20億62百万円(前年同期比5.1%増)となりました。
これらの結果、1株当たり当期純利益金額は209円47銭となりました。また、自己資本利益率は、12.3%となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社の主要な取扱製品である乳原料およびチーズの販売価格は、国際乳製品価格の動向ならびに為替相場の影響を受けております。当社では、仕入契約ならびに販売契約を同時期に行うことで商品価格の変動リスクを回避し、さらに外貨建て仕入債務についても契約時点で為替予約を締結することで、為替変動リスクを回避しております。しかしながら、国際乳製品価格の低下、もしくは円高進行時においては仕入単価の低下を通じ販売単価も低下(売上減)し、反対に国際乳製品価格の上昇、もしくは円安進行時においては仕入単価の上昇を通じて販売単価も上昇(売上増)します。このように、当社では商品相場ならびに為替相場の動向により売上高が増減いたしますが、上記のとおり、リスクヘッジを着実に実行し、さらには販売数量を伸ばすことで利益を確保し、着実な成長を図ってまいります。
当社グループが今後も持続的に成長していくためには、従前の日本国内の食品メーカー向けの原料販売に加え、今後需要増が見込まれる高齢者向けに健康を訴求した食品原料の開発や日本に紹介されていない新機能海外原料の紹介、さらには経済発展が進むアジア諸国(中国、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア等)に対する乳原料やプロセスチーズの販売に積極的に取り組んでまいります。こうした取り組みで持続的な成長をより堅固なものとすべく、適切なパートナー選び、グローバルな視点で活躍できる人材の育成と獲得、教育研修制度の拡充などを通じて“組織力”の強化・整備を進め当社グループのすべての取引先からの信頼を向上させていく所存です。
c.資本の財源および資金の流動性
資金需要:
当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉加工品部門およびアジア事業・その他における卸売部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのため、業容の拡大イコール運転資金の増加につながります。こうした運転資金が主たる資金需要となっております。
また、アジア事業・チーズ製造販売部門拡大(製造ラインの拡充、新工場設置などの設備増強)を中長期的に想定しております。
財務政策:
事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出に努めるとともに、現状では、金融機関からの借入および社債の発行を中心に資金を調達しております。資金調達にあたっては、その必要性や実施時期を十分に検討の上、金利や期間といった調達条件やコスト等を勘案しながら、最終的には財務体質の健全性確保の観点から、その時点で最も適切と考えられる方法を採用しております。また、当社は、主要取引金融機関と総額210億円のコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結しており、機動的な資金調達の対応が可能となっております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、商品相場や為替相場の変動による影響を直接受けない販売数量を客観的な指標として重視しております。また、株主の皆様からお預かりしている資金の効果的な運用を示すROE等の経営指標を着実に向上させていく所存です。
e.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉加工品等の輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性および各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。
(乳原料・チーズ)
今年度は、主要な生乳生産地域であるオセアニア、EU、米国において、いずれも気候条件が良く、生乳生産量は概ね好調に推移しました。一方消費面においては、世界的な感染症拡大により、各地域において外食需要が低迷するなど、年間を通じて乳製品原料の需給は軟調に推移することとなりました。
日本では、感染症拡大により一定期間小中学校で休校措置がとられたことで、学校給食向けの牛乳需要が一時消失する事態となりました。乳業メーカー各社は、この対応策として、保存可能な脱脂粉乳やバターの生産を増やしたため、国産の乳製品原料在庫は急増し、高い水準のまま推移しました。加えて、感染症拡大による移動制限や外出自粛により、国内消費の大きな割合を占める外食・レジャー産業向けの業務用乳製品需要が激減したことなどもあり、輸入乳製品原料の国内販売は年間を通じて苦戦を強いられることとなりました。
このような事業環境ではありましたが、当社はグローバルに展開しているサプライネットワークを駆使して安定供給を継続するとともに、価格面でも競争力のある商品の販売を行ったことで、全体の輸入数量が減少する中で高いシェアを維持することができました。また、外食業界向けの販売割合が比較的多いチーズにおいても、「巣ごもり消費」で好調な小売り向け販売の強化などにより、外食向け販売の減少を一部補うことができました。
その結果、乳原料・チーズ部門の販売数量は、191,575トン(前期比6.1%減)、売上高は、販売数量の減少に加えて、仕入単価の下落(原料安・円高、関税低減)の影響から販売単価が下落したこともあり、783億30百万円(前期比8.1%減)となりました。
(食肉加工品)
当社の輸入ポーク事業のうち、チルドポークの販売は、主要取引先における輸入取引方針の変更を受けたことで前年と比較して、売上高、販売数量ともに減少することとなりました。一方、フローズンポークの販売においては、「巣ごもり消費」増加により家庭用向けハム・ソーセージの需要が拡大し、原料肉の需要が急増しました。この需要増に対しては、近年取り組んでまいりました販売先の拡充策などが功を奏し、売上高、販売数量ともに増加しました。その結果、輸入ポーク事業全体としては、感染症拡大の中でも売上高、販売数量はともに前年比で微減にとどまりました。なお、利益については、高利益率商品の販売増などにより前年比で増加しております。
また輸入ポーク事業以外に関しましては、生ハム等の加工品販売が、外食業界の需要減から厳しい環境となりましたが、牛肉やその他の食肉加工品など取扱商品の拡充が着実に進捗しています。その結果、食肉加工品部門の販売数量は、21,925トン(前期比1.8%増)、売上高は円高の影響もあり、118億95百万円(前期比3.1%減)となりました。
(アジア事業・その他)
アジア事業の乳原料販売部門においては、日本向けの原料販売が感染症の影響で伸び悩みましたが、アジア地域向けの販売は大半が小売り向け製品を販売している食品メーカー向けということもあり、感染症拡大下でも大きな影響を受けることなく堅調に推移しました。また、新規顧客の開拓においても、リモートによる営業活動の積極展開により、中国、フィリピン、マレーシア、台湾、タイ等で取引が開始し、販売を拡大することができました。
その結果、アジア事業乳原料販売部門の販売数量は、60,159トン(前期比0.4%増)、売上高は、170億25百万円(前期比6.2%増)となりました。
また、アジア事業のチーズ製造販売部門においては、感染症拡大で外食業界向け販売が一時苦戦したものの、食品メーカー向けの販売が伸張し、売上高、販売数量ともに過去最高の結果となりました。特に食品メーカー向けの販売では、現地のロックダウン期間中においても、冷凍食品や保存食品向けのプロセスチーズの販売が大きく伸張しました。
その結果、アジア事業チーズ製造販売部門の販売数量は、4,197トン(前期比12.3%増)、売上高は、28億95百万円(前期比9.2%増)となりました。
その他事業として今年度から開始した機能性食品原料販売においては、感染症拡大の影響で国内市況が低迷したことやインバウンド需要の減少などもあり、厳しい事業環境となりました。その中で、健康を志向する消費者のニーズにより乳たんぱく原料の販売が想定を上回る進捗となりました。
以上の結果、アジア事業・その他の売上高は、206億11百万円(前期比6.8%増)となりました。