有価証券報告書-第24期(2024/12/01-2025/11/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、人手不足や物価高を背景に、人材確保の必要性が強く意識されたことや賃金上昇圧力が強まったことから、雇用や所得環境が改善したことに加え、好調な観光産業やインバウンド消費の拡大により緩やかな回復基調が続きました。一方で、世界的な金融引締め、急速な円安の進行や物価上昇等により実質賃金が減少し個人消費が低迷するなど、景気下振れのリスクは大きく、先行き不透明な状況が続いております。
外食産業におきましては、消費活動や旅行など人流の回復が見られるなか、各種イベントにより外食需要が好調に推移しました。また、外国人観光客数が増加しインバウンド需要も回復傾向にありました。一方で、継続した物価の高騰により国内消費者の節約志向が高まったこと、人手不足は深刻化しており一層の賃上げの実施と価格転嫁が必要な状況であることなど、経営環境は引き続き厳しい状況となっております。
このような状況のなか、「全国1,000店舗体制を構築し、串カツ田中の串カツを日本を代表する食文化とする」という長期的な目標に向け、中期経営計画(2024年12月から2027年11月)に掲げた各重点テーマにおける取り組みを実施しました。
串カツ田中の安定成長としては、おもてなしの徹底と楽しいひとときの提供を重要視した営業を行うとともに、持続的な新規出店を行うため、人材の確保や従業員の待遇向上・人材への投資の取り組みの一環として、2024年12月の賃金から定期昇給を含め平均4.7%の賃上げを実施しました。今後は、当該定番商品をさらに進化させ、お客様を飽きさせないおいしさの追求を行うとともに、さらに、「おもてなし」と「おいしさ」の品質を高める取り組みを行ってまいります。
新業態・新規事業の確立・展開による成長としては、2024年8月にオープンした「京都天ぷら天のめし」(以下、天のめし)がその一例です。本業態は、「高揚する瞬間を、ザ・天ぷらテインメント」をキャッチコピーに掲げ、揚げたての天ぷらと炊き立ての羽釜ごはんを提供する新たな飲食ブランドです。国内のお客様に加え、訪日外国人のお客様においしさと楽しさを提供し、当年度は新たなブランドとして確立いたしました。また、同じく「天のめし」グループとして、「京都すき焼き天のめし」、「京都和牛とんかつ天のめし」をシリーズ展開し、インバウンド需要を取り込み順調な立ち上がりとなっております。さらに「天のめし」ブランドのカジュアルラインとして一人一人で楽しめる京都和牛すき焼き・しゃぶしゃぶの「富之上」も展開いたしました。今後は、多店舗展開を見据えた業態のブラッシュアップと、ブランド価値の向上に取り組んでまいります。
当連結会計年度の店舗の出店状況は、以下のとおりであります。
| ブランド | 期首 | 新店 | 退店 | 合計 |
| 串カツ田中 | 338 | 19 | 13 | 344 |
| 鳥と卵の専門店 鳥玉 | 4 | - | 1 | 3 |
| タレ焼肉と包み野菜の専門店 焼肉くるとん | 3 | - | 1 | 2 |
| 京都天ぷら 天のめし 他 | 1 | 5 | 1 | 5 |
| TANAKA | 3 | - | - | 3 |
| 合計 | 349 | 24 | 16 | 357 |
ハウスミール事業は、株式会社Antway が展開する手作りのお惣菜をサブスクリプション形式で提供する冷蔵宅配サービス「つくりおき.jp」と業務提携しており、適正人員の確保に向け人材採用を強化した結果、キッチンの生産性向上と稼働率向上を実現しております。
内装工事事業は、当社グループの店舗出店に伴う内装工事等の内製化を目的に事業を開始しました。グループシナジーを創出し、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を図っております。直営店の出店の内製化を実行し、出店に伴うコスト低減を実現するとともに、グループ外からの受注も好調に推移しております。
以上の結果、売上高は21,091,523千円(前連結会計年度比125.1%)、売上総利益は12,280,741千円(同121.6%)、販売費及び一般管理費は11,094,979千円(同119.9%)となり、営業利益は1,185,761千円(同139.8%)、経常利益は1,236,273千円(同146.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は744,588千円(同195.8%)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
串カツ田中は、継続的な新規出店、新定番商品の発売、積極的なSNS配信、継続している認知拡大を目指したメディア出演、異業種とのコラボレーション、各種キャンペーンにより、客数が増加しました。
この結果、売上高は、前連結会計年度と比べ2,452,115千円増加し17,522,150千円(前連結会計年度比116.3%)となりました。
国内その他は、新業態・新規事業の確立・展開による当社グループの持続的な成長として、「天のめし」ブランドが確立し、「天のめし」グループの展開を行い、新業態・新規事業の売上が増加いたしました。
この結果、売上高は、前連結会計年度と比べ305,661千円増加し863,393千円(前連結会計年度比154.8%)となりました。
ハウスミール事業は、人員の適正化及び教育による人材強化を行い工場を安定的にフル稼働できる状態となりました。そのため、当期計画どおり安定的に売上を上げることができました。
この結果、売上高は、前連結会計年度と比べ1,033,947千円増加し、1,302,610千円(前連結会計年度比484.8%)となりました。
内装工事事業は、串カツ田中及び新業態・新規事業の新店の内装工事に加え、外部からの受注も好調に推移しました。
この結果、売上高は、前連結会計年度と比べ256,388千円増加し、1,867,864千円(前連結会計年度比115.9%)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,341,069千円増加し、9,686,292千円となりました。これは、流動資産が1,659,958千円増加し、5,185,875千円となったこと及び固定資産が692,103千円増加し、4,495,836千円となったことによるものであります。
流動資産の主な増減内容は、現金及び預金の増加1,547,770千円などによるものであります。
固定資産の主な増減内容は、建物及び構築物の増加248,884千円、貸倒引当金の減少221,293千円によるものであります。
一方、負債については、流動負債が576,099千円増加し、3,652,879千円となったこと及び固定負債が129,466千円増加し、1,914,510千円となったことにより5,567,390千円となりました。
流動負債の主な増減内容は、買掛金の増加218,260千円、その他流動負債の増加313,062千円によるものであります。
固定負債の主な増減内容は、長期借入金の増加55,024千円によるものであります。
純資産については、新株式申込証拠金1,000,001千円の増加、親会社株主に帰属する当期純利益を744,588千円計上したこと、配当金の支払いにより利益剰余金が119,470千円減少したこと等により、4,118,901千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末と比較し1,565,905千円増加し、3,440,998千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、2,009,910千円(前連結会計年度は714,503千円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益933,881千円の計上、減価償却費442,079千円、関係会社株式評価損215,005千円等による資金の増加が、売上債権の増加188,379千円及び法人税等の支払額430,761千円等による資金の減少を上回ったことによるものであります。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は1,062,590千円(前連結会計年度は1,049,720千円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出822,288千円、差入保証金の差入による支出129,840千円及び貸付けによる支出106,675千円等による資金の減少が、差入保証金の回収による収入75,555千円等による資金の増加を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は618,476千円(前連結会計年度は69,966千円の増加)となりました。これは、新株式申込証拠金の払込による収入1,000,001千円及び長期借入れによる収入800,000千円による資金の増加が、短期借入金の返済による支出159,996千円、長期借入金の返済による支出901,970千円及び配当金の支払額119,458千円等による資金の減少を上回ったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年12月1日 至 2025年11月30日) | 前年同期比(%) |
| 串カツ田中(千円) | 6,557,520 | 117.4 |
| 国内その他(千円) | 270,157 | 140.6 |
| ハウスミール事業(千円) | 492,167 | 396.7 |
| 合計(千円) | 7,319,845 | 124.0 |
(注) 金額は、仕入価格によっております。
c. 外注実績
当連結会計年度における外注実績を示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年12月1日 至 2025年11月30日) | 前年同期比(%) |
| 内装工事事業(千円) | 1,256,857 | 150.1 |
| 合計(千円) | 1,256,857 | 150.1 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
d. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
e. 販売実績
当連結会計年度における販売実績を製品及びサービス別に示すと、次のとおりであります。
| 製品及びサービスの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年12月1日 至 2025年11月30日) | 前年同期比(%) |
| 串カツ田中 | ||
| 直営店売上(千円) | 13,219,362 | 116.8 |
| FC商品売上(千円) | 3,301,949 | 115.4 |
| FCロイヤリティ収入(千円) | 611,505 | 107.6 |
| その他(千円) | 389,332 | 120.0 |
| 国内その他 | ||
| 直営店売上(千円) | 834,746 | 154.7 |
| ハウスミール事業(千円) | 1,302,610 | 484.8 |
| 内装工事事業(千円) | 1,432,015 | 145.3 |
| 合計(千円) | 21,091,523 | 125.1 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の串カツ田中の既存店売上高、客数、客単価の2024年11月期実績との比較は以下のとおりであります。
(単位:%)
| 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 平均 | |
| 売上高 | 106.7 | 115.4 | 108.2 | 110.7 | 109.7 | 105.1 | 113.6 | 115.8 | 118.3 | 118.4 | 111.1 | 124.2 | 113.1 |
| 客数 | 105.8 | 114.6 | 106.3 | 112.9 | 108.5 | 104.2 | 113.4 | 118.7 | 118.8 | 118.8 | 111.3 | 123.8 | 113.1 |
| 客単価 | 100.8 | 100.7 | 101.8 | 98.0 | 101.1 | 100.8 | 100.2 | 97.6 | 99.5 | 99.7 | 99.8 | 100.4 | 100.0 |
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、串カツ田中の店舗数、客数、客単価であります。
(直営店の店舗数)
当連結会計年度は、全体として外食需要は回復傾向にあったため、直営店の出店は、上期3店舗、下期11店舗になり、通期で14店舗になりました。
(客数)
外食需要の回復に加え、新たな看板メニューの「無限ニンニクホルモン串」の販売により、前連結会計年度を上回る客数となりました。
(客単価)
提供サービスの付加価値向上や仕入れ価格の上昇等を考慮し、2023年9月において価格改定を行っていることから、当連結会計年度は前連結会計年度と同程度の客単価となりました。
以上の結果、当連結会計年度末においては、売上高は113.1%、客数は113.1%、客単価は100.0%となりました。
(a) 財政状態の状況
当連結会計年度の財政状態の状況につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
(b) 経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績の状況につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
(b) 資本の財源及び資金の流動性
・資金需要
当社グループの資金需要は、大きく分けて運転資金需要、設備資金需要があります。運転資金需要は、食材仕入れ、人件費、店舗賃借料及びその他店舗運営のための経費支払いのための資金であります。設備資金需要は、店舗造作等の有形固定資産の取得のための資金及び新規出店に伴う敷金及び保証金の支払いのための資金であります。
・財政政策
当社グループは運転資金につきましては、営業キャッシュ・フローで獲得した資金で賄い、設備資金につきましては、期初に年間の出店計画に応じた資金を長期借入金により調達すること及び不測の事態を想定してある程度の資金的な余裕を保持することを基本方針としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。