訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2017/03/21 15:00
【資料】
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【項目】
62項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
(2)経営成績の分析
第2期連結会計年度(自 2015年10月1日 至 2016年9月30日)
(売上収益・売上総利益)
売上収益は、前連結会計年度に比べ11,528百万円増加(前連結会計年度比8.5%増)し、147,702百万円となりました。これは主に、39店舗の新規出店、テイクアウト商品の強化及び1皿280円の高価格帯すしメニューが売上に貢献したこと等によるものであります。
売上原価は、72,008百万円となり、売上原価率は前連結会計年度と同様の48.8%となりました。これは仕入コストの安定化及び廃棄の削減に努めたこと等によるものであります。
この結果、売上総利益は、前連結会計年度に比べ6,005百万円増加(前連結会計年度比8.6%増)し、75,695百万円となりました。
(販売費及び一般管理費・その他の収益・その他の費用・営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ4,782百万円増加(前連結会計年度比7.7%増)し、67,102百万円となりました。これは主に、国内における店舗数の増加に伴う人件費及び地代家賃の増加、テレビCM等により広告宣伝費が増加したこと等によるものであります。
その他の収益は、前連結会計年度に比べ103百万円増加(前連結会計年度比112.7%増)し、195百万円となりました。また、その他の費用は、前連結会計年度に比べ705百万円増加(前連結会計年度比122.8%増)し、1,279百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に比べ減損損失が201百万円増加したことや上場関連費用を計上したこと等によるものであります。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ621百万円増加(前連結会計年度比9.0%増)し、7,509百万円となりました。
(金融収益・金融費用・親会社の所有者に帰属する当期利益)
金融収益は、前連結会計年度に比べ27百万円減少(前連結会計年度比26.5%減)し、76百万円となりました。また、金融費用は、前連結会計年度に比べ1,127百万円増加(前連結会計年度比63.8%増)し、2,893百万円となりました。これは主に、リファイナンスに係るコストを1,209百万円計上したこと等によるものであります。
この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ642百万円減少(前連結会計年度比16.8%減)し、3,184百万円となりました。
第3期第1四半期連結累計期間(自 2016年10月1日 至 2016年12月31日)
(売上収益・売上総利益)
売上収益は、前年同期に比べ2,956百万円増加(前年同期比8.3%増)し、38,408百万円となりました。これは主に、前連結会計年度の39店舗及び当第1四半期連結累計期間の10店舗の新規出店が売上に貢献したこと等によるものです。
売上原価は、18,786百万円となり、売上原価率は前年同期とほぼ同様の48.9%(前年同期比0.1%増)となりました。これは仕入コストの安定化に努めたこと等によるものであります。
この結果、売上総利益は、前年同期に比べ1,468百万円増加(前年同期比8.1%増)し、19,622百万円となりました。
(販売費及び一般管理費・その他の収益・その他の費用・営業利益)
販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ1,345百万円増加(前年同期比8.4%増)し、17,444百万円となりました。これは主に、国内における店舗数の増加に伴う人件費及び地代家賃の増加等によるものであります。
その他の収益は、前年同期に比べ4百万円増加(前年同期比52.2%増)し、11百万円となりました。また、その他の費用は、前年同期に比べ37百万円増加(前年同期比279.7%増)し、50百万円となりました。これは主に、前年同期に比べ上場関連費用が28百万円増加したこと等によるものです。
この結果、営業利益は、前年同期に比べ90百万円増加(前年同期比4.4%増)し、2,140百万円となりました。
(金融収益・金融費用・親会社の所有者に帰属する当期利益)
金融収益は、前年同期に比べ23百万円増加(前年同期比33.8%増)し、92百万円となりました。これは主に為替差益が23百万円増加したこと等によるものであります。また、金融費用は、前年同期に比べ204百万円減少(前年同期比63.1%減)し、119百万円となりました。これは主に支払利息が152百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期に比べ274百万円増加(前年同期比22.9%増)し、1,467百万円となりました。
(3)財政状態の分析
第2期連結会計年度(自 2015年10月1日 至 2016年9月30日)
(資産)
総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ5,884百万円増加し、122,356百万円となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ4,746百万円増加し、11,134百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が4,755百万円増加したこと等によるものであります。
非流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,138百万円増加し、111,222百万円となりました。これは主に、新規出店等により有形固定資産が1,280百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ27,650百万円増加し、97,498百万円となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ7,313百万円増加し、26,695百万円となりました。これは主に、営業債務の支払サイトの見直し及び店舗数の増加に伴い、営業債務及びその他の債務が6,233百万円増加したこと等によるものであります。
非流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ20,337百万円増加し、70,803百万円となりました。これは主に、長期借入金78,748百万円を借入れた一方で、57,916百万円を返済したこと等によるものであります。
(資本)
資本合計は、前連結会計年度末に比べ21,766百万円減少し、24,858百万円となりました。これは主に、当期利益を3,164百万円計上した一方で、自己株式の取得により自己株式を△25,028百万円計上したこと等によるものであります。
第3期第1四半期連結累計期間(自 2016年10月1日 至 2016年12月31日)
(資産)
総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ290百万円増加し、122,646百万円となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ316百万円減少し、10,818百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が1,178百万円減少した一方で、棚卸資産が447百万円、営業債権及びその他の債権が262百万円増加したこと等によるものであります。
非流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ606百万円増加し、111,828百万円となりました。これは主に、新規出店等により有形固定資産が621百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,222百万円減少し、96,276百万円となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ114百万円減少し、26,581百万円となりました。これは主に、店舗数の増加に伴い営業債務及びその他の債務が567百万円増加した一方で、引当金が372百万円、借入金が254百万円減少したこと等によるものであります。
非流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,108百万円減少し、69,695百万円となりました。これは主に、借入金が1,084百万円減少したこと等によるものであります。
(資本)
資本合計は、前連結会計年度末に比べ1,512百万円増加し、26,370百万円となりました。これは主に、四半期利益を1,466百万円計上したこと等によるものであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因の分析について
当社グループの売上及び費用は、経済情勢、他社との競合、消費者の嗜好の変化、食材価格、水道光熱費、新規出店、不動産賃料、自然災害、人件費等による影響を受けます。これらの変動要因が発生し、当社グループが適切に対応できなかった等の場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える他の要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。
(5)経営戦略の現状と見通し
厳しい経営環境の中、当社グループは「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」を使命として、スシローを中心とした各ブランドにおける収益力向上を図っております。個人消費が伸び悩む中、お客様に支持される店舗づくりに取り組むとともに、今後は都心部や海外など新たな市場への積極的な事業展開を行ってまいります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
第2期連結会計年度(自 2015年10月1日 至 2016年9月30日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,755百万円増加し、8,149百万円(前連結会計年度比140.1%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、15,215百万円(前連結会計年度比118.3%増)となりました。
これは主に、税引前利益4,692百万円、減価償却費及び償却費3,591百万円を計上したこと、営業債務の支払サイトの見直し等による営業債務及びその他の債務の増加が5,840百万円、法人所得税の還付額が438百万円あった一方で、利息の支払額が1,097百万円、法人所得税の支払額が1,980百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、4,581百万円(前連結会計年度比8.0%減)となりました。
これは主に、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出が3,011百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、5,854百万円(前連結会計年度比25.1%減)となりました。
これは主に、「②財務マネジメント」にて後述する自己株式の取得等を目的とした長期借入れによる収入が78,748百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が57,916百万円、自己株式の取得による支出が25,037百万円あったこと等によるものであります。
第3期第1四半期連結累計期間(自 2016年10月1日 至 2016年12月31日)
当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,178百万円減少し、6,971百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、1,976百万円(前年同期比49.6%減)となりました。
これは主に、税引前四半期利益2,113百万円、減価償却費及び償却費901百万円の計上、店舗の増加に伴う営業債務及びその他の債務の増加が767百万円あった一方で、棚卸資産の増加が446百万円、利息の支払額が69百万円、法人所得税の支払額が842百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,512百万円(前年同期比47.8%増)となりました。
これは主に、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出が1,296百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,653百万円(前年同期比22.7%増)となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出が1,377百万円あったこと等によるものであります。
②財務マネジメント
当社グループは、設備投資や運転資金のために、最適な資金確保と流動性の保持及び健全な財政状態を維持することを財務方針としております。
資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、銀行とコミットメントライン契約を締結しており、成長を維持するために必要とされる十分な流動性を確保していると考えております。
当社は2015年12月に資本政策上の観点から自己株式250億株を総額250億円で取得し、2016年12月にそのすべてを消却しております。自己株式取得資金は新規の借入れによって賄っており、資本と負債のバランスを図っております。
(7)経営者の問題認識と今後の方針
当社グループは、「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」を使命として、直営方式による回転すし店を中心に展開しております。今後、一層お客様に喜ばれ必要とされる店舗づくりに取り組み、企業価値の増大を図ってまいります。
当社グループの問題意識と今後の方針の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」をご参照ください。