有価証券報告書-第6期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社事業において支援している昨今の企業経営者は、市場環境が激しく変化する状況のなか、企業価値の向上を目指すため、グローバル化、業界再編、働き方改革、新たな事業モデルの構築などの課題に直面しており、それらを実現し、生産性を向上させるためのデジタル技術の活用が不可欠な状況にあります。そのため、これら経営課題を解決し、企業経営をサポートできるコンサルティングニーズが高まっております。当社は、このような経営環境のもと、あらゆる業界に対する戦略立案からビジネスプロセス改革、そして実行までの一連のサービスをワンストップで提供できる強みを持って、事業活動を進めてまいりました。
当社は、2018年4月に公表いたしました「中期経営計画(FY2019-FY2021)」において、2019年2月期から2021年2月期までを「将来の持続的な事業拡大に向けた基盤固めの3年間」と位置付け、これまでの成長スピード(15~20%)を維持し、既存事業の進展(人員増と高付加価値化)による着実な成長を目標として取り組み、当事業年度における採用状況については、新たに約420名のコンサルタント(新卒、未経験者含む。)を採用することができました。
中期経営計画の2年目でもある当事業年度における収益面については、前事業年度に約13%増員したコンサルタントの戦力化が進んだことに加え、デジタルトランスフォーメーション(注1)関連の案件獲得を推進したことで、更なる高付加価値化が実現し、稼働率(注2)については、既存クライアントの取引拡大、新規クライアントの開拓に努めたことによる好調な受注状況を受けて上期:80%台後半、下期:90%台前半の水準で推移いたしました。費用面においては、増員したコンサルタントに係る労務費等が増加いたしました。
これらの結果、当事業年度における収益については、前年同期に比べ(日本基準:37.2%増、IFRS:35.7%増)増収となり、営業利益については、前年同期に比べ(日本基準:96.1%増、IFRS:79.1%増)の増益となりました。
なお、当社は、コンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(注1)デジタルトランスフォーメーション
クラウド、ビッグデータ、モビリティ等「第3のプラットフォーム技術」を導入/活用し、AIやIoT、AR&VR、ロボティクス等を導入すること。
(注2)稼働率
全所属コンサルタントに対する、ある時点においてプロジェクトに参画しているコンサルタントの割合
当事業年度における財政状態及び経営成績の状況は以下のとおりであります。
(財政状態の状況)
日本基準に準拠した当事業年度末における財政状態の状況は以下のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
当事業年度末における資産は、29,097百万円となり、前事業年度末に比べ5,930百万円増加しました。負債は、12,491百万円となり、前事業年度末に比べ1,766百万円増加しました。純資産は、16,606百万円となり、前事業年度末に比べ4,164百万円増加しました。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度末における資産は、35,241百万円となり、前事業年度末に比べ7,238百万円増加しました。負債は、13,793百万円となり、前事業年度末に比べ2,372百万円増加しました。資本は、21,448百万円となり、前事業年度末に比べ4,866百万円増加しました。
(経営成績の状況)
日本基準に準拠した当事業年度の経営成績は、売上高32,917百万円(前年同期比37.2%増)、営業利益7,149百万円(同96.1%増)、経常利益7,102百万円(同102.6%増)、当期純利益5,010百万円(同127.4%増)となりました。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度の経営成績は、売上収益32,978百万円(前年同期比35.7%増)、営業利益8,038百万円(同79.1%増)、税引前利益7,976百万円(同81.9%増)、当期利益5,912百万円(同90.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
日本基準に準拠した当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ5,043百万円増加し、当事業年度末には8,028百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、7,398百万円(前年同期は2,593百万円の収入)となりました。主な増加は、税引前当期純利益7,103百万円、のれん償却額943百万円、賞与引当金の増加額386百万円、主な減少は、売上債権の増加額1,639百万円、法人税等の支払額1,479百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、107百万円(前年同期は117百万円の使用)となりました。これは主に、敷金の差入による支出91百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、2,248百万円(前年同期は2,627百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,050百万円、自己株式の取得による支出309百万円、配当金の支払額913百万円によるものであります。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
当事業年度末における資金は、前事業年度末に比べ5,043百万円増加し、当事業年度末には8,028百万円となりました。
なお、当社は、当事業年度より、IFRS第16号を適用しております。この結果、減価償却費及び償却費の増加等により「営業活動によるキャッシュ・フロー」が581百万円増加し、リース負債の返済による支出の増加により「財務活動によるキャッシュ・フロー」が581百万円減少しております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、7,976百万円(前年同期は2,509百万円の収入)となりました。主な増加は、税引前利益7,976百万円、減価償却費及び償却費817百万円、その他の流動負債の増加額1,905百万円、主な減少は、売上債権及びその他の債権の増加額1,396百万円、法人所得税の支払額1,479百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、107百万円(前年同期は117百万円の使用)となりました。これは主に、敷金の差入による支出91百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、2,826百万円(前年同期は2,543百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,050百万円、リース負債の返済による支出581百万円、自己株式の取得による支出309百万円、配当金の支払額913百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は、コンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
日本基準に準拠した当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、以下のとおりであります。
(注)1.当社の事業区分は「コンサルティング事業」の単一セグメントであります。
2.金額は外部顧客に対する売上高を示しております。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
5.顧客との各種契約において秘密保持条項が規定されているため、社名の公表は控えさせて頂きます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しているほかに国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づく財務諸表も作成しております。財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債及び事業年度の収益・費用の数値に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
(財政状態の分析)
日本基準に準拠した当事業年度における財政状態の分析は以下のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
当事業年度末における資産は、29,097百万円となり、前事業年度末に比べ5,930百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が5,341百万円、売掛金が1,639百万円、繰延税金資産が288百万円増加し、仕掛品が168百万円、その他の流動資産が247百万円、のれん償却額等により無形固定資産が1,128百万円減少したことによります。負債は、12,491百万円となり、前事業年度末に比べ1,766百万円増加しました。これは主に、未払法人税等が997百万円、未払消費税等が882百万円、賞与引当金が386百万円、その他の流動負債が432百万円増加し、長期借入金が1,050百万円減少したことによります。純資産は、16,606百万円となり、前事業年度末に比べ4,164百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が4,097百万円増加したことによります。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における財政状態の分析は以下のとおりであります。
なお、当社は、当事業年度よりIFRS第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」という。)を適用しており、使用権資産の増加等により有形固定資産が563百万円、リース負債が553百万円増加しております。
この結果、当事業年度末における資産は、35,241百万円となり、前事業年度末に比べ7,238百万円増加しました。これは主に、現金及び現金同等物が5,043百万円、売上債権及びその他の債権が1,396百万円、有形固定資産が563百万円、繰延税金資産が309百万円増加し、無形資産が185百万円減少したことによります。負債は、13,793百万円となり、前事業年度末に比べ2,372百万円増加しました。これは主に、リース負債が553百万円、未払法人所得税が997百万円、その他の流動負債が1,782百万円増加し、借入金が1,033百万円減少したことによります。資本は、21,448百万円となり、前事業年度末に比べ4,866百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が4,991百万円増加し、資本剰余金が212百万円減少したことによります。
(経営成績の分析)
日本基準に準拠した当事業年度における経営成績の分析は以下のとおりであります。
日本基準に準拠した業績
(単位:百万円)
(注)百万円未満は四捨五入して記載しております。
当事業年度の売上高は、32,917百万円となり、前事業年度に比べ8,926百万円増加しました。これは主に、デジタルトランスフォーメーションに関連する案件の増加によるものです。当事業年度の販売費及び一般管理費は、7,246百万円となり、前事業年度に比べ674百万円増加しました。これは主に、人件費、コンサルタントの採用費によるものです。この結果、当事業年度の営業利益は、7,149百万円となり、前事業年度に比べ3,504百万円増加しました。
当事業年度の営業外費用は、47百万円となり、前事業年度に比べ92百万円減少しました。これは主に、支払手数料の減少79百万円によるものです。この結果、当事業年度の経常利益は、7,102百万円となり、前事業年度に比べ3,596百万円増加しました。法人税等合計は2,093百万円となり、前事業年度に比べ789百万円増加しました。この結果、当事業年度の当期純利益は、5,010百万円となり、前事業年度に比べ2,807百万円増加しました。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における経営成績の分析は以下のとおりであります。
IFRSに準拠した業績
(単位:百万円)
(注)百万円未満は四捨五入して記載しております。
当事業年度の売上収益は、32,978百万円となり、前事業年度に比べ8,684百万円増加しました。これは主に、デジタルトランスフォーメーションに関連する案件の増加によるものです。
当事業年度の販売費及び一般管理費は、6,269百万円となり、前事業年度に比べ638百万円増加しました。これは主に、人件費、コンサルタントの採用費によるものです。この結果、当事業年度の営業利益は、8,038百万円となり、前事業年度に比べ3,549百万円増加しました。当事業年度の金融費用は、62百万円となり、前事業年度に比べ41百万円減少しました。これは主に、支払利息の減少によるものです。この結果、当事業年度の税引前利益は、7,976百万円となり、前事業年度に比べ3,590百万円増加しました。当事業年度の法人所得税費用は2,064百万円となり、前事業年度に比べ781百万円増加しました。この結果、当事業年度の当期利益は、5,912百万円となり、前事業年度に比べ2,809百万円増加しました。
(参考情報1)
当社は、投資家が会計基準の差異にとらわれることなく、当社の業績評価を行い、当社の企業価値についての純粋な成長を把握するうえで有用な情報を提供することを目的として、EBITDAを経営成績に関する参考指標としております。なお、当該EBITDA及び算出方法は以下のとおりであります。
日本基準に基づくEBITDA =営業利益 +減価償却費及びその他の償却費 +のれん償却額
(単位:百万円)
(注)百万円未満は四捨五入して記載しております。
IFRSに基づくEBITDA =営業利益 +減価償却費及び償却費 ±IFRSによる調整 -その他の収益 +その他の費用
(単位:百万円)
(注)1.百万円未満は四捨五入して記載しております。
2.当事業年度における使用権資産に係る償却費については「+減価償却費及び償却費」から除いて「±IFRSによる調整」に含めております。
(参考情報2)
当社は、日本基準に基づいて財務諸表を作成しておりますが、第1期よりIFRSに基づいた財務諸表も作成しているため、「経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報」について、参考情報として記載しております。
経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
(のれんの償却に関する事項)
日本基準において、のれんの償却についてはその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却しております。この結果、のれん償却額として当事業年度の販売費及び一般管理費に943百万円計上しております。
参考情報として、IFRSにおいて、のれんの取得日以降の償却をしておりません。この影響により、IFRSでは、のれん償却額として当事業年度の販売費及び一般管理費に943百万円計上しておりません。
(キャッシュ・フローの分析)
当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、当社コンサルタントの人件費であります。また、主な設備投資需要としては、本社設備に係る固定資産投資等であります。
(財務政策)
当社は、コンサルティング業界における企業間競争に対応できる企業体質の強化を図っており、今後の事業発展を目指すため内部留保の充実に努めております。これにより、成長に向けた人材投資、設備投資並びに株主還元等は自己資金で賄う予定であります。
株主還元については、株主の皆様に対する安定的な利益還元を経営の重要課題と認識し、IFRSベースの配当性向20%~30%、且つ日本基準における分配可能額の範囲を目途にして、通期業績、財務体質の強化、内部留保の充実等を総合的に勘案したうえで、継続的に配当を実施することを基本方針としております。また、1株当たりの株主価値を高めるため、市場取引等により自己株式を取得する方針であります。
当社の持続的な成長と負債と資本の最適化を通じて、企業活動を最大化するための取組につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(金融商品関係)」、及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (2)国際会計基準による財務諸表 注記事項 27.金融商品」に記載しております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、経済環境の変化、人材の採用と育成、情報管理及びコンプライアンス等、さまざまなリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
d.経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社事業において支援している昨今の企業経営者は、市場環境が激しく変化する状況のなか、企業価値の向上を目指すため、グローバル化、業界再編、働き方改革、新たな事業モデルの構築などの課題に直面しており、それらを実現し、生産性を向上させるためのデジタル技術の活用が不可欠な状況にあります。そのため、これら経営課題を解決し、企業経営をサポートできるコンサルティングニーズが高まっております。当社は、このような経営環境のもと、あらゆる業界に対する戦略立案からビジネスプロセス改革、そして実行までの一連のサービスをワンストップで提供できる強みを持って、事業活動を進めてまいりました。
当社は、2018年4月に公表いたしました「中期経営計画(FY2019-FY2021)」において、2019年2月期から2021年2月期までを「将来の持続的な事業拡大に向けた基盤固めの3年間」と位置付け、これまでの成長スピード(15~20%)を維持し、既存事業の進展(人員増と高付加価値化)による着実な成長を目標として取り組み、当事業年度における採用状況については、新たに約420名のコンサルタント(新卒、未経験者含む。)を採用することができました。
中期経営計画の2年目でもある当事業年度における収益面については、前事業年度に約13%増員したコンサルタントの戦力化が進んだことに加え、デジタルトランスフォーメーション(注1)関連の案件獲得を推進したことで、更なる高付加価値化が実現し、稼働率(注2)については、既存クライアントの取引拡大、新規クライアントの開拓に努めたことによる好調な受注状況を受けて上期:80%台後半、下期:90%台前半の水準で推移いたしました。費用面においては、増員したコンサルタントに係る労務費等が増加いたしました。
これらの結果、当事業年度における収益については、前年同期に比べ(日本基準:37.2%増、IFRS:35.7%増)増収となり、営業利益については、前年同期に比べ(日本基準:96.1%増、IFRS:79.1%増)の増益となりました。
なお、当社は、コンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(注1)デジタルトランスフォーメーション
クラウド、ビッグデータ、モビリティ等「第3のプラットフォーム技術」を導入/活用し、AIやIoT、AR&VR、ロボティクス等を導入すること。
(注2)稼働率
全所属コンサルタントに対する、ある時点においてプロジェクトに参画しているコンサルタントの割合
当事業年度における財政状態及び経営成績の状況は以下のとおりであります。
(財政状態の状況)
日本基準に準拠した当事業年度末における財政状態の状況は以下のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
当事業年度末における資産は、29,097百万円となり、前事業年度末に比べ5,930百万円増加しました。負債は、12,491百万円となり、前事業年度末に比べ1,766百万円増加しました。純資産は、16,606百万円となり、前事業年度末に比べ4,164百万円増加しました。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度末における資産は、35,241百万円となり、前事業年度末に比べ7,238百万円増加しました。負債は、13,793百万円となり、前事業年度末に比べ2,372百万円増加しました。資本は、21,448百万円となり、前事業年度末に比べ4,866百万円増加しました。
(経営成績の状況)
日本基準に準拠した当事業年度の経営成績は、売上高32,917百万円(前年同期比37.2%増)、営業利益7,149百万円(同96.1%増)、経常利益7,102百万円(同102.6%増)、当期純利益5,010百万円(同127.4%増)となりました。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度の経営成績は、売上収益32,978百万円(前年同期比35.7%増)、営業利益8,038百万円(同79.1%増)、税引前利益7,976百万円(同81.9%増)、当期利益5,912百万円(同90.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
日本基準に準拠した当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ5,043百万円増加し、当事業年度末には8,028百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、7,398百万円(前年同期は2,593百万円の収入)となりました。主な増加は、税引前当期純利益7,103百万円、のれん償却額943百万円、賞与引当金の増加額386百万円、主な減少は、売上債権の増加額1,639百万円、法人税等の支払額1,479百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、107百万円(前年同期は117百万円の使用)となりました。これは主に、敷金の差入による支出91百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、2,248百万円(前年同期は2,627百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,050百万円、自己株式の取得による支出309百万円、配当金の支払額913百万円によるものであります。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
当事業年度末における資金は、前事業年度末に比べ5,043百万円増加し、当事業年度末には8,028百万円となりました。
なお、当社は、当事業年度より、IFRS第16号を適用しております。この結果、減価償却費及び償却費の増加等により「営業活動によるキャッシュ・フロー」が581百万円増加し、リース負債の返済による支出の増加により「財務活動によるキャッシュ・フロー」が581百万円減少しております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、7,976百万円(前年同期は2,509百万円の収入)となりました。主な増加は、税引前利益7,976百万円、減価償却費及び償却費817百万円、その他の流動負債の増加額1,905百万円、主な減少は、売上債権及びその他の債権の増加額1,396百万円、法人所得税の支払額1,479百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、107百万円(前年同期は117百万円の使用)となりました。これは主に、敷金の差入による支出91百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、2,826百万円(前年同期は2,543百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,050百万円、リース負債の返済による支出581百万円、自己株式の取得による支出309百万円、配当金の支払額913百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は、コンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
日本基準に準拠した当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、以下のとおりであります。
サービスの名称 | 当事業年度 (自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) | 前年同期比(%) |
コンサルティング事業(百万円) | 32,917 | 137.2 |
(注)1.当社の事業区分は「コンサルティング事業」の単一セグメントであります。
2.金額は外部顧客に対する売上高を示しております。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
相手先 | 前事業年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) | 当事業年度 (自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
A社 | 3,033 | 12.6 | 3,819 | 11.6 |
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
5.顧客との各種契約において秘密保持条項が規定されているため、社名の公表は控えさせて頂きます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しているほかに国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づく財務諸表も作成しております。財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債及び事業年度の収益・費用の数値に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
(財政状態の分析)
日本基準に準拠した当事業年度における財政状態の分析は以下のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
当事業年度末における資産は、29,097百万円となり、前事業年度末に比べ5,930百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が5,341百万円、売掛金が1,639百万円、繰延税金資産が288百万円増加し、仕掛品が168百万円、その他の流動資産が247百万円、のれん償却額等により無形固定資産が1,128百万円減少したことによります。負債は、12,491百万円となり、前事業年度末に比べ1,766百万円増加しました。これは主に、未払法人税等が997百万円、未払消費税等が882百万円、賞与引当金が386百万円、その他の流動負債が432百万円増加し、長期借入金が1,050百万円減少したことによります。純資産は、16,606百万円となり、前事業年度末に比べ4,164百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が4,097百万円増加したことによります。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における財政状態の分析は以下のとおりであります。
なお、当社は、当事業年度よりIFRS第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」という。)を適用しており、使用権資産の増加等により有形固定資産が563百万円、リース負債が553百万円増加しております。
この結果、当事業年度末における資産は、35,241百万円となり、前事業年度末に比べ7,238百万円増加しました。これは主に、現金及び現金同等物が5,043百万円、売上債権及びその他の債権が1,396百万円、有形固定資産が563百万円、繰延税金資産が309百万円増加し、無形資産が185百万円減少したことによります。負債は、13,793百万円となり、前事業年度末に比べ2,372百万円増加しました。これは主に、リース負債が553百万円、未払法人所得税が997百万円、その他の流動負債が1,782百万円増加し、借入金が1,033百万円減少したことによります。資本は、21,448百万円となり、前事業年度末に比べ4,866百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が4,991百万円増加し、資本剰余金が212百万円減少したことによります。
(経営成績の分析)
日本基準に準拠した当事業年度における経営成績の分析は以下のとおりであります。
日本基準に準拠した業績
(単位:百万円)
回次 | 2019年2月期 | 2020年2月期 | 増減率 (%) |
会計期間 | 自 2018年3月1日 至 2019年2月28日 | 自 2019年3月1日 至 2020年2月29日 | |
売上高 | 23,991 | 32,917 | 37.2 |
売上原価 | 13,774 | 18,522 | 34.5 |
売上総利益 | 10,217 | 14,395 | 40.9 |
売上総利益率(%) | 42.6% | 43.7% | - |
販売費及び一般管理費 | 6,572 | 7,246 | 10.3 |
営業利益 | 3,645 | 7,149 | 96.1 |
営業利益率(%) | 15.2% | 21.7% | - |
経常利益 | 3,506 | 7,102 | 102.6 |
当期純利益 | 2,203 | 5,010 | 127.4 |
(注)百万円未満は四捨五入して記載しております。
当事業年度の売上高は、32,917百万円となり、前事業年度に比べ8,926百万円増加しました。これは主に、デジタルトランスフォーメーションに関連する案件の増加によるものです。当事業年度の販売費及び一般管理費は、7,246百万円となり、前事業年度に比べ674百万円増加しました。これは主に、人件費、コンサルタントの採用費によるものです。この結果、当事業年度の営業利益は、7,149百万円となり、前事業年度に比べ3,504百万円増加しました。
当事業年度の営業外費用は、47百万円となり、前事業年度に比べ92百万円減少しました。これは主に、支払手数料の減少79百万円によるものです。この結果、当事業年度の経常利益は、7,102百万円となり、前事業年度に比べ3,596百万円増加しました。法人税等合計は2,093百万円となり、前事業年度に比べ789百万円増加しました。この結果、当事業年度の当期純利益は、5,010百万円となり、前事業年度に比べ2,807百万円増加しました。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における経営成績の分析は以下のとおりであります。
IFRSに準拠した業績
(単位:百万円)
回次 | 2019年2月期 | 2020年2月期 | 増減率 (%) |
会計期間 | 自 2018年3月1日 至 2019年2月28日 | 自 2019年3月1日 至 2020年2月29日 | |
売上収益 | 24,294 | 32,978 | 35.7 |
売上原価 | 14,168 | 18,671 | 31.8 |
売上総利益 | 10,126 | 14,307 | 41.3 |
売上総利益率(%) | 41.7% | 43.4% | - |
販売費及び一般管理費 | 5,631 | 6,269 | 11.3 |
営業利益 | 4,489 | 8,038 | 79.1 |
営業利益率(%) | 18.5% | 24.4% | - |
税引前利益 | 4,386 | 7,976 | 81.9 |
当期利益 | 3,103 | 5,912 | 90.5 |
(注)百万円未満は四捨五入して記載しております。
当事業年度の売上収益は、32,978百万円となり、前事業年度に比べ8,684百万円増加しました。これは主に、デジタルトランスフォーメーションに関連する案件の増加によるものです。
当事業年度の販売費及び一般管理費は、6,269百万円となり、前事業年度に比べ638百万円増加しました。これは主に、人件費、コンサルタントの採用費によるものです。この結果、当事業年度の営業利益は、8,038百万円となり、前事業年度に比べ3,549百万円増加しました。当事業年度の金融費用は、62百万円となり、前事業年度に比べ41百万円減少しました。これは主に、支払利息の減少によるものです。この結果、当事業年度の税引前利益は、7,976百万円となり、前事業年度に比べ3,590百万円増加しました。当事業年度の法人所得税費用は2,064百万円となり、前事業年度に比べ781百万円増加しました。この結果、当事業年度の当期利益は、5,912百万円となり、前事業年度に比べ2,809百万円増加しました。
(参考情報1)
当社は、投資家が会計基準の差異にとらわれることなく、当社の業績評価を行い、当社の企業価値についての純粋な成長を把握するうえで有用な情報を提供することを目的として、EBITDAを経営成績に関する参考指標としております。なお、当該EBITDA及び算出方法は以下のとおりであります。
日本基準に基づくEBITDA =営業利益 +減価償却費及びその他の償却費 +のれん償却額
(単位:百万円)
回次 | 2019年2月期 | 2020年2月期 |
会計期間 | 自 2018年3月1日 至 2019年2月28日 | 自 2019年3月1日 至 2020年2月29日 |
日本基準による財務諸表における営業利益 | 3,645 | 7,149 |
調整額: | ||
+減価償却費及びその他の償却費 | 238 | 243 |
+のれん償却額 | 943 | 943 |
調整額小計 | 1,181 | 1,186 |
日本基準に基づくEBITDA | 4,826 | 8,335 |
(注)百万円未満は四捨五入して記載しております。
IFRSに基づくEBITDA =営業利益 +減価償却費及び償却費 ±IFRSによる調整 -その他の収益 +その他の費用
(単位:百万円)
回次 | 2019年2月期 | 2020年2月期 |
会計期間 | 自 2018年3月1日 至 2019年2月28日 | 自 2019年3月1日 至 2020年2月29日 |
IFRSによる財務諸表における営業利益 | 4,489 | 8,038 |
調整額: | ||
+減価償却費及び償却費 | 238 | 243 |
±IFRSによる調整 | 93 | 54 |
-その他の収益 | △0 | - |
+その他の費用 | 6 | 0 |
調整額小計 | 337 | 297 |
IFRSに基づくEBITDA | 4,826 | 8,335 |
(注)1.百万円未満は四捨五入して記載しております。
2.当事業年度における使用権資産に係る償却費については「+減価償却費及び償却費」から除いて「±IFRSによる調整」に含めております。
(参考情報2)
当社は、日本基準に基づいて財務諸表を作成しておりますが、第1期よりIFRSに基づいた財務諸表も作成しているため、「経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報」について、参考情報として記載しております。
経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
(のれんの償却に関する事項)
日本基準において、のれんの償却についてはその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却しております。この結果、のれん償却額として当事業年度の販売費及び一般管理費に943百万円計上しております。
参考情報として、IFRSにおいて、のれんの取得日以降の償却をしておりません。この影響により、IFRSでは、のれん償却額として当事業年度の販売費及び一般管理費に943百万円計上しておりません。
(キャッシュ・フローの分析)
当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、当社コンサルタントの人件費であります。また、主な設備投資需要としては、本社設備に係る固定資産投資等であります。
(財務政策)
当社は、コンサルティング業界における企業間競争に対応できる企業体質の強化を図っており、今後の事業発展を目指すため内部留保の充実に努めております。これにより、成長に向けた人材投資、設備投資並びに株主還元等は自己資金で賄う予定であります。
株主還元については、株主の皆様に対する安定的な利益還元を経営の重要課題と認識し、IFRSベースの配当性向20%~30%、且つ日本基準における分配可能額の範囲を目途にして、通期業績、財務体質の強化、内部留保の充実等を総合的に勘案したうえで、継続的に配当を実施することを基本方針としております。また、1株当たりの株主価値を高めるため、市場取引等により自己株式を取得する方針であります。
当社の持続的な成長と負債と資本の最適化を通じて、企業活動を最大化するための取組につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(金融商品関係)」、及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (2)国際会計基準による財務諸表 注記事項 27.金融商品」に記載しております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、経済環境の変化、人材の採用と育成、情報管理及びコンプライアンス等、さまざまなリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
d.経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。