訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2016/07/11 9:31
【資料】
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【項目】
102項目

事業内容

1.当社グループの事業目的と事業概要
当社は、製造業におけるプロダクトライフサイクル(製品製造工程)において、廃棄物の再資源化を行い、これまでの製造工程とは異なる新たなマテリアルサイクル(材料・物質の循環)を形成し、社会の持続的発展に寄与することを目的として設立されております。そのため当社の社名には、従来の物の流れを逆転させ(Inverse)、資源として精製する(Refine)という思いが込められております。
・当社事業目的のイメージ図
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当社グループは、当社及び連結子会社2社(インバースプロダクツ株式会社、株式会社ジーエムエス)で構成されており、上述のとおり廃棄物の再資源化を目的とした事業展開を行っており、現在の事業区分は再生樹脂製造販売事業並びに産業廃棄物処理事業となっております。
再生樹脂製造販売事業においては、現時点では使用済みタイルカーペットの再資源化に着目しており、廃棄されたタイルカーペットに対して当社グループの独自技術により再生処理を行い再度タイルカーペットの製造に利用できる合成樹脂製品として販売しております。
産業廃棄物処理事業は主として、首都圏で排出される建築系廃棄物の収集運搬・中間処理を行っております。
当社グループでは、再生樹脂製造販売事業を当社及びインバースプロダクツ株式会社が行っており、産業廃棄物処理事業を株式会社ジーエムエスで行っております。当社グループの各事業及びグループ会社間の商流は以下のとおりです。なお、記載されている事業については、セグメントにおける事業区分と同一の区分であります。
・当社グループ事業の主な商流について
0201010_002.png※インバースプロダクツ株式会社からの再生樹脂販売の大部分は当社を経由してタイルカーペットメーカー等に販売しております。
2.各事業の特長
(1)再生樹脂製造販売事業
再生樹脂製造販売事業は、使用済みタイルカーペットを当社独自技術により再生処理を行い合成樹脂製品として販売しております。以下に当社及びインバースプロダクツ株式会社それぞれが製造する、再生樹脂の製造工程及びその特長について記載します。
a.製造会社別の製造工程の特長
製品名製造会社製造工程製造工程の特長
リファインパウダー当社回収した使用済みタイルカーペットの樹脂部分と繊維部分を当社独自の切削技術により分離すると共に樹脂部分を粉体化当社独自の技術により、繊維部分が縫い込まれた使用済みタイルカーペットのうち、樹脂純度の高い裏面樹脂層のみを剥離粉体化
インバースプロダクツ株式会社当社で再生樹脂製造時に剥離された使用済みタイルカーペットの表面(繊維層)を粉砕後、比重分離することで樹脂部分を取り出すことを中心に実施当社再生樹脂並の純度での樹脂採取はできないものの、処分しなければならない廃棄物を削減可能

b.販売体制
当事業は、製造業としての側面に加えて産業廃棄物の中間処理事業としての側面も有しております。そのため当事業にかかる売上は、当社における使用済みタイルカーペットの受け入れ時に処理受託料として計上されるもの及び再生樹脂のタイルカーペットメーカー等への販売時に計上されるものがあります。
使用済みタイルカーペットの受け入れにかかる営業体制としては、産業廃棄物処理業者への営業活動を原料調達担当1名で行っております。現時点では最終処分場への処理委託より安価で当社グループが中間処理を受託できている状態にあるため、十分競争力のある状態であると考えております。
再生樹脂の販売についても、オフィスビル運営者等のエコへの取り組みに対する機運の高まり等を背景に、大手タイルカーペットメーカー各社の再生樹脂利用ニーズは高まっております。現状製品販売担当1名にて販売活動を行っており、一部商社経由での販売もあるものの、住江織物株式会社、東リ株式会社、株式会社サンゲツ、株式会社川島織物セルコン等主要なタイルカーペットメーカーの製品原料としての販売を実現しております。
また当社の再生樹脂は品質の安定したコスト競争力のある汎用樹脂として建築資材や自動車部品などタイルカーペット以外の用途でも積極的に採用されております。
原料調達及び製品販売ともに継続的な取引関係に基づく販売がなされているため、少人数の人員による効率的な販売体制を構築できているものと認識しております。
c.その他の販売製品
上記aに記載のとおり、インバースプロダクツ株式会社での製造工程の最終段階では粉砕した繊維層を比重分離し、樹脂部分と繊維部分に分けております。現在この繊維部分については、生産数量の約半分は廃棄物燃料用原料として販売しておりますが、残りの約半分は当社グループが処分費用を払ってサーマルリサイクル処理委託もしくは最終処分場にて埋め立て処理しております。当社グループでは、使用済みタイルカーペットの再資源化率を100%に近づけるために、当該繊維部分を原料に再生ナイロン樹脂を製造する方法を研究しております。詳細は第2[事業の状況] 6[研究開発活動]をご参照ください。
(2)産業廃棄物処理事業
主に首都圏において排出される産業廃棄物を対象とし、廃棄物を収集し中間処理工場へ運搬する「収集運搬」業務、自社中間処理工場へ搬入された廃棄物を品目別に適切に選別し、異物除去、破砕、圧縮等の処理を行う「中間処理」業務、中間処理された廃棄物を整えた上で可能な限り再資源化品として搬出する「再資源化」業務を行っております。
・産業廃棄物の処理フローと株式会社ジーエムエスの業務範囲
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産業廃棄物処理事業における主要な施設及び当該施設での業務内容は以下のとおりであります。
施設名称施設所在地施設の特長業務内容
リファイン1東京都葛飾区東京都内で城東地域に位置することから、都心及び副都心地域はもとより、近接する埼玉県からの搬入・搬出において交通の利便性を有しています。中間処理(破砕)
TACS3東京都大田区東京都内で城南地域に位置しており、都心及び副都心地域をはじめ、近接する神奈川県からの搬入において交通の利便性を有しています。また、葛飾区の当社中間処理施設「リファイン1」との位置関係より、東京都心部全域での産業廃棄物の受入が可能となっております。
また、TACS3は工業専用地域に設置されており、24時間操業が可能となっており、処理量の面での優位性を有しております。
中間処理(破砕、圧縮梱包)

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
[事業系統図]
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