有価証券報告書-第40期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/24 11:01
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157項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)における世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢に起因する原材料及びエネルギー価格の上昇、賃上げや労働人口の減少による人件費の上昇、アメリカ新政権による関税施策に起因する世界的なインフレによる景気減速懸念等、先行きが不透明な状況が継続しております。
当社グループの属する外食産業について、国内においては、人流の回復による個人消費の拡大や、インバウンド消費が拡大し、経済活動が活発になっている一方で、原材料及びエネルギー価格の上昇や人件費の上昇、長期間に及ぶ円安による影響や、物価高騰に伴う景気減速の懸念等、引き続き厳しい経済状況にあります。海外においては、地政学的な不安定要素において、原材料及びエネルギー価格の高騰が続いております。インフレによる金融引き締めは緩和傾向にあるものの、アメリカ新政権による関税施策に伴うスタグフレーションの懸念等、引き続き注視が必要な状況にある点は国内と同様であります。
このような状況のもと、当社グループでは、「変わらないために、変わり続ける」という企業理念に基づき、国内においては、新規出店が順調に進んでいることや、既存店の売上が堅調に推移していること、「太つけ麺」や「味噌赤丸」等のシーズナル商品の販売、メディア露出の増加が集客につながったほか、引き続きモバイルオーダーやタブレットオーダーの導入等、DX施策に取り組み、利益率の改善を図っております。今後、新規出店を加速すべく、採用を強化しており、社員数は増加しております。それに伴い、人件費は増加傾向にありますが、基本給の引き上げや労働環境の改善により、離職率は低下しており、スキルアップによる更なる収益性向上が期待できます。2025年2月には、M&Aにより味噌ラーメン店を運営しております株式会社ライズを取得することを決議し、2026年3月期より当社グループとなり、事業拡大を図ってまいります。海外においては、インフレによる原材料や人件費、家賃等のコスト増加により営業利益が悪化いたしました。景気が不安定であり、外食に対する消費マインドの低下や一定数のリモートワーク定着等によりコロナ前と比べ人流に変化が起きており、来店客数はいくつかの拠点において減少傾向にあります。そのような情勢を踏まえ、新規出店については計画より慎重に判断しておりますが、特にアメリカにおいて、行政の許認可遅延や、施工業者による工事遅延により、新規出店が大幅に遅延いたしました。今後の更なる展開に向けて、海外研修制度等を通じた、人材育成を拡充しております。商品販売につきましては、引き続き、国内では一風堂関連商品のB2B営業の強化を行うとともに、海外では、食の多様性に対応しているラーメン商品として「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプの輸出販売の拡大に取り組んでまいりました。
上記の取り組みを実施する中、当連結会計年度末の店舗数はライセンス形態での展開を含め、当社グループ合計で296店舗(国内156店舗、海外140店舗、前期末比国内11店舗増、海外2店舗減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における財政状態、経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,311百万円増加し、18,541百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ79百万円減少し、7,879百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,391百万円増加し、10,661百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高34,166百万円(前期比7.5%増)、営業利益2,809百万円(前期比14.8%減)、経常利益2,841百万円(前期比18.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,758百万円(前期比19.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
国内店舗運営事業につきましては、売上高15,556百万円(前期比11.3%増)、セグメント損益は1,547百万円の利益(前期比9.3%増)となりました。
海外店舗運営事業につきましては、売上高14,690百万円(前期比2.6%増)、セグメント損益は1,124百万円の利益(前期比37.1%減)となりました。
商品販売事業につきましては、売上高3,919百万円(前期比12.9%増)、セグメント損益は513百万円の利益(前期比11.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6,497百万円となり、前連結会計年度末に比べ922百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は3,083百万円(前連結会計年度は3,934百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,622百万円の計上、減価償却費928百万円及び減損損失250百万円等の非資金的費用の計上があった一方で、法人税等の支払額711百万円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は1,588百万円(前連結会計年度は2,406百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入1,203百万円があったものの、定期預金の預入による支出1,365百万円、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出1,282百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は828百万円(前連結会計年度は3,561百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払664百万円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月 1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
国内店舗運営事業(千円)--
海外店舗運営事業(千円)--
商品販売事業(千円)1,153,630108.7%
合計(千円)1,153,630108.7%

(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.国内店舗運営事業及び海外店舗運営事業は、店舗運営が主であり生産を行っておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月 1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
国内店舗運営事業(千円)4,269,401112.6%
海外店舗運営事業(千円)3,502,772100.2%
商品販売事業(千円)1,223,106119.5%
合計(千円)8,995,279108.2%

(注)金額は、仕入価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月 1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
国内店舗運営事業(千円)一風堂12,434,095120.1%
その他3,121,95686.0%
小計15,556,052111.3%
海外店舗運営事業(千円)IPPUDO13,383,670104.6%
その他1,306,77585.5%
小計14,690,445102.6%
商品販売事業(千円)3,919,612112.9%
合計(千円)34,166,110107.5%

(注)当社の主要顧客は個人のため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は作成しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき、作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、固定資産の減損処理につきましては、「3.事業等のリスク(12)固定資産の減損会計について」の記載に関連する会計処理であり、会社運営・業績に重大な影響を及ぼす可能性のある事項として認識しております。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,311百万円増加し18,541百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,233百万円増加したこと、有形固定資産が258百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ79百万円減少し7,879百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が74百万円増加したこと、未払金が96百万円増加したこと、資産除去債務が40百万円増加したものの、有利子負債が108百万円減少したこと、未払法人税等が165百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,391百万円増加し10,661百万円となり、自己資本比率は57.5%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,758百万円増加したこと、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が14百万円増加したこと、為替換算調整勘定が365百万円増加したものの、配当金の支払いによる利益剰余金が666百万円減少したこと、自己株式を68百万円取得したこと等によるものであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は34,166百万円(前期比7.5%増)となりました。
国内については、新規に19店舗を出店したほか、定借満了した店舗、将来の収益性低下が見込まれる店舗、不採算の店舗等の戦略的閉店を8店舗行った結果、前期比11店舗増加いたしました。このほか、既存店が堅調に推移していること、シーズナル商品の販売、メディア露出の増加が集客につながりました。また、一風堂関連商品のB2B販売において量販店向けが好調でありました。海外について、インフレ等により景気が不安定であり、外食に対する消費マインドの低下や、一定数のリモートワークの定着によるオフィス人口が減少していること等により、来店客数が前年比で減少いたしましたが、円安効果により増加いたしました。以上の結果、国内店舗運営事業の売上高は前期比11.3%増、海外店舗運営事業の売上高は前期比2.6%増、商品販売事業の売上高は前期比12.9%増となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の営業利益は2,809百万円(前期比14.8%減)となりました。
国内店舗運営事業、海外店舗運営事業ともに、店舗スタッフのシフトコントロール、モバイルオーダーやタブレットオーダー導入等のDX施策を実施いたしました。しかし海外においては、インフレによる原材料や人件費等のコスト増加により大幅な減益となりました。 商品販売事業においても、主力の一風堂関連商品の販売強化が貢献いたしました。
(経常損益)
当連結会計年度の経常利益は2,841百万円(前期比18.5%減)となりました。これは主に、受取利息や賃貸収入等の営業外収益254百万円を計上した一方で、為替差損48百万円及び賃貸収入原価130百万円等の営業外費用を計上したことで、営業利益2,809百万円から32百万円の増加となりました。
(税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は2,622百万円(前期比14.3%減)となりました。これは主に、減損損失及び固定資産除却損等により特別損失を262百万円計上したことにより、経常利益2,841百万円から219百万円の減少となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,758百万円(前期比19.6%減)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額を864百万円計上したことによるもので、税金等調整前当期純利益2,622百万円から864百万円の減少となりました。
セグメント別の業績の概況
<国内店舗運営事業>国内店舗運営事業につきましては、「一風堂」ブランドにおいて17店舗、「因幡うどん」ブランドにおいて2店舗出店した一方で、「一風堂」ブランドにおいて4店舗、「RAMEN EXPRESS」ブランドにおいて3店舗、「因幡うどん」ブランドにおいて1店舗閉店したことから、当連結会計年度末の店舗数は156店舗(前期末比11店舗増)となりました。また、「RAMEN EXPRESS」3店舗、「その他」1店舗について「一風堂」へ業態変更を行っております。地方店舗やインバウンド需要が高い店舗等、商圏の変動に合わせて店舗の入れ替えを実施しております。
当セグメントの状況は、経済の正常化により、人流の回復やインバウンドの増加による消費拡大が売上に貢献いたしました。新規出店が順調に進んでいることや、既存店の売上が堅調に推移していること、シーズナル商品や店舗限定商品の販売を実施したこと、メディアの露出増加が集客につながりました。賃上げ等により人件費等のコストは増加傾向にありますが、従業員のスキルアップやDX施策等の運営効率化により、営業利益率は前年同水準程度を維持しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は15,556百万円(前期比11.3%増)となりました。セグメント損益は、1,547百万円の利益(前期比9.3%増)となりました。
<海外店舗運営事業>海外店舗運営事業につきましては、台湾に5店舗、ベトナムに2店舗、タイに2店舗、アメリカに1店舗出店した一方で、台湾で4店舗、アメリカで2店舗、中国で2店舗、シンガポールで1店舗、オーストラリアで1店舗、インドネシアで1店舗、香港で1店舗閉店したことから、当連結会計年度末の店舗数は140店舗(前期末比2店舗減)となりました。出店については、景気減速の懸念や地政学的な不安定要素などを考慮し慎重に判断しているため、出店数は、計画未達となりました。
当連結会計年度の当セグメントにおける対象期間(2024年1月1日から2024年12月31日まで)の状況は、インフレの影響により原材料価格の高騰や、賃金・家賃費のコスト上昇に見舞われました。それに伴い、価格改定やコスト見直しを実施いたしましたが、コスト増加分に対しての対応が間に合っておりません。景気が不安定であり、外食に対する消費マインドの低下や、一定数のリモートワークの定着によるオフィス街の人口が減少していること、既存出店国における大統領選挙等に伴う景気先行きに対する懸念により、来店客数が前年比で減少いたしました。また新規国や商圏の変動に伴う新規エリア開発の初期コストの計上や、計画に見込んでおりました新規出店が遅延したことによるコスト増加も営業利益に影響いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、14,690百万円(前期比2.6%増)となりました。セグメント損益は1,124百万円の利益(前期比37.1%減)となりました。
<商品販売事業>商品販売事業につきましては、新商品として低糖質高たんぱく質の「一風堂 Clear Noodle」や十割そば、動物性の原料を使用していないプラントベースそばつゆの販売を開始いたしました。また、ECサイトにおいて一部商品を定期的にお届けする定期便制度も開始いたしました。引き続き、新規商品や国内外における販路拡大を進めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,919百万円(前期比12.9%増)、セグメント損益は513百万円の利益(前期比11.6%増)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループ資金需要は主に出店資金と事業活動に必要な運転資金であります。これらの資金調達は営業活動によるキャッシュ・フローや銀行借入等の方法により行っております。
当連結会計年度においては、金融機関より短期借入金140百万円、長期借入金1,900百万円を調達しております。また、期末日現在の現金及び現金同等物の残高は6,497百万円であり、当座貸越契約の未実行残高は1,010百万円であります。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、ラーメンを中心とした日本の食文化を世界に伝えるべく、国内外ともに新規出店を進めており、売上高・営業利益・営業利益率・ROEを経営指標とし、各指標の向上を目指しております。
各指標の進捗状況は下記のとおりであります。
2023年3月期2024年3月期2025年3月期
売上高26,116百万円31,776百万円34,166百万円
営業利益2,281百万円3,296百万円2,809百万円
営業利益率8.7%10.4%8.2%
ROE28.5%25.9%17.6%

経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは創業の精神である、「食を通して新しい価値を創造し「笑顔」と「ありがとう」とともに世界中に伝えていく。変わらないために変わり続ける。」をグローバルに実現するために、ひとりのお客様に一杯のラーメンを通じて、真心をこめて商品やサービスを提供しております。2025年3月31日現在では日本国内にて156店舗、欧米やアジアを中心に海外14の国と地域で140店舗、合わせて296店舗を展開しております。そのために、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載した課題を克服し、今後もラーメンとともに「笑顔とありがとう」を伝え、顧客満足度向上への取り組みに注力してまいります。加えて、出店数を増加させることで事業を拡大させ、顧客価値向上とともに企業価値を高め、ステークホルダーの利益最大化の実現にも努めてまいります。

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