有価証券報告書-第39期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)における世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢に起因する原材料価格及びエネルギー価格の上昇や、労働人口の減少等による人件費の上昇、世界的な根強いインフレに伴う金融引き締めによる景気減速懸念等、先行きが不透明な状況が継続しております。
当社グループの属する外食産業について、国内においては、新型コロナウイルス感染症の法令上の位置づけが変更され、人流の回復や、入国規制の解除に伴うインバウンドの回復により、経済活動が活発になっている一方で、原材料及びエネルギー価格の上昇や人件費の上昇、昨年から続く円安、物価高騰に伴う景気減速の懸念等、引き続き厳しい経済状況にあります。海外においては、地政学的な不安定要素において、原材料及びエネルギー価格の高騰が懸念されるとともに、インフレに伴う金融引き締めによる景気減速が懸念され、引き続き注視が必要な状況にある点は国内と同様であります。
このような状況のもと、当社グループでは、「変わらないために、変わり続ける」という企業理念に基づき、国内においては、新規出店や全国各地のイベント等への出店、コラボ商品・期間限定商品の販売等により販売機会を拡大してまいりました。このほか2023年10月には、より一層のブランド力・商品価値向上を行いお客様にいつまでも楽しんでいただくことを目的に、8年ぶりに看板商品である「白丸元味」、「赤丸新味」、3年ぶりに「からか麺」のリニューアルと価格改定を実施しております。また海外においては、期間限定やデザートなど新メニューの導入や既存のメニューの見直しなど商品戦略を強化することにより集客を図るとともに、原材料価格高騰等を反映した販売価格改定、さらにDX施策によりコスト削減を行うことにより収益の改善を行っております。商品販売につきましては、国内では引き続き一風堂関連商品のB2B営業の強化を行うとともに、海外では食の多様性に対応しているラーメン商品として「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプの輸出販売の拡大に取り組んでまいりました。
上記の取り組みを実施する中、当連結会計年度末の店舗数はライセンス形態での展開を含め、当社グループ合計で287店舗(国内145店舗、海外142店舗、前期末比国内6店舗増、海外5店舗増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における財政状態、経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ248百万円減少し、17,229百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,877百万円減少し、7,959百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,629百万円増加し、9,269百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高31,776百万円(前期比21.7%増)、営業利益3,296百万円(前期比44.5%増)、経常利益3,489百万円(前期比50.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,186百万円(前期比34.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
国内店舗運営事業につきましては、売上高13,982百万円(前期比21.7%増)、セグメント損益は1,416百万円の利益(前期比127.2%増)となりました。
海外店舗運営事業につきましては、売上高14,322百万円(前期比21.9%増)、セグメント損益は1,788百万円の利益(前期比20.0%増)となりました。
商品販売事業につきましては、売上高3,471百万円(前期比20.8%増)、セグメント損益は459百万円の利益(前期比14.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,575百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,699百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は3,934百万円(前連結会計年度は2,852百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,059百万円の計上、減価償却費876百万円及び減損損失388百万円等の非資金的費用の計上があった一方で、法人税等の支払額340百万円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は2,406百万円(前連結会計年度は967百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入209百万円があったものの、定期預金の預入による支出1,257百万円、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出1,172百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は3,561百万円(前連結会計年度は71百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純減少2,360百万円、長期借入による収入2,321百万円、長期借入金の返済による支出2,733百万円、配当金の支払660百万円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.国内店舗運営事業及び海外店舗運営事業は、店舗運営が主であり生産を行っておりません。
3.当連結会計年度における生産実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり
であります。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.当連結会計年度における仕入実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり
であります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.当社の主要顧客は個人のため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は作成しておりません。
2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり
であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき、作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、固定資産の減損処理につきましては、「3.事業等のリスク(12)固定資産の減損会計について」の記載に関連する会計処理であり、会社運営・業績に重大な影響を及ぼす可能性のある事項として認識しております。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ248百万円減少し17,229百万円となりました。これは主に、現金及び預金が826百万円減少したこと、売掛金が238百万円増加したこと、棚卸資産が56百万円増加したこと、有形固定資産が96百万円増加したこと、投資有価証券が108百万円増加したこと、敷金及び保証金が112百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,877百万円減少し7,959百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が67百万円増加したこと、有利子負債が2,721百万円減少したこと、未払金が112百万円増加したこと、未払法人税等が277百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,629百万円増加し9,269百万円となり、自己資本比率は53.8%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,186百万円増加したこと、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が47百万円増加したこと、為替換算調整勘定が193百万円増加したものの、配当金の支払いによる利益剰余金が662百万円減少したこと、自己株式を159百万円取得したこと等によるものであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は31,776百万円(前期比21.7%増)となりました。
国内については、新規に12店舗を出店したほか、定借満了した店舗、将来の収益性低下が見込まれる店舗、不採算の店舗等の戦略的閉店を6店舗行った結果、前期比6店舗増加いたしました。このほか、全国各地のイベント等への出店、コラボ商品・期間限定商品の販売等の実施により販売機会を拡大したことにより、人流の回復やインバウンド需要をタイムリーに取り込むことができ、売上の獲得につながりました。また、2023年7月の価格改定のほか、2023年10月に看板商品である主要メニューについて商品力を強化するリニューアル及び原材料や人件費に起因する原価上昇に見合った価格改定を行ったことも客単価の上昇を通じて売上の獲得につながっております。また、一風堂関連商品のB2B販売においてコンビニエンスストア期間限定商品や機内食商品が好調でありました。海外については新規メニューの導入や既存の看板メニューの見直しを行うことにより集客を確保しつつ価格改定を実施したことが売上の獲得につながったほか、円安傾向が継続していることも売上の増加要因であります。以上の結果、国内店舗運営事業の売上高は前期比21.7%増、海外店舗運営事業の売上高は前期比21.9%増、商品販売事業の売上高は前期比20.8%増となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の営業利益は3,296百万円(前期比44.5%増)となりました。
国内店舗運営事業、海外店舗運営事業ともに、店舗スタッフのシフトコントロール、モバイルオーダーやタブレットオーダー導入等のDX施策を実施いたしました。また、不採算店舗の閉店を実施したほか、売上高が増加したことに伴い国内店舗運営事業、海外店舗運営事業ともに増益となりました。
商品販売事業においても、主力の一風堂関連商品の販売強化が奏功し、増益となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の経常利益は3,489百万円(前期比50.3%増)となりました。これは主に、為替差益や賃貸収入等の営業外収益374百万円を計上した一方で、支払利息48百万円及び賃貸収入原価119百万円等の営業外費用を計上したことで、営業利益3,296百万円から192百万円の増加となりました。
(税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は3,059百万円(前期比64.2%増)となりました。これは主に、減損損失及び固定資産除却損等により特別損失を433百万円計上したことにより、経常利益3,489百万円から429百万円の減少となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,186百万円(前期比34.2%増)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額を873百万円計上したことによるもので、税金等調整前当期純利益3,059百万円から873百万円の減少となりました。
セグメント別の業績の概況
<国内店舗運営事業>国内店舗運営事業につきましては、「一風堂」ブランドにおいて11店舗、「五行」ブランドにおいて1店舗出店した一方で、「一風堂」ブランドにおいて3店舗、「RAMEN EXPRESS」ブランドにおいて3店舗閉店したことから、当連結会計年度末の店舗数は145店舗(前期末比6店舗増)となりました。また、「RAMEN EXPRESS」4店舗について「一風堂」への業態変更を行っております。
新型コロナウイルス感染症の法令上の位置づけが変更されたことによる人流の回復や、入国規制の解除に伴うインバウンドの回復に対して、上記の出店数の増加や全国各地でのイベントへの出店、「太つけ麺」や「味噌赤丸」等の期間限定商品、コラボ商品等の販売を実施したことによりタイムリーに需要を取込むことができ集客につながりました。特に2024年2月には、1994年に出店し一風堂を全国の皆様に知っていただくきっかけとなった新横浜ラーメン博物館に約3ヶ月間の期間限定で出店して行ったコラボ商品や限定商品の販売が好評を博しました。一方、2023年7月の価格改定のほか、2023年10月には看板商品である主要メニューのリニューアルにより商品力の強化を行いつつ、価格改定を実施いたしました。これにより商品価値を損なうことなく原材料高騰や人件費上昇による原価上昇に見合った価格転嫁を実施でき、2021年3月比で客単価が約15%上昇いたしました。このほか、モバイルオーダーやタブレットオーダーの導入等、DX施策を推進することで原価低減による利益率の改善を継続的に図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は13,982百万円(前期比21.7%増)となりました。セグメント損益は、客単価の上昇や経費見直し等を実施したことで、1,416百万円の利益(前期比127.2%増)となりました。
<海外店舗運営事業>海外店舗運営事業につきましては、シンガポールに3店舗、フランスに2店舗、台湾に2店舗、中国に3店舗、マレーシアに2店舗、タイに2店舗、ベトナムに1店舗、インドネシアに1店舗、フィリピンに1店舗、香港に1店舗(合計18店舗)出店した一方で、中国で6店舗、香港で3店舗、ベトナムで2店舗、マレーシアで1店舗、台湾で1店舗(合計13店舗)閉店したことから、当連結会計年度末の店舗数は142店舗(前期末比5店舗増)となりました。
各エリア総じて、インフレの影響により原材料価格の高騰や賃金・物流費の上昇等に見舞われる中、価格改定による客単価上昇を図りつつ、経費等の抑制による原価低減を継続的に行うことで利益率改善を図ってまいりました。また、上記の出店や戦略的閉店のほか、期間限定商品の販売やデザートメニューの導入、看板主要メニューの見直し等により顧客のニーズにきめ細かく対応することで集客を増加させるとともに、国内同様にDX施策導入による業務効率の向上による原価低減を図ってまいりました。さらに、為替レートが円安傾向で推移していることも売上の増加につながっております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、客単価の上昇や期中を通し想定為替レートより円安にて推移したことにより、14,322百万円(前期比21.9%増)となりました。セグメント損益は1,788百万円の利益(前期比20.0%増)となりました。
<商品販売事業>商品販売事業につきましては、コンビニエンスストアにおける「冷だしとんこつラーメン」や「極豚骨らぁめん」等の販売や、小売店等における冷凍タイプの「白丸元味」、「赤丸新味」の販売、2022年12月より国際線の機内食に採用されている「一風堂プラントベースラーメン~プラとん(Pla-ton)」好調な販売を継続しております。また、2023年8月に麺の製造工程で発生する端材を利用したクラフトビール「KAEDAMA ALE」の販売を開始いたしました。このように主力の一風堂関連商品のB2B営業を強化し、商品ラインナップの充実及び販売チャネルの拡大を行ってきたことが売上増加につながっております。海外では、利益率が高く、前連結会計年度に好調に推移した「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプの日本からの輸出が、計画より遅延いたしました。そのため、セグメント全体の利益率低下に影響しました。引き続き、国内外共に一風堂関連商品の販売チャネル拡大を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,471百万円(前期比20.8%増)、セグメント損益は459百万円の利益(前期比14.2%増)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループ資金需要は主に出店資金と事業活動に必要な運転資金であります。これらの資金調達は営業活動によるキャッシュ・フローや銀行借入等の方法により行っております。
当連結会計年度においては、金融機関より短期借入金140百万円、長期借入金2,321百万円を調達しております。また、期末日現在の現金及び現金同等物の残高は5,575百万円であり、当座貸越契約の未実行残高は1,010百万円であります。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、ラーメンを中心とした日本の食文化を世界に伝えるべく、国内外ともに新規出店を進めており、売上高・営業利益・営業利益率・ROEを経営指標とし、各指標の向上を目指しております。
各指標の進捗状況は下記のとおりであります。
経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは創業の精神である、「食を通して新しい価値を創造し「笑顔」と「ありがとう」とともに世界中に伝えていく。変わらないために変わり続ける。」をグローバルに実現するために、ひとりのお客様に一杯のラーメンを通じて、真心をこめて商品やサービスを提供しております。2024年3月31日現在では日本国内にて145店舗、欧米やアジアを中心に海外14の国と地域で142店舗、合わせて287店舗を展開しております。そのために、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載した課題を克服し、今後もラーメンとともに「笑顔とありがとう」を伝え、顧客満足度向上への取り組みに注力してまいります。加えて、出店数を増加させることで事業を拡大させ、顧客価値向上とともに企業価値を高め、ステークホルダーの利益最大化の実現にも努めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)における世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢に起因する原材料価格及びエネルギー価格の上昇や、労働人口の減少等による人件費の上昇、世界的な根強いインフレに伴う金融引き締めによる景気減速懸念等、先行きが不透明な状況が継続しております。
当社グループの属する外食産業について、国内においては、新型コロナウイルス感染症の法令上の位置づけが変更され、人流の回復や、入国規制の解除に伴うインバウンドの回復により、経済活動が活発になっている一方で、原材料及びエネルギー価格の上昇や人件費の上昇、昨年から続く円安、物価高騰に伴う景気減速の懸念等、引き続き厳しい経済状況にあります。海外においては、地政学的な不安定要素において、原材料及びエネルギー価格の高騰が懸念されるとともに、インフレに伴う金融引き締めによる景気減速が懸念され、引き続き注視が必要な状況にある点は国内と同様であります。
このような状況のもと、当社グループでは、「変わらないために、変わり続ける」という企業理念に基づき、国内においては、新規出店や全国各地のイベント等への出店、コラボ商品・期間限定商品の販売等により販売機会を拡大してまいりました。このほか2023年10月には、より一層のブランド力・商品価値向上を行いお客様にいつまでも楽しんでいただくことを目的に、8年ぶりに看板商品である「白丸元味」、「赤丸新味」、3年ぶりに「からか麺」のリニューアルと価格改定を実施しております。また海外においては、期間限定やデザートなど新メニューの導入や既存のメニューの見直しなど商品戦略を強化することにより集客を図るとともに、原材料価格高騰等を反映した販売価格改定、さらにDX施策によりコスト削減を行うことにより収益の改善を行っております。商品販売につきましては、国内では引き続き一風堂関連商品のB2B営業の強化を行うとともに、海外では食の多様性に対応しているラーメン商品として「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプの輸出販売の拡大に取り組んでまいりました。
上記の取り組みを実施する中、当連結会計年度末の店舗数はライセンス形態での展開を含め、当社グループ合計で287店舗(国内145店舗、海外142店舗、前期末比国内6店舗増、海外5店舗増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における財政状態、経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ248百万円減少し、17,229百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,877百万円減少し、7,959百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,629百万円増加し、9,269百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高31,776百万円(前期比21.7%増)、営業利益3,296百万円(前期比44.5%増)、経常利益3,489百万円(前期比50.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,186百万円(前期比34.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
国内店舗運営事業につきましては、売上高13,982百万円(前期比21.7%増)、セグメント損益は1,416百万円の利益(前期比127.2%増)となりました。
海外店舗運営事業につきましては、売上高14,322百万円(前期比21.9%増)、セグメント損益は1,788百万円の利益(前期比20.0%増)となりました。
商品販売事業につきましては、売上高3,471百万円(前期比20.8%増)、セグメント損益は459百万円の利益(前期比14.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,575百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,699百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は3,934百万円(前連結会計年度は2,852百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,059百万円の計上、減価償却費876百万円及び減損損失388百万円等の非資金的費用の計上があった一方で、法人税等の支払額340百万円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は2,406百万円(前連結会計年度は967百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入209百万円があったものの、定期預金の預入による支出1,257百万円、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出1,172百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は3,561百万円(前連結会計年度は71百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純減少2,360百万円、長期借入による収入2,321百万円、長期借入金の返済による支出2,733百万円、配当金の支払660百万円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月 1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内店舗運営事業(千円) | - | - |
| 海外店舗運営事業(千円) | - | - |
| 商品販売事業(千円) | 1,060,868 | 130.9% |
| 合計(千円) | 1,060,868 | 130.9% |
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.国内店舗運営事業及び海外店舗運営事業は、店舗運営が主であり生産を行っておりません。
3.当連結会計年度における生産実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり
であります。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月 1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内店舗運営事業(千円) | 3,792,925 | 136.7% |
| 海外店舗運営事業(千円) | 3,497,423 | 109.5% |
| 商品販売事業(千円) | 1,023,798 | 100.3% |
| 合計(千円) | 8,314,147 | 119.0% |
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.当連結会計年度における仕入実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり
であります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月 1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 国内店舗運営事業(千円) | 一風堂 | 10,353,278 | 129.4% |
| その他 | 3,629,562 | 104.0% | |
| 小計 | 13,982,840 | 121.7% | |
| 海外店舗運営事業(千円) | IPPUDO | 12,794,120 | 127.1% |
| その他 | 1,528,757 | 90.7% | |
| 小計 | 14,322,878 | 121.9% | |
| 商品販売事業(千円) | 3,471,211 | 120.8% | |
| 合計(千円) | 31,776,930 | 121.7% | |
(注)1.当社の主要顧客は個人のため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は作成しておりません。
2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり
であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき、作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、固定資産の減損処理につきましては、「3.事業等のリスク(12)固定資産の減損会計について」の記載に関連する会計処理であり、会社運営・業績に重大な影響を及ぼす可能性のある事項として認識しております。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ248百万円減少し17,229百万円となりました。これは主に、現金及び預金が826百万円減少したこと、売掛金が238百万円増加したこと、棚卸資産が56百万円増加したこと、有形固定資産が96百万円増加したこと、投資有価証券が108百万円増加したこと、敷金及び保証金が112百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,877百万円減少し7,959百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が67百万円増加したこと、有利子負債が2,721百万円減少したこと、未払金が112百万円増加したこと、未払法人税等が277百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,629百万円増加し9,269百万円となり、自己資本比率は53.8%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,186百万円増加したこと、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が47百万円増加したこと、為替換算調整勘定が193百万円増加したものの、配当金の支払いによる利益剰余金が662百万円減少したこと、自己株式を159百万円取得したこと等によるものであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は31,776百万円(前期比21.7%増)となりました。
国内については、新規に12店舗を出店したほか、定借満了した店舗、将来の収益性低下が見込まれる店舗、不採算の店舗等の戦略的閉店を6店舗行った結果、前期比6店舗増加いたしました。このほか、全国各地のイベント等への出店、コラボ商品・期間限定商品の販売等の実施により販売機会を拡大したことにより、人流の回復やインバウンド需要をタイムリーに取り込むことができ、売上の獲得につながりました。また、2023年7月の価格改定のほか、2023年10月に看板商品である主要メニューについて商品力を強化するリニューアル及び原材料や人件費に起因する原価上昇に見合った価格改定を行ったことも客単価の上昇を通じて売上の獲得につながっております。また、一風堂関連商品のB2B販売においてコンビニエンスストア期間限定商品や機内食商品が好調でありました。海外については新規メニューの導入や既存の看板メニューの見直しを行うことにより集客を確保しつつ価格改定を実施したことが売上の獲得につながったほか、円安傾向が継続していることも売上の増加要因であります。以上の結果、国内店舗運営事業の売上高は前期比21.7%増、海外店舗運営事業の売上高は前期比21.9%増、商品販売事業の売上高は前期比20.8%増となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の営業利益は3,296百万円(前期比44.5%増)となりました。
国内店舗運営事業、海外店舗運営事業ともに、店舗スタッフのシフトコントロール、モバイルオーダーやタブレットオーダー導入等のDX施策を実施いたしました。また、不採算店舗の閉店を実施したほか、売上高が増加したことに伴い国内店舗運営事業、海外店舗運営事業ともに増益となりました。
商品販売事業においても、主力の一風堂関連商品の販売強化が奏功し、増益となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の経常利益は3,489百万円(前期比50.3%増)となりました。これは主に、為替差益や賃貸収入等の営業外収益374百万円を計上した一方で、支払利息48百万円及び賃貸収入原価119百万円等の営業外費用を計上したことで、営業利益3,296百万円から192百万円の増加となりました。
(税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は3,059百万円(前期比64.2%増)となりました。これは主に、減損損失及び固定資産除却損等により特別損失を433百万円計上したことにより、経常利益3,489百万円から429百万円の減少となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,186百万円(前期比34.2%増)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額を873百万円計上したことによるもので、税金等調整前当期純利益3,059百万円から873百万円の減少となりました。
セグメント別の業績の概況
<国内店舗運営事業>国内店舗運営事業につきましては、「一風堂」ブランドにおいて11店舗、「五行」ブランドにおいて1店舗出店した一方で、「一風堂」ブランドにおいて3店舗、「RAMEN EXPRESS」ブランドにおいて3店舗閉店したことから、当連結会計年度末の店舗数は145店舗(前期末比6店舗増)となりました。また、「RAMEN EXPRESS」4店舗について「一風堂」への業態変更を行っております。
新型コロナウイルス感染症の法令上の位置づけが変更されたことによる人流の回復や、入国規制の解除に伴うインバウンドの回復に対して、上記の出店数の増加や全国各地でのイベントへの出店、「太つけ麺」や「味噌赤丸」等の期間限定商品、コラボ商品等の販売を実施したことによりタイムリーに需要を取込むことができ集客につながりました。特に2024年2月には、1994年に出店し一風堂を全国の皆様に知っていただくきっかけとなった新横浜ラーメン博物館に約3ヶ月間の期間限定で出店して行ったコラボ商品や限定商品の販売が好評を博しました。一方、2023年7月の価格改定のほか、2023年10月には看板商品である主要メニューのリニューアルにより商品力の強化を行いつつ、価格改定を実施いたしました。これにより商品価値を損なうことなく原材料高騰や人件費上昇による原価上昇に見合った価格転嫁を実施でき、2021年3月比で客単価が約15%上昇いたしました。このほか、モバイルオーダーやタブレットオーダーの導入等、DX施策を推進することで原価低減による利益率の改善を継続的に図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は13,982百万円(前期比21.7%増)となりました。セグメント損益は、客単価の上昇や経費見直し等を実施したことで、1,416百万円の利益(前期比127.2%増)となりました。
<海外店舗運営事業>海外店舗運営事業につきましては、シンガポールに3店舗、フランスに2店舗、台湾に2店舗、中国に3店舗、マレーシアに2店舗、タイに2店舗、ベトナムに1店舗、インドネシアに1店舗、フィリピンに1店舗、香港に1店舗(合計18店舗)出店した一方で、中国で6店舗、香港で3店舗、ベトナムで2店舗、マレーシアで1店舗、台湾で1店舗(合計13店舗)閉店したことから、当連結会計年度末の店舗数は142店舗(前期末比5店舗増)となりました。
各エリア総じて、インフレの影響により原材料価格の高騰や賃金・物流費の上昇等に見舞われる中、価格改定による客単価上昇を図りつつ、経費等の抑制による原価低減を継続的に行うことで利益率改善を図ってまいりました。また、上記の出店や戦略的閉店のほか、期間限定商品の販売やデザートメニューの導入、看板主要メニューの見直し等により顧客のニーズにきめ細かく対応することで集客を増加させるとともに、国内同様にDX施策導入による業務効率の向上による原価低減を図ってまいりました。さらに、為替レートが円安傾向で推移していることも売上の増加につながっております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、客単価の上昇や期中を通し想定為替レートより円安にて推移したことにより、14,322百万円(前期比21.9%増)となりました。セグメント損益は1,788百万円の利益(前期比20.0%増)となりました。
<商品販売事業>商品販売事業につきましては、コンビニエンスストアにおける「冷だしとんこつラーメン」や「極豚骨らぁめん」等の販売や、小売店等における冷凍タイプの「白丸元味」、「赤丸新味」の販売、2022年12月より国際線の機内食に採用されている「一風堂プラントベースラーメン~プラとん(Pla-ton)」好調な販売を継続しております。また、2023年8月に麺の製造工程で発生する端材を利用したクラフトビール「KAEDAMA ALE」の販売を開始いたしました。このように主力の一風堂関連商品のB2B営業を強化し、商品ラインナップの充実及び販売チャネルの拡大を行ってきたことが売上増加につながっております。海外では、利益率が高く、前連結会計年度に好調に推移した「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプの日本からの輸出が、計画より遅延いたしました。そのため、セグメント全体の利益率低下に影響しました。引き続き、国内外共に一風堂関連商品の販売チャネル拡大を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,471百万円(前期比20.8%増)、セグメント損益は459百万円の利益(前期比14.2%増)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループ資金需要は主に出店資金と事業活動に必要な運転資金であります。これらの資金調達は営業活動によるキャッシュ・フローや銀行借入等の方法により行っております。
当連結会計年度においては、金融機関より短期借入金140百万円、長期借入金2,321百万円を調達しております。また、期末日現在の現金及び現金同等物の残高は5,575百万円であり、当座貸越契約の未実行残高は1,010百万円であります。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、ラーメンを中心とした日本の食文化を世界に伝えるべく、国内外ともに新規出店を進めており、売上高・営業利益・営業利益率・ROEを経営指標とし、各指標の向上を目指しております。
各指標の進捗状況は下記のとおりであります。
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
| 売上高 | 19,398百万円 | 26,116百万円 | 31,776百万円 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 1,050百万円 | 2,281百万円 | 3,296百万円 |
| 営業利益率 | 5.4% | 8.7% | 10.4% |
| ROE | 36.2% | 28.5% | 25.9% |
経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは創業の精神である、「食を通して新しい価値を創造し「笑顔」と「ありがとう」とともに世界中に伝えていく。変わらないために変わり続ける。」をグローバルに実現するために、ひとりのお客様に一杯のラーメンを通じて、真心をこめて商品やサービスを提供しております。2024年3月31日現在では日本国内にて145店舗、欧米やアジアを中心に海外14の国と地域で142店舗、合わせて287店舗を展開しております。そのために、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載した課題を克服し、今後もラーメンとともに「笑顔とありがとう」を伝え、顧客満足度向上への取り組みに注力してまいります。加えて、出店数を増加させることで事業を拡大させ、顧客価値向上とともに企業価値を高め、ステークホルダーの利益最大化の実現にも努めてまいります。