有価証券報告書-第28期(2024/12/01-2025/11/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇の影響による消費マインドの弱さがみられたものの、雇用と
所得環境の改善による個人消費の持ち直しや好調なインバウンド需要などにより、国内景気は緩やかな回復基調
が続いています。一方、世界の景気動向は、米国の関税引き上げ政策や、ロシア・ウクライナ戦争の長期化、中
国の景気不振などから、先行きは依然として不透明な状況です。
国内の食品業界においては、原材料価格の高騰に加え、人件費や物流費など各種コストの上昇を販売価格に転
嫁する動きが続き、消費者の購買意欲は低下しました。当社の主要販売市場である国内乳業界でも、乳価改定を
反映した製品値上げにより、乳製品の消費が鈍化しました。また、生乳生産が好調に推移したことから、国産の
脱脂粉乳在庫は若干の増加傾向がみられました。
このような状況下、当社グループでは、長期ビジョン達成に向けたファーストステップとなる中期経営計画
「NEXT-LJ 2025」の達成に向けて一丸となって取り組みました。その最終年度である当連結会計年度は、国内
の乳原料・チーズ部門で販売数量が伸び悩むなかでも付加価値の高い商品の販売が増加したことや、成長分野
である機能性食品原料部門やアジアのチーズ製造販売部門の販売が好調に推移したことに加え、中間期に一過
性の営業外収益を計上したことから計数計画のうち利益目標及び財務目標を達成することができました。
以上の結果、当連結会計年度末の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ87億74百万円増加し、902億9百万円となりました。負
債合計は、前連結会計年度末に比べ39億7百万円増加し、577億61百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ48億67百万円増加し、324億48百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度(以下、当期)の売上高は1,828億16百万円(前期比7.0%増)となりました。また、営業利益は59億47百万円(前期比33.5%増)、経常利益は57億96百万円(前期比34.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は43億17百万円(前期比37.2%増)となりました。
各事業別の状況は、次のとおりであります。
(乳原料・チーズ部門)
乳原料・チーズ部門の販売数量は、165,501トン(前期比6.2%減)となり、売上高は1,186億79百万円(前期比3.9%増)となりました。
(食肉食材部門)
食肉食材部門の販売数量は32,794トン(前期比3.0%増)となり、売上高は227億70百万円(前期比4.5%増)となりました。
(機能性食品原料部門)
機能性食品原料部門の販売数量は7,073トン(前期比68.4%増)となり、売上高は95億94百万円(前期比86.6%増)となりました。
(アジア事業・その他)
アジア事業の乳原料販売部門においては、販売数量は38,078トン(前期比4.2%減)となり、売上高は228億19百万円(前期比5.7%増)となりました。
アジア事業のチーズ製造販売部門においては、販売数量は5,640トン(前期比4.0%増)、売上高は63億91百万円(前期比14.2%増)となりました。
以上の結果、アジア事業・その他の売上高は317億72百万円(前期比6.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ9億84百万円増加し、95億4百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は、2億68百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益を57億96百万円計上したこと、売上債権が3億94百万円減少した一方で、棚卸資産が38億39百万円増加、仕入債務が2億45百万円減少したこと及び法人税等の支払額16億97百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、15億8百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出10億68百万円及び無形固定資産の取得による支出4億57百万円よるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、24億31百万円となりました。これは長期借入金の返済51億86百万円があったものの、短期借入金の増加50億16百万円、長期借入れによる収入48億円があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループではアジア事業においてチーズの製造販売を行っております。受注実績については金額に重要性がないため、記載しておりません。
(注)金額は販売価格によっております。
b.販売実績
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉及び食肉加工品、機能性食品原料等の輸入を主とする卸売及び海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性及び各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。
(注)アジア事業・その他は、株式会社LJフーズのその他事業、アジア事業とアジア事業以外の海外子会社(LACTO USA INC.等)の合計であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ87億74百万円増加し、902億9百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ73億24百万円増加し、831億51百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が77百万円減少したものの、商品及び製品が34億88百万円増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ14億49百万円増加し、70億58百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が10億47百万円増加したこと、無形固定資産が4億33百万円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ43億44百万円増加し、488億円となりました。主な要因は、短期借入金が50億66百万円増加したものの、コマーシャルペーパーが10億円減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ4億37百万円減少し、89億60百万円となりました。主な要因は、長期借入金が6億34百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ48億67百万円増加し、324億48百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が33億30百万円増加、為替換算調整勘定が6億49百万円増加したことによるものです。
これらの結果、自己資本比率は35.9%となり、1株当たり純資産額は、3,250円93銭となりました。
2) 経営成績
(売上高)
各事業別の売上高の対前期比は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。
なお、当社の売上高は、商品相場や為替相場により変動することがありますので、乳原料・チーズ部門、食肉食材部門及び機能性食品原料部門における業績管理の指標として、販売数量も重視しております。当該数量の過去5年間の推移は以下のとおりとなっております。
単位:トン
(売上総利益)
売上総利益は、増収により122億88百万円(前年同期比22.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、63億41百万円(前年同期比12.9%増)と増加しました。
この主な要因は、人員増による人件費の増加、発送配達費、出張費など営業関連費用の増加によるものです。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は、59億47百万円(前年同期比33.5%増)となりました。
(経常利益)
上記の結果、経常利益は、57億96百万円(前年同期比34.1%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は57億96百万円(前年同期比34.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は43億17百万円(前年同期比37.2%増)となりました。
これらの結果、1株当たり当期純利益は433円18銭となりました。また、自己資本利益率は、14.4%となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の主要な取扱商品である乳原料及びチーズの販売価格は、国際乳製品価格の動向ならびに為替相場の影響を受けております。当社では、仕入契約ならびに販売契約を同時期に行うことで商品価格の変動リスクを回避し、さらに外貨建て仕入債務についても契約時点で為替予約を締結することで、為替変動リスクを回避しております。しかしながら、国際乳製品価格の低下、もしくは円高進行時においては仕入単価の低下を通じ販売単価も低下(売上減)し、反対に国際乳製品価格の上昇、もしくは円安進行時においては仕入単価の上昇を通じて販売単価も上昇(売上増)します。このように、当社では商品相場ならびに為替相場の動向により売上高が増減いたしますが、上記のとおり、リスクヘッジを着実に実行し、さらには販売数量を伸ばすことで利益を確保し、着実な成長を図ってまいります。
当社グループが今後も持続的に成長していくために、従前の日本国内の食品メーカー向けの原料販売に加え、今後需要増が見込まれる高齢者向けに健康を訴求した食品原料の開発や日本に紹介されていない新機能海外原料の紹介、さらには経済発展が進むアジア諸国(中国、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア等)に対する乳原料やプロセスチーズの販売に積極的に取り組んでまいります。こうした取組みで持続的な成長をより堅固なものとすべく、適切なパートナー選び、グローバルな視点で活躍できる人材の育成と獲得、教育研修制度の拡充などを通じて“組織力”の強化・整備を進め当社グループのすべての取引先からの信頼を向上させていく所存です。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要:
当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉食材部門、機能性食品原料部門及びアジア事業・その他における卸売部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのため、業容の拡大イコール運転資金の増加につながります。こうした運転資金が主たる資金需要となっております。
想定している中長期的な資金用途は下記のとおりです。
<設備投資>・シンガポール新工場への移転関連投資
・既存工場設備の維持・更新関連投資
<事業関連投資>・アジアにおける営業力強化(拠点拡充など)
・新規事業拡充を目的とした関連投資(商品開発、事業提携、M&Aなど)
・事業効率化のための投資(基幹システムの更新など)
財務政策:
事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出に努めるとともに、現状では、金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパーの発行を中心に資金を調達しております。資金調達にあたっては、その必要性や実施時期を十分に検討の上、金利や期間といった調達条件やコスト等を勘案しながら、最終的には財務体質の健全性確保の観点から、その時点で最も適切と考えられる方法を採用しております。
また、当社は、主要取引金融機関と総額360億円のコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結しており、機動的な資金調達の対応が可能となっております。
連結自己資本比率30%超を維持し、財務健全性を確保します。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高、経常利益及びROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置付けております。なお、当連結会計年度においては売上高1,828億16百万円、経常利益57億96百万円、ROE14.4%となりました。
e.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉及び食肉加工品、機能性食品原料等の輸入を主とする卸売及び海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性及び各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。
(乳原料・チーズ部門)
主要な乳製品原料の国際相場が年前半から半ばにかけて高値圏で推移し、為替も円安傾向が続いたため、輸入原料の販売には厳しい事業環境が続きました。
乳原料販売では、相次ぐ値上げにより最終製品の販売動向は弱含んでおり、当社の原料販売も伸び悩みました。ただし、市場が拡大しているアイスクリームやプロテイン製品向けの高付加価値な乳原料の販売は堅調に推移しました。
チーズ販売においても最終製品の値上げの影響が大きく、小売向けの需要が引き続き低調に推移しました。しかしながら、グローバルなサプライネットワークから価格競争力のある商品を供給できたことでチーズ全体の輸入量が減少するなか、当社は高い輸入シェアを維持しております。
なお、乳原料販売、チーズ販売ともに販売数量は前期比で減少となったものの、原料相場と為替の影響などにより販売単価が前期を上回る水準で推移したことから売上高は前期を上回りました。
以上の結果、当期の乳原料・チーズ部門の販売数量は165,501トン(前期比6.2%減)、売上高は1,186億79百万円(前期比3.9%増)となりました。
(食肉食材部門)
当部門の主力商品である輸入ポークにおいては、一年を通じて国際相場が高値で推移したことに加え、円安の影響により内外価格差が縮小したことから、一部の顧客においては産地を変更する動きがみられ、チルドポークの販売は苦戦しました。一方、新たなサプライソースを開拓しつつ、顧客ニーズに合わせた新規商品の提案に積極的に取り組んだ結果、加工食品の原料となるフローズンポークについては販売数量を伸ばすことができました。
鶏肉関連商品は、既存顧客向けの販売が安定的に推移したことに加え、新規顧客の開拓も進み販売数量は前期比で増加しました。
さらに、当期より取扱いを開始した香辛料・香辛料抽出物の販売も順調に推移し、来期以降は既存ビジネスとの連携も視野に入れ、さらなる拡販を目指します。
以上の結果、当期の食肉食材部門の販売数量は32,794トン(前期比3.0%増)、売上高は227億70百万円(前期比4.5%増)となりました。
(機能性食品原料部門)
世界的な高たんぱく原料の需要増を背景とした国際相場の高騰や円安を受け、原料価格は大きく上昇したものの、国内需要は引き続き拡大しており、当部門の事業は順調に推移しました。乳由来の高たんぱく原料の価格高止まりを受けて一部顧客で調達を控える動きや、原料を植物由来にシフトする動きもみられましたが、当社は多様化するニーズに対応したことにより、大豆たんぱくなど植物由来原料の販売も増加させることができました。
また、調達面では高たんぱく原料以外の機能性原料の開発にも注力し、販売面では東南アジア地域における原料及び製品の販売に取り組むなど、成長領域の拡大に向けて各種リソースの投入を進めました。
以上の結果、当期の機能性食品原料部門の販売数量は7,073トン(前期比68.4%増)、売上高は95億94百万円(前期比86.6%増)となりました。
(アジア事業・その他)
中国の景気不振の影響が続くなか、東南アジア地域においては乳製品の需要が引き続き伸長しており、輸入原料の取引数量はコロナ禍以前の水準にまで戻りつつあります。
このような事業環境下、乳原料販売部門(商社)においては、日系食品メーカーを中心に東南アジア地域における現地向け原料販売が堅調に推移しました。しかしながら、日本国内の脱脂粉乳在庫の影響により、日本向けの粉乳調製品ビジネスの回復が想定より遅れ、当部門の販売数量は伸び悩みました。なお、相場高を反映した販売単価の上昇により、売上高は前期を上回りました。
以上の結果、同部門の販売数量は38,078トン(前期比4.2%減)、売上高は228億19百万円(前期比5.7%増)となりました。
チーズ製造販売部門(メーカー)においては、東南アジア地域での需要増に伴い販売は好調に推移しました。特に、現地の外食産業やベーカリー、加工食品メーカー向けを中心にプロセスチーズ、ナチュラルチーズ加工品ともに販売数量を伸ばすことができました。
シンガポールにおける当社工場の稼働率は高い状態が続いておりますが、現在、島北部に新工場を建設しており、来期半ばからの本格稼働に向け準備を進めております。
以上の結果、同部門の販売数量は5,640トン(前期比4.0%増)、売上高は63億91百万円(前期比14.2%増)となりました。
以上の結果、アジア事業・その他の売上高は、317億72百万円(前期比6.6%増)となりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇の影響による消費マインドの弱さがみられたものの、雇用と
所得環境の改善による個人消費の持ち直しや好調なインバウンド需要などにより、国内景気は緩やかな回復基調
が続いています。一方、世界の景気動向は、米国の関税引き上げ政策や、ロシア・ウクライナ戦争の長期化、中
国の景気不振などから、先行きは依然として不透明な状況です。
国内の食品業界においては、原材料価格の高騰に加え、人件費や物流費など各種コストの上昇を販売価格に転
嫁する動きが続き、消費者の購買意欲は低下しました。当社の主要販売市場である国内乳業界でも、乳価改定を
反映した製品値上げにより、乳製品の消費が鈍化しました。また、生乳生産が好調に推移したことから、国産の
脱脂粉乳在庫は若干の増加傾向がみられました。
このような状況下、当社グループでは、長期ビジョン達成に向けたファーストステップとなる中期経営計画
「NEXT-LJ 2025」の達成に向けて一丸となって取り組みました。その最終年度である当連結会計年度は、国内
の乳原料・チーズ部門で販売数量が伸び悩むなかでも付加価値の高い商品の販売が増加したことや、成長分野
である機能性食品原料部門やアジアのチーズ製造販売部門の販売が好調に推移したことに加え、中間期に一過
性の営業外収益を計上したことから計数計画のうち利益目標及び財務目標を達成することができました。
以上の結果、当連結会計年度末の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ87億74百万円増加し、902億9百万円となりました。負
債合計は、前連結会計年度末に比べ39億7百万円増加し、577億61百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ48億67百万円増加し、324億48百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度(以下、当期)の売上高は1,828億16百万円(前期比7.0%増)となりました。また、営業利益は59億47百万円(前期比33.5%増)、経常利益は57億96百万円(前期比34.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は43億17百万円(前期比37.2%増)となりました。
各事業別の状況は、次のとおりであります。
(乳原料・チーズ部門)
乳原料・チーズ部門の販売数量は、165,501トン(前期比6.2%減)となり、売上高は1,186億79百万円(前期比3.9%増)となりました。
(食肉食材部門)
食肉食材部門の販売数量は32,794トン(前期比3.0%増)となり、売上高は227億70百万円(前期比4.5%増)となりました。
(機能性食品原料部門)
機能性食品原料部門の販売数量は7,073トン(前期比68.4%増)となり、売上高は95億94百万円(前期比86.6%増)となりました。
(アジア事業・その他)
アジア事業の乳原料販売部門においては、販売数量は38,078トン(前期比4.2%減)となり、売上高は228億19百万円(前期比5.7%増)となりました。
アジア事業のチーズ製造販売部門においては、販売数量は5,640トン(前期比4.0%増)、売上高は63億91百万円(前期比14.2%増)となりました。
以上の結果、アジア事業・その他の売上高は317億72百万円(前期比6.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ9億84百万円増加し、95億4百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は、2億68百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益を57億96百万円計上したこと、売上債権が3億94百万円減少した一方で、棚卸資産が38億39百万円増加、仕入債務が2億45百万円減少したこと及び法人税等の支払額16億97百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、15億8百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出10億68百万円及び無形固定資産の取得による支出4億57百万円よるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、24億31百万円となりました。これは長期借入金の返済51億86百万円があったものの、短期借入金の増加50億16百万円、長期借入れによる収入48億円があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループではアジア事業においてチーズの製造販売を行っております。受注実績については金額に重要性がないため、記載しておりません。
| 区分の名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| アジア事業・その他 | 6,258 | 108.6 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.販売実績
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉及び食肉加工品、機能性食品原料等の輸入を主とする卸売及び海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性及び各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。
| 区分の名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 乳原料・チーズ | 118,679 | 103.9 |
| 食肉食材 | 22,770 | 104.5 |
| 機能性食品原料 | 9,594 | 186.6 |
| アジア事業・その他 | 31,772 | 106.6 |
| 合計 | 182,816 | 107.0 |
(注)アジア事業・その他は、株式会社LJフーズのその他事業、アジア事業とアジア事業以外の海外子会社(LACTO USA INC.等)の合計であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ87億74百万円増加し、902億9百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ73億24百万円増加し、831億51百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が77百万円減少したものの、商品及び製品が34億88百万円増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ14億49百万円増加し、70億58百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が10億47百万円増加したこと、無形固定資産が4億33百万円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ43億44百万円増加し、488億円となりました。主な要因は、短期借入金が50億66百万円増加したものの、コマーシャルペーパーが10億円減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ4億37百万円減少し、89億60百万円となりました。主な要因は、長期借入金が6億34百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ48億67百万円増加し、324億48百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が33億30百万円増加、為替換算調整勘定が6億49百万円増加したことによるものです。
これらの結果、自己資本比率は35.9%となり、1株当たり純資産額は、3,250円93銭となりました。
2) 経営成績
(売上高)
各事業別の売上高の対前期比は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。
なお、当社の売上高は、商品相場や為替相場により変動することがありますので、乳原料・チーズ部門、食肉食材部門及び機能性食品原料部門における業績管理の指標として、販売数量も重視しております。当該数量の過去5年間の推移は以下のとおりとなっております。
単位:トン
| 販売数量 | 2021年11月期 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
| 乳原料・チーズ | 184,358 | 182,957 | 167,421 | 176,402 | 165,501 |
| 食肉食材 | 25,699 | 24,775 | 28,125 | 31,831 | 32,794 |
| 機能性食品原料 | - | - | 2,806 | 4,199 | 7,073 |
| 合計 | 210,057 | 207,732 | 198,352 | 212,432 | 205,368 |
(売上総利益)
売上総利益は、増収により122億88百万円(前年同期比22.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、63億41百万円(前年同期比12.9%増)と増加しました。
この主な要因は、人員増による人件費の増加、発送配達費、出張費など営業関連費用の増加によるものです。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は、59億47百万円(前年同期比33.5%増)となりました。
(経常利益)
上記の結果、経常利益は、57億96百万円(前年同期比34.1%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は57億96百万円(前年同期比34.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は43億17百万円(前年同期比37.2%増)となりました。
これらの結果、1株当たり当期純利益は433円18銭となりました。また、自己資本利益率は、14.4%となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の主要な取扱商品である乳原料及びチーズの販売価格は、国際乳製品価格の動向ならびに為替相場の影響を受けております。当社では、仕入契約ならびに販売契約を同時期に行うことで商品価格の変動リスクを回避し、さらに外貨建て仕入債務についても契約時点で為替予約を締結することで、為替変動リスクを回避しております。しかしながら、国際乳製品価格の低下、もしくは円高進行時においては仕入単価の低下を通じ販売単価も低下(売上減)し、反対に国際乳製品価格の上昇、もしくは円安進行時においては仕入単価の上昇を通じて販売単価も上昇(売上増)します。このように、当社では商品相場ならびに為替相場の動向により売上高が増減いたしますが、上記のとおり、リスクヘッジを着実に実行し、さらには販売数量を伸ばすことで利益を確保し、着実な成長を図ってまいります。
当社グループが今後も持続的に成長していくために、従前の日本国内の食品メーカー向けの原料販売に加え、今後需要増が見込まれる高齢者向けに健康を訴求した食品原料の開発や日本に紹介されていない新機能海外原料の紹介、さらには経済発展が進むアジア諸国(中国、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア等)に対する乳原料やプロセスチーズの販売に積極的に取り組んでまいります。こうした取組みで持続的な成長をより堅固なものとすべく、適切なパートナー選び、グローバルな視点で活躍できる人材の育成と獲得、教育研修制度の拡充などを通じて“組織力”の強化・整備を進め当社グループのすべての取引先からの信頼を向上させていく所存です。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要:
当社グループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉食材部門、機能性食品原料部門及びアジア事業・その他における卸売部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのため、業容の拡大イコール運転資金の増加につながります。こうした運転資金が主たる資金需要となっております。
想定している中長期的な資金用途は下記のとおりです。
<設備投資>・シンガポール新工場への移転関連投資
・既存工場設備の維持・更新関連投資
<事業関連投資>・アジアにおける営業力強化(拠点拡充など)
・新規事業拡充を目的とした関連投資(商品開発、事業提携、M&Aなど)
・事業効率化のための投資(基幹システムの更新など)
財務政策:
事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、収益体質の改革による利益の確保や運転資金の効率化等自己資金の創出に努めるとともに、現状では、金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパーの発行を中心に資金を調達しております。資金調達にあたっては、その必要性や実施時期を十分に検討の上、金利や期間といった調達条件やコスト等を勘案しながら、最終的には財務体質の健全性確保の観点から、その時点で最も適切と考えられる方法を採用しております。
また、当社は、主要取引金融機関と総額360億円のコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結しており、機動的な資金調達の対応が可能となっております。
連結自己資本比率30%超を維持し、財務健全性を確保します。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高、経常利益及びROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置付けております。なお、当連結会計年度においては売上高1,828億16百万円、経常利益57億96百万円、ROE14.4%となりました。
e.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループでは、乳原料・チーズ、食肉及び食肉加工品、機能性食品原料等の輸入を主とする卸売及び海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性及び各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここでは当社グループの管理会計上の区分にて記載しております。
(乳原料・チーズ部門)
主要な乳製品原料の国際相場が年前半から半ばにかけて高値圏で推移し、為替も円安傾向が続いたため、輸入原料の販売には厳しい事業環境が続きました。
乳原料販売では、相次ぐ値上げにより最終製品の販売動向は弱含んでおり、当社の原料販売も伸び悩みました。ただし、市場が拡大しているアイスクリームやプロテイン製品向けの高付加価値な乳原料の販売は堅調に推移しました。
チーズ販売においても最終製品の値上げの影響が大きく、小売向けの需要が引き続き低調に推移しました。しかしながら、グローバルなサプライネットワークから価格競争力のある商品を供給できたことでチーズ全体の輸入量が減少するなか、当社は高い輸入シェアを維持しております。
なお、乳原料販売、チーズ販売ともに販売数量は前期比で減少となったものの、原料相場と為替の影響などにより販売単価が前期を上回る水準で推移したことから売上高は前期を上回りました。
以上の結果、当期の乳原料・チーズ部門の販売数量は165,501トン(前期比6.2%減)、売上高は1,186億79百万円(前期比3.9%増)となりました。
(食肉食材部門)
当部門の主力商品である輸入ポークにおいては、一年を通じて国際相場が高値で推移したことに加え、円安の影響により内外価格差が縮小したことから、一部の顧客においては産地を変更する動きがみられ、チルドポークの販売は苦戦しました。一方、新たなサプライソースを開拓しつつ、顧客ニーズに合わせた新規商品の提案に積極的に取り組んだ結果、加工食品の原料となるフローズンポークについては販売数量を伸ばすことができました。
鶏肉関連商品は、既存顧客向けの販売が安定的に推移したことに加え、新規顧客の開拓も進み販売数量は前期比で増加しました。
さらに、当期より取扱いを開始した香辛料・香辛料抽出物の販売も順調に推移し、来期以降は既存ビジネスとの連携も視野に入れ、さらなる拡販を目指します。
以上の結果、当期の食肉食材部門の販売数量は32,794トン(前期比3.0%増)、売上高は227億70百万円(前期比4.5%増)となりました。
(機能性食品原料部門)
世界的な高たんぱく原料の需要増を背景とした国際相場の高騰や円安を受け、原料価格は大きく上昇したものの、国内需要は引き続き拡大しており、当部門の事業は順調に推移しました。乳由来の高たんぱく原料の価格高止まりを受けて一部顧客で調達を控える動きや、原料を植物由来にシフトする動きもみられましたが、当社は多様化するニーズに対応したことにより、大豆たんぱくなど植物由来原料の販売も増加させることができました。
また、調達面では高たんぱく原料以外の機能性原料の開発にも注力し、販売面では東南アジア地域における原料及び製品の販売に取り組むなど、成長領域の拡大に向けて各種リソースの投入を進めました。
以上の結果、当期の機能性食品原料部門の販売数量は7,073トン(前期比68.4%増)、売上高は95億94百万円(前期比86.6%増)となりました。
(アジア事業・その他)
中国の景気不振の影響が続くなか、東南アジア地域においては乳製品の需要が引き続き伸長しており、輸入原料の取引数量はコロナ禍以前の水準にまで戻りつつあります。
このような事業環境下、乳原料販売部門(商社)においては、日系食品メーカーを中心に東南アジア地域における現地向け原料販売が堅調に推移しました。しかしながら、日本国内の脱脂粉乳在庫の影響により、日本向けの粉乳調製品ビジネスの回復が想定より遅れ、当部門の販売数量は伸び悩みました。なお、相場高を反映した販売単価の上昇により、売上高は前期を上回りました。
以上の結果、同部門の販売数量は38,078トン(前期比4.2%減)、売上高は228億19百万円(前期比5.7%増)となりました。
チーズ製造販売部門(メーカー)においては、東南アジア地域での需要増に伴い販売は好調に推移しました。特に、現地の外食産業やベーカリー、加工食品メーカー向けを中心にプロセスチーズ、ナチュラルチーズ加工品ともに販売数量を伸ばすことができました。
シンガポールにおける当社工場の稼働率は高い状態が続いておりますが、現在、島北部に新工場を建設しており、来期半ばからの本格稼働に向け準備を進めております。
以上の結果、同部門の販売数量は5,640トン(前期比4.0%増)、売上高は63億91百万円(前期比14.2%増)となりました。
以上の結果、アジア事業・その他の売上高は、317億72百万円(前期比6.6%増)となりました。